Quantcast
Channel:
Viewing all 1442 articles
Browse latest View live

【インタビュー】リリックラウンジVol.02、一十三十一の描く歌詞の世界。Dorianとの制作秘話、独特の制作スタイルを語る

$
0
0
一十三十一
歌詞とはアーティストの紡ぐ言葉の芸術。歌詞に込められたメッセージを理解することで、音楽はより一層味わい深くなるものです。そんな歌詞文化を盛り上げたいという想いからこの度始動したのが、シリーズ『リリックラウンジ』。 第2回目のゲストには、シンガーソングライター一十三十一が登場! 彼女のバックボーンが垣間見える制作スタイルや、歌詞の世界観に秘めた思い、昨年発売されたDorianプロデュースのアルバム『ECSTASY』についてなど、幅広くお話を伺った。

(取材協力:リリックスピーカー)

Interview:一十三十一

一十三十一 ——はじめに、アルバムの制作スタイルについて訊かせていただけますか? 『CITY DIVE』から『The Memory Hotel』までのアルバムはコンセプチュアルに作っていたんです。アートディレクターの弓削(匠)さんと一緒に、アルバムの脚本から作っていって。脚本をしっかり作ってそれを曲に割っていき、それぞれの場面のサントラを作っていくという手法をとっていました。映画のサントラという考え方ですね。 『CITY DIVE』は東京から横浜を、夜の7時から朝の7時までデートするっていう設定。その映画のサントラが『CITY DIVE』なんです。 『Surfbank Social Club』、『Snowbank Social Club』は、『波の数だけ抱きしめて』『私をスキーに連れてって』『彼女が水着に着替えたら』のホイチョイ・プロダクション3部作へのオマージュとして、それぞれシーズナルなアルバムになっています。これも脚本を作って、曲へ割って、そのサントラを作る発想で制作しました。

一十三十一『Snowbank Social Club』 MV

——その時代へのあこがれを感じますが、実際にあこがれがあったのでしょうか? この世界観へのあこがれは、私の小さい時にまでさかのぼるもので。両親が北海道で「Big Sun」というトロピカルアーバンリゾートレストランをやっていたんです。それはまさに、鈴木英人さんが描かれた、山下達郎さんのアルバム『For You』のカバーアートの世界観を具現化したようなお店で、私が生まれた1978年から14年間やっていました。札幌の冬は気温がマイナスになるのですが、うちだけは常夏だったんです。お店の外にも中にもフェイクの巨大なヤシの木があって、スタッフみんな年柄年中アロハを着て。良い音楽がかかっておいしい食事ができる場所で、時は80年代、ピカピカの車に乗って、イケてる大人たちがオシャレして遊びにくる所謂デートスポットだったんです。 一十三十一 一十三十一 一十三十一 私、そこに行くたびに「大人ってなんて素敵なの」って思っていました。それがまさにホイチョイな感じだったわけです。子供の頃はそれが日常であり、同時にあこがれでもありました。『Surfbank Social Club』をつくる頃、小さい頃のそのあこがれを確信したんです。子供の頃にあこがれていた大人の年代に差し掛かり、ついに満を持してホイチョイへのオマージュを作ろうと思って。原点回帰ですね。ただ、世界観へのオマージュであり、詞や曲調は今のものにアップデートしたものです。

一十三十一 『Surfbank Social Club』MV

——80年代へのオマージュとしてバランスが絶妙だなと感じています。 『CITY DIVE』を作った時はシティポップなんていうジャンルがなく、かなり手探りなものでした。もっと遡ると、私の音楽は今思えばもっと実験的なものだったんです。色々な要素を好きなだけ盛り込んだような。なので、『CITY DIVE』は2002年のデビューから2012年までのその実験期を経て、色々試みてみた先のアルバムでした。北海道なのに常夏という、うちのトリッピーな「Big Sun」もリアル体験であり、私の原風景。なので、ウソすぎる印象ではないのだと思います。 ——昨年発売されたアルバム「Ecstasy」はどういったコンセプトで作られたのでしょうか。 「一十三十一に夏のアルバムを出してほしい」というのを周りから言われてましたし、私もそろそろ夏に出したいと思っていました。シティポップ界におけるTUBEみたいな立ち位置というか(笑)。そこで、今度は、最近やっていたコンセプチュアルな方法ではなく、プロデューサーを一人立てて、二人きりで限りなく自由に果てしなく気持ち良いものを作りたいなと。 それで、Dorianにお願いしたんです。Dorianと夏に出すということ以外はほとんど自由に考え、まずは「夏の大人の訳ありリゾート」っていうミステリアスなざっくりテーマで進めました。 それまでに描いてきたような湘南方面に代わって、今回の舞台は実際にありそうでなさそうであるかもみたいな、敢えてアブストラクトにしました。色々断片的なイメージはありますが、例えば「外国から見た熱海」みたいなイメージもあります。ラグジュアリーでエキゾチックで神秘的、そして訳ありリゾートっていう設定で(笑)。 一十三十一 ——『Ecstasy』の中で思い入れのある曲の歌詞は? 一曲目の“Ecstasy”です。まずDorianからデモが上がってきて、すごく良かったのでトラックに忠実に、そこに何があるか探す旅を楽しみました。 今回のアルバムの歌詞は、これに取り掛かる頃にじっくり読んでみたかった、ギリシャ神話、古事記、源氏物語などといった古典文学や古典哲学を読みあさっていて。そういった神話的な、ロマンティックかつ普遍的なテーマと、現実的なことを融合させて、不思議な親しみやすさのある世界観が出来上がればいいなと思っていました。 現実的なインスピレーションは、日々のフレッシュな日記や詩を読み返すことで得ています。 脚本もなく、久々に自由に作れるからまずはDorianからあがってくるトラックを楽しみました。トラックを感じ、音楽の中に入って泳いでそこに何があるのかをじっくり見て、それに一番ふさわしい言葉を選んでいきました。日記の言葉から神話へ広げたり、その逆だったり、自由にやらせてもらいました。 アニミスティックなものをかけあわせて不思議な見え方にしたくて。ただただ現実的な恋愛じゃない風に着地させたかったんです。あとはこの音楽を神様にお供えする気持ちで作りました。 ——なるほど。歌詞を考える時の生活の変化はありますか? だいたい、全然ご飯を食べなくなります。その世界に入ると、消化にエネルギーを使うのが嫌で。そうするとどんどん心身が研ぎ澄まされて、神様に近づける感じがして清々しい。食べないでいると色々なことが刺激的になって、集中して描き続けられる。修行僧の様にみるみる痩せていくので、みんなから大丈夫? って聞かれるんですけど、終わったら普通の生活に戻るから大丈夫なんです(笑)。 それから、夢からのインスパイアもありますね。早朝起きた瞬間に夢の内容を書き出したり。制作中に見る夢は特に変ですね。

一十三十一「Labyrinth ~風の街で~」MV

——心配になってしまいますが……。どれぐらいの期間、そうしていたのでしょう? 冬の間です。すごく快適で、余分なものが削ぎ落とされる感じなんです。最高な時間を楽しませてもらい感謝しています。 ——普段、どんな場所で歌詞を書いているのでしょうか? 家に、小さなボックスのようなスタジオがあるんです。家族には“ジェイル”って呼ばれています(笑)。 あまりに伝えたいメッセージや意味が出てきちゃうと、メロディやトラックとの距離が出てきてしまうから歌いながら作るんです。家族が寝た後も作れるように、そのスタジオの中で作ります。 歌詞自体はどこでも書きますね。ホテルのラウンジや大自然の中や旅先や移動中。書くところはいつも色々ですが、最終的にまとめるのはその“ジェイル”の中です。 ——また『Ecstasy』に戻りますが、日記から言葉を選ぶと仰っていましたが、昔の日記から選ぶこともありますか? 今回はそこまで昔のものは使っていないです。『The Memory Hotel』の後の日記からの言葉を選びました。 私の事がもとになっていたり、古典作品をモチーフにしたりと、内容は完全にフィクション。また、ちょうどエリックロメールを十数作品続けて観たばかりだったので、ロメールの世界観にも影響されました。例えば、“Galaterie”は髭おっさんの恍惚ソング。まさにロメール!

一十三十一「Flash of Light」MV

——改めて、Dorian氏との制作過程はいかがでしたか? Dorianの楽曲は、様々な音色や楽器が、美しい庭のように数学的に哲学的に整然と配置されていて、宇宙の摂理の中に飛び込んで混ざり合う感じ。とてもスピリチュアルな体験でした。 例えば、“Swept Away”というラバーズの曲が届いた時、この世のものとは思えない美しさで怖いくらいで。その辺の普段のイメージだけじゃ到底追いつかないと思いました。 ——私は“Serpent Coaster”のコーラスを書かせてもらいましたが、その時に、この曲は「どん底な状況だけどそれを楽しんでいる気持ち」と言っていて。どん底でもそれを楽しんでいるというところが、“一十三十一”らしいと思いました。 その曲は気持ちが弱っている時の日記を参考にしているんですが、「落ち込みすぎて弱いという状況は、実は無敵で強い」という哲学に至った気持ちでした。谷底の川には全てのエネルギーが流れ込む境地というか。 例えば、コーヒー買ってそれを待っているという日常の中で、私の頭の中はこんなにぐるぐるジェットコースターのようだけど、すぐ隣にいるあなたは何も分からないでしょ? というのは、客観的にみるとフフフともはや笑える面白い状況かなって。 混沌としてますがいつものようにポジティブなメッセージです。リスナーと共有したいところはそういうところですね。手に届くファンタジーとして。

一十三十一『Ecstasy』試聴ダイジェスト

EVENT INFORMATION

hitomitoi clubsetで緊急出演決定! エバーラスティングメロウ

2018.05.26(土) START 15:00 江ノ島OPPA-LA ¥3,000 hitomitoi clubset (Kashif,Dorian) やましゅた達郎 DJ: nutsman Tetsuya Suzuki(TOPGUN) strawberrysex okadada ましゅ gotez 詳細はこちら

RELEASE INFORMATION

Ecstasy

2017.07.19(水) 一十三十一 Billboard Records HBRJ-1027 ¥2,600(+tax) [amazonjs asin="B072JG9YH5" locale="JP" title="ECSTASY"]
▼RELATED

【インタビュー】リリックラウンジVol.01、Seihoの描く歌詞の世界。物語の主題歌としてストーリーを紡ぐ?

一十三十一オフィシャルサイトリリックスピーカーオフィシャルサイト

取材協力:歌詞を楽しむ次世代スピーカー リリックスピーカー interview&text by detroitbaby

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.


劇伴を細野晴臣が担当、是枝裕和監督の最新作『万引き家族』一般試写会にご招待!

$
0
0
万引き家族
リリー・フランキー、安藤サクラを始めとする出演キャストが先日発表された是枝裕和監督の長編14作目となる待望の最新作万引き家族。映画の全国公開日は6月​8日(金)だが、公開に先駆けて5月29日(火)に一般試写会の開催が決定! Qeticから10組20名様をご招待。

『万引き家族』ストーリー

東京の下町で質素に暮らす、一見ありふれた家族。しかし、彼らは生計を立てるため、家族ぐるみで軽犯罪を重ねていたのだった。犯罪でしかつながれなかった家族の“許されない絆”が、ある事件をきっかけに衝撃の展開を迎える。人と人との関係が希薄な今の時代に、真の“つながり”とは何かを問う、心揺さぶる衝撃と感動の物語。息子と協力して万引きを重ねる父・治をリリー・フランキー、その妻・信代を安藤サクラ、彼女の妹・亜紀を松岡茉優、家族の“定収入”として年金を当てにされる祖母・初枝を樹木希林が演じる。さらに、池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人、森口瑤子ら実力派俳優たちが集結。そしてオーディションで抜擢された城桧吏(じょう・かいり)と佐々木みゆの2人の子役が瑞々しい表情を見せている。また、音楽は、是枝監督と初タッグを組む、細野晴臣が担当する。
万引き家族
細野晴臣
是枝監督作品としては『海街diary』以来3年ぶり5回目のコンペティション部門出品となり、世界中から集まった選りすぐりの作品とともに、その賞の行方にも大きな注目が集っている映画『万引き家族』。 応募の注意事項をご確認の上、ぜひ応募してほしい。

PRESENT INFORMATION

映画『万引き家族』一般試写会

2018.05.29(火) OPEN 18:00/START 18:30 ※上映時間120分 よみうりホール 東京都千代田区有楽町1-11-1 読売会館7階 ※当日はキャスト・スタッフが登壇する予定はございません。 10組20名様

▼メールでの応募方法

「応募する」ボタンをクリック後、お問い合わせフォームより、お問い合わせ内容を「プレゼントのご応募」とし、メッセージ本文に下記必要事項を明記のうえご応募ください。 1)ご希望のプレゼント:映画『万引き家族』一般試写会 2)お名前: 3)住所:〒 4)メールアドレス: 5)電話番号: ※応募情報が未記入の場合は無効とさせて頂きます。 応募する

▼Twitterでの応募方法

1)Twitterにて「@Qetic」をフォロー 2)下記ボタンよりこのページをRTして下さい。 Twitterで応募する! ※当選者にはDMにてご連絡させて頂き、上記必要事項の確認をさせて頂きます。 ※フォローされていない方の応募は無効とさせて頂きます。

応募期間

2018年5月9日(火)〜5月15日(火)23:59まで ※いかなる理由でも開映後のご入場はお断りさせていただいておりますため、ご了承ください。 ※当選者ご本人を含む2名様までのご招待となります。 ※未就学児のお子様の方のご入場は、お断りさせていただきます。 ※上映中の写真撮影、動画撮影、録音行為はいかなる場合も禁止いたします。 ※本編上映後、アンケートを実施する可能性がございます。実施の場合は、是非ご協力お願い出来ますと幸いです。 ※当日マスコミ取材が入る可能性がございます。ご了承ください。 ※招待状が未着となった場合でも一切保障いたしかねます。予めご了承ください。

『万引き家族』

6月​8日(金)​TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

​​監督・脚本・編集:是枝裕和 音楽:細野晴臣(ビクターエンタテインメント) 出演: リリー・フランキー 安藤サクラ  松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ 緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 / 柄本明 高良健吾 池脇千鶴 / 樹木希林 ​​ 配給:ギャガ (C)2018『万引き家族』 製作委員会 詳細はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

ノガミカツキの世界のサウナ

$
0
0
はじめまして。メディアアーティストのノガミカツキです。 今回コラムの依頼を頂き、その文にロウリュウのこととか自由に何でも。。と書いてあり、ロウリュウ期待されてるやんけ! と思い、サウナについて書いてみたいと思います。というのも、私は2週間前からカナダはモントリオールに滞在しており、過去にも展覧会の出展の際にアイスランド、オーストリア、フィリピン、ハンガリー、ドイツ、などなどのサウナを訪れて来たので、せっかくなのでこの機会に世界のサウナを紹介してみようかなと思います。 ちなみに今、滞在の資金調達のクラウドファンディングをしているので、読んでくれた方は是非このcampfireから支援していただけると嬉しいです。。 海外のサウナと日本のサウナで遭遇する大きな違いは ・混浴 ・水着着用 ・水風呂が無い ・高い ・スチームサウナ ・寝てる
nordik sauna
参照:scandinave spa
などが挙げられます。マイナスポイント多い。。しかし、TVが一切無く瞑想用によくできたサウナや、冷水が溜まった大きな桶を天井から被る気持ち良さなど、別の良いところもたくさんあり、文化形成や人となりも感じるのも事実です。 さて今回は、ちょうど先週カナダはオタワのサウナに行きました。新居に五月から入居できる事になってしまいホテル代もかさむしどうせだったら小旅行にいこうと思い、近場のオタワに行きました。日本だと宿泊施設としていつも利用してたなあ。。オタワの印象を人に聞くと、みんな口を揃えてつまらない街と言います。首都なので政治的な中心ではありますが、文化的なものはあまり感じない。観光業が発達してない東京駅周辺って感じかなあ。。国会議事堂など主要観光地を後目にサウナに向かいます。 今回向かうサウナは、日本のザ・サウナ的な街の銭湯ではなく、サウナ村、 みたいな場所です。名前は「nordik spa」 意味は北欧サウナです。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
やはりどこも北欧をモデルにするんですね。少し山に登る位置にあるためタクシーで20分ほど行き、どんどん人目が無くなりチェルシーという街に着きます。田舎の方は家がどれもとても可愛くて、泊まったBBもフランス人の婦人がロココ調趣味でとってもかわいかったです。Uberの運転手もどこか分からなくて迷っていました。 そしてこのサウナ村には、なんと9種類のサウナがあります。日本でこんなに種類が多い所なんて無いんじゃないかな? HPを見ているだけでもかなり面白いです。 泊まっているBBから黒いリスを横目に歩く事五分。標識がspa仕様に。。!!
Photo by ノガミカツキ
駐車場はほぼ満車。金曜の昼だけどかなり混んでいそう。入り口では焚き木で暖をとるマダムたち。北欧感出てますね〜(土曜の朝に行ったら比べ物にならない位並んでいました)。
Photo by ノガミカツキ
エントランスはあまり混んでいない様子。バスローブをもらい、キーにわざわざお金をチャージして、いざ! 更衣室はそんな広くないけどシャワーにシャンプーがあるのはここだけでした。ちなみに、ヨーロッパでも多くのサウナが混浴で、水着着用必須な所が多いです。たまにタオルだけのラッキースケベ的な場所もあります。外に出るとサウナ村が広がり、バスローブに身を包まれた老若男女のカナディアン達が優雅な時間を過ごしています。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
ディズニー的にテンションが上がってきて全く整う気配がないぞ!! しかし、とても静か。それもそのはず、サウナ村はsilent、whisper、socialの3つのエリアで分かれており、ここはwhisper(ささやき)エリアでした。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
1番近くにあるonsenの湯船に入ります。ちゃんと岩で作られた湯船で、名前の通り日本の温泉からインスピレーションされたと書かれていました。まるで源泉が出ている風にお湯が出ています。が、海外の湯船特有で、湯がぬるい!!!! 自分は雪育ちで、43度がちょうど良いと感じてしまうのでここの37度はぬるすぎる。。全然温まらないので移動します。 サウナ村のメイン会場の広場の隣にあるBANYÄ SAUNA(ロシアサウナ)に入ります。溶岩的な赤い間接照明(めっちゃLEDテープが貼ってあった)の下、若い男女がたくさん寝そべって、中央にはサウナストーブがあります。このサウナストーブはレンガとサウナストーンを組み合わせています。ドライとスチームの中間である事が血行を促して肌を浄化するそうです。メインのスペースにあるため、なかなか混んでいますが、とっても広い! 頑張れば30人くらい入れそうです。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
さて、ヨーロッパのサウナ室内では、日本と違って寝ている人がとても多いです。サウナ室に枕があるくらいなので、寝ながら長々と入るのを推奨しているくらいです。 ですが、このロシアサウナはバンバン人が入れ替わり、みんな5分も入らないで出て行っているようです。観光地的なノリで来ている人たちらしいですね。サウナストーブは20分に1度ほどストーブ内でオートロウリュウが行われていました。ちなみにロウリュウとは、サウナ石に水をかけて高温の水蒸気を発生させ、サウナ室内の温度と湿度を上げる、フィンランド発祥のサウナ入浴法です。 外に塩があったので汗をかいてから塩を体に塗って20分ほど入ったところで外に出ました。ちなみにみんな体を流す際に塩を塗っていました。 ここの水風呂は2つほどあり、冷たい方は10度の極寒でした。。温泉並みの広さのスペースマウンテン的なところから降り注ぐ水風呂に入り、カチンコチンに痛すぎてすぐに出浴。。玄人用すぎて誰も入っていませんでした(笑)。冬はこんなになるらしいです↓
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
自分は水風呂の後は湯船に入って整うタチなので、1番大きい湯船プールに入ります。ここは40度程の湯温で、onsenよりは全然気持ち良いです。そして、そのすぐ隣にフィンランドサウナを見つけ、アウフグース毎1時間という文字が目に飛び込んできました。この日だけでも10回以上回やっているようです。日本だと大体1日1度、週に1、2回のところが多いですかね、ここはアウフグースがヤバイという事がわかりました。 次の時間に備えてsocialゾーンに向かいます。よくフェスやフィンランド特集でみかける丸いコテージサウナをみつけました。6、7人しか入れないドライサウナです。
nordik sauna
参照:CANADIAN BLOG HOUSE
ここもぬるくて微妙だったのですぐ別のサウナに移動します。2段ベッドが8個ほど入っている超低温サウナもあります。socialスペースではバーもあり、チキンを頬張りながら温水プールで街を見渡せます。個人的にはスピーカーが岩の形をして風景に紛れているのがとてもポイントが高かったです。このサウナ村、民度の高さを感じていましたが、ここではナンパしている人もみかけました、socialスペースだからね!
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
socialでぷかぷかした後にsilentゾーンに向かいました。ここは本当に静かで、ハンモックやソファがいくつもあり、瞑想している人が多いです。大きなテントを見つけ、モンゴリアンサウナという文字を見つけました。 入ってみると、外からは判別できないほどに大きい空間が広がっています。真ん中のサウナストーブから光が天井に当てられ、紫や緑などに変わっていき、幻想的な雰囲気です。サークル上の空間は真ん中から段差が5段ほどあり、モンゴル文字で柱に何か書いてあります。ベンチの下に隠れているスピーカーから瞑想用の音楽が流れ、みんな麻でできたクッションを使って寝ています。どこから聞こえてるかわからない空間を感じる音楽、適度な暗さ、開放的でしっかりと暖かい空間、このモンゴリアンサウナが一番気に入りました。大小あり、小さい方しかHPにはありませんでした。
Photo by Jim Bamboulis
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
お腹が減ったのでレストランに行きます。このサウナ村のHPでは準備事項が載っていて、バスローブ、サンダル、水筒、本、サングラス、防寒のハット……などなど書いてあり、長時間滞在する前提でできているので、レストランとカフェとバー、そして宿泊用のコテージなどもありました。レストランは牛肉がうまかった。。 食事の後に温水プールでのんびりして、ついにフィンランドサウナのアウフグースに向かいます。どのサウナの扉にも氷があり、氷を頭にかけてのぼせ防止ができます。若者が特に多く、座禅を組んでる玄人おばさんもいました。アウフグースの説明がフランス語と英語で行われていきますが、サウナストーンにかけるのは扉にある氷を丸めた雪玉にオレンジやコーヒーなどのエッセンシャルオイル、日本のミント水よりかなり種類が多くてびっくり。。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
そして、音楽とともにアウフグースが始まります。このアウフグースをやるサウナマイスター、日本でみる渋い系のおっさんでも、チェーンでバイトしてる若い人でもなく、ダンディでセクシーな30、40代の男女です。音楽に合わせてさながらフィギアスケートのようにタオルを使って踊り始めました!!!! しかも、二刀流です。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
タオルで仰がれる風は、全く自分には届かなく、思わず吹き出してしまいました。しかし、この風は直接人に当てる風ではなく、サウナ室内に気流をつくっているんだと、段々気づいてきました。なので、自分に向けている風じゃないのに、どこからともなく風がふわっとそよいできます。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
しかも、熱波だけでなく涼しいそよ風まで時折流れてきて、外気浴も兼ねているようです。上から下からタオルを流し、時折軽やかにジャンプして私たちの前を仰ぎます。氷水1バケツにつき、1曲ずつ照明も変わっていき、リバーブのかかったアコースティックギターにショートディレイ気味のボーカルが響いていきます。。この曲やオイルもマイスター達が選んでいるらしいです。 サウナマイスターの華麗なダンスが終了し、会場は拍手喝采。日本のアウフグースとは全く違かったけど、とっても気持ちの良い爽やかなもので、汗もほどほどにかく事ができました。営業終了間際に覗きに行ったら、別の店員さんがアウフグースを習っていました。出張マイスターさんではなくて、店員内で教育してまかなっている感じなのかな? HPで確認したところ、ドイツで5週間もアウフグースの研修をするらしいです!!
nordik sauna
参照:CANADIAN BLOG HOUSE
そしてsocialスペースとsilentスペースの間にあるこれまた15度の水槽水風呂で体を冷やし、瞑想サウナという中サイズのサウナに入ります。この時点で既に夜の8時だったので、中にはいちゃついている1組のカップルが待ち構えていました。丸いサウナには半パノラマの窓がついており、サウナストーブではなく焚き木が真ん中で燃えており、カップルたちのハートも燃え上がっていました。。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
他にもサウナストーンが大量にあるサウナや、
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
北欧サウナなのにドライサウナなどもありました。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
夜になるとサウナ村はクリスマスのように白LEDで木を纏い、また雰囲気を変えていました。温水プールからは夜景も見えて、モンゴリアンサウナや音楽をコーナーなどを周回して、営業終了時間の23時までたっぷりとくつろがせて頂きました。
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
nordik sauna
Photo by Nordik Spa-Nature
さてこのサウナ村、6時間ほど滞在しましたが、正直あまり整いませんでした(笑)。色々種類が多すぎてテンションが上がりすぎた事や、好きな水風呂がなかった事も挙げられますが、個人的には今回持っていった水着が、肌に吸い付いたりして全く体が開放されませんでした。。久しぶりに水着でサウナに入ったのですが、こっちでは水着にも気を使わないと、良いサウナ体験が出来ないという事を痛感しました。。
nordik sauna
Picture by borutanext5
それではまた次回も!そしてクラウドファンディングも!

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

ライアン・レイノルズ、忽那汐里が登壇予定!『デッドプール2』レッドカーペット・セレモニーにご招待!

$
0
0
デッドプール2
ライアン・レイノルズ(Ryan Reynolds)主演、『アベンジャーズ』『X-MEN』『スパイダーマン』を生み出したマーベル史上、最も過激(やりすぎ)なヒーローとして、絶大な人気を誇る“デッドプール”の続編、2018年6月1日(金)公開予定『デッドプール2』。

ライアン・レイノルズ、忽那汐里が登壇のレッドカーペット・セレモニー開催!

デッドプール2 6月1日(金)の映画公開に先駆けてライアン・レイノルズの来日、レッドカーペット・セレモニーの開催が決定した! マーベルヒーローの中で最高に個性的なデッドプール。全世界に“デップー旋風”を吹き荒らした何から何まで常識ハズレのヒーローを映画の世界に連れてきたことについて、レイノルズは、「僕はあの映画を作ろうとして、ほぼ11年の人生をかけた」と俺ちゃん誕生までの長い道のりを振り返り、想いの強さを明かした。 そんな前作では、ゴールデン・グローブ賞コメディ/ミュージカル部門の作品賞にノミネートされた初の実写版スーパーヒーロー映画として称賛され、レイノルズも最優秀男優にノミネートされた。待望のどデカイ2発目となる本作では、前作の豪快で強烈なノリはさらに加速し、予想をはるかに超える興奮と笑いが、またもや全世界のハートを鷲掴みにする!

デヴィッド・リーチ「彼は現実世界で、まさにデッドプールなんだ」

『デッドプール2』でメガホンを執ったデヴィッド・リーチは、「ライアンは、コミックブックのキャラクターを自分のブランドにしてしまった。彼は現実世界で、まさにデッドプールなんだ」と絶賛する。デッドプールのクリエイターのロブ・ライフェルドは「コミックを裏切っておらず、最大・最高の世話と愛情が注がれているから、映画が“デッドプール”のベストだ。なによりライアンは、デッドプールとぴったり合っている」とキャラクターの産みの親までも、リーチ監督同様に“デッドプール=レイノルズ”だと唸る。 そんなデッドプールが自信作を引っさげ遂に日本へ! そして、5月29日(火)には、本作に出演している忽那汐里と共に作品の世界観をイメージした大規模なレッドカーペット・イベントへの参加を予定している!
ライアン・レイノルズが新作『デッドプール2』について何を語るのか注目が集まる、『デッドプール2』レッドカーペット・セレモニーにQeticより5組10名様をご招待! 応募の注意事項を必ず確認した上で、奮って応募してほしい!

PRESENT INFORMATION

『デッドプール2』レッドカーペット・セレモニー

2018.05.29(火) START 17:45(予定) 六本木ヒルズアリーナ ゲスト ライアン・レイノルズ、忽那汐里(予定) 5組10名様

▼Twitterでの応募方法

1)Twitterにて「@Qetic」をフォロー 2)下記ボタンよりこのページをRTして下さい。 Twitterで応募する! ※当選者にはDMにてご連絡させて頂き、上記必要事項の確認をさせて頂きます。 ※フォローされていない方の応募は無効とさせて頂きます。

応募期間

2018年5月14日(月)〜5月20日(日)23:59まで ※都合により、ゲストは予告なく変更、イベントが中止、日程変更となる場合があります。予めご了承ください。 ※本イベントはレッドカーペットを用意し、来日予定のゲストを出迎えるハリウッド形式のレッドカーペット・セレモニーご観覧のご招待になります。映画『デッドプール2』はご覧いただけません。 ※雨天決行。荒天の際はイベントを中止させて頂く場合がございます。 ※当日はメディアの取材が入る予定です。お客様が取材等で映り込む場合がありますので、予めご了承ください。 ※満員の際は消防法によりご入場をお断りします。 ※いかなる理由があっても開演後のご入場は堅くお断り致します。 ※受付時間、イベント開始などの詳細は当選者にお知らせいたします。ご当選された方は、ご招待状の記載をご確認の上、ご来場ください。 ※時間が多少変更になる可能性もございます。 ※招待状が何らかの理由で未着となった場合でも一切保障いたしかねます。予めご了承ください。

デッドプール2

2018年6月1日(金)全国ロードショー

出演:ライアン・レイノルズ ジョシュ・ブローリン モリーナ・バッカリン ジュリアン・デニソン ザジ・ビーツ T・J・ミラー ブリアナ・ヒルデブランド ジャック・ケーシー 配給:20世紀フォックス映画 (C)2018Twentieth Century Fox Film Corporation

STORY

新たな仲間を加えて、俺ちゃんチーム結成!?  最愛の彼女ヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)を取り戻し、お気楽な日々を送るデッドプール(ライアン・レイノルズ)の前に、未来からやってきたパワフルなマシーン人間のケーブル(ジョシュ・ブローリン)が現れる。大好きなヴァネッサのたっての希望もあり、良い人間になることを決意したデッドプールは、ケーブルが命を狙う謎の力を秘めた少年を守るため、特殊能力をもったメンバーを集めたスペシャルチーム“エックス・フォース”を結成するが・・・
詳細はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

昨日をもう一度…

$
0
0

The Taste Of An Adult Man 〜大人の男の風情を感じてる〜

どうも、初めまして。福岡で〈YesterdayOnceMore〉(通称:YOM/ヨム)というネットレーベルを主宰、運営しているshiggeといいます。 この度レーベルとしてqeticさんでコラムを書かせていただけるとのことで、大変恐縮なんですが、僕らならではの少し変わったかつクセのある、音楽のことだったり、福岡のことだったり、メンバーの趣味のことだったりを紹介していきたと思いますので、よかったらお付き合いいただければなと思っています。

YesterdayOnceMoreの名前の由来

堅苦しいご挨拶の言葉はこのくらいにして… さて!そもそもYOMとはなんぞや?って人もいられると思いますので、YOMのことをお話ししたいなと思います! 2013年8月に僕とha;bii(現:HB)、Machete(現;NARISK)、Mactuveの4人でこのレーベルをスタートさせました。当時メンバーそれぞれDJやビートメイカーとして福岡の今はなきBASEというクラブで一緒にイベントに出演したり、そのクラブで遊んだりしてました。そうです。ただの友達です。 当時みんな血気盛んで若くて、人と違うことをして周りよりも一歩前に行きたい!と常に考えていました。そんななか、誰が言い出したのかは全く覚えてないんですが、“レーベルを作ろう!”って話がみんなでいるときによく出てくるようになりました。(たしか)みんなで話し合って、資本金もいらないし、ネットの拡散力すごいしネットレーベルならすぐ始められるってことでネットレーベル立ち上げよう!って盛り上がったんですが、メンバー全員がめんどくさいことはあんまりしたくないってなってしまって……困ったもんですよね……(笑)。 で、そのなかで最年長だった僕が、ここはバシィ~っと年下の奴らを引っ張って行かんとだめばい!と奮い立ち、レーベルを立ち上げました。そうです。ノリです。 その時レーベル名を決めたのがMactuveだったんですが、なんでこのレーベル名がよかったのか理由を聞くの忘れてしまって、俺も未だに、なんでYesterdayOnceMoreって レーベル名になったのかはしりません。そうです。ノリです。 そんなノリだけで立ち上げてしまったレーベル〈YesterdayOnceMore〉第1弾アーティストとして僕の1stEP『-naughty-』をリリースしました。 僕らがレーベル立ち上げた当時はすでに日本だけでもかなりの数のネットレーベルがあり、そのなかでいうと僕らはかなり後発組だったのを記憶しています。しかしながら、SNS上で自分の作品とレーベルの名前が拡散されていく様子は当時とても新鮮だったことを覚えています。そして今でも面白いなって思うのが、リリースをしても、地元福岡より、SNS上で寄せられる全国各地からのリアクションの方が多いことです。単純に僕らが地元で認知されてないだけなのかもですけどね(笑)。 その後は、Machete、Mactuveが、さらにYOM初の海外アーティストPhüeyがリリースしさらに勢いに乗って行きました。 2014年から103iくんやcskとも遊ぶようになり、この辺りからYOMがネットレーベルというよりコレクティブ/集合体のような形になっていきます。要は関係者の出入りが盛んになります。だいたい2017年くらいまでその流れが続きやっと落ち着き、今のメンバーになりました。

あ行だけをしゃべる男

2014年~2016年はすごい勢いでパーティをやりました。 地元のクラブで平日に空きが出たので急遽お願いしたいと言われればパーティをしたり、ビッグなアーティストのツアー案件が舞い込んできたらそれに対応したり、はたまた僕らが大好きなアーティストの日本ツアーをサポートしたりと……とにかく明け暮れましたし、しこたま飲みましたね……。 でも全てのパーティで僕らのカラーは出せてたけど、何かが足りないなと思っていました。しかしその“何か”がわかり、今の僕らを導いた、僕らの運命を変えるパーティが2つあるので紹介します。 1つ目がstarRoさんの<Let’s Get EMOTIONal Tour 2015>のサポートで福岡でリリースパーティをしたことです! この時のパーティは楽しすぎて逆にあんまり覚えてません。そうです。記憶はないが思い出ある状態です。自分たちがしたかった音楽、パーティが見事にマッチしてて、まさに僕らの理想が現実化した感じでした! あとこの時にstarRoさんのアルバムの曲『Emotion』を僕がstarRoさんに言わずにこっそりリミックスした曲もご本人にすごい褒められて顔真っ赤にして照れたのを覚えています(これはパーティ前)そうです。穴があったら入りたい状態です。 そして忘れちゃならないのが、YOMとパーティしたい!って今でも言ってくれるTREKKIE TRAXとの邂逅……あのパーティは YOMとトレッキーのネットレーベル仁義なき戦いや!!って触れ込みでやったんですが、結局は両者死傷者多数で引き分け延長となって現在にまで至っているんですが、あのパーティはマジで最高におもろかったし狂っとったわ……。それを象徴するようにパーティ翌日、Taimeiくん(Carpainter)が二日酔いすぎてあ行しか喋らない男になっとったのとか本当に素晴らしいなってなりましたね……。このパーティ、死傷者は相当数でましたが前回のstarRoさんのパーティでやったこと、つまり自分たちがしたかったこと、理想を貫いていいんだということがここではっきりわかったのです。そこからの僕らはアラサーの肝臓に鞭打ち2016年までパーティを駆け抜けていったわけです。

結局会ってみらんとバイブスわからんくない?

僕らのような地方の小さなネットレーベルとかってリリース1つで全てが変わる! みたいなのってあんまりないのかな(単純に僕らに力がなかっただけなのかもしれんけど笑)って思います。顔も声も人柄もわからない同士の人間をつなげるものとしての役割を果たすSNSというものに大きく依存してた僕らにとって、本当の意味での人との繋がりとか出会い(SNSも含めた)=パーティなのかもしれないなと考えるようになったのはこのあたりからです。インターネット上の出会いもパーティがすんなり現実へと引き込んでくれる。SNSだけでなく現実でも強固になった繋がりがまたなにか産むんじゃないかと信じて、とりあえず会ってみてバイブス合えばまた遊ぼうよ! あとよかったらうちの新譜聞いてみて! みたいな。時間はかかるし、もしかしたら全く効率化されてないかもだけど、僕らのそういうスタンスを確立できたのはこのタイミングだったのかなと思います。 次回 YOM、ツアーに行く(前編)

EVENT INFORMATION

circus

2018.05.26(土) Open 22:00 STAND-BOP 5F(福岡) ADV/¥2,000 DOOR/¥2,500 [GUEST DJ] Yukibeb (Soulection) andrew (TREKKIE TRAX) [LIVE] YELLADIGOS [Beat live] Fog [DJ] KEN-BEAT c.s.k shigge 103i DJ OGANIK [VJ] 市川茂生
チケット予約はこちら

TREKKIE TRAX LABEL SHOWCASE -iivvyy Release Party-

2018.06.02(土) Open 23:00 batica Ebisu ADV,DC/¥1,500 DOOR/¥2,000 [Main] iivvyy Shigge (Yesterday Once More) Flatplay adnrew Carpainter Fellsius Seimei [Sub] 103i futatsuki Miyabi. YONEDA uuwy 23:
チケット予約はこちら soundcloud Twitter

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

池田亮司や黒川良一、AntiVJなどサウンド×ビジュアルで表現する“オーディオビジュアル”とは?

$
0
0
downy、yahyelといった映像作家を擁したバンドはもちろんだが、都内のライブハウス、クラブでもステージのバックスクリーンに映像が投影された空間でバンドが演奏を行う光景はもはや珍しいものでは無い。D.A.N.と中山晃子の刺激的なコラボレーションも記憶に新しい様に、特に若手のミュージシャンはライブやプロモーションヴィデオのビジュアルイメージに特別なこだわりがあるように思える。 DAX × lute:yahyel「Why」 音楽自体は目で見えるものでは無いが、音楽を聴いているときは必ず目で何かを見ている。iPhoneで音楽を聴きながら見た街の光景や、クラブで見た楽しそうな友人の顔を思い出している時に音が聴こえるのは、音と映像が相互して記憶に刻まれているからなのだろうか。今回は、体験した者の記憶に強く刻まれるであろう、目と耳で「音」を体感する"オーディオビジュアル"について書く。

オーディオビジュアルとは?

オーディオビジュアルとはその名の通りだが、音と映像による音響、視覚芸術である。とりわけ今回はその手のジャンルの中でも有名なものをいくつか紹介するが、音に関して言うと所謂"ノイズミュージック"が主に使用されていることが特徴だ。視覚表現を追求した結果、作成される映像は非常に複雑な情報を纏ったものになるわけだが、これを音に変換した結果が"ノイズ"となる。その逆も然りだ。 ノイズミュージックも様々だが、多くのノイズミュージックはコンピューターを使用して作られる。音のダイナミクス、周波数特性はMax/Msp Jitter等のプラグミングソフトウェアに送信され、アーティストが設定したプログラミングにより、映像へと変化する。音が具現化するのである。 今回紹介するのは前述した事象が実際に確認できるビデオだ。あれこれ書いたが"音楽"、"映像"という枠組みを意識せずに"現象"として楽しんでもらいたい。

具現化する音

Ryoji Ikeda: test pattern [times square] もはや説明は不要だろう。世界で最も先端的なエレクトロニック/ヴィジュアル・アーティストの池田亮司によるタイムズスクエアのデジタルスクリーンをジャックするという前代未聞のパフォーマンスだ。2008年から続くシリーズ《test pattern》を投影させたものだが、白と黒、つまり「0と1」のバイナリ表現を音と映像で表現している。 Alva Noto - Unitxt (Derivative Version) Carsten NicolaiことAlva Notoが2008年にリリースした『Unitxt』のオーディオヴィジュアルパフォーマンス。坂本龍一や池田亮司、また相対性理論、渋谷慶一郎とのコラボレーションもあり、エレクトロニカのリスナーでなくても彼を知る者は多いだろう。ビジュアルプログラミングソフトウェアのTouchDesignerの外観をVJ用にアップデートしたものを映像として使用しているように予測されるが、さながら宇宙船の内部にいるようなSF的な刺激が楽しめる。 Seismik by Herman Kolgen <MUTEK JP 2016>。WWWにて観客の度肝を抜く圧巻のオーディオビジュアルを体験させたカナダのアーティスト、Herman Kolgen。彼の代表作"Seismik"は地震の揺れをセンサーで検知、解析し音と映像に変換するという非常に広大なスケールの作品だが、そのようなコンセプトを意識できる余裕はこの作品を目の前にして果たしてあるのだろうか。 Ryoichi Kurokawa: Parallel Head デジタルで形成された映像でもここまで情報の解像度が高いと自然に近い美しさと荘厳さがある。オーディオビジュアル表現の最前線を走り続けるアーティスト、黒川 良一は、Sketch Show及びHuman Audio Spongeのライブ映像の制作や、op.discのアーティストであるDARTRIIX、AOKI takamasa、ditchのPVを手掛けていることでも国内では周知されているが、近年では宇宙物理学データを基にした、視覚、聴覚そして触覚を刺激するインスタレーションも発表している。生き物のように蠢くデジタルの粒子が見慣れた風景を形作り、また壊れていく様には畏怖の念さえ感じられる。 3DESTRUCT/Scopitone 2011 HD 欧州を拠点とするヴィジュアルレーベル"AntiVJ"のインスタレーション作品。プロジェクションマッピングは既にありふれた表現となりつつあるが、巨大な建築物からサボテンのような有機物まで、様々な立体物に投影される光、映像のプログラムは、レーベル名を関する"ANTI"の通り十分に挑戦的だ。 pe lang - moving objects | nº 628 - 691 映像作品では無いが、スイス出身のキネティックアーティスト・pe langの作品を紹介しよう。彼が操るのは均一な動作をし続ける時計の歯車では無く、複雑な制御信号を送信するMax/Mspだ。この美しい機械は作り手の手を離れて自走しているかのように見える。そしてその動作音は紛れもない機械の声"ノイズ"である。 Takahiko iimura: Between the Frames 実験映画作家、飯村隆彦の映像作品。月のような正円形の光が高速で点滅し続ける。天井からは16mmフィルムが垂れ下がり、恐らくこのフィルムを壁に映写していることが見て取れる。そしてフィルムは正円形の光を分断している。静謐な空間に映写機の駆動音だけが静かに鳴る。何か見てはいけないものを目撃してしまったような不穏な気持ちにさせる作品だ。空間全体がノイズと化している。 ASA-CHANG&巡礼 - 告白 (Official Music Video) 今回紹介したオーディオビジュアル作品は音、映像ともにかなりラジカルなものばかりだが、最後に紹介するASA-CHANG&巡礼の"告白"のPVはそれらとはまったくと言っていいほど毛色が異なる。PVを制作した勅使河原一雅のプロフィールをそのまま歌詞にした曲で、温かくも悲し気なピアノと声の中に、ぶつ切りとなった壮絶な氏のプロフィールが淡々とシーケンスされる。映像は、膨大な数の大小異なった少年のアニメーションが、ぎこちなく、ランダムに動き回るもので、不安や恐怖を覚えるが、同時に何故か心が安らぐ感覚もある。

text by SHO MOMOSE

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

あっこゴリラ×JABBA DA FOOTBALL CLUB対談!ZIMA BLOCK PARTY出演に向けてバチバチな模様……?

$
0
0
あっこゴリラ× JABBA DA FOOTBALL CLUB
1997年の日本上陸以降、フェス/ライブ・シーンなどでストリートカルチャーをサポートしてきたZIMAが、5月29日(火)に新たなライブ・イベント<ZIMA BLOCK PARTY>を開催します。この<ZIMA BLOCK PARTY>には、それぞれに個性の異なる注目すべき若手ヒップホップ・アーティストが集結。 70年代のNYでヒップホップ誕生の礎になった「Block Party」をテーマに、表参道の人気ピザ店『PIZZA SLICE2』で一夜限りの熱演を繰り広げます。様々なアーティストに「Block Party」をテーマにしたプレイリストを選んでもらったインタビューに続いて、今回は出演者2組の対談を敢行。あっこゴリラJABBA DA FOOTBALL CLUBの2組に、多彩な面々が集まる当日への意気込みや、ヒップホップの魅力、お互いの印象などを話してもらいました。 ZIMA BLOCK PARTY

Interview:AKKOGORILLA×JABBA DA FOOTBALL CLUB

あっこゴリラ× JABBA DA FOOTBALL CLUB

NOLOV 実際にライブを観て共感できたんですよ。「俺らもそうだよ」って、すげーアガりました。

——あっこゴリラさんとJABBA DA FOOTBALL CLUBは2017年8月に代官山SPACE ODDで開催された<Cross-Check>などで共演経験もあると思いますが、もともと知り合ったきっかけはどんなものだったんですか? あっこゴリラ ちゃんと会ったのはそのSPACE ODDでのライブが初めてだったんですけど、その前に私が一度イベントにお誘いしているんですよ。知り合いの方に「JABBAいいよ」って教えてもらって。でも、そのときは活動しているのかどうか分からなかったんですよね。Twitterも全然更新されてないし、「今は活動してないのかな?」と思ったりして。 BAOBAB MC それは俺らがサボってただけです(笑)。日程が合わなかったんですよ。 NOLOV 同じ日に別のイベントがあって「難しいな」という話になって、去年の代官山SPACE ODDでやっと一緒になりました。そこで僕らは(あっこゴリラさんのライブで使われる)バナナですっ転んで……。 あっこゴリラ すべったんでしょ? (笑)。 NOLOV いや、ややウケだから!! 俺らはワクワクして「これはウケるぞ……!」と思ってのぞんだら、ややウケだった(笑)。 ——お互いに持っているイメージや、お互いに感じる魅力というと? あっこゴリラ 私はJABBAって、「RIP SLYMEみたいだな」と思うんですよね。 ——JABBAのみなさんはRIP SLYMEにも影響を受けていますよね。 ROVIN 大好きですね。 NOLOV 逆に俺らの場合は「あっこゴリラ」という名前は前から見ていて、その当時は自分たちの活動もまだ本格的になっていなかったんで、最初は芸能人的なイメージでした。 あっこゴリラ 私、そういうところがあるんだよなぁ……! 名前だけ有名になっちゃう。 あっこゴリラ× JABBA DA FOOTBALL CLUB NOLOV でも、実際にライブを観て、「とんでもねえ姉ちゃんじゃないか」と思いましたね。イメージとのギャップがあったんですよ。 BAOBAB 僕らは「元ドラマーだった」とか、そういう情報を先に仕入れていたけど……。 NOLOV 実際にはステージでバナナを投げていた(笑)。俺、“余裕”がリリースされたタイミングのブログも読んだんですけど、そこに書かれていることも、共感できたんですよ。「俺らもそうだよ」って、すげーアガりました。あと、2nd EP『GREEN QUEEN』のときに、色んな人とコラボしていましたよね。そうやってかかわる人も同列に持ち上げるような作品は俺らもやりたいと思っていて。先にやられちゃったな、オッケー! みたいな感じです。 あっこゴリラ それで言うと、私の“ゲリラ×向井太一”のMVのカメラワークは、JABBAの “STAY GOLD,LIFE GOES ON”のMVを監督と撮影前に観て、「この感じで行きたいよね」と相談したものなんですよ。日本だけど海外っぽく撮るにはどうしたらいいかを考えていて。 あっこゴリラ 「ゲリラ × 向井太一」
JABBA DA FOOTBALL CLUB「STAY GOLD,LIFE GOES ON」
NOLOV&BAOBAB&ROVIN&ASHTRAY へええ! ROVIN 俺の場合、出会う前はちゃんと曲を聴いてはいなかったですけど、イベントや<サマーソニック>で一緒になったときに、たとえばサマソニでも観客みんなをゴリラにさせていて。その戦闘力の高さにやられました。スカウターが「パンッ!」って壊れる、みたいな。 あっこゴリラ× JABBA DA FOOTBALL CLUB NOLOV ライブでは両サイドに(バック・バンドのBNNZのメンバーとして)キャラの立った人たちがいるのに、その人たちがちゃんとかすむんですよね。サンバイザーの人(SP:G/BNNZのメンバー)とか、すごいのに。 ROVIN そういえば、俺は<サマソニ>のときに、あの人と一緒にZIMAブースのお姉ちゃんと写真を撮りました。「かわいいお姉ちゃんがいるぞ! きたきた!!」って。 あっこゴリラ そうだったんだ(笑)。 BAOBAB ZIMAが関係していた(笑)。

あっこゴリラ 小さい頃からラップが歌唱法として自然に入ってきた。

あっこゴリラ× JABBA DA FOOTBALL CLUB NOLOV (あっこゴリラさんに)それにしても、ラップをはじめて3年だとしたら、めちゃくちゃスキルが高くないですか? 何でそんなに高くなったんですか? あっこゴリラ 私たちって同世代だと思うんですけど、小さい頃からRIP SLYMEが流行っていて、ラップが歌唱法として自然に入ってきていたというか。それに、私はもともとドラマーで、「リズムの配置が気持ちいい」とか、そういうフェチで音楽をやってるところがあるから、全部をリズムで捉えていて、そういうところに興味があるんですよ。それでファレルの打楽器みたいなラップを真似しまくって、趣味で超研究したりして。スキルを求めているわけじゃないけど、それが楽しくてやってる感じで。 NOLOV だからスキルフルなんだ。 ——JABBAのみなさんはどうですか? BAOBAB 僕はもともとバンドから音楽をはじめて、トラックも作るんで、パーカッションの話は共感できますね。言葉をパーカッシブに使うというか、たとえば「喋ってる」という言葉でも「タタッタタ」という言葉のリズムに興味を持つ感覚はすごく分かる。 NOLOV 俺らはそれぞれ違うと思うんですけど、何だろうね? ROVIN 自分の場合、最初はそこまで考えてなかったというか。単純に「ラップしたら、もっと色んな人からモテるんじゃないの?」と思って高校生のときにラップをはじめたんですよ。その後にJABBAをはじめたりとか、色んなことが付随してきた感じだったと思う。 NOLOV 俺はモテたい、ではなかったかな。自分の場合もJ-POPからラップを知って、KICK THE CAN CREWやRIP SLYMEを聴いていて。大学に入ったときに、ヘッズの友達にBACHLOGICさんが関わった箱いっぱいの作品を「聴けよ!」って貸してもらったんですよ。そこからRAU DEFにハマって、「マッチョじゃなくてもできる」と思ったんですよね。そこに曲が作れるBAOBABが現れて、やりたいと思ったときに一緒にできる人がいてラッキーでした。あとは基本的に、「でかいステージでやりたい」とかしか考えてない。 あっこゴリラ 分かる。私、(ワイヤーで)吊られたいもん(笑)。 NOLOV それはジャニーズでしょ! ASHTRAY モトリー・クルーだ(笑:ドラムのトミー・リーがワイヤーに吊るされたドラムを叩くパフォーマンスで有名)。 ROVIN あと、俺はあれをやりたい! (せり上がるステージに乗ってジャンプして登場する様子を再現しながら)「ドンッ!」って。 NOLOV いいね! 俺はゴンドラに乗ってボールを投げたい。 BAOBAB それこそジャニーズでしょ(笑)。自分の場合はトラックありきで作っていたし、世代も少しだけ上なんで、ヒップホップがまだメインストリームではなくて、「これを聴いてたら、早耳で洒落ててかっこいい」ぐらいの時代で。それこそさんピンCAMPの人たちとかを聴いていましたね。そのあと、トラックを作りたいがためにラッパーをでっちあげる形でラップをはじめました。そのとき既に色んな人たちのバックDJもしてたんで、そこで「ラップもしてよ」と言われて、ちょっとやったりはしていたんですけどね。 ASHTRAY 俺は韻に惹かれたんですよ。洋楽とかを聴くと、韻って多いじゃないですか? ——英語圏はヒップホップに限らず、詞自体が韻を踏む文化ですよね。 ASHTRAY そうそう。でも、当時は韻って言葉も知らなくて、何がこんなに気持ちいいんだろう、と思っていて。そこからKICK THE CAN CREWやRIP SLYMEのようなヒップホップに出会って、「韻が気持ちいいんだな」ということが分かった。それで、俺もやってみたいなと思ったんです。 あっこゴリラ ラッパーの人たちと話していると、そういう、言葉遊びが好きな人たちっているよね。ダブルミーニングとか、頭がよくないとできないタイプの。 BAOBAB 背景にある文化も引っ張ってくるようなね。 ASHTRAY 俺はそういう部分が面白いと思ってやりはじめたんですよ。それでNOLOVと一緒にやったり、その間にNOLOVとBAOBABは別で一緒にやったりしていて。JABBAと出会ってやっと本格的にヒップホップができるようになった、という感じですね。 あっこゴリラ× JABBA DA FOOTBALL CLUB あっこゴリラ クルーにひとりそういうことが好きな人がいるのって、いいよね。私は感覚でしかやっていなくて、そういうのは無理だけど、すごく羨ましいなって思う。 NOLOV でも、4人いると薄まったりするんですよ。ASHTRAYはめちゃくちゃ踏むし、面白いんだけど、テクニカルなことをしても気付かれにくい部分もあるというか。 ASHTRAY まぁ、ちりばめておけばニヤッとする人はいるし、別に気にしてないよ。 NOLOV うちの隠し味ですからね。 あっこゴリラ JABBAはすごくバランスがいいんだなぁ。

ZIMA BLOCK PARTYに向けての意気込みは? あっこゴリラ「私がぶっちぎりで持っていくから!」と大胆宣言!?

続きを読む

EVENT INFORMATION

ZIMA BLOCK PARTY

2018.05.29(火) OPEN・START 19:00 / CLOSE 22:00 ADV:¥1,000 with ZIMA 1 Bottle & PIZZA SLICE kZm(YENTOWN)/ あっこゴリラ / JABBA DA FOOTBALL CLUB / Taeyoung BoyDJ:DJ REN / HOST:SIMON
詳細はこちら

text&interview by Jin Sugiyama photo by 横山マサト 取材協力:デザイナーズメゾン

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

リオン・ブリッジズの新作『グッド・シング』から紐解く、ヴィンテージ・ソウルを鳴し伝えるアフリカン・アメリカン・カルチャー

$
0
0

《人は言う 僕は負けるために生まれたのだと だけど僕は悪い 悪いニュースから 良い 良いことを生み出したのさ》 (“バッド・バッド・ニュース”)

あなたがアメリカのポップ・カルチャーに多少なりとも関心を持っているなら、2010年代を通して最もイノベイティブな作品を残しているのがアフリカン・アメリカンだということを知っているだろう。 例えば、映画の世界では、アメリカ最大の負の遺産である奴隷制を身を切るような痛みと共に描いた『それでも夜は明ける』や、2010年代もう一つの主役であるLGBTと黒人カルチャーを接続し、パーソナルなドラマを紡いだ『ムーンライト』。音楽の世界で言えば、奴隷制から人種差別の横行する現代までの歴史を総括し、啓蒙的なメッセージを伝えたケンドリック・ラマー『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』。あるいは、自身の夫婦関係に走った亀裂を端緒として、社会に横たわる人種や性別間の対立を乗り越えようとするビヨンセ『レモネード』。 これらは各国の音楽賞や批評メディアの年間ベストを総なめにした作品ばかりだが、そこには通底してアメリカにおけるアフリカン・アメリカンの辛酸の歴史を回顧し、構造的に続く差別や文化的断絶に解決の糸口を見つけようとする強い意志があった。 冒頭に引用したのは、本稿の主人公であるテキサス州生まれのリオン・ブリッジズによる最新2ndアルバム『グッド・シング』収録の一曲“バッド・バッド・ニュース”からの一節。アルバムのタイトルもこの歌詞から取られている。「負けるために生まれた」と言われ続けても「悪いニュース」から「良いこと」を生み出した「僕」という存在は、現代のアフリカン・アメリカン・カルチャーの在り方そのものを指し示しているかのようではないか。 Leon Bridges - Bad Bad News (Official Video)
平易な言葉と芳醇なメロディで物語を紡ぎ、パーソナルな筆致の中に鋭い現代性を忍ばせる。数多いる優れた黒人作家の中でも、聴き手の年代や肌の色、性別などを選ばない普遍性では当代屈指の才能を持ったシンガーソングライター。それこそがリオン・ブリッジズなのである。

《504のブラック・ガールは僕を 胎内に抱えて 桃の州にやってきた》 (“ジョージア・トゥ・テキサス”)

ここでリオン・ブリッジズという音楽家の個性を理解するために、少しばかり経歴を振り返ろう。彼が世界的な注目を集めたのは、2015年のことだ。 1989年生まれで現在28歳の彼は、ニューオーリンズ州生まれの母親の胎内にいる時にテキサスへと引っ越してきたという。ジャズ、ブルース、ソウルといった音楽の本場として知られるアメリカ南部の環境の下で、幼少期からギターに親しみ、自然と音楽を作るようになったようだが、過去の音楽を知るようになったきっかけの一つにインターネット・ラジオや動画サイトがあるというから、現代的でもある。 地元テキサス州フォートワースで音楽活動を本格化させた彼は、ほどなくして地元のロック・バンド、ホワイト・デニムの目にとまる。ホワイト・デニムは2006年のデビューから一貫して米南部の音楽的遺産を現代的にアップデートしてきた、テキサスが誇るUSインディ・シーンの雄だ。 ホワイト・デニムのギタリストだったオースティン・ジェンキンスと、ドラマーのジョシュア・ブロック(両者ともに現在はバンドを脱退)がリオン・ブリッジズのプロデュースを買って出たのが2014年ごろ。1940年代~60年代のヴィンテージ機材が揃ったオースティン自身のスタジオで録音された初期曲がSoundCloudにアップされ、ローカル・ラジオで“カミング・ホーム”がエアプレイを獲得したことで、彼はメジャー・レーベルからも注目を浴びる存在となっていった。 声がかかった複数のレーベルから、彼は米コロンビアと契約。2015年にリリースされたデビュー・アルバム『カミング・ホーム』は、全米6位に輝き、2016年のグラミー賞ベストR&Bアルバム部門にノミネートされるなどの成功を収めた。 Leon Bridges - Coming Home (Video)
初期から引き続き、オースティン・ジェンキンス、ジョシュア・ブロックらから成るチーム「ナイルズ・シティ・サウンド」が制作に全面参加した『カミング・ホーム』は、リオン・ブリッジズのパブリック・イメージを決定づける傑作となった。全編を彩るヴィンテージ楽器の豊かな響き。サム・クックやオーティス・レディングといったソウル・レジェンドを髣髴させるリオンの力強い歌声。赤地にモノクロのポートレート、アルバム・タイトルと曲名とコロンビアのロゴが並ぶアートワーク。50年代から60年代の古き良きソウル・シーンへのオマージュが詰まった彼の表現は、黒人コミュニティから優れた作品が続出した2015年の中でも、一際目立つ個性を放っていた。 アメリカ、とりわけ南部の黒人音楽には、数多の支流が流れ込んで大河となり、市井を支えるミシシッピ川のように、慎ましい暮らしに寄り添い、苦難からの一時の救済となってきた壮大な歴史がある。一人ひとりの生活に息づくドラマが折り重なって、黒人音楽は豊かな歴史と文化を紡いできた。リオン・ブリッジズの音楽を聴くと、その歴史の一つに立ち会っているような感動が湧き上がってくる。 パーソナルな歴史を通してアフリカン・アメリカン社会全体の在り様を伝える彼の表現方法は、とりわけ彼の家族を主人公にした楽曲に顕著だ。『カミング・ホーム』には、母親の名前を冠して彼女の人生を歌った“リサ・ソーヤー”、祖母と祖父のナイトクラブでの運命的な出会いを描いた“ツイスティン・アンド・グルーヴィン”があった。最新作にも、“リサ・ソーヤー”の続編とも言うべき楽曲“ジョージア・トゥ・テキサス”が収録されている。 “ジョージア・トゥ・テキサス”で描かれるのは、“リサ・ソーヤー”におけるニューオーリンズでの幼少期から時を経て、子供を身ごもった体でアトランタへ、その後テキサスへと移住する母と子の物語だ。 《産みの苦しみが 僕を衰弱させたけれど 彼女はピーチツリー・ロードで 僕を高く掲げてくれた 目は母親似 鼻は父親似さ そして服は兄貴のお下がり 金なんてなかったけれど 愛は力強かった 僕たちがやっていくには 僕たちがやっていくには それさえあればよかったのさ》という歌詞からは、貧しくも愛に満ちた一つの家庭の姿がありありと浮かび上がってくる。 Leon Bridges - Georgia to Texas (Official Audio)

《僕には見えないんだ 君が僕に見て欲しい世界が 僕はなるつもりはないのさ 君が僕になって欲しい男には》 (“ライオンズ”)

ただ、その徹底して50年代・60年代のオマージュにこだわったコンセプチュアルなイメージ故に、『カミング・ホーム』の時点でのリオン・ブリッジズは、見る人によっては単なる回顧主義者やコスプレのようにも見えかねなかったことだろう。しかし、その認識が決定的に間違っていることを、全米初登場3位に輝いた最新作『グッド・シング』は証明してみせる。
Photo by Mitch Ikeda
「ファースト・アルバムの時は60年代風のR&Bを通じて自分のストーリーを伝えたいという気持ちがあった。でも次のアルバムへ行くにあたり、プログレッシヴ(進歩的)でありながらもアーティストとしての僕自身を引き続き反映させたものを作りたいと思ったんだよね。そういうインスピレーションのもと制作に入ったんだ。それに、より多種多様なオーディエンスを獲得したいとも思ったしね。自分は60年代風R&Bだけじゃないんだっていうのを見せたかった。」 最新作に合わせたオフィシャル・インタビューで、リオン・ブリッジズはそう語っている。その言葉通り、彼が2作目のアルバムで目指したのは、アーティストとしての核はそのままに、音楽的な進化を見せることだった。 進化を目指したきっかけとして、前作から今作までの3年間で、彼が経験してきた他アーティスト・他作品とのコラボレーションについても触れておくべきだろう。2016年、彼は白人ヒップホップ・デュオ、マックルモア&ライアン・ルイスの楽曲“ケヴィン”にゲスト参加。その他にも、LA出身のブルーアイド・ソウル・シンガーであるニック・ウォーターハウスとも“カッチ”という楽曲を共作。また、Netflixのオリジナルドラマ『ゲット・ダウン』のサントラでテンプテーションズの“ボール・オブ・コンフュージョン”をカバーしたり、映画『バース・オブ・ア・ネイション』にラッパーのラクレーと共同名義で楽曲“オン・マイ・オウン”を提供するなど、映像方面でも活躍の場を広げている。 2017年には、気鋭のEDM系デュオ、オデッザにフィーチャーされ“アクロス・ザ・ルーム”でヴォーカルを担当。この楽曲はUSダンス・エレクトロニック・チャートでスマッシュヒットを記録し、同曲を収録したアルバム『ア・モーメント・アパート』は全米3位を記録した。 ヴィンテージ・ソウルのイメージを身にまとったレトロな姿から、多様な音楽を歌いこなす現代的なシンガーへの成長。それが見事に作品へと結実したのが待望のソロ第二弾アルバム『グッド・シング』である。 その音楽的な進化は、一曲目の“ベット・エイント・ワース・ザ・ハンド”からすぐに伝わってくる。鉄琴、ホーン、ストリングスなどをゴージャスに使用した、まるでヴェルヴェットのように柔らかな質感のスウィート・ソウル。アナログでローファイな音像だった前作と比較すると、目を見張るほどに複雑でハイファイなアンサンブルだ。 その他、70年代のスティーヴィー・ワンダーをアップデートしたようでもある、ジャジーな“バッド・バッド・ニュース”、多重録音演奏のバラード“Beyond”、数を最小限に絞った“ライオンズ”、ディスコ風のアップビートがキャッチーな“イフ・イット・フィールズ・グッド(ゼン・イット・マスト・ビー)”、等、レトロなパブリック・イメージの殻を次々と破るバラエティ豊かな楽曲が並ぶ。 Leon Bridges – Beyond (Audio)
た、前作では形式的な模倣に留まっていたレジェンドへのオマージュは、本作でいくつかの明確な引用へと変化している。“ベット・エイント・ワース・ザ・ハンド”にはカーティス・メイフィールドの“メイキング・オブ・ユー”、“イフ・イット・フィールズ・グッド(ゼン・イット・マスト・ビー)”にはウィスパーズの“イッツ・ア・ラヴ・シング”を使用。前述したスティーヴィー・ワンダー風のシンセ使いも含めると、本作は50~60年代のソウルから、飛躍的な進歩を辿っていった70年代のソウル・ミュージックを一つの雛型にしていると言えるかもしれない。 Leon Bridges - Bet Ain't Worth the Hand (Audio)
このモダンな音への変化に最も貢献したのは、本作でプロデュースを務めたリッキー・リードだろう。彼はジェイソン・デルーロ、メーガン・トレイナー、ケシャ、トゥエンティワン・パイロッツ、ファントグラムなど、ヒップホップ、ポップ、ロック、インディ、EDMと現代のポップ・ミュージックに広く精通したプロダクションで知られる人物。「ナイルズ・シティ・サウンド」のチームとの関係も継続しつつ、彼の手が加わることで一気に風通しの良さが増幅した印象だ。また、共にツアーを回ったバンド・メンバーやミュージシャン仲間との関係性も本作の製作に大きく影響しているという。 「(作詞について)今回はファースト・アルバムとは違うアプローチをとったんだ。前作は手助けしてくれる人が誰もいない状態で書いたんだけど、今回は初めて他のライターたちとコラボしたんだよ。仲のいい友人たちとね。素晴らしいプロセスだった。僕とバンドの他メンバー達で、アイデアをやり取りして作ったんだ。内容は僕の人生の中で起こっていることについて語っているから実体験に基づいたものもあるけど、あまりディープにしすぎないようにはしたよ。」(日本オフィシャルインタビューより引用) 言葉の面では、リオン・ブリッジズの言うように、ディープなメッセージ性よりも普遍的な恋愛の機微が強くなっている。自伝的な物語性の高い楽曲も、前述した“ジョージア・トゥ・テキサス”のみに留まり、その他の楽曲は具体性の強いストーリーよりも、より抽象的で複雑なエモーションに重きが置かれているように思える。シンプルな言葉使いの中に現代的な逡巡や胸に迫るメッセージを忍ばせる、彼ならではの表現は本作でさらに研ぎ澄まされている。 リオン・ブリッジズがこれほどまでに愛される理由。それは決して古き良き時代へのノスタルジーを充足させるからではない。大河のように脈々と流れる歴史と伝統を受け継ぎ、その普遍的な魅力を現代へと伝えようとしているからだ。 現代のUSブラック・カルチャーは、人種差別や構造的貧困に抗する社会的気運の高まりと共に、数多くのイノベーションを生んできた。ただ、それが固有の社会・コミュニティに立脚するあまり、他の人種や国籍からの取っつきにくさに繋がっている側面も否めない。黒人以外が黒人のカルチャーを取り入れることをことさらに搾取と結びつけ、批評や意見すら拒むようなムードになっているのも、また確かだ。ただ、その中でも、リオン・ブリッジズの音楽は誰の手も拒むことなく、誰にとっても開かれた普遍性を追求し続ける。 まずは一人でも多くの人に、彼の素晴らしくスウィートな音楽に触れて欲しい。そして、そこからさらに奥をのぞけば、アフリカン・アメリカンの豊かな歴史や文化、一人ひとりの人生を尊重して慈しむ優しさが見えてくるだろう。

RELEASE INFORMATION

グッド・シング

2018.05.23(水) リオン・ブリッジズ 詳細はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.


クリス・ブラウンやBADHOP・EXILEとも親交が厚い?川崎発のダンス集団・KING OF SWAGとは?代表Deeへインタビュー!

$
0
0
main1
川崎と聞いて世の中のひとたちが思い浮かべる、“治安が悪い”、“性風俗街”、“空気汚染”……etc。そんな悪いイメージを持つひとも多いと思うが、実は川崎には、音楽やダンス、カフェ、ファッションなど、そこでしか体験できないさまざまなカルチャーが根付いている。川崎のネガティブなイメージを払拭し本当の魅力をより多くのひとに伝えるべく、川崎育ちの川崎っ子であり今なお川崎に夢中で川崎を愛してやまないQetic編集部・BOWENが、川崎在住ならではの視点で川崎カルチャーを紹介していく本企画。 第二弾の今回は、<ダンス×川崎>と題し、川崎で活躍する有名ダンス・パフォーマンス集団KING OF SWAGの代表Deeへのインタビューを敢行。日本各地のダンサー、さらには海外アーティストのクリス・ブラウンまでも魅了し常に注目を集め続ける彼らが、生まれ育った川崎で、再復活し活動を続ける理由について伺った。

Deeが語る、KING OF SWAGの魅力とは?

——まず初めに気になったのが、KING OF SWAG(以下、KING)という名前なのですが、由来はなんですか? “swag”はアメリカの言葉で、日本語で言うと「やばい」「かっこいい」とか、そういった意味。その言葉が流行る前に“swag”をチーム名に入れたダンスチームを作ろうと決めていて、そこから“KING OF SWAG”になったっていう、単純な決め方だね。 king-2 ——STUDIO SWAG(以下、スタジオ)というスタジオもやっていらっしゃるとお聞きしましたが。そこにいたメンバーでKING OF SWAGが結成されたということですか? そうですね。もちろん弟や一緒にずっとやってきたメンバーが何人かはいるけど、他のメンバーはスタジオのレッスンに来た人とか、外でいい活動している人を呼んだりして集めていったのが、今のKINGのメンバー。集めている最中に踊るメンバーが9人揃った感じかな。今後いい人がいれば増えるかもしれない。今は練習生ってかたちで自分たちの側にいる子がいるんだけど、彼らがだんだん良くなっていったら、ゆくゆくは、KINGになるだろうし。 ——KING OF SWAGが川崎にこだわり、川崎を拠点に活動しているのはなぜですか? 一言で言うと、生まれも育ちも川崎で地元だから。親も川崎でお爺ちゃんも川崎で、みんな川崎の中学校だし。親が川崎を大事にしていたから自分達も大事にしたいと思っている。 あとは、母さんがすごい厳しくて、自分の「ダンサーとしての価値」だったり、「ダンサーとしてこうであるべきだ」って考え方のところまで厳しくて。そういった考え方を今も貫いてKINGで形になった。だから川崎でやっている。

KING OF SWAGさん(@kingofswag143)がシェアした投稿 -

——川崎のHIPHOPシーンでは、他にもBADHOPさんも有名ですが、そのBADHOPさんとも交流はあったりしますか?また、あれば、どのような交流か教えてください。 もちろんBADHOPは同じ川崎だし、ユウセイが同級生だし、普通にご飯を食べ行ったりするね。去年、一昨年ぐらいは自分達のイベントに出てくれたりとか、普通に飲み行ったりしていたけど、最近は、ライブだったりとかで忙しいからあんまり会っていないかな。全然会ったら会ったで仲がいいですね。 king-1 ——クリス・ブラウンさんとの交流があると聞きましたが、どのように繋がったのですか? 二年前の一月にマネージャーと話をしていて、今年の目標は「クリス・ブラウンに会う!」ということに決めて。目標を立ててから四ヶ月ぐらいで、まずはインスタグラムでフォローされて「いいね!」が来るようになってから半年後に直接会って、ファミリーって呼び合う関係までになった。「半年で叶っちゃったよ」みたいな。クリス・ブラウンの曲で撮った映像をインスタに投稿したらクリスもリポストしてくれたりといった交流は未だにあるよ。 クリス・ブラウンの家に行って一緒にご飯食べたり、遊んだりもしたし。本当の目標はKINGとクリスで仕事をするってところまで持って行きたかったんだけど、そこまでは持っていけてない。だけど、それはこれから叶えます。 これは、まだオフレコなんだけど、来年は海外で大きな仕事を予定していて。まずは、自分たちが世界に行かないと川崎を世界に持っていけないと思ってるよ。

KING OF SWAGさん(@kingofswag143)がシェアした投稿 -

——2015年に解散を発表し、その1年後に再結成し復活した経緯とは? アメリカの<Body Rock>っていうコンテストの時、KINGはエントリーに間に合わず、コンテスト枠では出れずにエキシビジョンで踊ったことがあって。そこの<Body Rock>にゲストで出演していた、地元サンディエゴ出身のジャバウォーキーズ(Jabbawockeez)っていう白い仮面を被った世界的に有名なダンスクルーがいるんだけど。 彼らはいろんなアーティストのPVで踊ったりラスベガスでショーを持っていたり、ダンサーのクルーとしては、NO.1ぐらいでアーティストのラインにいる。 その時初めてジャバウォーキーズを生で見て、「うわぁっ、これが世界か」って思った。その時のKINGはまだ、世界に行けないと思っていて。それでどうしようかと思った時に、自分含め全員が個々のレベルをあげないと、世界に行けないと思って、それで解散した。 解散した後は、零(ゼロ)っていうチーム作ったりとかタイキが、ヤバイメンズっていうチーム作ったりとか、みんな個々で一年間頑張って「おっ、これだったら世界に行けるかも」と思ったし、早くKINGに戻りたくて自分が我慢できずに復活して。 
KINGを応援してくれていた人たちとかは「誰かEXILEに入るの?」「仲が悪くなったの?」とかいろいろ注目していてくれたけど、実際は上の世界へ行くための準備期間だったんです。あの一年は今思えば、すごく正解だった。

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

【インタビュー】フラメンコ界最高峰ギタリスト・カニサレスが語る、2018年来日公演とフラメンコの歴史や真髄について

$
0
0
qetic_pickup_kani_00015
現代フラメンコ界最高峰のギタリスト、フアン・マヌエル・カニサレス(以下、カニサレス)。4月11日(水)にリリースされたアルバム『洞窟の神話』や、今年9月の日本公演のプロモーションのために来日したカニサレスさんに話を聞くことができた。 “カニサレスさん”と書いたのは、普段僕が彼のことをそう(あるいは“フアンさん”とも)呼んでいるから。実は2013年に知り合ってから、彼の来日の際にはたびたびお会いしている。この日も和やかな雰囲気のなか、新しい作品と来日公演への想いを語っていただいた。そして、尊敬する憧れの巨匠(マスター)に眼を輝かせるギター少年にひととき戻ってしまった僕の様々な質問にも、優しく丁寧に答えてもらうことが出来た。

Interview:カニサレス

qetic_pickup_kani_00009
左)インタビュアー・鈴木大介 右)カニサレス photo by Plankton
新作『洞窟の神話』は、カニサレスさんが前作『魂のストリングス〜クエルダス・デル・アルマ』以来8年ぶりにオリジナルのフラメンコを収録したアルバムだ。アルバムのタイトルは、古代ギリシャの哲学者プラトンの「洞窟の比喩」からインスピレーションを得ている。 一聴して気づくのはフラメンコだけが醸しだす独特な深淵で奥深い味わいと同時に、カニサレスさん自身によって多重録音されたギターの織りなすアンサンブルの妙味。 一般に“フラメンコ・ギター”というと情熱的にかき鳴らすラスゲアード奏法や、ピカードと呼ばれる右手の力強い速弾きを思い起こす方が多いのではないかと思うのだけど、今回の新作ではさらなる新境地として、彼が識るあらゆる奏法やギター・サウンドの可能性が網羅されている。 鈴木大介(インタビュアー。以下、鈴木)「今回の素晴らしいレコーディング、おめでとうございます。これまでの作品以上に、フラメンコ音楽であるのと同時に、ギター同士のアンサンブルによる対位法的な部分や、ラスゲアードのみではなく、クラシックのような弾き方で爪弾くコード(和音)奏法なども非常に多く用いられている気がするのですが……?」 カニサレス「ありがとうございます。そうですね。フラメンコというのは、芸術的な要素だけではなく、本能に突き動かされて生まれている部分も多いと思うのですが、一般的な音楽のセオリーをもっと意識的に取り入れることで、さらに幅広い表現ができるのではないだろうか、という“挑戦”の部分がそのようなことの背景にはあったと思います。」 鈴木「ハーモニーのバラエティ(種類)も、多彩で雄弁なだけではなくて、ある種の深みや奥行きがさらに増していると思います。」
qetic_pickup_kani_00004
photo by Plankton

陰と陽を体現したアルバム『洞窟の神話』

カニサレス「今回の『洞窟の神話』というアルバムは、プラトンの洞窟の比喩に由来していまして、自分の中で太陽の光というのは、クラシック音楽やジャズなどのセオリーを象徴するものであり、洞窟の中の淡い光こそがフラメンコによって象徴されているものであると捉えています。アルバムの全体を通じて、Bmajor7が太陽のコード、F#sus4がフラメンコを表すコードとして繰り返し出てくるんです。この二つの象徴的な和音は、アルバム6曲目の“雪の砂漠”(フラメンコ風ハバネラ)の最後には一緒に鳴らされます。アルバムのはじめの方に入っている曲も、そのようなコンセプトから、ポリコード(調性を複合した和音)のような瞬間が聞こえてくるのではないかと思います。“妖艶な美”という題名のソレア・ポル・ブレリアにもこのコードが出てきます。」 今回カニサレスさんはプラトンの比喩に現れる、洞窟の外のあかりによって洞窟の奥に照らし出される様々な物の影の神秘性や妖しさをフラメンコ、洞窟の外で輝いている太陽に照らされた世界をクラシックやジャズの世界に見立てた。影の揺らめく世界では物事や行動の微細なディテールは時には闇にまぎれてしまって説明され得ないものとなるのに対し、白日のもとでは、どんな奥義も理論づけられ、誰にも明らかなようにはっきりと理解することができる。 ふたつの世界を自由に行き来することができるカニサレスさんにとって、その融合やブレンドのバランスを計ることはとても重要だ。もし洞窟の中の世界をサーチライトで明るく照らし尽くしてしまったら妖艶な美しさは消えてしまうかもしれない。かといって、伝統を重んじながらも時代の新しい潮流や価値観とともに活きた芸術を創造するアーティストとしてのカニサレスさんは、自身がその多岐にわたる活動によって培ってきたクラシックやジャズの理論も頼もしいツールとして手放すわけにはいかない。
qetic_pickup_kani_00006
photo by Plankton
カニサレスさんは、もちろん十代の頃からフラメンコ・ギター・コンクールの優勝などで頭角を表していたのだけれど、そのキャリアの最初期、18歳の頃にエル・ウルティモ・デ・ラ・フィラという人気ロックバンドのメンバーに抜擢されて活躍していたことがある。その後、「神」とまで言われたギタリスト、パコ・デ・ルシアのグループのメンバーとなって脚光を浴び、僕もその時初めて彼の初来日での生演奏に触れることができたのだった。 ギタリストとして、伝統的なフラメンコを演奏するだけでなく、クラシック音楽やジャズの理論にも精通しているカニサレスさんだからこそ、というライフ・ワークがある。それはフラメンコからも多分に影響を受けているスペインの、ピアノやオーケストラのためのクラシック音楽作品をギターに編曲し演奏することだ。 1999年にイサーク・アルベニスの作品集を発表したのを皮切りに、エンリケ・グラナドスやドメニコ・スカルラッティ、そしてマヌエル・デ・ファリャの作品集を発表、いずれも高い評価を獲得した。 2011年にサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルと演奏したホアキン・ロドリーゴ作曲“アランフエス協奏曲”の伝説的な成功は、この一連のクラシック音楽の演奏プロジェクトを、とりわけ世に知らしめることとなり、以後、世界中のオーケストラと同曲を共演している。 現在のカニサレスさんにとっては、フラメンコと同じくらい、クラシック音楽も彼の音楽の血肉になっているのだと思う。 鈴木「あなたは以前、マヌエル・デ・ファリャの作品を演奏していると“ファリャが生きた時代、つまりおよそ100年前のフラメンコが聞こえてくるようだ”とお話しされていましたよね。その影響が今回のアルバムにも出ていますか?」 カニサレス「この部分は、というように明確な訳ではないのですが、知らず識らずのうちに影響は出ていますよね。例えるなら、雨の中を歩いている時に、傘をさしていても自分では気づかぬうちに洋服が濡れてしまっているようにね。」 鈴木「そのためかどうかわかりませんが、今回の『洞窟の神話』では新しさと同時に骨太でフラメンコという大きな樹の幹がさらに空に向かって伸びたような伝統性を感じるのですが。」 カニサレス「(先ほどのプラトンの比喩の話から)太陽の光、つまり明快な音楽理論を全て洞窟(=フラメンコの世界)に持ち込んでしまうと、その本来の良さは失われてしまうでしょう。私はそれを失わずに新しい光をどのように持ち込むか? ということにいつも気を配っています。フラメンコへの尽きないリスペクトがある以上、フラメンコの伝統は絶対に重んじなくてはいけないと思って作曲しています。フラメンコの伝統の中に生きる、という軸を中心を見失わないようにしています。」
qetic_pickup_kani_00003
photo by Plankton

フラメンコを楽しめる大小のホール。その楽しみ方の違いは?

ところで日本人である私たちにとって、フラメンコを楽しむ会場というと、コンサート・ホールや劇場がある。本国ではそれだけではなくて、“タブラオ”(舞台のあるバル、レストランの通称)と言われる薄暗い場所も共存している。今日、果たしてフラメンコが息づく場所としては、どちらが主流なのだろう。 カニサレス「私が活動しているような劇場型の方が全体としては多いと思うけど……。タブラオはスペインの街では主として旅行者向けにあることが多いので、そういうところでは、傾向としては“プーロ”といって、民族的なものを感じさせるフラメンコを上演している事が多い。それに対して劇場型の方は、常に何か新しいものを創造して表現しようとするので、劇場型のフラメンコはモダンな潮流を取り入れているものが多いということが言えます。」 鈴木「カニサレスさんのように、劇場での公演が主体で、なおかつ“アランフェス協奏曲”や自作の協奏曲“アル・アンダルス”はじめ、オーケストラとの共演が多い中で、大きな会場の大勢の聴衆に伝わるような音楽へと自身を導いていくという意識は持たれたことがありますか? 例えば今回の新譜を聴かせていただくと、非常に音楽の輪郭線がはっきりしているというか、曖昧模糊とした部分が少ない、というか……このような作品だったら、大きな会場でも隅々まで届くものになっているような気がしたんです。」 カニサレス「そうおっしゃってくれて嬉しいです。おそらく、作曲する時に、なるべく音域を幅広くとって、オーケストラ的な響きを想定しているからではないかと思います。大きな箱(会場)にも耐えうるような曲作りをしているつもりです。」 ギターというのは指先で奏でる親密な楽器だからこそ、ギタリスト、特に(エレクトリックではない)アコースティックなギターの奏者にとっては、会場を包み込むように響く大きな音楽創りがとても意義深いテーマだし、乗り越え甲斐のある試練でもある。 鈴木「ファリャのオーケストラ作品“三角帽子”をあなたはギターで演奏していますよね。その反対に、あなたのギターのための曲がオーケストラで鳴っているところが想像できてしまうほど、今作に収録されているフラメンコ作品はシンフォニック(交響曲的)です。」 カニサレス「それは意図してないんですけど、それもきっと(さっきお話ししたように)“雨に濡れちゃっている”のでしょうね。」

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

I Saw You Yesterdayが時代に溶け込む理由|注目のインディー・ポップバンドに初インタビュー

$
0
0
I Saw You Yesterdayのことを知ったのは、彼らが昨年の5月に初のフィジカル作『DOVE』をリリースした時だった。日本離れしたサウンドは〈Captured Tracks〉に所属するバンド、例えば4月に来日をしていたビーチ・フォッシルズなどと並べられ、この1年で多くのインディーファンの心を掴んできたと思う。 3月に行われた新イベント<ZONE>に出演の際も、ライブ前、またライブ中でも“I Saw You Yesteredayコール”が止まらず、その人気の高さを実感した。さらに今年の4月にリリースした新作『Topia EP』は音楽業界でも話題を呼び、その名前を聞くことが増えた。 I Saw You Yesterday "Topia" (Official Music Video)
果たして、こんなにもインディーファンの心を掴んだ理由は一体なんだろうか。 ライブや音源では知ることができない彼らの真髄を探るべく、“I Saw You Yesterdayというバンドについて”メンバーに話しを訊いた。

Interview:I Saw You Yesterday

——昨年の『DOVE』リリースから、I Saw You Yesterdayの名前を色々なところで聞くようになったのですが、リリースしてから周囲の反応や、自分たちの意識に何か変化はありますか? 下田 英雅(Gt/Vo) そうですね、一つ大きいと感じているのは、リスナーが意外と日本よりも海外の方が多いということです。たとえば、SpotifyやYouTubeが普及をしているおかげで、日本でバンド活動をしていても、海外のリスナーまで届くことが増えていて。だからこそ、最近は日本らしさ(=キャッチー)というのを随所に出していきたいと考えています。完全に洋楽をやろうっていう意識がなくなったことは、前作リリースからの意識の変化ですかね。 ——海外のリスナーが多いのは意外です。どこの国が多いですか? 下田 アジア圏の人が多いと思うんですけど、南米とかも多いですね。ペルーとか。 村上 魁(Gt/Cho) Facebookとかはけっこう垣根が低いから、いろんなところで、意外とね。 鈴木 一繁(Ba) Facebookである南米の人が『インディーワールドカップ』っていう、インディー・ポップバンドを集めたワールドカップもどきの遊びをしてて、出場するバンドを各国ひとバンドずつ出していくんですけど、「日本:I Saw You Yesterday」って書かれてたよね。 ——それはすごいですね。 鈴木 「ワールドカップ出れちゃった!」みたいな(笑)。 下田 YouTubeのコメントを見ても、やっぱりコメントをしてるのは圧倒的に海外の人が多くて。更に言えば、自分が寝てる間に再生回数が伸びてるから「これは時差あるな……。」って、何となく分かったり。日本にいながら世界の人が聴いてくれているからこそ、日本らしさっていうのはすごく意識するようになりました。 ——海外バンドのような雰囲気があるからこそ〈Captured Tracks〉に所属するバンドと比喩されることや、並べられることも多いと思うのですが、ロールモデルにしているバンドっていますか? 一同 いないなぁ。 下田 いないよね。ただ根底にいるのはスマッシング・パンプキンズ(以下、スマパン)ですね。サウンド含めた表層的なところは全然違うけれども、メロディーの綺麗さや印象的なフレーズなどの楽曲の根底的な部分は強く意識していて。そういうところから、「良い音楽ってこういうものだよな」って思ったりして。そういう意味で言ったら根底にあるのはダイナソーJr.だったりとか、ペイヴメントですね。ヨ・ラ・テンゴや、ライドも好きだし。 The Smashing Pumpkins - 1979
村上 でもある意味いまの若者にとって90’sのバンドって、90’sの頃の人たちにとってのビートルズみたいになっているのかも。当時、オアシスやニルヴァーナのカート・コバーンとかが、「ビートルズを好き」って言うのと同じ状態になってきていて。でも必ずしも彼らがビートルズみたいなサウンドか、って言ったらそうではないし。多分僕らもそれに近いものがあるんじゃないかな。 下田 めちゃくちゃ咀嚼してるんだよね。 村上 あれから20年、30年経っている時代としては確かに根底にはそれがあるけど、また時代は変わってるよね。 下田 僕たちUSインディって言われることがすごく多いんですけど、本当のことを言うと〈Captured Tracks〉って言われて初めて知ったぐらいなんですよ。“Girlfriend”とかを制作していた時に「〈Captured Tracks〉って何?」って。 鈴木 「マック・デマルコってだれ?」「ビーチ・フォッシルズ?」「これでDIIV(=ダイブ)って読むの?」みたいな(笑)。 下田 それでダイブっていいぞって(笑)。 村上 でもそれってある種すごいなって、同時代性っていうか、勝手に共鳴していたということだよね。 下田 ダイブとかビーチ・フォッシルズを聴いて、「俺たちと同じ音楽やっているやついるんだ」って思いました。ただよく考えてみると当たり前で、ダイブって多分、ニルヴァーナを自分なりに咀嚼して、今のムードに合わせてやっているんだと思っていて。そいう意味で言えば、僕たちはスマパンだったり、ペイヴメントだったり、同じルーツを持ちながら、今のムードに合わせて音楽を作っているので、それは似たようなものになるよね、と。 村上 サウンドムードを察知するのが速かったね。 ——なるほど。 下田 根底に僕はすごく悔しさみたいのがあって。大学の間、ずっとバンドをやっていたんですけど、誰にも評価されなかったんですよ。音楽って人に初めて評価されて成立するものなので、次は絶対に評価されるものを作りたいと思っていました。いまのバンドは正直、楽曲の根幹の部分はこれまでと変わってないつもりなんですけど、ある意味すごく割り切れたのが、音楽って時代によって移り変わる、ファッションみたいなものだよね、ということです。だから、いつまでも僕が好きな90’sのスピリットを引きずって、そのサウンドであり続けても、今のムードにはフィットしなくて。だったら、サウンドを柔軟に変えて、その時代の時々に合うようなものを作り続けていって、それでまぁ評価されたらいいなと思ったのがI Saw You Yesterdayです ——そういったことも含めて、今回のEPに入っている“City Girl”と“Topia”はどういう風な意識で制作をしましたか? キャッチーさを出していきたい、ということも話していましたね。 下田 『Dove』に比べるとかなりポップになっています。『Dove』の時は分かりやす過ぎるメロディーを作ることにすごく抵抗があって、毎回メロディーに悩んでました。その中でもみんな一番いいと思った楽曲は”Lisbon”なんですよね。それで”Lisbon”のMVを作ったんですけど、YouTubeでの再生回数がいまいち伸びなくて、伸び続けていたのは”Girlfriend”だったんです。その時にキャッチーなものが求められていると感じて、だから、そのキャッチーさというのを意識しながら楽曲を作りました。 I Saw You Yesterday - "Girlfriend"
『Dove』では低いボーカルの帯域しか使ってなかったのを、今回はけっこう高い帯域を使ってボーカルが立つようにしたり、実際のプロダクションではボーカル含めて、ちょっとリバーブを弱めてます。なので、前作と比べてドライでキャッチーな雰囲気にはなってるのかなと思いますね。 ——音作りでそれぞれがこだわった部分は? 村上 『DOVE』の頃は綺麗な景色を眺めている感覚で作っていた部分があるんですけど、今回はもうちょっとズームインしたような、立体感があるものを出していきたいなと考えていて。前作に通ずるキラキラ感は残しつつもエグ味を出していけば、単純に美しいものに対して、綺麗なだけじゃなくて、ちょっとした影ができて、立体感を帯びてくるんじゃないかと思ったので、今回のギターはそういうことを意識して作っています。 ——鈴木さんはいかがですか? 鈴木 こだわっている部分というか、腹にくる低音は出さないっていうことを意識してます。僕のベースに対する考え方や聴こえ方、立ち位置は周りの人と若干違っていて。僕の中で楽曲をどれだけ邪魔しないかっていうのがテーマですね。 ——ドラムの内城さんは昨年の11月から加入ですね。 内城 悠(Dr) 僕は『Topia EP』には参加をしてないんですけど、このバンドに入ってから意識しているのは鈴木と一緒で。楽曲の邪魔をしないということを前提として、ベースとドラムでノリを出していくことを考えています。ベースとドラムが合ってたら、体は自然と乗ってくるものだから。そこを合わせつつ、音とかではあまり存在感を出さないようにしています。 ——内城さんが加入してから、バンドでの変化はありましたか? 鈴木 今まで2年ぐらい同じメンバーで活動をしていたんですけど、メンバーが入れ替わって、第三者の視点を持った人が入ったことで、すごく大きく変わったと思ってます。彼は言ったことを体現できるので、色々なやり方を試すことができますね。 村上 『Dove』をリリースした後は腹の探り合いのような部分があって、でもかと言って抑制してるかっていうと各々好き勝手にやっている部分も強すぎたので、それがちょっとしたカオスになりつつありました。ただ彼が入ってまとまりがよくなった部分があるというか、激しい瞬間の為に我慢する、抑制する気持ち良さを覚えてきたのかなと思います。 下田 腹の探り合いになってしまったのは、こういうジャンルをどうやってやったらいいんだろうねっていうところがあったんです。みんなこういうジャンルをやるのが初めてだったんですよ。でも今になってわかったのは、このバンドの主役がかい(村上)くんということなんです。かいくんのギターをどうやって前に出していくかっていうことを考えていて、すごくテクニカルな話をすれば、最近は自分のギターのミドルを削ってるんですよ。ミドルって一番人の耳に聞こえてくるものなので、そこはかいくんが出す帯域だと思っています。そうやってある程度、各々の立ち位置がわかってきて、メンバーの中で主役がかいくんという共通意識があるから、控えめなベースを弾くとか、ドラムも悪目立ちしないとか、それは僕も一緒で。 鈴木 僕はかいくんも主役だと思うけど、やっぱり下田の歌もかなり主役級だと思っています。かいくんのギターと下田の歌が主役。だから、かいくんを主役って言っているけど、実はかいくんが弾いていないところも多いです。 下田 でも弾いてないところが多いからこそ、弾いた時にガッとくるよね。「来た来た来た!」みたいな。 村上 歌とギターが主役かな、このバンドは。 下田 僕も歌っていない時間って、他のバンドに比べて長いんですよね。例えば3分半の曲があったら歌ってるのは1分半ぐらいなんじゃないかな。ギターもボーカルも同じ割合で作ってます。“Lisbon”とかがそうで、ギターもサビのようなイメージですね。ギターとボーカルが交互にくることで、ダブル主役としてやり過ぎないというか。 村上 ギターとヴォーカルが一辺にきても、何を聴いたらいいか分からなしね。 I Saw You Yesterday - "Lisbon"
下田 初めに海外のリスナーが多いという話をしましたが、彼らって非英語圏であることが非常に多いんです。そうすると英語が母国語ではないから、あんまり歌詞の意味が聴いているだけでは伝わらないんですよ。そこで何を重視すべきかを考えると、英詞独特のリズムの気持ち良さだと思っていて。なので、気持ちよく聴こえて、響きからかっこよさを感じてもらう為に、韻を踏むことを一番大事にしています。語尾でだいたい韻を踏んでいるんですけど、韻を踏むことで末尾にくる単語が制限されてしまうので、正直、歌詞は意味を重視しづらいっていうのはありますね。ただ何も考えていない訳ではなくて。一つとしては、あえて抽象的な言い方をしてあらゆるシュチュエーションが想像できるようにして、リスナー自身の体験と重ねて楽しんでくれたらいいなと思ってます。 村上 歌も楽器の一つとして捉えているから、韻を踏むっていうのはサウンド部分と近い、ギターと近いものがあるのかな。
"Lisbon" I'm always here 'cuz I just wanna know I'm always aware that I just need to go いつだって知りたいからここにいる でも行かなきゃいけないってことにも気付いてる Stay in my own 'Till the sun comes up and lights my days 太陽が出て僕の日々を照らすまで閉じこもっていよう Here comes the dawn I will leave my heart and escape ほら夜明けが来た、 心を置きざりにして逃避行をする It is too late You are not the girl I used to know who feel the pain もう遅い、 僕の知ってる痛みを感じる君じゃなくなってた
——バンド内の共通認識がしっかりと出来上がっているんですね。改めてI Saw You Yesterdayとして活動する上で、軸にしているものは? 下田 そういった意味でいうと、聴き心地がいいものを作りたいと思ってます。僕たちは変わったコードは使わずに、シンプルに3つ、4つのコードで楽曲を構成しているんですよね。やっぱり変わったコードだったり変わった響きを入れると、すごくイレギュラー感が出てしまって……。もちろん、時にはイレギュラー感を与えてリスナーの期待を裏切ってあげることも大事なんですけれども。これは僕の持論なんですけど、100回あったら99回はリスナーの期待に応えてあげた方が音楽として心地いい。だからコード進行をすごくシンプルにしているのは、そっちの方が耳なじみもいいし、シンプルなコードのループにすることでリスナーが「え、このあとこんな音がくるの?」ってならないので。だから、そういう心地良さみたいなのをすごく重視してます。 ——確かに心地よさというか、メロディーがスッと耳に入ってきますよね。 下田 あと底抜けに明るくしない、どこか憂いがあるようなメロディーにすることによって、過度なメジャーコード感を消して、どんなテンションでも聴ける、24時間いつだって聴ける音楽というのを意識しています。 村上 1つの感情じゃないっていうのが音楽の良さだからね。 下田 最初の話にも繋がるんですけど、歌詞に関してもあえて具体的なことは書かずに、リスナーの想像に任せるっていうのはそこがあって。あまりにも具体的なことを言うと、聴く側のシュチュエーションを狭めることになる。例えば失恋がテーマの曲だったら失恋をしている時に聴きたいじゃないですか。だけどそうじゃないって言うのはやっぱりリスナーに委ねるというか。 村上 でも無難ということや、何となく環境音楽を作っているということではなくて。リスナーが持ってる心を刺激して、自分の中で想像してもらう。新しい体験をしてもらえたらと思います。 下田 個人的にはiPhoneの純正イヤホンで聴くことを推奨したいですね。耳栓型のイヤホンで家で集中して聴くんじゃなくて、どちらかと言うと環境音を聴きながら、AR的に音楽を楽しむというか。リスナーの日常に合わせて溶け込むってすごく大事だなと思っているので。 ——確かに限られたシーンがあまり想像できないですよね。残像みたいな、溶け込むって言われて納得しました。だから、色んな人の心に刺さるのかもしれないですね。また海外のリスナーが多いということですが、今後どこに向けて音楽を発信していく予定ですか? やっぱり海外? 下田 最近すごく意識しているのはアジア周辺ですね。もちろん日本のバンドだし、日本をベースとしてやっていくことは変わらないんですけど、アジア諸国を意識しながらやっています。またもう1つ言うなら、音楽を長く続けたいなと思っているんですよね。自分たちのことをすごく好きになってくれる人がいて、で、そういう人たちに囲まれながら、見守られながら、自分たちのペースでやっていけたらと思ってます。 ——5月26日(土)にはリリースパーティーもあり、これからツアーも始まりますね。I Saw You Yesterdayの新たな姿が見れそうです。 下田 これは自信を持って言えるんですけど、めちゃくちゃパワーアップしています。去年のリリースパーティーを見てくれたりとか、1年前のI Saw You Yesterdayを見てくれている人たちからすると、もう全然別ものだと思えるぐらいに進化をしていて。同じ曲をやっていても、全然違う風に見えると思いますね。あとは1年ぶりぐらいに大阪に行くので、そういう成長した姿を見せられたらいいなと思います。 村上 今しか見れないよね。これからまた変わって行くし。 鈴木 内城が入ってほやほやだしね。 下田 内城の初期衝動が見れるよね。そういうのに期待しながら、ライブを見てもらいたいです。

RELEASE INFORMATION

Topia EP

[amazonjs asin="B079T54JF3" locale="JP" title="Topia EP"] 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

<“Topia EP” Release Party by I Saw You Yesterday>

I Saw You Yesterday 2018.5.26(土) open 15:00 close 22:00 EBISU BATICA ADV ¥2300/DOOR ¥2800 ACT I Saw You Yesterday SIRUP feat Shin Sakiura Opus Inn Cairophenomenons pavilion xool TAAR DJ saskia tokyo-DJ set- タイラダイスケ Spincoaster DJ’s 村田タケル DIGLE CREW SHiN & YUU UMEMOTO(SUCKS BOYS,TIPS) FOOD みやん軒 詳細はこちら

Photo by Kodai Kobayashi

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

TWICE、防弾少年団(BTS)に次ぐ、2018年注目の“韓流サードウェーブ”。韓流・K-POPブームを経た現在

$
0
0
今ではお馴染みになった「韓流」という言葉。なんとなく使っているこの言葉には、広い範囲の文化とその流れが含まれています。 最近雑誌などのメディアを中心に聞かれるようになった「韓流サードウェーブ」という言葉も、その変遷を辿った上で今の韓流を語ろうとする姿勢から生まれたものでしょう。 では、この「韓流サードウェーブ」とはどのような経緯から生まれ、またどのような特徴があるのでしょうか。これまでの韓流の流れから今の韓流「第3の波」を見てみましょう。

「韓流サードウェーブ」概論 〜今巻き起こる韓国ムーブメントの系譜〜

ファーストウェーブ:冬ソナとBoAの大ヒット

「冬のソナタOST」RYU‐처음부터 지금까지(始めから今まで)
「韓流」という言葉は、実は韓国で生まれたものではありません。時は1992年、韓国と中国との国交が正常化し、韓国ドラマ『ジルトゥ(질투/嫉妬)』を筆頭に、韓国の大衆文化が続々と中国に紹介されるようになりました。 1998年には韓国でも大人気だったドラマ『サランイムォギルレ(사랑이 뭐길래, 恋がなんだと)』が中国で大ヒットし、2000年前後にはH.O.T.、Baby Voxなどの韓国アイドルが中国でのヒットを記録。このブームを捉えるべく、中国のメディアが使用したのが「韓流」という言葉でした。すなわち、「韓流」は1990年代から2000年代初めにかけて中国や台湾、東南アジアを中心に発生した韓国コンテンツブームを示す言葉だったのです。 一方、日本では2002年のサッカーワールドカップの日韓共同開催をきっかけに韓国文化への関心が高まり、文化交流も多く行われるようになりました。 「韓流」と聞くと誰もがまず思い浮かべるであろうドラマ『冬のソナタ(겨울연가)』が放送されたのは、ちょうどこの頃。俳優の来日時にはファンが空港に殺到し、旅行代理店が競うように仕掛けたドラマのロケ地ツアーが大人気になるなど、ドラマの枠を越えた、その年を代表する社会現象となりました。 冬ソナの放映の少し前には、J-POPで多数の「韓国人初」のタイトルを持つシンガー・BoAがデビューしています。彼女はデビュー前から日本市場を目指してトレーニングを重ね、実際に大成功を果たした最初のK-POPアイドルでもあります。BoAの成功は以降続くK-POPを軸とした韓流カルチャーの、大きなマイルストーンになりました。各国に撒かれた「韓流」や「K-POP」の芽は、セカンドウェーブでより大きな事象へと花開いていきます。

セカンドウェーブ:K-POPを軸とした市場規模の拡大

KARA - ミスター(日本語版)
2000年代半ば頃から、「韓流」は徐々にアジア各国へとその活動の幅を拡大していきます。 例えば、歌手で女優のチャン・ナラは2004年活動頃から中国での活動を開始。翌年には「チャイナゴールデン・ディスクアワード」で最高人気歌手賞を受賞し、一躍大スターになりました。2003年から2004年にわたって放送されたドラマ『宮廷女官チャングムの誓い(대장금)』は日韓中の三カ国以外にも、台湾、トルコ、香港、タイなどアジアの広い領域でヒットし、イラン、スリランカ、ルーマニア、ジンバブエでも国民的な人気を得ました。 これらのシンドローム的な成功により、「韓流」は多くの国において文化的な土壌を確立します。「K-POP」が一つのジャンルとして定着し始めたのも、この頃と言ってよいでしょう。日本でも、少女時代、KARA、東方神起など、「新・韓流」と呼ばれるアイドルが登場。この三組は2011年の紅白歌合戦に出場しています。 アジアにおけるファーストウェーブが俳優個人や、作品単体が引き起こした現象だったとすれば、セカンドウェーブでは、それ自体が一つの文化として各国で定着したのが特徴です。韓流は、アジアでの成功によってその勢いは更に広がりを増していきます。

韓流サードウェーブ:「K-POP」以外も巻き込んだユースカルチャーとして

防弾少年団(BTS) - DNA(Live at AMA 2017)
2010年以降から今に至る韓流サードウェーブは、また傾向が違います。2000年代から広まってきた活動範囲は、今や大衆文化の中心であるアメリカにまで及んでいます。2000年代にもアメリカ進出を試みたことはありますが、目立った実績を残した例はありませんでした。しかし、今ではK-POPアイドルが世界中でコンサートを開催し、KCONなどK-POPイベントが欧米でも定期的に開かれるようになりました。PSYの『Gangnam Style』が世界中で話題になったり、防弾少年団がビルボード・アワードで受賞し、AMAでパフォーマンスしたりすることは単なる奇跡ではなかったということです。 しかし、「規模の拡大」だけが今の韓流の特徴ではありません。今の韓流では、それまでと比較し、情報伝播のプロセスが変わった点がポイントと言えます。発生と消費のタイムラグが無くなったSNS以降のメディア環境が、韓流の伝播に大きな役割を果たしています。 TWICE – TT (韓国語版)
例えば、今は世界中のファンたちがみんな同じ時刻に新しいMVやSNSライブを見てコミュニケーションをします。日本でも人気のアイドル・TWICEはデビュー前から『TT』の振り付けである「TTポーズ」がかわいいとSNSなどで話題になり、若者の間で流行ってから日本でデビューしました。 デビュー後も、日本では披露したことのないハングルの楽曲が日本でチャート・インしたりすることもありました。BoAが日本活動のために日本語を勉強し、日本の事務所との協力で勝負した時とは違い、TWICEは韓国でヒットしたものがそのまま日本でも愛され、メンバーたちの日本語が苦手な点までもがかわいらしさとして受け入れられています。このような傾向はK-POPだけに限りません。韓国から積極的に世界市場を狙っていた時代とは全く違うと言っていいかもしれません。 lute live:Dok2 「Beverly 1lls」
K-POP以外の動きも非常に活発です。特にヒップホップにおいては、2014年のMCバトル番組『Show Me The Money』シーズン3が火付け役となって、韓国は若い女性をも取り込んだ一大ブームに。番組内で制作された楽曲がリリースされるとランキングの上位を独占する、という事態が頻発するようになります。 この番組によって多数のスターが誕生しました。Jay Park率いるヒップホップ・レーベル〈AOMG〉や〈Illionaire Records〉、〈Hi-Lite Records〉などが海外でライブをしています。国のインディーズ文化が世界で紹介されることで韓流のパイが大きくなり、その多様性も富むようになりました。 Reddy, Sway D, Paloalto, YunB, G2, Huckleberry P & Camo Starr - Break Bread [Official Video]
この影響は日本においても多くの面で見られます。その一つの特徴が「K-POPではない韓国音楽」が国内カルチャーの流れとクロスオーバーし始めていること。 例えば、川崎市出身のラッパー・KOHHが、韓国のアーティスト・Keith Apeの楽曲にフィーチャリングアーティストとして参加した『It G Ma』は、アメリカをはじめ世界中で話題となり、両アーティストの知名度を上げる足がかりになりました。韓国でも、この曲でKOHHの名を知った人が多かったはずです。 Keith Ape - (It G Ma) (feat. JayAllDay, Loota, Okasian & Kohh) [Official Video]
また(少しヒップホップからはズレますが、)シンガー・IU(アイユー)のフックアップによって人気を獲得したバンド・HYUKOH(ヒョゴ)も、日本でのヒットを記録しました。感度の高い音楽ファンなら、彼らが日本のカルチャーを紹介する代表的な雑誌『EYESCREAM』で表紙を飾ったことや、昨年never young beachと共演したことなど、その実を知っていることでしょう。なお、HYUKOHは今年の〈GREEN ROOM FESTIVAL〉への出演も決まっています。 さらに、ファッション領域でも韓国カルチャーの影響力が強まっています。R&BのシンガーソングライターであるDEANは、今年1月にアーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)がさまざまなジャンルのアーティストを迎える企画「PORT」に参加し、コラボ商品を発売。ローンチの際にはオンラインサイトにアクセスが集中してサーバーダウンするほどの人気だったといいます。 また、今年4月には韓国のブランド「ADER ERROR(アーダー・エラー)」と、フランスのブランド「KITSUNE(キツネ)」がコラボコレクションを発表、ローンチを祝し渋谷の〈SOUND MUSEUM VISION〉で開催された音楽イベント「キツネ クラブ ナイト(KITSUNE CLUB NIGHT)」も大盛況に終わったそうです。 このように、日本国内でも「K-POPを必要としない韓国カルチャー」がユースの心を掴んでいる状況も、徐々に出来つつあるのです。

国境を越えた新たな潮流は生まれるか

これまで見てきたように、サードウェーブにおける韓流の受け入れ方は複合的です。 ファーストとセカンドウェーブで形成された既存のK-POPファン層だけではなく(もちろんそういったファン層も含まれるとは思いますが)、理解度の高いカルチャーファンに対して、より多角的に定着しつつあるのが「韓流サードウェーブ」最大の特徴です。 これはSNSを軸としたメディア環境の役割の上に、好印象を与えてきたこれまでのヒットが重なった結果でもあるでしょう。そして(日本の例でもよく分かるように)、消費者の年齢が低くなったため、そして一つの文化として定着したため、国家間の紛争や政治問題などで業界の事情が変わっても消費者の趣味はあまり影響されなくなったことも、要因の一つかもしれません。 ついに始まった「韓流サードウェーブ」。その潮流に気づいている人は、決して少なくないはずです。きっと、日本国内はもちろん、多くの国において、そして色んな分野で自然と拡大していくのだと思います。そして、その先にあるものとは? 2020年代の新しいスターやムーブメントは、国を越えたクロスカルチャーの先にあるのかもしれません。

text by soulitude

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

【インタビュー】テレサ・ウェイマン(Warpaint)のソロ名義TTが表現する、エモーショナルな愛について

$
0
0
00年代以降のアメリカのインディーロックの中でも特に女性であることをニュートラルに表現しつつ、クールでムーディな作品を誠実に作り続けているWarpaint。新作『HeadsUp』ではメンバーの個人活動も反映され、プログラミングなどで新たな音像——端的にいえばWarpaintならではのダンス・ミュージックを表現し、ポップであることのこの時代における音楽的な豊かさを表現していた。 Warpaint - New Song (Youtube Version)
クリエイティビティに溢れるバンドの中でもクール・ビューティな佇まいと意志的な発言をしてきた、ボーカル&ギターのテレサ・ウェイマンが今回、TT(ティーティー)名義で初のソロアルバム『LoveLaws』を完成させた。 TT - Love Leaks (Audio)
バンドでも重要なフィロソフィであるセクシーな面はそのままに、グッとダウンテンポで、彼女自らがプログラミングしたビートに基づくリズムトラックが奥行きと深みのあるアンビエンスを構築。そこであらゆる愛——ロマンス、愛する息子、人と人の間にある普遍的なものなどーーについて飾らない言葉で歌われる本作は、テレサのパーソナルな思いやエモーションに触れる新鮮な側面を持つ。 今回、ワールドツアー中のハリー・スタイルズのスペシャル・アクトでWarpaintとして神戸のライブを終えた翌日、東京へ到着したばかりのテレサが短い時間だが、取材に応じてくれた。

Interview:テレサ・ウェイマン

——神戸公演が終わったばかりですが、いかがでしたか? すごく楽しかった。当然、ハリーほど私たちは黄色い歓声を受けることはできなかったけど(笑)、それでも楽しむことができました。それに、日本という国にいること自体がとても楽しくて。私たちが普段過ごしてるカリフォルニアとは全然違うし、みんなすごく礼儀正しくて優しく接してくれるのは大好きだし、興味深いものがたくさんあるので。 ——今回のハリー・スタイルズとの共演は意外だったんですが、どういう経緯があったんですか? ハリーから話をもらって、私たちもそうなんだけど、彼もものすごく幅広い音楽が好きみたいで、アメリカのツアーではカントリーの若い新人歌手を前座につれて回ってるみたいで。で、私たち自身も彼のアルバムをすごく好きだし、そもそもいい人そうな印象を持ってたんけど、実際会ってみてすごくいい人で。今回のライブは楽しんでるわ。 ——ではTT名義の初アルバムについてお聞きします。まずソロ作品を作ることになった必然性を聞かせてください。 そうね……バンドの中にいると、このバンドって一人の船頭がいてみんなが着いていくって訳ではなく、4人それぞれが自分の個性を反映させてるバンドなので、どうしても長い間やってくるとバンドのアルバムだけではどうしても出せない自分の部分がある、少なくとも私はそういう風に感じてしまった。それで2009年から自分でレコーディングができるように、例えばビートとかサンプルとかをどうやってコンピューターを使ってプログラミングするかを自分で少しずつ学んで行って、身につけて行って、ツアーとか移動の時とか、一人でいる時にいろんなものをちょくちょくやって行ったものが今回のアルバムにつながって行った感じかな。 ——アルバムを聴いて結構驚いたのがボーカルが前面に出ているプロダクションだなと感じたんです。それはボーカルもしくは声や歌詞を聴かせたいという思いがあったんでしょうか。 ええ。一つはやはりポップの世界から自分が学んだこととして、いろんな暗喩とか隠喩に自分が伝えたい気持ちや感情を覆い隠すのではなく、すごくわかりやすく共感しやすい歌詞を今作では書けたということがあると思う。あとは、自分のことをずっとシンガーだと思っていなかったんだけど、でもバンドで歌っているわけだから、シンガーとして自分がどれだけ成長しているか?ってところにしっかりフォーカスしたいなという風に今回は思ったのね。と、言いつつも歌だけではなく、すべての楽器を自分で演奏して、音楽的に可能なあらゆる角度からの表現を今回のアルバムで出したかったからというのはある。 ——個人的な印象としては不安や不穏を感じると同時にリラックスできるアルバムだったんですね。それはもしかしたらテレサが言葉だけではなく、内面をサウンドでも表現してるせいなのかなと。音選びや構築に心を注いだからなのかなと思ったんです。 すごくファジーな形で組み立てるのが好きなんだけど、明確なピースもありながらそれを他の要素とーー布の繊維の織りのように織り合わせていくっていうようなやり方が好きなのね。その不安っていう印象は良く分からないけど、自分としてはアンビエントミュージックのような雰囲気を感じてもらいたいっていうのはすごくあるわ。 ——なるほど。アルバムタイトルが『LoveLaws』で、レーベルが〈LoveLeaks〉という、この対比が面白いなと。法律と漏洩みたいな(笑)、そこに何か意図はあるんですか? ははは。実はアルバムをはじめは『LoveLeaks』にしようかと思って。いわゆるパナマ文書じゃないけど、私の内面をリークしているというくらい、さらけ出しているという部分を感じたので、「あ、いいかな」と思ったんだけど、結果的に『LoveLaws』にしたのは、より重みがあるというか。当然、アルバムの中にはロマンスについての歌もあるけど、人間としてやはり人と接する時に善意がいかに大事かってこととか、お互いについてちゃんと愛を持って接することが必要だとか、やはり我々人間がこの宇宙で存在して、愛っていうものがすごく大きな一つの法則としてあるわけだから、みんながそこへ立ち返る場所だなっていうところで『LoveLaws』がいいかなと思って、タイトルにしたの。 ——なるほど。いろんな形の愛を表現されてると思うんですが、バンド以上にパーソナルな印象を受けたんです。それは愛についての内容が増えたことが関係しているんでしょうか。 ええ。やっぱりなんらかの形で自分の内面をさらけ出すと自分の弱さを見せることにつながると思う。「え、これってどういうことなんだろう?」「私は何を感じているんだろう?」というのが分からないことがあって、分からないことで感じる自分の弱い部分というのが多分出てるんだと思う。でもこのアルバムができたことによって、そういったことが自分の中で消化できたというか、落とし込むことができて理解することができたということが言えると思う。ま、特に恋愛の気持ちを結構さらけ出すってことは自分の弱みを見せることだと思うんだけど、さっき言われた不安というものはそういうところなのかな?と。この先この気持ちはどうなるんだろう?っていうのが分からない、分かっていれば強い気持ちになれるけれども、やっぱり先が分からないのは強い気持ちになれない、それが弱さっていうものにつながっていくのかなと思う。 ——その弱さを出してらっしゃることが信頼できる作品にもつながっているのかと思います。そして、ほぼ一人で作ってらっしゃるということですが、共同プロデューサーの中にマニー・マークがいることが非常に意外だったんですが、彼との共作の経緯、そして彼の作品やセンスの好きなところはどんな部分ですか? 意外?(笑)、マニー・マークは友人から「ぜひ会いに行って一緒に何かやりなよ」って促されて、で、会いに行って、お互い好き勝手色々やってみたらすごくそれが楽しかったの。それで気があったし。それがこの作品を作ってる結構最後の方だったんだけど、ぜひ彼にも貢献してもらいたいなってところがあって、聴かせてみて、アレンジとかちょっとした調整を提案してもらって、それが曲に対して出してくれたアイデアを私がまた持ち帰って自分で聴き直してみたりして。でも結果的にこのアルバムにすごく宝石のようなものを提供してくれたと思う。言われたように、ほとんどの楽器を自分で弾いて、自分で作ってたんだけど、弟と共同プロデュースしてて、弟はエンジニアでドラマーでもあって、今回、自分のコンピューターで取り込めない生ドラムであるとか、生ベースやピアノをスタジオで録音する際は彼にお願いして。このアルバムに関しては私の家にボーカルが録れるセットアップがあって、それはスタジオに入ってエンジニアとスクリーン越しにやり取りをするよりも、やはり自意識や周りの雰囲気を気にせず、自分のペースで歌が録れる方が私は好きなので、ボーカルはそういった形でコーディングしたの。 ——では最後の質問です。バンドのキャリアと同時に今、ソロもスタートしましたが、アーティストとしての道のりの今、どの辺りにいる気持ちですか? 一つの扉を開けたっていう感覚。このアルバムはかなり長い時間をかけて作ったわけだけども、自分のあるチャプターをこのアルバムの中で表現できた。でもそれは少し前の自分であって、もっともっと新しくたくさん探求したいものが今すごく自分の中にある。音楽に対してすごくいろんなことをやってみたい気持ちでいっぱいで、毎日刺激を受けていて。たとえばエクスペリメンタルな実験的なノイズミュージックもやりたいし、アンビエントな曲も書きたいし、あるいはビーツを自分でプログラミングしてみたいし、とにかくいろんなことをやりたい気持ちで今いっぱいだし、WarpaintはWarpaintで存在し続ける、その中でも私がこのアルバムを作ったことで、こういうことができるんだって、自分の能力を認識、経験できたことで、バンドにも「あ、こういうことはバンドでできるな」っていう新しいアイデアもいっぱい出てきてるわ。 ——じゃあさらなる追求を楽しみにしています。 ありがとう。

RELEASE INFORMATION

LoveLaws

2018.05.18(金) ティーティー 詳細はこちら

Photo by Kodai Kobayashi

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

戦争状態のパレスチナで日常をたくましく生きる13人の女性たちの物語『ガザの美容室』トークイベント付先行試写会にご招待!

$
0
0
ガザで生まれ育った双子の監督タルザン&アラブ・ナサールによる初の長編で、第68回カンヌ国際映画祭批評家週間に出品され話題を呼んだ作品ガザの美容室が6月23日(土)より新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開。

『ガザの美容室』ストーリー

パレスチナ自治区、ガザ。クリスティンが経営する美容院は、女性客でにぎわっている。離婚経験調停中の主婦、ヒジャブを被った信心深い女性、結婚を控えた若い娘、出産間近の妊婦。皆それぞれ四方山話に興 じ、午後の時間を過ごしていた。 しかし通りの向こうで銃が発砲され、美容室は戦火の中に取り残される——。極限状態の中、女性たちは平静を装うも、マニキュアを塗る手が震え、小さな美容室の中で諍いが始まる。 すると1人の女性が言う。「私たちが争ったら、外の男たちと同じじゃない」——いつでも戦争をするのは男たちで、オシャレをする、メイクをする。たわいないおしゃべりを、たわいない毎日を送る。 それこそが、彼女たちの抵抗なのだ。 第68回カンヌ国際映画祭批評家週間に出品され話題を呼んだ本作は、ガザで生まれ育った双子の監督タルザン&アラブ・ナサールによる初の長編で、戦争状態という日常を生きる女性たちをワンシチュエーションで描き、戦闘に巻き込まれ、監禁状態となった人々の恐怖を追体験する衝撃作。
そんな『ガザの美容室』のUMMMI.(アーティスト/映像作家)と金子遊(批評家/映像作家)を迎えて開催されるトークイベント付先行試写会に5組10名様をQeticからご招待します。 注意事項を必ずご確認の上、奮ってご応募ください。

PRESENT INFORMATION

映画『ガザの美容室』トークイベント付先行試写会 5組10名様

2018.06.11(月) OPEN 18:45/START 20:00 アップリンク渋谷(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F)

▼メールでの応募方法

「応募する」ボタンをクリック後、お問い合わせフォームより、お問い合わせ内容を「プレゼントのご応募」とし、メッセージ本文に下記必要事項を明記のうえご応募ください。 1)ご希望のプレゼント:映画『ガザの美容室』トークイベント付先行試写会 3)住所:〒 4)メールアドレス: 5)電話番号: ※応募情報が未記入の場合は無効とさせて頂きます。 応募する

▼Twitterでの応募方法

1)Twitterにて「@Qetic」をフォロー 2)下記ボタンよりこのページをRTして下さい。 Twitterで応募する! ※当選者にはDMにてご連絡させて頂き、上記必要事項の確認をさせて頂きます。 ※フォローされていない方の応募は無効とさせて頂きます。

応募期間

2018年5月30日(水)〜6月3日(日)23:59まで ※いかなる理由でも開映後のご入場はお断りさせていただいておりますため、ご了承ください。 ※当選者ご本人を含む2名様までのご招待となります。 ※上映中の写真撮影、動画撮影、録音行為はいかなる場合も禁止いたします。 ※招待状が未着となった場合でも一切保障いたしかねます。予めご了承ください。

ガザの美容室

2018年6月23日(土)より、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開

監督・脚本:タルザン&アラブ・ナサール 出演:ヒアム・アッバス、マイサ・アブドゥ・エルハディ、マナル・アワド、ダイナ・シバー、ミルナ・サカラ、ヴ ィクトリア・バリツカほか (2015/パレスチナ、フランス、カタール/84 分/アラビア語/1:2.35/5.1ch/DCP) 字幕翻訳: 松岡葉子 提供:アップリンク、シネ・ゴドー 配給・宣伝:アップリンク Facebook Twitter オフィシャルサイト

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

澤田智洋さんが主催する<ゆるスポーツランド2018>に潜入レポート!体も心も大笑い、それがゆるスポの正体だった!?

$
0
0
ゆるスポーツの大運動会<ゆるスポーツランド2018>が5月19日、豊洲の『TOYO TIRES TOYOSU DOME』で開催された。3年目を迎える今年は世界ゆるスポーツ協会が提供する30種目の中から17種目が体験可能という充実ぶり。それなりに体力が必要そうなものから、座ってできるゲーム感覚のもの、小さな子供も遊べる「おやこコーナー」まで、広い会場の中でいろんなタイプの“ゆるスポ”を横断的に楽しめる内容ラインアップだ。 一般社団法人 世界ゆるスポーツ協会が主催するこのイベント。法人の代表は以前Qeticのシリーズインタビュー『imfamous』の第一回に登場した複数の職業と肩書きを持つ福田智洋さん。コピーライター、音楽家、福祉クリエーター、漫画家でもあり、スポーツクリエーターである澤田さんが“スポーツ弱者を世界からなくす”ことを目的に、発明した新しいスポーツを実際に複数、体験できるのがこの日というわけだ。

▼RELATED 福祉クリエイターや音楽家、複数の顔をもつ澤田智洋さんが登場!新インタビューシリーズ『imfamous』がスタート!

13時半に代表の澤田さんが開会の挨拶に立つと、主に20、30代を中心に下は小学生から上は60代を思しき人まで、親子三世代に渡る家族や友人同士、知らない同士が集合。
▲開会式には元陸上選手の山の神・柏原竜二さんも登場。
“ゆるササイズ”と名付けた準備運動から開始。まずはゆるい、が、よく考えられている「ざっくり体操」から。澤田さんは「肩〜とか腰〜しか言わないんで自由に動いてください」と指示もゆるい。が、だからこそ各々自主的にストレッチや運動で体をほぐす。 他にも“5人兄弟”設定の「五つ子体操」では、「長男!」「四男!」と名指された人の動き(どんな変な動きでもダンスでもOK)に合わせて、“兄弟”全員が同じ動きをするという、ちょっと引いてみるとシュール、参加している人は必死&爆笑。準備運動だけで、すでにゆるスポの真髄を体現している感じだった。 開会式が終わると、各々やりたい競技に向かう皆さん。いい意味で全部やってみようという心構えからか、いい塩梅にどの競技にも人が集まっている。では、今年導入された新しい種目をメインに具体的にレポートしていこう。

笑顔が絶えないゆるスポの新種目を紹介!

顔借競争

運動会の「借り物競争」にも似たこの競技。ルールは自分に似た人を3分以内に会場から探し出し、NECの顔認証技術を使った「どれだけ似てるか」認識でパーセンテージが高い組が勝つというもの。競技者は「ちょっと顔を貸してください」という、「ちょっと顔貸せや」をソフトにした感じの文言がプリントされたビブスを着用。 そういうちょっとしたセンスにもクスッとしながら、「顔を貸した人」と並んでうつされた画面に向かって外野が「案外似てる!」などと囃し立て、結果に一喜一憂するのも楽しい。ちなみに結果は数値以外に「犬と猫ほど違う」とか、「兄弟レベル!」とか、言葉でも表現されるのが楽しい。 「すごい勢いで似てない人を判断するので、頭も体もフル回転。でも最後は直感ですね。知らない人にも競技だから声をかけられるし、結果が出るから面白い。」(ヨネ・24歳) 「見回したら小学生の男の子がこっちを見てくれてたんですよ、「来いよ」って視線で。なので迷わず声かけました。」(マー・24歳) セキュリティに使われる顔認識の技術が笑いを生むことに目をつけた、体力よりはコミュニケーション力と判断力を要するゆるスポのニューカマーという感じか。

CANNOOON BALL!!!

アクアシティお台場と提携したスポーツキャノンを打ち合い、ゴールした球の数で勝敗を決めるゆるスポ。キャノン砲のサイズは大中小あり、大きいほど点数も大きいものの、狙いを定めるのが難しそう。せっせと小キャノン砲で数を稼ぐ人はコツを掴むとどんどんゴールに打ちこめている印象だ。 「大きいキャノンはコツを掴むまであらぬ方向に飛んで行っちゃいます。ゆるく見えて、なんども球を拾っては詰めて引っ張るので案外ハードでした!」(あゆ・24歳) 「4対4なので、チームには知らない人も。でもそれがむしろ面白くてゲームをやることで知り合いになれました。」(キョン・24歳)

トントンボイス相撲

1対1で声の大きさで相撲するという、一番敷居の低いゆるスポがこちら。が、本気で勝ちにいこうと思うと「トンントントントン!」と、高速BPMで発声し続けなければダメで、参加した人のハードコアバンドのボーカリストばりの絶叫が響く。また、声に反応して土俵が光ったりして、大声を出すというアナログなパワーでデジタルな演出効果まで生まれることに、おかしみを感じる部分も。 「声出すと戦ってくれるので声出しました!久々にお腹から声出して腹筋痛いです。」(モコ:19歳) 「ストレス発散になりますね。案外、体力使いますよ。」(ムー・19歳) ちなみに家庭用に『さけべ!トントンボイス相撲』として商品化され、7月に全国の玩具取扱店で発売予定。アナログなのにデジタルが結果を出すユニークなゆるスポを家庭でも楽しめる。

ポンタおへそサッカー

雷様に取られたおへそを取り戻す設定のサッカーゲーム。ポンタチームと雷様チーム5対5で、目隠しをしたポンタチームは、音のなる“おへそボール”を取り戻すのと同時に、鈴の音を鳴らす雷様チームのメンバーをつかまえることで、雷様を戦力から外せるという、なかなか集中力の入りそうなゲーム。 雷様チームはおへそボールをパスし続け、こちらもなかなか大変そう。 ボールを奪われてはだめだけれど、目隠しをしているポンタさんたちを気遣う必要もあるし、目隠ししている人たちも普段と違う状態を実感できる仕組みになっている。

ハンぎょボール

富山県氷見市役所と共同開発したこの競技。ハンドボールとブリが有名なこの町ならではの内容とルールがユニークです。競技者はコズクラを片方の脇に挟み、ゴールキーパーは浮きを両脇に挟むという、かなり動きに制限のある状態でハンドボールを行うので、体の使い方が難しそう。 ただ、ゴールを決めるたびに脇に挟む魚がブリならでは!出世していくのが面白い。一方、ボールを落としちゃった人は一旦「冷蔵庫」に待機させられるという設定も面白い。 両脇に浮きを挟んだキーパーは、ヘディングや足技でうまいこと失点を防ぐと、ゴールを決めた人より不思議とヒーロー感があったりして、やっても見てもよくできている!ゲームが終わり、魚を並べて数と大きさで得点を数える光景はちょっと魚市場のようでもあり……そもそもサバを小脇に抱えているだけで皆さん、可愛さ3割増。

○×スペース

ルールは縦横斜めのいずれか3つを並べる○×ゲームと同じ。が、マスに触れられるのは右手・左手・右足・左足のいずれかで、決めるのはルーレット。自ずとめっちゃ体制を維持するのが大変なポーズになることも。しかもAGC旭硝子との共同開発されたこの用具、ガラス製透明スクリーン“Glascene®」を採用。空生身の人間の超プリミティヴなアクションで様々なグラフィックや演出が現れるのも見どころ。変な体勢で我慢しながら未来的な効果を楽しむという不思議な体験を得られる。

だれでも楽しめるスポーツ

今回投入されたゆるスポを主に紹介してきたが、競技種目が多いのであまり待たずにテンポよく多くのゲームに参加している人が多かった印象が残った。意外と体力は使いながら、ルール自体はスポーツが得意な人もそうでもない人も初めてのものばかりなので、限りなくスタート地点は近くなり、思い通りに行かないのが当たり前だったり、その様子をお互いに見て大笑いする場面がとにかく多かった。 特に誰が上手いわけでもなく、勝敗にこだわる前にまずルールを把握しなければいけないので、自ずと知らない人同士も協力的になっている。 そしてなんと言ってもこれはゆるスポなんだという大前提が、上手い下手は関係なく、体を動かすのって楽しい、とりあえず参加しちゃえ!というカジュアルさにつながっているように感じられた。 願わくばこの規模感でまた開催されたら、今度は本気で参加できるウェアを持参します!

photo by 越智貴雄

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.


最注目アーティスト、ラウヴ|次世代スターとして人の心を捉える理由

$
0
0
シンガーソングライター。その言葉を聞いて、あなたはどんな人物をイメージするだろうか。おそらく、多くの人が真っ先に思い浮かべるのはアコースティックギターを抱えてスタンドマイクに向かうアーティストの姿だろう。アコギを一人で爪弾きながら、自ら作った曲を自分の言葉と声で表現するフォーク・シンガーは、確かにシンガーソングライターの最も基本的な形であり、源流には違いない。ただ、シンガーソングライターの在り方は現在、音楽の多様化やテクノロジーの進歩を経て、大きくその形を変えつつある。 そんな今様のシンガーソングライター像を体現する新鋭がラウヴこと、本名アリ・レフ。彼の音楽は、自らの経験や思索を美しいメロディに託す正統性と、EDMやR&Bといったモダンなポップ・テクスチャからの影響を溶け合わせたプロダクション面での多様性を併せ持つ。歌い手かつ作家であるだけでなく、様々な楽器・機材を使いこなすマルチ・インストゥルメンタリストでもあり、楽曲を総合的・立体的に組み上げるプロデューサーでもある。そんな多角的な才能こそが彼の最大の魅力であり、個性だと言えるだろう。 「僕は、どのような人間だって自分なりのやり方でスターになる可能性はあると思ってるんだ」(公式バイオグラフィーより引用) 自らそう語るように、彼は自分なりのやり方で、今まさにスターダムを駆け上がろうとしている。EP『Lauv』収録の“I Like Me Better”は、昨年5月に発表されてから息の長いヴァイラル・ヒットとなり、リリースから約9か月後の今年2月に、全米チャート100位以内へと到達。現在、全世界での累計再生回数は5億回を超える。

Lauv - I Like Me Better [Official Audio]

また、彼は自身のソロ・キャリアのみならず、他アーティストの作品にも精力的に貢献。シンガーとしてはフランス人プロデューサー・DJスネイクのシングル“A Different Way”にフィーチャーされ、チャーリー・XCX“Boys”やチート・コーズfeat.デミ・ロヴァート“No Promises”といったヒット曲にソングライターの一人として参加。ジャンルや国籍を問わず、ポップ・シーン全体にとって欠かすことの出来ない作家として、その存在感を増しつつある。

Charli XCX - Boys [Official Video]

さらに、彼の才能はエド・シーランにも認められ、昨年末には大ヒット・アルバム『ディヴァイド』のアジア・ツアーでサポート・アクトにも抜擢。エド・シーランと言えば、現行のシンガーソングライター勢の中で、名実ともにトップに君臨するアーティストだ。ここ日本での公演は残念ながらエド・シーランの骨折により延期となってしまったが、ラウヴ自身は今年3月に初の単独来日公演を実施。そこでは、ステージをいっぱいに使って動き回り、時折ダンスも披露する熱いパフォーマンスが披露された。 シンガー、ソングライター、プロデューサー、ライブ・アクトと、多方面でネクスト・ブレイク候補と目されるようになったラウヴの、デビューから現在までのソロ・キャリアをまとめた楽曲集が『I Met You When I Was 18.』である。全17曲で構成された同作は、アルバムではなくプレイリストと位置付けられている。 本作の象徴としてタイトルに選ばれたのは、自分で曲を作り始めた13歳でも、初めて世間に向けて公開した楽曲“The Other”を発表した20歳でもなく、ニューヨークで初めて本当の恋に落ちた18歳という年齢。そこには重要な意味がある。その真意を知るには、彼自身による以下の言葉を引用するのが最適だろう。 「このプレイリスト『I met you when I was 18.』は様々な曲を集めたもので、一種の物語でもある。それは僕が18歳の時にニューヨークへ移住して最初に恋愛をした頃のもの。まわりの人々と深く交わるようになってから、自分なりのアイデンティティを見い出そうとしていた頃の物語。」(ラウヴが同作に寄せたコメントより引用)

スターダムを駆け上がる ラウヴがはじめた音楽の旅

アリ・レフは1994年、サンフランシスコで生まれた。彼の母親はラトヴィア共和国の血を引いており、ラウヴというアーティスト名は、ヘブライ語で「ライオン」を意味するアリというファーストネームをラトヴィア語に変換したものだ。 彼の家族はサンフランシスコから間もなくオークランドへと引っ越し、それからもジョージア州のアトランタ、フィラデルフィアと、移住の多い生活を送っていた。十代の頃からポスタル・サーヴィス、テイキング・バック・サンデイ、グリーン・デイ、エミネム等、ジャンルを問わず多くのポップ・ミュージックに夢中になり、アトランタに住んでいた頃には当時のヒップホップやR&Bにも随分と影響を受けたというが、どの土地にいても彼は自分なりのアイデンティティを感じることは出来なかった。 「思うに、ぼくはどの土地においても強い結びつきを持ってなかったんだ。(中略)学校の中で、スケートボードをしながらスキニー・ジーンズを履いてるような子は僕一人だったんだろうね。(中略)自分が変だってことを誇らしく思うようになった」(公式バイオグラフィーより)

ニューヨークで恋に落ちた

それぞれに独自のカルチャーを持つ全米の都市を転々として、各地の音楽を広く吸収したことが、後の表現における多様性の下地となっているのは確実だろう。ただ、アーティストとしての表現欲求や核を見出すのは、まだ先のことだった。彼は12歳からバンドを組んでいたというが、13歳で初めて作った曲は「失恋とはどんなものなのかを知る前に書いた、失恋についての曲」だったのだという。 その後、彼はニューヨーク大学に進学して、ミュージック・テクノロジーを専攻。このニューヨークへの移住と、そこで経験した初めての恋愛が彼の人生を大きく変えることになる。『I Met You When I Was 18.』のオープニングを飾るのは“I Like Me Better”だが、この曲は最大のヒット曲というだけでなく、そのニューヨークでの恋を題材にしている点で重要な意味を持つ一曲だ。

Lauv - I Like Me Better [Official Video]

《若い二人は ニューヨークで恋に落ちた まだ自分が何者かも分かっていなかったけど 君と一緒なら大丈夫 酔った二人は ニューヨークで恋に落ちた 目覚めのコーヒー 何時間も語り合って時間が過ぎていく》(“I Like It Better”)

1人のアーティストとして

この最初の恋愛とニューヨークという街での生活が、彼なりのアイデンティティ萌芽のきっかけとなった。彼は大学で音楽を学びながら、有名な音楽スタジオ「ジャングル・シティ・スタジオ」でインターンとして働き始める。ジェイ・Z、ジャスティン・ティンバーレイク、アリシア・キーズ、ティンバランドといった有名アーティストのそばで与えられた仕事自体はほとんど雑用だったようだが、ヒット・ソングが作られる現場を目の当たりにしたことで受けた刺激は大きかった。その頃から流行りのヒット曲を聴きまくって、どのような構造で作られているのか徹底的に分析していたというから、彼はなるべくしてヒットメイカーになったのだと言うことも可能だろう。 ただ、ソングライター/プロデューサーとしてのキャリアが意識的な努力の結果である一方、表現者=シンガーソングライターとしてのキャリアは無意識の偶然から始まった。そのきっかけは、彼が2015年に初めて発表した楽曲“The Other”だった。

Lauv - The Other [Official Video]

「10代の頃は、一所懸命に努力して自分のバンドで成功を掴むんだと思ってた。それから一所懸命に作曲活動も行った。結果として、自分自身何かを一所懸命にやろうと思わずに出来た曲で全ての事が始まったんだ」(公式バイオグラフィーより)

人と人との繋がりから

初めて他の人に聴かせたいと思ったものの、それほどインパクトを残すことになるとは思っていなかったというこの“The Other”は、結果的に多くのリスナーの耳に届き、彼のソロ・キャリアの重要な起点となった。 この“The Other”は、ザ・ウィークエンドを髣髴させるメランコリックなR&B。その他、“I Like Me Better”ではフューチャー“Mask Off”などのヒット曲にも通じるオリエンタルなループが使われ、『ラ・ラ・ランド』や『ミッドナイト・イン・パリ』といった映画にインスパイアされたという“Paris In The Rain”ではロマンティックなストリングスとピアノが主役に。“Chasing Fire”ではダンサブルなビートにEDMが意識されている他、シンプルなピアノのバッキングで歌い上げる“The Story Never Ends”のようなバラードもあり、『I Met You When I Was 18.』の収録曲はトレンドをしっかり押さえつつも、実にバラエティ豊か。

Lauv - Paris in the Rain [Official Video]

その中で、彼の一アーティストとしてのアイデンティティは何なのかと言えば、それは彼が紡ぎ出すメロディとリリックに尽きるだろう。彼はインタビューで、自分が惹かれる音楽について「Beautiful Tragedy(美しい悲劇)」と答えている。その言葉通り、彼はすれ違う感情や失恋の痛みといった、一度でも恋をしたことがある人間ならば誰しも共感するような悲劇的な瞬間を、どこまでも美しく歌い上げる。それは自分なりのアイデンティティを模索し続けてきた彼が辿りついた、最も人間的な関わり合いの根源と言えるのではないか。

ラウヴの音楽が人々の心を捉える理由

彼のこれまでの人生は、決してドラマティックで激動に満ちたものではない。十代のアイデンティティ探求なんて、どこの時代、どこの場所にも転がっているありふれたものだろう。ただ、だからこそ彼の音楽は世界中のありふれた生活を送る一人ひとりの個人に届き、その人生を前向きに彩ってくれる。 「僕は毎夜ファンのみんなに紙とペンを持って、何を書きたいかなんか考えずに全てにおいてただ書くだけのことをやってごらん、と言ってるんだ。そこで記したものが結局は全てで、摂食障害や両親との揉め事、友達関係や性にまつわることなんかね。それで結局、答えはそれらの周りにはないんだってわかった。僕にとって書くということはそれらの感情一切に支配されないということだったんだ。」 「あなたが今思ってることは?と聞かれたら、僕の歌がまるでだれかと会話しているように感じて欲しいって言うね。そんな事が僕の大好きな人間同士の繋がりだったりするんだ。」 (公式バイオグラフィーより)

RELEASE INFORMATION

I met you when I was 18.

2018.05.31(木) ラウヴ Apple Music Spotify

Text by Aoyama Akihiro

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

【インタビュー】10ヶ月に渡り666枚を鉛筆で描いたARIKAの変化とは?

$
0
0
ARIKA
過去にはBullsxxtやthe hatch、gateballer、Group2にアートワークやグッズなどに作品提供しているARIKAが6月6日(水)から16日(土)に渡って、鉛筆で描かれた666枚の個展<666>を半蔵門のANAGRAで開催する。 鉛筆を使って描く精密さは過去の個展と同様であるが、今回の個展<666>ではグラフィカルなモチーフを使ったり写実的な部分があったりと1つの作品の中で色々な手法を使い、コラージュのような描き方に変化した。 10ヶ月にわたり666枚の作品を描くという無謀にも思える挑戦を経て、どんなことを思い、変化し、個展を迎えるのか。ARIKA自身初のインタビューをお届けする。

INTERVEW : ARIKA

——自己紹介をお願いします。 ARIKAです。 東京都在住の25歳です。 ——どんな作風ですか? 鉛筆を使ったドローイングを制作しています。 去年の2月のANAGRAでの個展から基本的に変わらず、気持ち良くてカッコいい画面がキマってればいいです。 リズム感がつかめてる画は良いものになると思います。 ARIKA ——今のスタイルになったきっかけを教えてください。 鉛筆一本でモノクロの細かい絵を描いてるのは、ボールペンでよく細密画を描いていたのが初めです。 学生の頃は銅版画を専攻していました。メゾチントっていうめちゃくちゃ時間のかかるドMな技法をやってたんですけど大きいサイズだと版に絵を作り始めるまでに2・3週間かかるような技法でした。 今、この枚数を鉛筆だけで描き続けられてるのは時間と手間がかかる作業ばかりしてたからだと思います。 卒業してどうしても制作に時間がかかりすぎるのと施設も必要になってくるので鉛筆に移行しました。 スタイルといっても去年の夏の終わり辺りから666枚を描き始めて10ヶ月の間だけでもものすごい勢いでスタイルが変わっていて、 描く為に描いてるというか、正直なところ今はスタイルが無いことがスタイルな気がします。 ——ご自身のスタイルに影響を与えたと思う人はいますか? あんまり意識して影響を受けたと思う人はいないです。その時限りだとしても一瞬でも気になった人が影響をくれる人だと思います。 ——どんな音楽を聴いていますか? 雑食なのでなんでも聴きます。 去年から1番聴いているのはKamasi WashingtonのHarmony Of Differenceです。
後、去年一緒にTシャツを作った今回6月9日(土)のパーティーでもライブしてもらう、札幌のthe hatchは必見です。 去年の夏に初めて観て、個人的にものすごい衝撃的でニューヒーロー現れたと思いました。 愛してやまない友達です。
周りにいい音を作っている人たちがたくさんいて、 どんどん次のステージに足を踏み入れていて、感動をもらっています。 いつも助けられています。 ——好きなものを3つ教えてください。 ⻌ 冖 √ 最近作品の中で文字をよく描くのですが、 こういう部首とか記号から装飾的に崩した文字を描いたりもします。 絵の中に描かれている文字はほとんど意味を覚えていません。 描いたすぐ側から忘れて、象徴的な何かになります。 ARIKA ——「666」を開催することになったきっかけはステートメントに書いてありますが、はじめ666枚描くと決めた時の心情を教えてください まあ間に合うでしょとか思ってました。 ——1日の作業時間はどのくらいでしたか? 作業時間は日によって変わっていて、3~15時間みたいな具合です。 今回の666に関しては、一枚にかける時間は1~2時間が平均です。 始めた時より格段にイメージがすぐ出てくるようになっているので、どんどん早くなっている気がします。 描いてる時は色々考えてるんですけど、ほとんど覚えてないです。最近は何で・何の為に描いてるのかってことをよく考えています。それで色々考えた末忘れます。 後は今回の制作期間で許しと受け入れることについて学びました。 ——絵はどこで描いていますか? 今のところあまり広さもいらないので自宅で制作しています。 部屋が生活する場所というより絵を描いて寝れる場所になってきているのでいずれある程度広いアトリエはほしいです。 ——お気に入りの画材などありますか? KOH-I-NOORのPROGRESSO 8911っていうグラファイト鉛筆がお気に入りです。 ぶっとい鉛筆の芯の部分だけの画材だと思ってもらえれば想像し易いかと、、 使い方一つで用途が広くてノリもいいので気に入っています。 削った鉛粉も画材して使うんですけど、濃さと削り具合で用途を変えたりしています。ふわふわの細かい粉ができると最高な気分になれます。 ARIKA ——666枚描いてみて、何か変わりましたか? 得るものが多過ぎて、もしやらなかったら精神的にも制作に関しても今の状態にもっていくまで2年くらいかかりそうなのでやって良かったです。 この話をすると悟ってきてる、修行僧とか言われます。 ——描いている途中、辛くなった時期はありましたか? 個展が始まるまで1ヶ月制作だけの時間を作っていて、色々平行して(仕事等)生活している時は切り替えがしんどかったです。 制作系の仕事ではあるんですが、やっぱり感覚がどこか違うので大変ですね。 もちろん仕事の方から絵のイメージの助けになることもたまにはあります。 ——今、やりたいことはありますか? まずはデカイ絵を描きたいです。 サイズを変えて今納得のいくものを作りたいです。 666の画集を作りたいとも考えています。 楽しみにしていてもらえると嬉しいです。 ——10年後、どうなっていたいですか? 展望は見えなさすぎて想像もできないので、変わらず描くことに向かっていれば良いです。 いろんな人にいろんな場所で助けてもらっていて、 今、観てもらえるものは666枚の絵だけなので、 またここから何か始まっていくんだろうなと思っています。 ARIKA ——読んでいる方に一言お願いします。 どんなことにも言える話なのですが、 人が関われる情景も瞬間も、その時自分で選んだところにしかないので、 SNS観てる暇があったら、誰かの大切にしてる現場に足を運ぶことが大事なことだと思います。 僕は僕の選択した瞬間の輝きから目をそらしたくない。 もし読んでくれた人がいるなら、二度と来ない10日間に足を運んでもらえれば幸いです。

ARIKA

ARIKAさん(@arika_dx)がシェアした投稿 -

1992年生まれ。多摩美術大学絵画学科版画専攻卒業。鉛筆を使ったドローイングによる表現をしている。 様々なモチーフで構成する画面の気持ちのよさを重視し、其れ等の織りなす空間、物語を想像できるかのような作品を制作している。 多岐に渡り作品提供・コラボレーション等、活動の幅を広げている。

EVENT INFORMATION

ARIKA Solo Exhibition
「666」

ARIKA 2018.
06.06(水)〜06.16(土)
 
平日 15:00-22:00 / 休日 14:00-21:00 半蔵門 ANAGRA 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

opening party

ANAGRA 2018.
06.09(土) 22:00 - 5:00 ¥1,500(+1d) LIVE the hatch DJ akiram en EMARLE adak7(GARDEN) dew(-Drone屋敷-) 詳細はこちら
ARIKAARIKA Instagram

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

【イベントレポ】PIZZA SLICE 2で開催されたZIMA主催のブロック・パーティー

$
0
0
ZIMA BLOCK PARTY
「ブロック・パーティー」をテーマに青山・PIZZA SLICE 2で5月末に開催された<ZIMA BLOCK PARTY>。 出演したのはkZm(YENTOWN)やあっこゴリラ、JABBA DA FOOTBALL CLUB、Taeyoung Boy、そしてZIMAレジデント / AbemaMixでもおなじみのDJ REN、MCとしてSIMONの合計6組。加えて、今を輝くアーティストたちを一気に見られるだけでなく、来場するとZIMA1本とピザが1スライスがもらえるという太っ腹特典でお腹もいっぱいに......!  そんな溢れる熱気に香ばしいピザと爽やかなZIMAが新鮮なテイストを加えたパーティーの様子を振り返る。

Event Report: 2018.05.29(火)@PIZZA SLICE2 ZIMA BLOCK PARTY

会場前にお酒とピザ、そしてヒップホップのパラダイスを求めて、PIZZA SLICE 2の前に現れたのは数十組の列。入場がスタートすると、DJ RENが爆音で会場を揺らす中で、来場者たちはZIMAを片手にピザを堪能しながら、友人たちとの話に花を咲かせ、熱気が溢れていく。 ZIMA BLOCK PARTY ZIMA BLOCK PARTY ZIMA BLOCK PARTY

Music Fighters

最初に登場したアクトのTaeyoung Boy(バックDJにyouheyhey)。思わず頷いてしまうトラックに怒涛のラップを繰り広げると、続いて<FUJI ROCK FESTIVAL '18>への出演も決定したJABBA DA FOOTBALL CLUBは流れるようなマイク・リレーで会場を魅了した。 ZIMA BLOCK PARTY
ZIMA BLOCK PARTY
Taeyoung Boy
ZIMA BLOCK PARTY
ZIMA BLOCK PARTY
JABBA DA FOOTBALL CLUB
さらに興奮を加えたのはDJ RENとSIMON。DJ RENの超絶DJプレイにSIMONのMCはブロック・パーティーにより一層の一体感を生み出す。トリッキーに登場したあっこゴリラは会場を縦横無尽。メジャーデビューも決定の余裕を見せつけた。 ZIMA BLOCK PARTY
ZIMA BLOCK PARTY
DJ REN & SIMON
ZIMA BLOCK PARTY
ZIMA BLOCK PARTY
あっこゴリラ
会場が壊れるかもしれない......! そんなことを脳裏によぎらせたのは最後に登場したkZm。PIZZA SLICE 2にモッシュを起こしたのは彼が最初で最後のはず。各方面で話題となった“Dream Chaser”ではオーディエンスが光を灯し、このブロック・パーティーから生まれる新たな展望を予感させながら幕を閉じた。 ZIMA BLOCK PARTY ZIMA BLOCK PARTY
ZIMA BLOCK PARTY
kZm
ZIMA BLOCK PARTY ZIMA BLOCK PARTY

Photo by 大石隼土

ZIMA PIZZA SLICE

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

【フェススナップ】タイコクラブの最後をレポート。ファッションや音楽に敏感な来場客たち

$
0
0
TAICOCLUB

人気の野外音楽フェス<タイコクラブ>が2018年6月2日から3日の開催をもって終了した。 当日、開催場所である長野県木曽郡のこだまの森は名残惜しむ空気が流れつつも、 来場客は日中から翌朝まで、音が鳴り止むまで踊り続け、 会場は最後まで笑顔や笑い声がたえない <タイコクラブ>独特の雰囲気に包まれていた。

TAICOCLUB'18 see you next 202x

TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB
TAICOCLUB

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

【イベントレポ】水曜日のカンパネラの新EP『ガラパゴス』を徹底解剖!前編

$
0
0
水曜日のカンパネラ
水曜日のカンパネラが、来たる6月27日(水)にリリースされるEP『ガラパゴス』公開取材イベントをワーナーミュージック・ジャパンにて開催しました。 90分間の多くをコムアイケンモチヒデフミが語り続けるというボリューミーな公開取材。前半でのトピックは、これまでの水曜日のカンパネラの活動をまとめた「水カン史」や、EP『ガラパゴス』についてを、コムアイやケンモチヒデフミが楽曲のテクニカルな部分から、歌詞・曲の背景にある出来事・思想、それらにまつわるエピソードを含めた楽曲説明。 続いて後半部分では、三宅正一(ライター・Q2 Records主宰)による二人へのインタビューと、青山蜂原宿bonoboの報道で話題となった改正風営法のことなど、イベントに参加したメディアや関係者とのQ&Aが設けられました。 水曜日のカンパネラをもっと詳しく知りたい! ここでは『ガラパゴス』(※後にも説明がありますが、「日本のガラパゴス化」をあらわす)ということで、おしゃれフードのみならず、駄菓子も置いてあったりとゆるい雰囲気で行われた本公開取材のイベントレポ前編をお届けしちゃいます!

『ガラパゴス』とは???

ガラパゴス島ではなく、ガラパゴス化の意。
「日本で生まれたビジネス用語のひとつで、孤立した環境(日本市場)で「最適化」が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、外部(外国)から適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い種(製品・技術)が導入されると最終的に淘汰される危険に陥るという、進化論におけるガラパゴス諸島の生態系になぞられた警句である。ガラパゴス現象(Galápagos Syndrome)とも言う。

引用元:wikipedia

このガラパゴス化を、今の日本の音楽に対してのメタファーとして題されたのが今作『ガラパゴス』。アートワークが完成するまでのプロセスについて、コムアイはこう語りました。 コムアイ アートアークは今までで最もシンプルです。武道館ライブなどを見ていただけたらわかると思うんですけど、これまではどんどん情報量を増やして、いろんなものを詰めていったのが水曜日のカンパネラのヴィジュアルだったと思います。でも、(『ガラパゴス』には)この一年で身体的精神的な変化が反映されて、すごいスッキリしたのかなと……。 水曜日のカンパネラ それでガラパゴス文化の象徴として、初期のプリクラを再現しまして、この一枚がCDに特典でついてきます。アートワークは河野未彩(MIDORI KAWANO)さんと初めてお仕事しました。これ自体は夢で見たんですよ。夢の中で、ピンクの透けてるので真ん中にプリクラがあってというのが浮かんで、そのまま未彩さんに話して進んで行きました。撮影をしていく中で、ちょっと80・90年代っぽくなったんですけど。 水曜日のカンパネラ そして音楽面の担当はケンモチヒデフミ。コムアイが体験した「1年間の変化」が反映されたサウンド、このEPで新たに挑戦したことを説明して行きます。 ケンモチヒデフミ これまで、EPは『安眠豆腐』(2014、ヴィレッジヴァンガード限定)、『トライアスロン』(2015)、『UMA』(2016)の3枚を出してきました。そして今回の4枚目が『ガラパゴス』になります。EPを作るときは、水曜日のカンパネラでは今までと違うことをチャレンジしようというテーマを設けています。今回、テーマにしているのはチルアウトなこと、スピリチュアルであること、そしてオーガニックサウンドであることです。 コムアイ (笑) ケンモチヒデフミ 先ほどコムアイも言いましたが、この1年間で大きな変化があったと。武道館でライブをやって時に、テクノロジーをてんこ盛りにしたような演出にしてたんですね。それを一回やりきったところでツアー・フェスを回っていまして、心の憂いがパッーと晴れていったんですね。そこで少しスピリチュアル、チルアウトしても良いんじゃないかなという思考にだんだんとなっていった経緯があります。あと、BPMは踊れるものというよりは少し落としめで。そういった形の全体像はひとつ特徴になってます。 そしてエンジニアは今まで僕の同級生の松橋秀幸に全て任せていたのですが、今回からはzAkさんが入ってくれました。先行で出ている“メロス”と“ピカソ”は松橋がやっていまして、それ以外の曲はzAkさんに担当していただいてます。zAkさんの特徴としては「ダブ・ミックス」があります。僕が作ったデータをバラでお渡しした後に、またzAkさんがもともとなかったようなエフェクトをバンバン掛けて原曲をまた違う感じに、リミックスまではいかないんですけど、そういった手法が行われています。それによってまたカンパネラの楽曲は今までとは違うテイストになっているかと思います。そういった挑戦をしたEPです。

EP『ガラパゴス』 全曲解説

水曜日のカンパネラ

「かぐや姫」〜竹がまっすぐ伸びるように、次くるAIみたいな感じで〜

ケンモチヒデフミ イントロは印象的なストリングスから入ります。少し違う話になるんですけど、今回のジャケットがこんな風になるとは知らなくて、それを知らされた時に「ぴったりだ!!」と。これで“かぐや姫”のイントロが流れてきたら完璧だなと思って、その通りリード曲にもなりました。今までのカンパネラの中で、このBPM、スローテンポの曲がリードになることは少なかったんですけど、それがようやくできて良かったなと思ってます。ドロップはすごい派手なんですけど、逆に歌の要素が少なくなっていまして、それを際立たせるために引きをやっています。あとAメロの《青々と》という歌詞なんですけど、当初僕は少し違ったものを……。で、コムアイが「青しかない」って言うんですよ。 コムアイ 私はもうこのイメージだったので。青です。 ケンモチヒデフミ この曲の歌詞はコムアイが書いてくれています。 コムアイ 一番影響を受けているのが市川崑監督の『竹取物語』という「かぐや姫」についての映画で。SFで、かぐや姫が竹に入る前はどこからきたのか、かぐや姫は宇宙人って設定で物語は進んでいくんです。この曲は、地球だけじゃないけど、いろんな命がずっと螺旋状に続いてきていて竹がまっすぐ伸びるようにずっと、すくすく自然に進んで行ってほしいと願って書きました。 その先にあるものが人間だけじゃなくてAIが含まれても面白いんじゃないかと思っていて、人間が滅んでAIだけの世界になるかもという話もありますが、そういうSF的な世界になっても、私はその連鎖がずっと続いている。恐竜から人間までの歴史があるように、これからもそういうことがあるんじゃないかなと。“かぐや姫”は次くるAIみたいな感じで歌いました(笑)。 TVスポット / 竹取物語

「南方熊楠」〜ワカンサンサイズエミタイ〜

ケンモチヒデフミ 南方熊楠(みなかた くまぐす)という方は自然科学者で、シダとかコケとかいろんな植物とかを研究していました。その自然にフォーカスしたトライバルハウスといいますか、スピリチュアルな感じのハウスですね。とにかく《和漢三才図会(わかんさんさいずえ)みたい》という日本語じゃないような部分があるんですけど、和漢三才図会は江戸時代に書かれた百科事典みたいなものですね。105巻あるんですけど、南方熊楠はそれを読んで書き写してっていうのを繰り返して全巻写し切ったという話があります。そんだけ見たかったんだなってことなんですけど、まぁ実は歌詞に意味はなくて、アフリカの方の良い曲とかで「何言ってるかわからないけど、めっちゃノリいいなこれ!」っていうのをやりたかったという。 [amazonjs asin="4041929075" locale="JP" title="猫楠―南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア)"] コムアイ 南方熊楠はずっとやりたかったタイトルでようやく入れられました。すごい『ガラパゴス』っていうタイトルにはこの島が好きっていうのがぴったりだと思って。日本の自然は生き物の種類・数がすごく多く感じるんですよね。来週屋久島に行くのがすごい楽しみなんですけど……、とにかくそういうイメージというか。人間がバッーと広がって行くみたいにこの曲もループしていて。あと、この曲で初めてカンパネラでできたことがあるなと思っていて、今まで私が歌ってしまうとポップソング、歌謡曲、歌として成り立ってしまうということがすごく気になっていて、自分の聴き込んだダンスミュージックってずっと続いていてもおかしくなかったんですね。この曲ではそれが初めてできたなと思って、すごい気に入ってます。ライブでもこの前歌いました。 ケンモチヒデフミ あと、これはzAkさんがダブ・ミックスしてくれていて、音が引かれたりしています。「あれ、zAkさんここにもうちょっと音が入ってませんでした!?」「あっ、バレたか」って、そういうこともありました。

「ピカソ」〜アビニヨンに遊びに行くよん〜

ケンモチヒデフミ これはNHKで世界中に放送されている番組があるんですけど、そちらのメインテーマになっている曲です。曲を作るにあたって、世界中の人にアンケートを取ってその答えを見ながら曲を作ってくださいというお題があったんですよ。じゃああなたの国の言葉で、異性の人を口説く時に話す言葉とかを教えてくださいというアンケートを取って、いろんな国の異性を誘う言葉を、Googleに言葉を入力すると翻訳機能で音声も出てくると思うのですが、それがBメロで使われています。そこでGoogleの音声って著作権あるのかなって、そわそわしてました。大丈夫らしいです。あと言語によっては音声が荒かったりして。 コムアイ 人口が少ない言語だと荒く作られてて。 ケンモチヒデフミ ピカソといえばキュビズムです。この絵は2次元の平面の上に3次元を構築しようとすると、いろんな視点から見た対象を一枚に描くことをキュビズムと言われています。これを恋多きピカソに置き換えると、同時期にいろんな女性と付き合うと角が立つよねという内容になっています。このキュビズムが最初に出された時は大変不評でして、ジョルジュ・ブラックがピカソの絵を見て「これが絵だというならば、それは三度の食事が麻クズとパラフィン製になると言われたようものだ」とも言ったんですね。それはこの曲の歌詞にもなっているんですけども、その後ジョルジュ・ブラックはキュビズムの重要性に気づくわけですね。ブラック自身がキュビズムの画家になって……。ちなみこれは『アビニヨンの娘たち』という絵で、歌詞にも。《アビニヨンの娘たち 5人と 遊びに行くよん》ってちょっとね……。 コムアイ 大丈夫ですよ言わなくて。皆さん分かっていると思うので。 会場 (笑)

「メロス」〜「馬が走る」「走る」「走るメロス!」〜

ケンモチヒデフミ 4曲目は“メロス”です。これは日本ダービーの曲として書かれたものでして書かれたもので、「馬が走る」「走る」「走るメロス!」ということで、『走るメロス』に登場してくるメロス、ディオニス、セリヌンティウス、フィオストラトスの4人が競馬の関係者となって競馬に固唾を飲んでいるような絵を想像して曲を作りました。この時はイントロとかは R&Bといった感じで始まって、歌のブリッジを挟んでドロップが入るんですけど、そこでちょっとファンファーレっぽいことをやろうかなと思って。ブラスが鳴った後に曇ったシンセ、それで乾いたクラップが、というドロップの構成を思いついた時にこの曲は勝ったって思いました。あとはこれを書くにあたって、一度競馬場にみんなに見学に行って、コムアイがバカ勝ちしてたよね。 水曜日のカンパネラ『メロス』
コムアイ 競馬は賭けに出ようと思わなければ2、3千円とかは勝って帰れるんですよ。安心のやつをいっとけば。競馬新聞に出てたやつを丸してたんですけど。でも2回行ってどっちも勝っちゃって。ウフフ。 ケンモチヒデフミ 3回連続で勝ってたよね。 コムアイ 夢がない競馬。競馬めっちゃ好きになった。
水曜日のカンパネラ
Photo by Mariko Kurose
ケンモチヒデフミ 「もう歌やめてこれだけで食べていく〜!」って言ってたよね。あとMVはモンゴルに取りに行ったということで。相当な強行スケジュールで、フェス、モンゴル、フェスみたいな。

「マトリョーシカ」〜終わりがない宇宙観〜

ケンモチヒデフミ 参加していただいてるのがフランスのムードイド(Moodoid)というバンドのボーカル、パブロ(・パドヴァーニ)でございます。水曜日のカンパネラの曲を作る時は人物名を1つあげてもらって、そこから曲を作ってるんだということで、「フランス人の人名を教えてください」と言ったら「マトリョーシカだ!」って何故かロシアの人形が出てきたんですけど、それで作った曲です。あとは歌詞の途中で般若心経とか出てくるんですよね。 Moodoïd - Reptile (Official Video)
コムアイ マトリョーシカは中にいくつ入ってるか見ただけではわからないけど、開けるとずっと出てくるみたいな。パブロのイメージの中ではそれがリアルに終わらなくて、トリッピーでサイケデリックな感覚なんですけど、曲を聴いた時にそういう感覚が来たって言ってました。 ケンモチヒデフミ それがつまりループ感というか、ちっちゃいマトリョーシカがいっぱい入ってて、終わりがない宇宙観というか、それを音楽で表してまして、曲が一回終わったかと思ったところから声が逆再生に入ってるんですよね。前に使われていたフレーズですね。 コムアイ デヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』のキャラクターって全員逆再生で喋るんですけど、それを思い出しました。 Twin Peaks - Cooper's Dream

「見ざる言わざる聞かざる」〜4匹目はどこに?〜

ケンモチヒデフミ 皆さんご存知だと思いますが、見ざる言わざる聞かざるは日光東照宮の神厩舎という建物の上に猿の彫り物があって、そこに良くないものは見ちゃいけない聴いちゃいけない言っちゃいけないよっていう、ことわざ的にあるんですけど。実はこれ、日本発祥ではなくてローマやエジプト、アンコールワットから来たもので、それが中国を経て日本に入って来たと言われています。中国にいた頃は4匹いたんですね。4匹目は股間を隠していて、「せざる」と言います。しちゃいけないよっていうことですね。 この露骨な彼が、途中ではぶられるわけです日光東照宮は徳川家康を守るためのものだったため、品位がないと。いつの間にか3匹になったと。それで4匹目の猿が最近用がないということで、寂しそうにしているというところがこの曲の最初のストーリーなんですけど、そういうことねって言い出したらあんまり面白くないじゃないですか。コンプライアンスとか。でも「笑いたいんだよこっちは!」ということを歌詞を通して言ってるんですけど。 ベッキー出演CMに水曜日のカンパネラの新曲「見ざる聞かざる言わざる」を起用 『BeatsX イヤフォン』新CM「キミを解き放て」

▼日光といえば......

【フォトルポ#1】コムアイが行く!日光市今市の歩き方。 【フォトルポ#2】水曜日のカンパネラ×日光市による無料映画上映会『名画ニッコウ座』を振り返る

「愛しきものたちへ」〜世界の終わりのような〜

コムアイ “ユタ”(『トライアスロン』)を作っていただいたオオルタイチさんにもう一回お願いしようということで、タイチさんがちょうどコムアイちゃんに歌ってほしい歌があるって言って、早速送られて来たのがこの曲だったんですけど、これは大事なものを預かったなと思いました。 タイチさんがこの曲を思いついた瞬間は景色が二つあって、一つはタイチさんは奈良の山奥に住んでいるんですけど、家から夕方に真っ赤な夕映えがあって、赤く光悦で、世界の終わりのような。そしてその数日後に東京に行っていて、それがちょうど安保法案が通る日の前夜で人がいっぱい国会議事堂の前に集まっていて、そこに行かれたそうです。 水曜日のカンパネラ『ユタ』
その時の景色が、国会議事堂の前で人がわーっと叫んでいて、その時に浮かんで来た時の思いを歌詞に反映されていると言っていて。私は《砂の城 くずれて》という歌詞があって、そこがすごい綺麗なメロディーなんですけど、「それ国会議事堂のことですか?」って聞いたら、そうですとおっしゃっていました。一回奈良のお家にいって録って持って帰って来たんですけど、タイチさんは良いとおっしゃるんですが私は納得がいかなくて。もっとリラックスした状況を自分で作って歌えないとなと思って、結局zAkさんのスタジオで録り直しました。 見たことないマイクを使っていて、オーケストラを録るような無指向性マイク。全方向から音を拾えると。このテイクは一回しかやってないんですけど、zAkさんは今ので大丈夫だよということで。私はもっと歌いたくて喧嘩っぽくなることもあるんですけど、後で聞いたらそのテイクが良かったという。この曲のタイトルはタイチさんに決めてもらったんですけど、結果的に今までの人名縛りが崩れまして。でもEPを作る前に私たちの中で、「もうそろそろ人名縛りとかなくてもいいよね」っていう話をしていて、うっすらなくなりつつあります。 ケンモチヒデフミ 僕ら自身もめんどくさいなこれって(笑)。

「キイロのうた」〜人は惑星だと思うといい〜

NASAさん(@nasa)がシェアした投稿 -

コムアイ これは最後の歌になります。“キイロのうた”は映画『猫は抱くもの』のために書いた曲です。いつもケンモチさんに曲を作ってもらっていて、自分で曲を書いたり歌詞を書いたりをしばらくやっていなかったので。もう一回やるときにケンモチさんに勝てるキャッチーさはなくても、自分が素直に何かのために書くときは映画のためがいいなと思って。言ったら犬童一心監督が音楽もやってほしいですよねって言ってきたので、やっぱりこのタイミングなのかなと。 映画『猫は抱くもの』本予告
なので、自分の成長を助けてくれるような企画だったと思います。この映画のおかげで自分が何かを書くということができて嬉しいです。この曲は恋愛でのトラブルがすごく多くて、お互いに愛してるんだけど現実では離れなくちゃいけないっていうことが、恋愛だけじゃなくても何度もあって、上手くお別れするためにはどういうふうに考えたらいいんだろうと思って。 「人は惑星だと思うといい」という話を高校生くらいの時に聞いたことがあって、人は惑うように生きていると思うんですけど、惑星の軌道は決まっていて、人はそれに沿うように動いている。人と人が会う瞬間は起動がクロスする時だと思うんです。それがまた離れて、でも一回重なったってことは結構近くにいるからきっとまた何処かで会えると思うことにしたんです。もし輪が大きくて会うのが80歳になってからかもしれないし、もしかしたら死んだ後かもしれないけど……。 ということで、違う姿で、違う匂いで気がつかなくても、また何万年か先に惑星の軌道が重なる。何かを手放せなくなっている、仕事とか何かに固執してる人がそれを手放せるようにと思って書きました。この曲が最後で、これを聞いてデトッックスみたいな感じで、EPの余韻を楽しんでいただければと。

RELEASE INFORMATION

ガラパゴス

水曜日のカンパネラ 2018.06.27(水) 水曜日のカンパネラ CD WPCL-12888 ¥2,500(+Tax) アナログ WPJL-10103 ¥3,500(+Tax) 収録曲 01.かぐや姫 02.南方熊楠 03.ピカソ 04.メロス 05.マトリョーシカ 06.見ざる聞かざる言わざる 07.愛しいものたちへ 08.キイロのうた 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

水曜日のカンパネラ・円形劇場公演

2018.06.30(土)、07.01(日) ※雨天決行・荒天中止 OPEN 17:00 / START 18:00 河口湖ステラシアター 野外音楽堂 先行チケット全席指定 大人:5,500円(税込) 高校生~大学生:3,900円(税込) 子供~中学生:2,500円(税込) お子様:2歳以下は無料。親同伴 GARAGEチケット先行 受付期間:4月9日(月)18:00〜4月15日(日)23:59 受付URL:http://g.wed-camp.com/news/detail/334 詳細はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.

Viewing all 1442 articles
Browse latest View live