Quantcast
Channel:
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1442

ライター・黒田隆憲が<FUJI ROCK FESTIVAL’23>注目10アーティストを紹介!

$
0
0
FUJI ROCK FESTIVAL’23

国内最大級の野外音楽フェス<FUJI ROCK FESTIVAL>(以下、フジロック)。コロナ禍では「国内アーティスト中心のラインナップ」という<フジロック>史上初の試みを行うなど、形を変えながらも「開催」の道を模索し続けてきた。昨年からは海外勢も復帰し、今年はいよいよ「アフターコロナの野外音楽フェス」として世界にその存在感を見せつけるような、見事なラインナップとなった。今回は、その中から個人的にも気になる出演アーティストを10組紹介していこう。

<FUJI ROCK FESTIVAL2023> 注目アーティスト10組

ザ・ストロークス(THE STROKES)

2001年にリリースされた、記念すべきファーストアルバム『Is This It』を聴いたときの衝撃と周囲の狂騒は、今なおはっきりと覚えている。ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)やザ・ストゥージズ(The Stooges)を源流に持つNYパンクの精神を、「現在進行形のロックンロール」に昇華したソリッドなサウンド。アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)やフランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)など、後続のロック・バンドに多大な影響を与えたロックンロール・リバイバルの騎手が苗場に出演。実は2020年に、最新アルバム『The New Abnormal』を引っ下げテーム・インパラ(Tame Impala)らとヘッドライナーを飾ることが決まっていたにもかかわらず、コロナ禍により幻に。今回はその雪辱戦と言っても過言ではないだろう。アルバムごとにスタイルをアップデートしつつ、激動の音楽シーンの中で長年第一線を走り続けるバンドの「今」を見逃すわけにはいかない。

The Strokes - The Adults Are Talking(Official Video)

リゾ(LIZZO)

今やウーマンエンパワメントの牽引役として圧倒的な人気を誇り、音楽のみならずファッションやカルチャー面でも同世代の女性リスナーに多大なる影響を与えているポップスター、リゾが<フジロック>初登場を果たす。出身地デトロイトからヒューストンへ移住し、ロックバンドのエリプシーズでフルートを吹いたかと思えば、ミネアポリス移住後はポップデュオのリゾ&ザ・ラーヴァ・インク(Lizzo & The Larva Ink)、3人組R&Bバンドのチャリス(The Chalice)など多岐にわたる活動で腕を磨いてきた彼女は、すでにレジェンド級の存在感。最新作となるセカンドアルバム『SPECIAL』は、第65回グラミー賞で年間最優秀レコード賞を受賞。まさに飛ぶ鳥を落とさんばかりの勢いの彼女は、果たして苗場でどのようなステージを見せつけてくれるのだろうか。

Lizzo - About Damn Time & Special(Live at the 65th GRAMMY Awards)

ルイス・コール(LOUIS COLE)

シンガーソングライター/プロデューサーとしてレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)やクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)、フライング・ロータス(Flying Lotus)ら様々なジャンルの第一人者から絶賛され、昨年5月に開催された盟友サンダーキャット(Thundercat)の来日公演にもドラマーとしてステージに立つなど唯一無二の活動を続けるルイス・コール。今回のステージは、同年12月のジャパン・ツアーと同じくビッグバンド編成によるもの。MELRAWこと安藤康平ら日本人プレーヤーも参加し、迫力たっぷりのホーンセクションを苗場に鳴り響かせる。ジャズにエレクトロやヒップホップを融合させたオリジナリティ溢れる最新作『Quality Over Opinion』が、苗場の大自然でどのように再現されるのか注目が集まる。

park your car on my face - Louis cole

関連記事 対談:LOUIS COLE × SASUKE|ミュージシャンたちのみちしるべ

スロウダイヴ(SLOWDIVE)

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)やライド(RIDE)らとともに「シューゲイザーシーン」の中核を担った英国レディング出身のスロウダイヴが苗場に戻ってくる。その名の通り、奈落の底へとゆっくりと沈んでいくようなフィードバックノイズが、儚くも透明感あふれる男女混成ボーカルと幽玄に混じり合う。セカンドアルバムでブライアン・イーノ(Brian Eno)をレコーディングに招いたり、サードアルバムではアンビエントミュージックへ接近したりと音響的な試みを率先して行いながら、のちの「シューゲイザー再評価」の流れに先鞭をつけた彼ら。一度は解散するも、2017年に4枚目のアルバム『Slowdive』をリリースするなど今なおマイペースに動き続ける彼らを苗場の空の下で堪能したい。

Slowdive - Sugar for the Pill(Official Video)

アウスゲイル(ASGEIR)

2012年にリリースしたデビューアルバム『Dyro i dauoapogn』が、「アイスランドのグラミー賞」と呼ばれるアイスランド音楽賞の主要2部門(「最優秀アルバム賞」「新人賞」)を含む全4部門受賞、同国の10人に1人がアルバムを所有するという驚異的な現象を巻き起こし、一躍シガー・ロス(Sigur Rós)やビョーク(Bjork)と並ぶ存在へと躍り出たアウスゲイル。2014年には初来日と<フジロック>出演を果たし、その美しく神秘的な歌声と雄大なアイスランドの自然を彷彿とさせるサウンドスケープが大きな話題に。その後も精力的に作品を発表し続け、昨年10月には通算4枚目のアルバム『Time On My Hands』をリリースした彼の、ますます円熟味を増したボーカルに浸りたい。

Ásgeir - Borderland

関連記事 【FUJI ROCK FESTIVAL ’23出演決定!】インタビュー:ÁSGEIR|デビュー10年目の変化と感謝

ヨ・ラ・テンゴ(YO LA TENGO)

ヨ・ラ・テンゴが10年ぶりにフジロック出演。その一報を聞いただけで苗場行きを決めた人もきっと多いだろう。ロックスター然としたところなど一切ないし、記録的なヒット曲やアルバムがあるわけでもない。けれども1991年に今の3人体制となって以降、『I Can Hear the Heart Beating as One』(1997年)をはじめ数多くの名盤をコンスタントにリリースし続け、気づけば「USインディ/オルタナ界の良心」ともいえる存在に。奈良美智とのコラボレーションEP『Sleepless Night』を経て今年リリースした通算16作目のアルバム『This Stupid World』も、1音目からそれと分かるヨ・ラ・テンゴ節が全開だ。アイラとジョージア、そしてジェームズという、愛すべき3人にしか出せないサウンドを存分に浴びよう。

Yo La Tengo- "Sinatra Drive Breakdown"(Official Video)

きゃりーぱみゅぱみゅ

2013年からスタートしたワールドツアーはこれまで4度、2020年にはレディー・ガガが国際女性デーを祝してセレクトしたプレイリスト『Woman of Choice』にセイント・ヴィンセント(St. Vincent)やグライムス(Grimes)、ケレラ(Kelela)ら錚々たるメンツと並ぶ。さらに昨年4月には、世界最大規模の音楽フェス<コーチェラ・フェスティバル(Coachella Festival)>にも出演しGOBIステージのトリを飾るなど、今や「世界のきゃりー」と言っても過言ではないきゃりーぱみゅぱみゅが、ついに<フジロック>初登場を果たす。中田ヤスタカが作り出すキッチュでシュール、かつ飛び切りポップな楽曲と、彼女のキュートでマジカルなパフォーマンスが苗場でどのようなケミストリーを起こすのか。今から楽しみでならない。

Kyary Pamyu Pamyu - Isshin Doutai(きゃりーぱみゅぱみゅ - 一心同体)Official Music Video

ロミー(ROMY)

英国ロンドン出身の3人組インディーバンド、ザ・エックス・エックス(The xx)のロミーが苗場に降臨する。バンドとしてはこれまでに2度の出演を果たし、そのクールでスタイリッシュ、それでいて温かみのあるアンサンブルでオーディエンスを魅了してきた彼女だが、ソロではこれが初の<フジロック>出演となる。ザ・エックス・エックスとしての活動のみならず、デュア・リパ(Dua Lipa)のグラミー受賞ヒット・シングル“Electricity”をマーク・ロンソン(Mark Ronson)、ディプロ(Diplo)と共同で作曲し、キング・プリンセス(King Princess)やホールジー(Halsey)らにも楽曲提供するなどプロデューサー/ソングライターとしても非凡な才能を発揮してきた彼女。デビュー曲“Lifetime”や、フレッド・アゲインとの共作シングル“Strong”、最新シングル“Enjoy Your Life”で展開した多幸感あふれるサウンドに包まれたい。

Romy - Enjoy Your Life(Official Video)

優河 with 魔法バンド

2011年からシンガーソングライターとして活動を開始し、2015年にゴンドウトモヒコ(pupa、METAFIVE、蓮沼執太フィル)のプロデュースによるファーストフルアルバム『Tabiji』をリリース。そのスモーキーで優しい歌声が、コアな音楽ファンの間で話題になっていた。2018年にはベーシストの千葉広樹と共同プロデュースしたセカンドアルバム『魔法』をリリース。この時のレコーディングメンバーと結成した魔法バンド(千葉、岡田拓郎、谷口雄、神谷洵平)を引き連れ、優河がフジロックに初出演する。昨年リリースしたサードアルバム『言葉のない夜に』で、さらにファンベースを広げた優河 with 魔法バンドのオーガニックでグルーヴィーな演奏を聴くのが今から楽しみだ。

優河 - 灯火(Official Music Video)/TBS系 金曜ドラマ『妻、小学生になる。』主題歌 Sea of light by Yuga

坂本慎太郎

2007年にアルバム『空洞です』をリリースし、2010年に解散した伝説のロックバンド、ゆらゆら帝国のボーカル&ギター坂本慎太郎。2011年に自身のレーベル、〈zelone records〉にてソロ活動を開始した彼は、2017年にドイツのケルンでライブ活動を再開、2019年にはUSツアーを成功させたほか、メイヤー・ホーソンやデヴェンドラ・バンハートとのスプリットシングルをリリースしたり、ブラジルのバンドであるオ・テルノのアルバム『atras/alem』(2020年)に1曲参加したりと海外活動もコンスタントに行ってきた。毎回チケット争奪戦になるくらい、「なかなかライブが見れない」ことで有名な(?)坂本。今回はその貴重なパフォーマンスを目撃する絶好の機会となるだろう。

That Was Illegal/Shintaro Sakamoto(Official Live Video in Tokyo 2022)

以上、今年のラインナップから気になるアーティストを10組紹介した。他にも国内アーティストでは矢沢永吉や長谷川白紙、君島大空 合奏形態など、国外アーティストではFKJやヤー・ヤー・ヤーズ(YEAH YEAH YEAHS)、ブラック・ミディ(BLACK MIDI)など意外なアーティストから「これぞ!」というアーティストまで目白押し。声出しも解禁になり、アフターコロナの<フジロック>はどんな雰囲気になるのか、今からとても楽しみだ。

Text by 黒田隆憲

<フジロック>の入場券がお得に買える先行販売は6月1日(木)まで。中学生以下は無料、22歳以下の方は1日券がさらにディスカウント価格で購入可能だ。詳細はオフィシャルサイトをチェック!

▼関連記事著名人たちが語るフジロックの最高な思い出!富士祭電子瓦版TAFエピソードまとめフジロックをとことん楽しむ“キャンプサイト”のススメ“いつものフジロック”を開催するための、いつも以上の想い。<FUJI ROCK FESTIVAL ’22>レポート

EVENT INFORMATION

FUJI ROCK FESTIVAL’23

FUJI ROCK FESTIVAL’23

2023.07.28(金), 29(土), 30(日) 新潟県 湯沢町 苗場スキー場

詳細はこちら

Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1442

Trending Articles