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特別な場所──Yo La Tengo、フジロック2023現地インタビュー

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ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)

7月28日(金)から30日(日)まで開催され、大盛況のうちに幕を閉じた<FUJI ROCK FESTIVAL '23>(以下、フジロック)。数多のミュージシャンが登場した三日間、今回はDAY 1のFIELD OF HEAVENに登場したヨ・ラ・テンゴYo La Tengo)のフジロック現地をお届けする。

今年2月にリリースした最新作『This Stupid World』を携えた5年ぶりの来日公演、そして10年ぶりのフジロック出演となった三人。世界各地を回ったアルバムツアーでの出来事など、メンバーのアイラ・カプランIra Kaplan)に答えてもらった。11月には単独でのジャパンツアーを控えている彼らの現在を窺い知るためのガイドとしてチェックしてほしい。 ▼関連記事 【フジロック23 ライブレポ】Yo La Tengo、10年ぶりに苗場へと降臨──赤く染まった空に響いたノイジーな癒しの90分間

INTERVIEW@FUJI ROCK FESTIVAL '23 Yo La Tengo

ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)
アイラ・カプラン(Ira Kaplan)

──最新作『This Stupid World』のツアーで世界各地を回ってると思います。日本に来る前はどこに行かれてましたか?

ここ1か月くらいはオフだったんだけど、2月ぐらいから定期的にツアーでいろいろやっていて、最後にツアーで回ったのがアメリカのアトランタ。それが6月の末で、USツアーが終わったね。曲を忘れてないと良いんだけど……(笑)。

──そのアメリカツアーで起こった印象的な出来事を教えてください。

いっぱいあるよ。まずモントリオールでは友達のブラッドショット・ビル(Bloodshot Bill)がステージに上がってきて、一緒にローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の曲をカバーした。ボストンでもボビー・マタドール(Bobby Matador)やデーモン・アンド・ナオミ(Damon & Naomi)、ウィリー・アレクサンダー(Willie Alexander)もステージに上がってきてくれて。それでThe Fugsっていう60年代のNYのパンクバンド——元々はfucksって名前だったんだけど——の曲をやったんだ。その2日目にはバランス・ウィットフィールド(Barrence Whitfield)とボストン・レッドソックスの球場のオルガン奏者がやってきて、みんなでサン・ラー(Sun Ra)を演奏したんだ。それがハイライトだね。

ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)

──そうしてアメリカや世界を回れるようになったのも、ある程度コロナが落ち着いたからだと思うんですけど、改めてコロナとその後で何が変わったかと思いますか?

本当に乗り越えたのかな……。今でも機内でマスクをしているし、まだコロナに感染している人もいるから、まだどうかはわからないかな。そんな中でも、バンドにとってもオーディエンスにとっても、音楽に対する感謝の気持ちはある。バンドで来日するのは5年ぶりで、日本も大好きなんだけど、コロナ禍で次はいつ来れるのか、不安になったりもして、そういう人たちもいっぱいいたと思うんだよね。だから今回はスペシャルな感覚が倍増したんだ……長く話してごめんね、僕たちの曲みたいに長いかな(笑)。

──いえいえ、嬉しいです。そんな中でリリースされた作品のタイトルが『This Stupid World』で、そういう思いがダイレクトに反映されていると思うんですけども、改めてこのタイトルの意味を教えてもらえますか?

うーん、No!(笑)というのも、答えはないというか、いくつもの答えがあるんだ。ただ「This Stupid World」というのは歌詞を書いている時に浮かんでもので、フレーズとして良いと思ったんだ。ただこれまでヨ・ラ・テンゴはタイトルトラックを設けたことがなくて、だからレコードタイトルを変えて曲のタイトルをこれにしようとも思ったんだけど、「前にしたことがないからやっちゃいけないわけじゃないな」と気づいたから、今回はアルバムのタイトルにしたんだ。このタイトルは完璧すぎたんだ。

ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)
ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)

──<フジロック>には10年ぶりに出演になるんですけども、坂本慎太郎さんの前に登場されるということで、そのラインナップにストーリーを感じます。

メンバーのジェイムズがゆらゆら帝国時代からの知り合いで、彼が普段から連絡を取ってくれているんだ。それでアメリカで共演したり、前回の来日でも東京で一緒にショーをやったりしたね。そこで演奏したGGアリン(GG Allin)のカバーソング“NYC Tonight”はジェイムスのソロで、その12インチには(坂本)慎太郎のリミックスも入ってるんだよ。

──最後に、この記事はフジロックが終わったあとの掲載になるんですけど、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

僕たちは昨日NYから飛んできて、月曜には戻っちゃう。そんなことは普段ないからね。日本で、フジロックでライブをするのは僕たちに取って本当にスペシャルなことなんだ。

ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)

Interview, Text by 船津晃一朗 Photo by 横山マサト(Masato Yokoyama)

INFORMATION

ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)

Yo La Tengo JAPAN TOUR 2023

東京 2023年11月6日(月) THE GARDEN HALL OPEN 18:00/START 19:00 ¥7,800(税込、ドリンク別) 名古屋 2023年11月8日(水) 名古屋クラブクアトロ OPEN 18:00/START 19:00 ¥7,800(税込、ドリンク別) 大阪 2023年11月9日(木) BIGCAT OPEN 18:00/START 19:00 ¥7,800(税込、ドリンク別)

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ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)

This Stupid World

2023.02.10(金) Yo La Tengo 〈Matador / Beat Records〉 日本盤CD(解説・歌詞対訳付/ボーナス・トラック追加収録) OLE1929CDJP 輸入盤CD OLE1929CD 輸入盤LP OLE1929LP/OLE1929LPE/OLE1929LPJP   TRACKLISTING 01.Sinatra Drive Breakdown 02.Fallout 03.Tonight’s Episode 04.Aselestine 05.Until It Happens 06.Apology Letter 07.Brain Capers 08.This Stupid World 09.Miles Away +日本盤ボーナス・トラック

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ヨ・ラ・テンゴ(Yo La Tengo)

FUJI ROCK FESTIVAL '23

2023.07.28(金), 29(土), 30(日) 新潟県 湯沢町 苗場スキー場

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