October 2, 2017, 11:00 am
いまの時代にPOP PUNK(ポップ・パンク)を標榜し、活動しているなんて……。これはけっして揶揄しているわけではない。
POP PUNKと聞くと、エッジの効いたパンキッシュなサウンドにキャッチーで耳馴染みの良いメロディ、疾走感と爽快感に加え、そこはかとない解放感溢れる景色豊かな音楽性がパッと浮かんでくる。
10年前ならともかく、いまやPOP PUNKは日常様々な音楽の中で当たり前に溶け込み、あえて、それを自身のアティテュードとして掲げるバンドは少ない。
しかし、だからこそ、あえてこの時代、そのPOP PUNKを自身のアティテュードとして背負い、牽引し、標榜し続けているバンドが居る。そう、SWANKY DANK だ!!
あえて自身の音楽性をPOP PUNKと標榜し、活動している彼ら。しかし、それはあくまでも出自や精神的な例え。実際の彼らの音楽性は、そのPOP PUNKを基軸に、その都度自身がかっこいいと思った様々な音楽性が採り込まれ、独自の解釈と昇華を交え、SWANKY DANK流POP PUNKとしてライブを中心に放ち続けている。
そんな彼らが結成10周年の今年メジャーデビュー。タイトルに「狼煙」の意味を込めた、フルアルバム『Smokes 』を発表した。かねてから独自な活動を行い現在まで辿り着いた彼ら。まず浮かんだのは、そんな彼らに今さらメジャーデビューの必要があるか? との疑問だった。そして、多くを問ううちに見えてきたのは、彼らの揺るぎないPOP PUNKの拡大と可能性への挑戦、そしてそれをあえてメジャーフィールドで行う意味や意義であった。
SWANKY DANK流POP PUNKの求道、ここに極まれり!!
Interview:SWANKY DANK
——今回メジャーへの移籍となったわけですが、ここまで自主的に充分やってこられて、今さらその必要性があったのか? が、まずは大きな疑問でした。
YUICHI 今回のアルバムタイトルの『Smokes』自体にも、その辺りの意味合いを込めているんですが……。今回の移籍は、俺たちSWANKY DANKが、このシーンの狼煙(のろし=煙で自分の居場所に気づいてもらう。大きな動きのきっかけとなる行動を起こす、の意味)を上げてやるって意義が強いです。確かに悩みましたよ。やっていることも変わらないし、変えるつもりもないし。あとは、結成から10年目の節目でもあったんで、ここでもう一度、メジャーというフィールドで、「ここにSWANKY DANKが居るんだ、見てみろよ!!」そんな意味合いの移籍でもありました。
——その中には、これまで自分たちが標榜していたPOP PUNKのアティテュードを保持したまま、あえてメジャーのシーンで勝負してやる的な意気込みも伺えます。
KOJI パンクシーンの中でも今の時代、スタンダードじゃないバンドが居ても俺はいいと思っていて。俺たちを見て、POP PUNKを目指してくれるキッズや、“このまま、自身のこの音楽性を貫き通してもいいんだ!!”と、バンドが奮起してくれるキッカケになれれば嬉しいですよね。特にキッズたちには、「SWANKY DANKみたいな道もあるんだ!!」と、道しるべ的な役割になりたいですから。
——ちなみにSWANKY DANKにとってのメジャーでやっていく上でのメリットとは?
YUICHI 関わる仲間が増えていくことで、客観的な意見が増えていくことかな。今までのままだと、どうしても同じ目線だけになっちゃう。だけど違う目線で、自分たちの知らない自分をもっと教えてもらったり、可能性も知りたいですからね。だけど、それもガッツリ組まないとなかなか意見しづらいところもあって。常に新たな自己の発見をしたいし、絶対にその方が自身の成長にも繋がりますから。
——50/50でお互いに高め合っていく為にも、このディールは必要だったと?
YUICHI ですね。いい意見であればフレキシブルに取り入れていきたいし、反面自分たちが守るべきスタンスは、流されずに保持していく覚悟です。
——そんな中、今回の『Smokes』は原点回帰的なニュアンスも含まれているそうですが?
YUICHI 初期衝動をメインにしたところが今作にはあって。いわゆる、“やってみたかったから、とりあえずやってみた”みたいな。例えば、「ちょっとここを転調させてみようぜ」とか、「このバラバラな楽曲を一つに繋げてみたらどうなるんだろう?」とか。「メタルのフレーズを弾きたいから弾いてみた」等々。おかげさまでレコーディングも初期の頃のように、かなり新鮮さがありました。
——その辺り非常に伝わってきます。
YUICHI あとは、10年前に出した『SWANKY DANK』という1stアルバムに収録していた曲の歌詞と、今回の楽曲の中の歌詞の世界観をリンクさせたり、“捧ぐ歌”(今作M-4.)に関しては、“Letter”って初期の頃の曲とリンクさせたりしてますからね。
——歌詞にもオマージュ感を散りばめていたんですね。気づきませんでした。
YUICHI 歌詞も初期の頃から段々と変わってきましたから。今回、制作前に改めて1stの頃の歌詞を読んだんですが、日本語もすごく多くて、丸々日本語の詞の曲もあったり。それを改めて聴いた時に、俺たちの基になっているものの不変性に気づいたんです。であれば一度、ここで自分たちの精神面を10年経って研ぎ澄まされた今の自分たちでやってみよう、とか。
——リリックもよりシンプルでメッセージ性に重きが置かれた印象を受けたのですが、それも手伝ってのことだったんですね。
YUICHI テクニックやスキルといった培ってきたものを踏まえた上で、不変的だった部分を今の俺たちで描き直してみたくて。シンプルなんだけど、あえて英語の韻の踏み方を工夫してみたり。言葉のチョイス等は、あの頃とは一線を画したものに進化させられたし、新しいものとして提示できたんじゃないかな。
——では今作は、原点回帰でありながらも、これまで培ってきたものの集大成であり、いま採り入れたいもの、今後、進むべき際に必要となってくるべきものが同居した作品でもあると。
YUICHI 進化はさせているつもりだし、逆に初期衝動、自分たちがワクワクする部分や、やってみて自分たちでもスゲえと感じられる要素も収められた自負はあります。精神面でもこれまでで最も楽な作品作りやレコーディングでしたよ。
SWANKY DANK / Colors【Official Video】
——他にも自分たち以外の楽器を入れたり、電子音やエフェクト効果を有効に使った箇所もありますよね。
KOJI 紆余曲折ありながらも、ここまでSWANKY DANKを続けてこれたが故の作品になったかなって。証しというか……。おかげさまで、10年間POP PUNKをやり続けた上での集大成的な作品にもなりましたから。
KOTA 僕が入る前のSWANKY DANKって(KOTAは2012年に加入)、単純に歌が上手くて、爽やかでかっこいいバンドといった印象だったんですが、そこからの成長や経てきた道、見い出してきた自分たちのPOP PUNK観が詰まった1枚になってますからね。
——SWANKY DANKのPOP PUNKは、ウェットさや哀愁があり、一般的なPOP PUNKの定義である、カラッと爽やか、ポップで聴き易い、その範疇に留まっていないですもんね。
KOJI 一般的なPOP PUNKのイメージからは多少異質に映るかもしれませんね。わざとアメリカ西海岸のようにカラっとさせてないし。俺たちダークさも好きだし、持っているし。あとエモい部分も。陰と陽、その両極をSWANKY DANKは、これまで大切にしてきましたからね。ウェットな部分とカラっとした部分の両方を合わせ持つ、それが俺らなんで。で、それらをあえてPOP PUNKと呼んでるところはあります。
——いまの時代、POP PUNKを自負したり、アティテュードに持っているバンド自体少ないですからね。
YUICHI 10年~15年前までは、ファッション的にも音楽的にもPOP PUNKのバンドたちが台頭していたんですけどね。いつの間にかみんないなくなっちゃった。そんな中、あえて自分たちだけはそれを保ち続けてやるとの決意はありましたよ。“こんなにカッコ良くてヤバい音楽は他にはねぇし、みんながやらなくなっても、俺たちはこの音楽が好きだから、やり続けてやる!!”“俺らがこのシーンを引っ張っていなかくちゃいけない!!”って。
——心折れずに、ここまで続けてこれたのには感服します。
YUICHI この音楽性が好きですからね。周りのパンクバンドがどんどん上に行っちゃう中、“悔しいけど、この音楽は絶対に間違っちゃいない!”と信じてやってきましたから。だからこそ今、この瞬間、このシーンと方法論で狼煙を上げてやる!!って意思も強いんです。心折られてたまるかですよ、まったく。
KOTA もう今さら、ここから違った音楽シーンにも行けないし(笑)。
——逆にこのような様々な音楽性が取り込まれているが故に、色々なタイプの対バンとも共演できるメリットもありますよね。
YUICHI まっ、結局、POP PUNKと言っても、日本のバンドである俺たちがやる音楽がPOP PUNKであればいいんです。逆に今作は前作ミニアルバムほど、POP PUNKの概念にとらわれていないところはあるし。
次ページ 最新作『Smokes』を提げての<SWANKY DANK “Smokes TOUR”>への意気込みを語る!Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.
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90年代中盤、NYを拠点にDJを開始すると人気ヒップホップDJファンクマスター・フレックスの目に留まり、彼が率いるDJ集団ビッグ・ドッグ・ピットブルズに参加。
マーク・ロンソンら当時NYでDJ活動を行なっていた面々とも現場で苦楽を共にしてきた、日本を代表する女性DJのひとり、DJ KAORI 。
彼女が最新ミックス作品『Dj Kaori's Inmix 7 』を完成させた。“日本で最も売れてるノンストップミックス”として知られるこのシリーズは、これまでもヒップホップ/R&B系を中心に人気曲を多数収録。
そして10年の前作以来実に7年振りとなる今回の新作では、トラップを筆頭にした最新ヒップホップやモダンR&B、カルヴィン・ハリスやザ・チェインスモーカーズのようなEDM、そしてポップ・スターなどが手を取り合って様々な冒険を繰り広げる現在のシーンの中から、このシリーズらしさ溢れる瞬間を見事に切り出している。
彼女が『Dj Kaori's Inmix』シリーズに込めた思いや、最新作の内容について聞いた。
Interview:DJ KAORI
——新作に繋がる話なので最初に聞かせてもらいたいのですが、DJ KAORIさんは90年代~ 00年代中盤にNYの音楽シーンの第一線でDJ活動をされていましたね。
私は元々音楽好きでレコードを集めていて、でも当時「DJをする」というのは今より敷居の高いことで、周りにDJを職業にしている人が多いわけでもなかったので、最初は趣味という感じでした。今思うと、それはかなり熱心な趣味だったとは思うんですけれど、そうやってレコードを集めている間に、徐々にDJになっていったという感じです。
今はデータがあるからすぐにDJができちゃうけど、当時は、自分がレコードを持っていないとDJができなかったんですよ。そういう意味でなるのにすごく時間がかかる職業なので、昔はいきなりDJになるっていう人はほとんどいなかったと思います。「音楽が好きで、レコードを集めて……」っていう人が多かった。
だから、DJありきってわけじゃなく、“音楽ありき”って部分があると思います。NYに行ったばっかりの頃はすべてに興奮していましたね。クラブも東京より盛り上がっていたし、みんなが音楽でひとつになっていて。レコードも安かったし、ラジオをひねっても音楽に溢れているんで、ものすごく興奮したし、楽しかったですね。
当時のNYは特に流行の発信地的な部分もあったので。ただ、はっきり言って、NYでDJをやるという経験は、楽しいと思う瞬間は色々あったものの、かなり大変でした(笑)。毎日一生懸命って感じでしたね。
——今回新作がリリースされる『Dj Kaori's Inmix』シリーズはKAORIさんが日本に帰ってくるちょうど05年にはじまっています。このシリーズをはじめたのは、NYでの経験もきっかけのひとつだったんでしょうか?
そうですね。日本に帰ってきたとき、こっちでは(ヒップホップやR&Bのような)音楽を聴く機会が少ないと思ったんです。ラジオとかでもそれほど機会がないし、当時はメディアも少なかったので、いい曲はいっぱいあるんだけど、聴くところもなければ、楽しむところも分からなければ、ノリ方も分からないという状況で。
そんな状況だと、人が好きになるわけはないですよね。なので、「音楽を聴く機会があれば、もっと色んなところに広がっていくんじゃないか」という気持ちではじめたのが『Dj Kaori's Inmix』でした。もっと多くの人に知ってもらいたいけど、当時はまだまだアンダーグラウンドだったものを、「みんなに聴いてほしい!」という、そんな気持ちだったと思います。
——つまり「いい曲があるから聴いて欲しい」というDJとしての根本的な気持ちから始まったシリーズだったんですね。そしてこの作品は日本でも人気のシリーズになっていきました。
長い間現場でやってきた感覚が助けになった部分もあったんだとは思いますし、「日本でも多くの人に聴いて欲しい」という気持ちで、プロモーションにせよ何にせよ、なるべく人に伝わるように、セルフプロモーションじゃないですけど、色んなことをしていきました。選曲や曲の繋ぎ方は、その時のタイミングですよね。それって時代ごとに変わっていくと思うので。
――新作を聴かせていただくと、モードがまた変わっているのがすごく面白かったです。
聴きやすくなってるでしょ? 無駄な動きをしなくなった(笑)。最近はもう、なるべくスムーズに繋ぐようになっているんですよ。若い頃は無理して色々いれたくなってたけど(笑)。
——日本でこのシリーズが受け入れられたことは、すごく嬉しかったんじゃないですか?
そうですね。実際私がNYにいた時もそうだけど、00年以降世界中でヒップホップのような音楽がブレイクして、私もヨーロッパにも仕事で呼ばれるようになって、フランスやイギリスに結構行っていて。そのときって、向こうでもジャ・ルールとかがかかってて、「時代は変わったな」ってびっくりしました。
Holla Holla
私が90年代半ばぐらいにNYでDJを始めた頃ってまだまだ白人の人はヒップホップを聴いていなくて、私がDJしていたレストラン・バーとかでは、「ヒップホップはかけちゃダメ」って言われていたんです。でも、そういうムードが徐々に変わってきて、P・ディディや2パックがそれをキャッチーにして……。本当にヒップホップやR&Bが一般層に広がって、90年代の後半になると、むしろ「ヒップホップをかけろ!」みたいになって。
時代は変わるな、って思いました。00年代はそういう時代でしたね。あと、私は00年代の前半はNYと日本を行ったり来たりしていましたけど、「これじゃあ売れないな」と思っていたんですよ。結局、日本に帰ってきても、ゲストみたいな感じになっちゃうんで。
——KAORIさんはNYでDJをしつつ、00年頃から日本でCDも出していました。
そうなんです。00年ぐらいからCDを出しはじめて。だから、そういうことも通して徐々に意識が変わってきたんですよ。04年くらいには、「東京で腰を据えてやらなくちゃ」と思っていましたね。
——それで帰国したわけなんですね。それからの10年ちょっとというのは、日本でもクラブやフェスがかなり広がった期間だったと思います。
洋楽も盛り上がっていたし、日本のヒップホップやR&Bも盛り上がってきて、国内のアーティストもたくさん出て来るようになりましたよね。AIちゃんや(加藤)ミリヤちゃんみたいに色んな人たちが出て来て、クラブ以外でもアーティストと一緒にイベントをやるスタイルがすごく増えて行って。それに今、最近5年くらいで、日本にクラブがどんどん増えていますよね。一時期ちょっとアレな時代もありましたけど、クラブが当たり前になって、今は北海道や大阪、名古屋のような地方にもクラブが本当に増えていて。
その結果、クラブに行く層にも幅が出てきていると思います。普通にサラリーマンが会社帰りに来るようなところもあれば、渋谷みたいにストリートっぽいところもある、みたいな。銀座とかにも色々ありますしね。
——その「色々ある状態」というのは、クラブにとってあるべき姿ですよね。色々な人が行ける場所としてクラブがある、と。とはいえ、10年代に入ってからは風営法の問題もありました。DJ KAORIさんも他のアーティストの方と連名で抗議の声明を出されていましたね。
あれはおかしかったですよね。だって私、クラブの治安が悪いとは思わないもん。「まだ外に出てるだけいいよ!」みたいな(笑)。「発散できる場所があった方が絶対いいよ。落ち込むくらいなら踊って忘れた方がいいよ」って思うし。
だから、ぜひみなさんも遊びに来てほしいです。今は全然敷居が高くないし、「怖い」って言う人もいるけど、実際はそんな場所じゃないし。「六本木に行ったら殴られるんじゃないか」って、そんなのイメージですから(笑)。
——普段クラブで遊んでない人たちの話が変に広まったりもしているんでしょうね。
最悪ですよ(笑)。今はクラブってほんと安全ですから。「何かあったらセキュリティーを呼びなさい」「大丈夫、君たちは巻き込まれないから」って。酔っ払って変なことする人には気をつけた方がいいけど、節度を守ってね。そんなことよりも楽しいことが沢山ありますよ。
次ページ ヒップホップにR&BからポストEDMまで! 最新ミックス作品『Dj Kaori's Inmix 7』を語る!Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.
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『Beauty And NYC』シリーズをInstagramや自身のオフィシャルサイトに投稿している日本人写真家・MAR SHIRASUNA にメールインタービューを敢行! 12の質問を投げかけ、美女と高層ビルという構図を確立するに至った経緯から今後の展望までを訊いた!
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[ニューヨークの高層ビルと美女 生と死の狭間を切り取る写真家“MAR SHIRASUNA”とは? ]
MAR SHIRASUNAへの12の質問
photo by MAR SHIRASUNA(@mamudsny )
1. まずは簡単な自己紹介をお願いします!
MAR SHIRASUNA 生まれも育ちも日本ですが、20年以上NYにいるので、どっちつかずの変なやつです。
2. Instagramのアカウント名の“mamudsny”はビンテージを主に扱うブティック“mamuds”(Mar’s moods)から来ているそうですね。Mar Shirasunaというのは本名でしょうか?
よく、知ってますね。どこで調べたんですか?
3. 現在は、NYにお住まいかと思いますが、NYに行かれたきっかけはなんですか?
2のブティック "MAMUDS" の仕事がきっかけです。
4. 高所の絶景を探し求めて屋上を渡り歩く人々は、「ルーフトッパー」と呼ばれています。Marさんがビルの屋上と美女という構図のシリーズ「Beauty and NYC」撮り始めたのは、いつごろ、どんなきっかけでしょうか?
冒頭のシリーズのきっかけ以前に、NYの見たことのない景色を求め、300以上のビルの屋上に登ろうと試みて、そのうち100以上のルーフトップからの撮影に成功していたことで、多くの人が僕の写真に興味を持つようになってくれて、
photo by MAR SHIRASUNA(@mamudsny )
5. 今までに、登ったビルの屋上と撮影したモデルさんの数はそれぞれどれくらいでしょうか?
ビルの屋上は100以上、、モデルさんは200人程です。
photo by MAR SHIRASUNA(@mamudsny )
6. 高所での撮影は怖くないんでしょうか?
もともとは、高所恐怖症です。。笑。 ただそこからの景色は、想像以上に新鮮で美しく、
怖くて、手だけを伸ばして撮っていたのが、少しづつなれてきて、知らぬ間に高所恐怖症は克服されていました。
7. モデルさんはどのような基準で選定されているのでしょうか?
難しい質問ですね? 現在は多くのモデルさんや一般の方々、また男性モデルからも問い合わせをいただいています。いまは自分が撮りたいと思うことを優先にしています。
8. これまでに最も印象に残っている撮影、写真はありますか?
今までは、いつも新しい撮影や、これから撮るイメージすることが好きだったんですが、
少しづつ、あの場所、あのモデルみたいに振り返ることもたまにあるけれど、、
photo by MAR SHIRASUNA(@mamudsny )
9. 撮影中のハプニング、失敗などはありますか?
撮影が終わってから、SDカード入ってなかったことに気づいた。。
10. 尊敬する写真家、アーティストはいますか?
現在、頑張っている写真家達はつねに影響しあっていると思います。
11. 以前のインタビューではiPhoneで撮影していると語っていますが、現在、撮影に使用している機材はなんですか?
SONY a7R
12. 今後の展望を教えてください。
基本的には、今でもNYCのきれいな写真を撮っていると思っているので、これからもNYCを撮りたいと思っています。また、シリーズ的には”beauty&nyc" in tokyo, in california, in Hawaiiなど独自の表現が出来ればと思っています。
photo by MAR SHIRASUNA(@mamudsny )
オフィシャルサイト
Instagram
photo by MAR SHIRASUNA(@mamudsny )
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October 10, 2017, 6:00 pm
少し大げさかもしれないが、彼らの音楽を聴いているとあらゆる感性、感情、肉体的なパワーを結集して人生を楽しみたい、まだまだ自分は何も出しきれていないという、渇望に気づくようなところがある。
ザ・トリオ・プロジェクト、矢野顕子との5年ぶりのプロジェクトを経て上原ひろみ が新たなパートナーとして発見したアーティストもまた、彼女同様、生きるエネルギーを音楽で最大限、体現している人物だった。コロンビア出身でメロディ、コード、ベースラインからリズムを同時に演奏する、およそ世の中のハープの常識をぶち壊す(!)ジャズ・ハープ奏者のエドマール・カスタネーダ 。
出会いから約1年。上原がこのプロジェクトのために書き下ろした新曲や、エドマールのオリジナル、そしてカヴァーも交えたスリリングで愉悦に満ちたライヴ・アルバム『ライヴ・イン・モントリオール』は、デュオのシンクロと攻防の両方が充満した作品になった。
それにしても新しい音楽の旅をしているこの二人、世界的なジャズ・プレイヤーという以前にとびきりチャーミングな笑顔で、その場をチアフルなムードにしてくれる、最高のコンビだ。
Hiromi & Edmar Castaneda - Fire (Live in Montreal)
対談:上原ひろみ×エドマール・カスタネーダ
(c)2017 Juan Patino Photography
——今回のアルバム・ジャケットを見たときにニューヨークのキッズみたいだと思って(笑)。
上原・エドマール ははは!
——これまでの上原さんのジャケットとは雰囲気が違いますよね。
上原 そうですね。この前ヨーロッパをツアーしたときにも、笑ってる写真って珍しいねって言われたので、皆さん同じことを考えるんだねって話をエドマールとしました(笑)。
——(笑)。上原さんがエドマールさんを見初めたのが2016年の<モントリオール・ジャズ・フェス>だそうで、その時の印象はどんなだったんですか?
上原 まずハープというものに対して全く無知に等しかったというか、皆さんが思っているようなハープと同じような知識しかありませんでした。オーケストラの中でとか、クラシカルなイメージしかなかったので、彼を見たときにハープってこんなに情熱的でリズムに溢れてるものなんだっていうのがびっくりしました。
——エドマールさんのハープの奏法に影響しているバックボーンってなんなのですか?
エドマール まだ学び途中でもありますし、自分が何をやってるか今の段階でどういうことをやろうとしてるのか見出そうとしてるのでうまく言い表せませんが、最初に演奏し始めたのはコロンビアの伝統的なフォーク・ミュージックです。そこから16歳でニューヨークに出てきて、ジャズとかファンクとかいろんなものが入ってきて、自分の音楽に混じり合ったんです。
——オリジナルなスタイルであると。
エドマール もしかしたらこの冒険とか自分のやってきたことは小さい頃から夢を抱いてきたことで、それで少しずつ時間をかけて新しいスタイルを作り上げてきたんですね。でも一言で自分のやってることを言うならば、神様からのプレゼントであって、その神様の存在を自分の音楽を通してみんなに伝えていくというのが一つあると思います。
——なるほど。上原さんはエドマールさんに直接声をかけられた頃、音楽家としてのプランはどういう状態だったんですか?
上原 基本的にいつも何か面白いものはないか、面白いミュージシャンはいないかというのを狩人のように(笑)、探しているんですね。「Like a Hunter」。
エドマール ははは!
上原 だからいつもライヴを観に行ったり、人に「いいよ」と言われたものを聴いたり、アンテナを張り巡らせているんですけど、ほんとに今回はラッキーな運命の巡り合わせというか、なんかもう出会うべくして出会ったなという感じがしています。すごく……最初に見たときにすごく衝撃を受けたのと同時に「一緒にやりたいな」という気持ちが生まれて。で、一緒にやって、なんで今まで一緒にやらなかったんだろう? と思うぐらい新鮮な音の混ざり合いがありました。
——エドマールさんは上原さんに対してそれまでどんな印象を持ってらっしゃいましたか?
エドマール 名前は知っていましたが、実際に演奏を聴くチャンスがなかったので、オープニングアクトを務める時、初めて聴いてもう驚いて。ワオ! って。ヒロミが一つ一つの音、一つ一つの演奏にかけていく情熱の凄さ、それが心からピアノに伝達していくことに驚きました。バックステージでずっとジャンプしてたから疲れてしまいましたけど(笑)。
——(笑)。お二人の音楽って人生楽しもうぜ! っていう印象があります。
エドマール いつも楽しんでます。お話ししたり一緒に飲んだり食べたり、叫んだり(笑)。
上原 叫ばないよ!(笑)
——ちなみに一番最初に演奏した曲はなんですか?
エドマール “エクオルダス”です。
上原 アルバムには入っていない曲です。
エドマール 出会いから1か月後にヒロミのブルーノートNYのライヴに出演することになったのですが、サウンドチェックで初めて一緒に演奏したときに、とにかく驚くぐらい通じるものがありました。実はハープとピアノってどういうふうに演奏を一緒にできるかな? って、ちょっと怖かった部分はあったんです。しかもあんなに素晴らしいクラブで演奏するということもあって。でもすべてうまく行っちゃったという。何かあったんでしょうね。もう何年も前からやってたような感じがありました。
——ブルーノートNYでのライヴが初演だったんですか?
上原 そうです。当日のサウンドチェックで初めて一緒に音を出しました。
——すごい!
エドマール リハーサルしてないのにできるかな? って不安でしたけど。
上原 当日、4時から6時ぐらいまでサウンドチェックをしながら合わせて、そのあと8時からコンサートという。
——すごい……。
上原 そこでは全編ではなく、数曲ゲストで出てもらいました。
エドマール ほんとに素敵な瞬間でした。ファースト・セットが終わった後、もう観客もすごく大騒ぎだったので、「今の見た?」みたいな感じで二人で見つめあっちゃいました。なんか変なもの見たんじゃないかと思うぐらい(笑)、素晴らしいときでした。
上原 ほとんど会話をしてなかったので、ブルーノートで会って、演奏してバタバタしてたのでほとんど会話もないまま、音の方が先に会話をしたことがある状況だったので、終わって「Nice To Meet You」って(笑)。
エドマール ははは。「君の名前は何だったっけ?」って感じ。
上原 ブルーノートには楽屋が二つあるんですけど、ベランダで繋がってるんですね。で、暑かったのでエドマールが外に出て、私も出た時に初めて会話をしました。でも、そしたらすぐ出番だと呼ばれたので、ほんとに二言三言だけ(笑)。
——音楽で話せると。ところで上原さんがエドマールさんのハープの曲を聴いた時にアレンジが難しいなと思われた部分ってありますか?
上原 ハープはピアノでいう黒鍵の音が出せないので、その制約の中で曲を作るというのはとてもチャレンジングでしたね。
——半音がないというふうには聴こえないのが不思議で。
上原 制約が新しい可能性のドアを開いてくれて、いつも自分が作らないような曲を書かせてくれた気がします。
——いろんな楽器と共演されてきて、ハープって何が近いですか? それとも何にも似ていない?
上原 私は、ハープと一緒にやりたかったと言うよりはエドマール・カスタネーダと演奏したかったんですね。エドマールが弾いてるハープと演奏したかったので、曲を書くときもハープのためにというよりは、エドマーのハープがいつも念頭にありました。
エドマール フフフ。
——照れてる(笑)。今回、共演するにあたって書かれた新曲の中で逆にエドマールさんの中で新しいドアが開いた曲はありますか?
エドマール ヒロミが言ったように自分が弾くハープのために書いてくれたというのが大きいです。だから自分もいろんなことをやっていこうと選択肢が広がりました。それに即興がなにより大好きなんですけど、こういうグルーヴ感とこういうパートナーで大きな爆発を引き起こすことができるっていうのはすごく恵まれていると思うし、これまで共演してきた人たちは落ち着いた演奏する感じの方が多かったんですけど、ヒロミはついていくために「もっと走れ、もっと走れ、もっと走れ」ってペースを上げていかなきゃいけない、そういうのは初めてでした。
上原 彼が言ってるのは速さではなく、エネルギー・レベルのことなんです。自分と同じようなエネルギーを持ってる人はなかなかいないって(笑)。
エドマール パワー!
上原 カモーン!「Here We Go!」って(笑)。
——ライヴの動画を拝見してるとエドマールさんは踊りながら弾いてるじゃないですか? ハープとダンスしてるみたいな。
上原 もともとダンスしてるんですよ。ダンサーだもんね?
エドマール コロンビアのフォルクローレのダンサーで。タンゴやサルサを踊っていました。
——腑に落ちました。
エドマール (笑)。身体の中に踊ることによってメトロノームのようなものが根付いたんです。
——民族的なダンス以外に好きなダンスはありますか?
エドマール タンゴ、フラメンコ、タップダンス、ありとあらゆるダンス。リズムがとても大事なので。
上原 私も踊れないけどダンスはすごい好きです(笑)。
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October 11, 2017, 6:10 pm
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October 16, 2017, 5:00 pm
さかしたひかる(Vo/Gt)と長谷川啓太(Dr)によって2011年に結成され、独自性、独創性で他とは一線を画す存在として活動を続けているドミコ 。
10月18日(水)には2ndアルバム『hey hey,my my?』をリリース。今作のアートワークは、前作『soo coo ?』に引き続きカナダの新進気鋭のイラストレーター・Kelly Bastowによる描き下ろしによるもので、その独特のタッチで描かれる数多のマーメイドは、ドミコの鳴らす音楽を絶妙に視覚化している。
『hey hey,my my?』ジャケット:Kelly Bastow
ドミコ 2ndアルバム < hey hey,my my? >ティーザー
今回、QeticではそのKelly Bastowと、ボーカル・さかしたひかるとのメール形式での対談を実施。お互いに訊きたいことを質問として作成してもらい、それぞれの想いを交換してもらった。
互いの作品に抱く感想や、何かを生み出す人間同士の質問など、住む場所は遠く離れど、リスペクトしあう二人の関係が伝わるメール対談となった。
さかしたひかる(ドミコ)×Kelly Bastow(イラストレーター)
Q&A-1
さかした:初めて見知らぬ日本のバンドから連絡が来た時にどう思った?
Kelly「地球の裏側から私の絵に興味を持ってくれる人がいる事にとても驚いて舞い上がってしまった。ドミコの音楽を聴いた後、一緒に作品を作れる事にとても興奮した」
Kelly:あたらしいアルバムの曲は何にインスパイアされてできたか?
さかした「長期的に蓄積されていったものがすこしずつ、最近すきなアコースティックなものが少し」
『hey hey,my my?』曲目
Q&A-2
さかした:あなたにとって絵を描く事の意味は?
Kelly「それは私にとって逃避であり、リラックスさせてくれるものでもある絵を描き上げた時、私はとても幸せで誇らしい気分になる事ができる」
Kelly:あなたはどんな時でも曲を書くことができる? 行き詰ったりフラストレーションがたまってしまう事もある?
さかした「常に書くことはできるけど、遠くにある実家の廊下で歌ってできるものは、ドミコからかけ離れててある意味面白い」
『hey hey,my my?』ジャケットラフ:Kelly Bastow
Q&A-3
さかした:絵を描く事はただの発散なのか、それともエネルギーを注いで描いている?
Kelly「私は芸術の神様がわたしを抱きしめてくれる時に絵を描く。時々気分がのらなかったり、一週間くらい何も描かない時がある。でも突然何かに刺激(インスパイア)を受けて新しい何かを生み出したくなる」
Kelly:いままでの経歴で一番印象的だったものは?
さかした「<フジロック>(日本でイカしてるフェス)にこの前出た時に機材トラブルが起きたけど、その場で機材なしで急遽やった曲で会場が盛り上がった時に、初めて自分の音楽がこの世にちゃんと存在しているんだなあと実感して印象的だった」
前作『soo coo ?』ジャケット:Kelly Bastow
配信リリース限定『くじらの巣』ジャケット:Kelly Bastow
Q&A-4
さかした:もし絵を描いていなかったらどんな人生を過ごしていた?
Kelly「古着が好きだから、たぶんファッション関係の仕事についていたと思う」
Kelly:ドミコとしてのあなたの最終的な夢やゴールは?
さかした「ゴールがあるのかもしれないけど、知らないままがいい」
Q&A-5
さかした:世界でたった一人になったとしてもまだ絵を描き続けている?
Kelly「たぶん描き続けていると思う。もっと抽象的なものになりそうな気がするが」
Kelly:あなたの音楽を通して、どんな空気感や感情を伝えたい?
さかした「匂いよりも、ノスタルジーな感覚にさせるメロディーが世の中にあって、たまに遠い実家にふらっと帰ってしまうくらい心を動かしてしまうものがある。帰った時になにも思うことがなくなることもあるけど、そのくらい不確かだけどなにかしら心動かしてくような不思議な音楽をしていたい。だから作るメロディーもなんとなくノスタルジー」
ドミコ / こんなのおかしくない?
Q&A-6
さかした:絵を描くこと以外に何かやりたい事は?
Kelly「子供たちのために漫画や本を描いたりして私の人生を分かち合ったり、お料理を習ったり、幸せになること」
Kelly:音楽以外に興味がある事は?
さかした「お酒、知らない食べ物、機械、おれも古着がめっちゃすき!」
Q&A-7
さかした:どんなものや絵があなたに影響をあたえた?
Kelly「Carson Ellis、Craig Thompson、Jen Wangのようなアーティスト。私が育ったニューファンドランド島の壮大な景色。神話や伝説にもインスパイアされる」
Kelly:いつかカナダに来てみたい?
さかした「いきたい!!!!行ったらオススメの料理屋さんおしえて~」
『hey hey,my my?』バッグカバーラフ:Kelly Bastow
『hey hey,my my?』バッグカバーラフ②:Kelly Bastow
『hey hey,my my?』バッグカバー:Kelly Bastow
Q&A-8
さかした:日本に来た事がある? もしくはきてみたい?
Kelly「お金がたまったらいつか行ってみたい!」
Kelly:暑いのと寒いのどっちがすき?
さかした「暑いほうがすき、冬は酒が美味く感じるから寒いのも好き」
Q&A-9
さかした:他に何かやりたい事はある?
Kelly「どこかの農村で、初めての温泉に入って。テクノロジーから離れた世界でおいしいものを食べる」
Kelly:3枚目のアルバムのプランはある?
さかした「なんとなくあるけど、強烈な気分屋なのでないとも言える」
Message
さかしたへのメッセージ
Kelly「私の作品をドミコの世界に連れて行ってくれてありがとう。ドミコのサウンドはとても個性的でたのしくて、あなたたちが新しく創りだすものが待ちきれない。いつか演奏するところをみてみたい。幸運を祈ります! ありがとう。」
Kellyへのメッセージ
さかした「ケリーの絵がドミコの音と一緒に作品として広がってくのが今も、これからもすごいことだともう素敵だし。会ったこともない人とこうして繋がれてることがうれしい」
ドミコ / まどろまない~Live at Fever 2017.02.04~
<ドミコ プロフィール>
2011年結成。さかしたひかる(Vo/Gt)と長谷川啓太(Dr)の2人からなる独自性、独創性で他とは一線を画す存在である。
バンドの音楽性はガレージ、ローファイ、サイケ等多面的。2人だけで織りなす常習性の高いライブで活動の幅を広げる。
この夏FUJI ROCK FESTIVAL’17苗場食堂に初出演。10月18日には2nd フル・アルバム『hey hey,my my?』をリリース後、
全国ワンマン・ツアー開催予定。
オフィシャルサイト Twitter
<Kelly Bastow プロフィール>
いわゆるコミックからトラディショナルまで幅広い作風をこなすカナダ、ニューファンドランド出身のイラストレーター。
最近は活動の幅を広げるべくトロントに移住。自分自身を愛して解放してあげることや、豊かな人生の1コマをテーマに作品を発表している。
オフィシャルサイト Twitter
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October 17, 2017, 11:00 am
あなたは「ケルトグラス」という言葉を知っているだろうか? それはアイルランドをはじめとするケルト地域の伝統音楽と、アメリカ南部のブルーグラスを掛け合わせた、ルーツ・ミュージックの新しい潮流である。そのケルトグラスの未来を背負って立つアイルランドの4人組こそが彼ら、ウィ・バンジョー・スリー(We Banjo 3) だ。
彼らは、「バンジョーの魔術師」とも謳われるエンダ・スカヒルを中心に、彼の教え子でもあったマーティンとデイヴィッドのハウリー兄弟の3人で2012年に結成され、今はエンダの弟ファーガル・スカヒルが加わり4人で活動している。
それぞれがバンジョーやフィドルのアイルランド・チャンピオンである彼らの音楽は、超絶技巧かつ超弩級のバンジョー・エンターテイメントだ。その圧倒的なステージ・パフォーマンスは世界各地で話題を呼び、昨年にはアイルランド代表としてオバマ前アメリカ大統領の前でパフォーマンスを披露し、目下の最新作である3rdアルバム『ストリング・セオリー 』はUSビルボード・チャートのワールド部門で一位に輝いている。
名実ともにアイルランドの伝統音楽シーンを牽引し、ケルトグラスの潮流を世界に広める旗手と言えるだろう。
東京・大阪での公演と<LIVE MAGIC! 2017>出演のため、2015年以来二度目となる来日を果たした彼らに話を聞くことができた。同席したのは、エンダ・スカヒルとマーティン&デイヴィッド・ハウリーのオリジナル・メンバー3人。
若い人を中心に、日本人には馴染みが薄いであろうアイルランド音楽やバンジョーの歴史や魅力について、エンダはまるで先生のように分かりやすく明快に、マーティンとデイヴィッドは若者らしいカジュアルな語り口で答えてくれた。
Interview:ウィ・バンジョー・スリー
——まず、アイルランド音楽やバンジョーという楽器について、あまり馴染みのない我々日本人に教えてもらえればと思います。そもそも今のアイルランドで、トラディショナルなアイルランド音楽はどのような状況にあるのでしょうか?
デイヴィッド 今また流行りつつあるところなんだ。現代的な方法で、アイルランド音楽が変わり、進化している真っただ中にある。今までも、それぞれの世代のアイリッシュ・ミュージシャンが時間をかけて、新しいタイプの音楽を最先端に取り入れながら発展してきた。そして今、アイルランド音楽はただの伝統音楽じゃなく、再びアイルランドのフォーク・ミュージックになろうとしているんだよ。
エンダ アイルランド音楽は1960年代までは不人気だった。でも、60年代以降、フォーク・リヴァイヴァルが起こったことによって、70年代・80年代にザ・チーフタンズやダブリナーズといったバンドがより広い意味でポピュラーになっていったんだ。それ以外のもっとトラディショナルなものも、小さいレベルで見ると完全に廃れたわけではないよ。パブに行くと演奏されていたりね。
——アイルランド国外や、他の音楽シーンにも人気が出てきている?
エンダ 最近は多くのミュージシャンやバンドにとって、アイルランド音楽がクールなものになりつつあるんだ。例えば、エド・シーランが今年出したアルバム『÷』の中に、“ゴールウェイ・ガール”という曲があるんだけど、ゴールウェイというのは僕らの出身地の地名なんだよ。その曲で、彼はビオーガというアイルランドのトラッド・バンドと一緒に曲を作って演奏している。そういう例もあって、若い世代にとってアイルランド音楽がクールに思われるようになっているんだ。また、アメリカでもアイルランド音楽がファッショナブルになってきていて、それには僕たちウィ・バンジョー・スリーも少なからず貢献していると思う。
——あなた達の音楽はバンジョーをベースにしていますが、バンジョーという楽器の魅力はどこにあると思いますか?
デイヴィッド バンジョーはとてもハッピーな音のする楽器なんだ。でも、ルーツ楽器だから、自然な響きがする。フォーク・ミュージックというのは魂で感じる音楽だから、多くの人にとってアクセスしやすいサウンドになっていて、考えなくても、ただ感じるだけでいいんだよ。あとはリズムがあることだね。バンジョーはメロディとリズムをブレンドさせることのできる楽器だと思う。
エンダ 歴史的には、バンジョーは17世紀にアメリカで生まれた楽器なんだよ。アフリカから強制的に連れて来られた奴隷たちが、音楽を演奏することで生きているって感じて、本当に辛い生活の中を生き抜いてきたという歴史がある。だから、僕はバンジョーを演奏するたびに心を震わせるようなスピリットを感じるんだ。デイヴィッドがハッピーなサウンドと言ったけど、そのハッピーな音の奥にはそういった痛みがあって、それはどの世代にも届くものだと思うんだ。
——ハッピーな音の裏に苦難の歴史があって、それが奥深さに繋がっているんですね。
エンダ アイルランド音楽にも同じような側面がある。アイルランドも800年に渡ってほかの国に植民地化されてきたという歴史があって、その中で音楽やダンスが大事な役割を担ってきた。アイルランドの音楽やダンスはとてもハッピーだけど、それは痛みを背負いながら生きていくための救いにもなっていたんだ。そういう意味で、バンジョーとアイルランド音楽はとてもリンクしているんだよ。
2017.10.16 渋谷クラブクアトロ
写真協力:プランクトン
——ただバンジョーは、フィドルやイーリアン・パイプといった楽器と比べると、アイルランドの音楽に使用する楽器というイメージは薄いですよね。
マーティン バンジョーには二種類あって、僕たちが使っているのは四弦のバンジョー。アメリカのブルーグラスで使われるのは五弦なんだよ。四弦のバンジョーがアイルランド音楽に使われるようになったのは、たぶんここ50年ほどのことだと思う。
エンダ アイルランド音楽でバンジョーを初めて使ったのは、ダブリナーズのバーニー・マッケンナなんだ。最初にアイルランド音楽が録音物になったのは、100年ほど前のことで、場所はアメリカだった。バンジョーはアフリカから来た楽器だけど、五弦バンジョーの5つ目の弦を付け加えたのは、実はアイルランド人なんだよ。それからバンジョーはブルーグラス、オールドタイム・ミュージック、ミンストレル・ミュージックと、色々な音楽に発展して影響を与えていった。アイルランドでは、70年代から80年代に人気が出て、今では四弦バンジョーは本当にポピュラーな楽器になっている。
——バンジョーという楽器のアメリカにおける発展にも、アイルランドが深く関わっていたと。そうしてアメリカで生まれたバンジョーという楽器に、現代のアイルランド人であるあなた方が強く惹かれたのも運命的な話ですね。エンダがウィ・バンジョー・スリーの結成を思い付いたきっかけはブルーグラスとの出会いだそうですが、アイルランド音楽にはないブルーグラスの魅力というのは、どういう点でしたか?
エンダ 最初に感じたのは、全く違うスタイルのバンジョーの使い方だったという点だね。バンジョーは本来ハッピーでアップビートなサウンドだけど、ブルーグラスにはブルージーな響きもある。ブロック・マクガイア・バンドの一員として、ツアーでアメリカを回っていた時に構想を思い付いたんだけど、そのツアーでアイルランド音楽をプレイしながらも、アイルランド音楽とブルーグラスとミックスすれば面白いものが出来るんじゃないかって感じていた。それで、伝統的なアイルランド音楽に加えてブルーグラスの奏法も取り入れた、バンジョーをベースにしたグループの結成を決意したんだ。
——アイルランドをはじめとするケルト音楽とアメリカのブルーグラスをミックスさせた音楽ということで、あなた方のような音楽は「ケルトグラス」と呼ばれていますね。
デイヴィッド その呼び名はとても良いと思う。僕たちは、ただブルーグラスをやっているアイルランドのバンドという風には思われたくないし、そうなりたくもなかった。もっと違う何かに挑戦したいんだ。僕自身、単なるアイルランド音楽のギター・プレイヤーだとは思っていないし、僕らにはそれぞれに違う影響があって、それが一人ひとりの音楽的スタイルを形作っている。ブルーグラスとアイルランド音楽、その他にもいろいろなものが加わった音楽、それがケルトグラスなんだよ。
——ケルトグラスという新しい動きは、あなた達以外のミュージシャンにも広がってきているのですか?
マーティン トランスアトランティック・セッションズというミュージシャンの集まりがあるんだ。ジェリー・ダグラス、サム・ブッシュ、ティム・オブライエンといったブルーグラスのミュージシャンと、アイリッシュ・トラッド・バンドのルナサのメンバーやアイルランドのシンガー、ポール・ブレイディ等が一緒になって立ち上げたプロジェクトで、もう長いこと活動している。そこではアメリカのブルーグラスと、スコットランドやアイルランドのケルト音楽が一緒になっていて、アメリカの曲とイーリアン・パイプの演奏を合わせたりしているんだ。
——昨年はウィ・バンジョー・スリーにとって飛躍の年でもあったと思います。まず、アメリカではオバマ前大統領の前で演奏する機会があったそうですが、その話はどういう経緯で実現したのですか?
エンダ 毎年3月に、「フレンズ・オブ・アイルランド」という名前の昼食会が開かれているんだ。ロナルド・レーガンの時代に南北アイルランドの友好のために始まった、ワシントンでは最も大きいアイルランドに関するイベントで、毎年アイルランドのバンドが演奏に呼ばれていてね。昨年、僕たちがアメリカ・ツアーの最中で、アイルランドの外務省からメールをもらって、その日はちょうど空いていたからお呼ばれしたんだ。とても光栄なことで、とてもエキサイティングだったよ。大統領に副大統領、その他にも大物の政治家がたくさんいて。バラク・オバマはバンジョーが好きで、演奏してみたいって言ってくれて、マーティンがレッスンしますって持ちかけたんだけど、当時はやっぱり忙しくて実現しなかった。
マーティン 今なら退職したから時間あるかもね。バンジョーではゴルフは出来ないから、たぶんドナルド・トランプはバンジョー好きじゃないだろうな(笑)
——また、昨年リリースした『ストリング・セオリー』は、ビルボード・チャートのワールド部門で1位にも輝きました。
エンダ とても光栄に感じているよ。だって、僕たちは自分達でマネジメントも行っていて、レーベルにも所属していないんだから。一位になれたのは、純粋にアメリカのファンがアルバムを買ってくれたおかげなんだ。そういったサポートは本当に特別だし、アイルランドのインディペンデント・バンドがビルボードの一位になったのは僕たちが初めてだからね。
——あなた方のこれまでのアルバムは、どれも歌い継がれている楽曲のカバーとオリジナルが混ざり合った構成になっています。伝統と革新が融合するバランスもウィ・バンジョー・スリーの素晴らしい魅力ですね。
エンダ 数百年続いているバンジョー音楽の可能性をモダンなコンテクストで探求するのが、そもそもバンドを始めた起源なんだ。それからバンドも進歩してきて、これまでに4枚のアルバムを作ってきたわけだけど、次のアルバムはもっとオリジナルが多くなると思う。ケルトグラスのクリエイターとして認識されるようになって、その役割を全うするためには新しいものを生み出していかなくてはいけない。それが自分達の使命だとも思ってるんだよ。
——新しいもの、と言う点で、アイルランド音楽やブルーグラス以外に聴いている音楽はありますか?
デイヴィッド 僕はアイスランドのアウスゲイルをよく聴いてるよ。ああいうエレクトロニック・サウンドとアコースティックの融合したような音楽も好きなんだ。
マーティン 夏にたくさん音楽フェスに呼んでもらえて、とてもラッキーだったよ。そこで今まで見たことのないバンドのライブを見ると、それぞれの音楽的なストーリーを感じられるんだ。イースト・ポインターズっていうカナダのバンドがいるんだけど、彼らのライヴは本当に素晴らしかった。とてもオーセンティックで、ソウルフルで。
エンダ 僕も幅広い音楽を聴いているんだけど、今はブルース・ギターが好きだね。あと、僕はピンク・フロイドの大ファン。とても小さいサウンドからスタートして、大きく発展させていく彼らのスタイルが好きなんだ。それと、僕には7歳の息子がいるから、その子が好きなポップ・ミュージックも自然と耳に入ってくる。ファレル・ウィリアムスの“ハッピー”とかね。でも、彼はブルーグラスも好きで、ダストボウル・リヴァイヴァルがお気に入りだったりもするんだ。
——2015年には初来日しましたが、その時に日本人アーティストとの交流はありましたか?
マーティン 前回日本に来たときに、日本のアーティストともコラボレーションしたんだ。上間綾乃と沖縄の音楽を一緒にプレイして、とても美しいと思ったよ。三味線奏者の上妻宏光とも共演して、教えてもらったりもした。将来的には日本のアーティストともコラボして、音楽をブレンドしてみたいと思ってる。
——ウィ・バンジョー・スリーと言えば、やはりライブ・パフォーマンスが凄いことで有名ですが、自分達のライブの魅力はどこにあると思いますか?
マーティン アイルランド音楽とブルーグラスをミックスするプロセスは、とても有機的なものなんだけど、僕たちはそれをテクニックだけに依存しないエンターテイメント・ショーにしようと心掛けている。僕たちはよく、エゴについて話すんだ。ミュージシャンとしてのエゴは、エンターテイメントを目指すのなら扉の中に置いておくべきだというような事をね。テクニックを見せつけ過ぎるんじゃなくて、必要な時に必要なテクスチャーとしてテクニックを使うようにしている。
デイヴィッド 僕たちのライブのコンセプトは、見に来ている人に向けてただ演奏するんじゃなく、彼らもショーの一部になってもらうってことなんだ。だから、バンドと観客との繋がりに何よりもフォーカスしている。ただお客さんに演奏しているんじゃなくて、彼らに話しかけるようなパフォーマンスにしたいんだ。この夏のツアーは、「ライト・イン・ザ・ウエスタン・スカイ」というタイトルだったんだけど、それは自殺とメンタル・ヘルスに関する問題に着想を得たもので、音楽で前向きになって欲しいという思いが込められている。実際に、ツアーTシャツ1枚につき2ドルがメンタル・ヘルスに関するチャリティに寄付されるようにしているんだよ。
——最後に、バンドとして次の目標を教えてください。
デイヴィッド 今書いている新曲は、本当にケルトグラスを代表するような曲になっていると思う。楽しい部分もありつつ、良いメッセージもあるというような。
エンダ それで、次に狙うのはグラミー賞だね!
We Banjo 3 - Pressed for Time @ Gate to Southwell Festival 2015, Marquee 1
2017.10.16 渋谷クラブクアトロ
写真協力:プランクトン
text & interview by 青山晃大
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October 19, 2017, 6:30 am
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October 19, 2017, 5:00 pm
ミュージシャン・澤部渡によるソロプロジェクト、スカート 。
類稀なソングライティング能力とボーカリゼーションでもはやインディー音楽シーンの顔というべき存在となったスカートが、活動スタートから約7年という歳月を経て、2017年10月にまさしく満を持してメジャーデビュー果たす。
そのメジャー1stアルバム『20/20』はメジャーというフィールドに身を置きつつも良い意味で背伸びせず、これまでのスカート サウンドを裏切らない極上のロック・ポップス作品となっている。
そんな彼にインタビューを実施。去年リリースしたサード・アルバム『CALL』からの流れや、今回のメジャー・デビューについてなど、傑作アルバム『20/20 』の話を中心に話を聞いた。
text by Qetic・Takashi Matsuanaga
Interview:スカート
——新作『20/20』に至るそもそもの流れとして、去年リリースしたサード・アルバム『CALL』で評価、セールスともにしっかりとした手応えを得たということがありましたよね。その好調さを維持したまま、今回約1年ぶり、通算4作目のアルバム『20/20』を〈PONY CANYON〉からリリースする。新作に至る自分のモチベーションはどういうものだったんですか?
『CALL』の手応えをちゃんと反映するには、短いスパンで出すのが絶対いいだろうと思っていたんですよ。『CALL』のとき、自分の創作面の状態の良さだけでなく、みなさんの反応もよかった。だから、『CALL』を出した時点で「次のアルバムは絶対に次の年には出さなきゃダメだ」と思ってました。
——『CALL』のリリース記念のワンマン・ライブ(2016年5月27日/渋谷WWW)で、新曲として披露され、11月にシングル・リリースされた“静かな夜がいい”、山田孝之主演のドキュメンタリー『山田孝之のカンヌ映画祭』(テレビ東京系列/2017年1~3月)のエンディングテーマだった“ランプトン”、映画『PARKS』(2017年3月公開)のサントラに提供した“離れて暮らす二人のために”と、『20/20』の骨格を担う曲も、その間に生まれたものでしたよね。
そうですね。『20/20』に至る最初のきっかけは、やっぱり“静かな夜がいい”ができたことだと思ってます。
──確かに、あの曲が初めて演奏されたときは、まだタイトルもついてなかった。「すぐに演奏しなくちゃ」という前のめりな気持ちも感じたし、思いきってシティポップ的なサウンドに向かっていたのもすごく印象に残りました。そして、そこから始まっているという今回のアルバム『20/20』のタイトルは、英語では「よく見える」という意味。いいタイトルだし、ある意味スカートらしくないタイトルとも言えると思うんです。これまでの作品のタイトルには、独特のナイーヴさというか、晴れではなく曇りを選ぶような感覚があった。そういうところも含めて、今回すごく前向きに舵を切ったんだなと。
そうですね。“視界良好”という曲ができたときに「これをそのままアルバム・タイトルにしてもいいな」とは思ったんです。じつはもともと“視界良好”という曲が「20/20」というタイトルだったんですよ。それを、自分の体に服をフィットさせるように、「これを曲名にすべきか、アルバム・タイトルにすべきか」を考えて、こうしました。アルバム・タイトルとして記号っぽい感じもいいなと思って。
スカート / 静かな夜がいい【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
——「20/20」という言葉の意味はどこで知りました?
鴨田潤さんの小説『てんてんこまちが瞬かん速』(ぴあ)で知りました。もともとビーチ・ボーイズのアルバムで『20/20』というのがあることは知ってたんですけど、その意味をちゃんと知ったのは鴨田さんの小説です。今回のアルバムが、あの小説で出てくる「20/20」という言葉の感じだなと思ったんです。
——じつは、アルバムのタイトル曲がないというのはスカートとしてはひさしぶりなんですよね。
ファースト『エス・オー・エス』(2010年)以来ですね。
──タイトル曲がひとつアルバムのキーとなって引っ張るというより、いろいろな楽曲をアルバムのタイトルが覆うような感覚なんでしょうか。
今回のアルバムは、主軸になる曲がいくつかあると思ってるんです。『CALL』のときは“CALL”という核になる曲があって、それを中心にアルバムを構成できたんですけど、今回に関しては“視界良好”もそうだし、“さよなら!さよなら!”って曲もそうだし、“静かな夜がいい”もそうだし、結構核になる曲が点在しているんですよ。
スカート / CALL 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
──『CALL』の延長線上として“いいポップス”が詰まってるとも感じたけど、別の面では澤部くんの変化もわりと感じたんです。歌い方もそうだし、アルバム全体の曲調でもすごく激しい曲とのコントラストみたいなものがあまりない。でも、そこにポップスとして必要な微熱というか、疼きみたいなものを感じて、すごくいいなと思ったんです。「微熱のアルバム」なんだな、と。
歌い方に関しては、何曲か、自分の中で変化があるなと感じてます。『CALL』に入っていた“どうしてこんなに晴れているのに”を発展させたようなものだと思います。あまり声を張らない歌い方。あと、もともとのアルバム曲候補にはすごく激しい曲も入ってたんですけど、外したものもあります。メンバーと今回のアルバムはどういう方向にするか話したときにも振り落とされた曲が何曲かありました。
──その選択基準のひとつとして、“視界良好”という曲が行き先を決めたという部分は大きいでしょうね。
そうですね。アルバム全体の指針を決めたのは、そこでしたね。あの曲は、最初のリフだけできてたんですよ。アルバムに向けての曲作りがうまくいってない時期があったんですけど、そのころのリハで「こういうリフだけはできてるんだけど」ってみんなに話して、「イントロだけでも合わせてみよう」ってことになったんです。そしたら、やってくうちにAメロにすっと行けた瞬間があったんですよ。それができたんで「わかった!」となって、家に持ち帰って作っていって。そういう部分では、バンドのグルーヴから生まれたものでしたね。
──今回、バンドが曲作りの過程に結構作用しているというエピソードが興味深いですね。というのも、最初はスカートは澤部くんの宅録ユニットとしてスタートしたものだったから。
そうですね。今回の曲作りに関しては、ひとりで作曲するだけじゃなくてバンドでスタジオに入って断片が出来る、みたいな曲がいくつかありますね。そういうことをするようになったのは今回からです。“視界良好”と“私の好きな青”はそうやってできた曲です。これまではセッションで曲を作るようなことをしてこなかった。
──その2曲がスタジオでのセッションからできたというのは象徴的かもしれないですね。そういうプロセスを経ると、曲が前向きになるというか。
それは狙ってました。「内省的なものじゃないものにしたい」という気持ちでいたので。
──そういう意味でも、さっきも言った“微熱感”はしっかりあるアルバムだと思います。心がぐっと高まっているんだけど、拳を上げているわけではない。
でも、熱を持っている状態ということですよね。
──そう。それがアルバム全体にいいオーラとして降りかかっていて、さみしげな曲やせつない曲も、後ろ向きではなく前を向いている。
アルバムを作る前は、今までにはないくらいのプレッシャーがありました。メジャーの話が来る以前から、自分自身に対して「下手なものは作れない」という気持ちがありましたから。僕のシンガー・ソングライター的な資質の部分での曲作りって、アルバムの『CALL』でいったん終わってるんですよ。今までに蓄積はあそこですべて使い果たしたと思ってるので、これから先は、今までやってこなかったことをやらなきゃいけないし、今までやってきたこととも向き合う作業が必要だと。そういう意味でも結構しんどかったですね。
──歌詞の面でもそうでしたか?
苦労しました(笑)。今までのスカートって、パッと僕が思いついた言葉をメモしたりして、それをネタ帳として歌詞を書くことが多かったんです。だけど、ネタ帳の言葉は暗かったり、さびしいものが多かったんで今回はあんまり使えなかった。
──それって言葉が悪いわけじゃなく、その言葉を澤部くんが今は使いたくなくなったということですもんね。
そうです。他にも今回は過去のストックが通用しないと感じた曲は多かったですね。
──それは自分でも変化として実感しますか?
これまであんまり作ってこなかったタイプの曲があるという自覚はありました。ただ、“静かな夜がいい”も“ランプトン”も歌詞としては『CALL』のフィーリングの延長線上なんですよ。やっぱり“視界良好”で、またべつの流れになった気がしますね。
次ページ 次ページ:〈PONY CANYON〉への移籍、インスピレーションを与えたような存在
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October 23, 2017, 7:00 pm
都内最大規模のハロウィンパーティー、<PASSOA Presents VISION HALLOWEEN PARTY 2017〜NEO WONDERLAND〜 >が今年も渋谷SOUND MUSEUM VISION にて開催! 今年は2017年10月27日(金)、28日(土)、30日(月)、31日(火)の計4日間の開催となる。
毎年渋谷が一際賑わうビッグイベントとなったハロウィン。VISIONによって開催されるハロウィンイベントには、昨年もMOGUAIやDJ KAORI 、DJ KOO from TRFなど国内外の豪華アーティストが多数出演し、ハロウィン当日は平日だったにも関わらず多くの人がイベントに参加し、大盛況に終わった。今年も豪華アーティストが多数出演し、盛り上がること間違いなし!
また、イベントでは仮装コンテストも開催され、優勝した方にはなんと優勝賞金50万円がプレゼント! とっておきの衣装で、ハロウィンを全力で楽しもう!!
VISION HALLOWEEN PARTY 2016
今年も豪華アーティストがフロアを盛り上げる!
JP THE WAVY
デビュー曲“Cho Wavy De Gomenne”で脚光を浴びるようになった超新星・JP THE WAVY。2017年5月にこの曲が公開され、翌月にはSALUをフューチャリングした“Cho Wavy De Gomenne REMIX feat.SALU”をアップし、これがオリジナルをさらに超える話題となる。
JP THE WAVY - Cho Wavy De Gomenne
DJ KAORI
単身でニューヨークへ渡り、クラブでプレイしているところを現地No.1 Hip Hop DJ、ファンクマスターフレックスの目に留まり、彼が率いるDJ集団に唯一の女性DJとして迎え入れられる。マライア・キャリーやP・ディディといったアーティストや音楽界以外でもマイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン、マイク・タイソン等スーパーセレブからパーティDJのオファーを受けるまでになる。今までリリースしたMIXCDは異例のトータル売上枚数460万枚を突破。MIX CD以外にも、EXILE、シェネル、安室奈美恵等のリミックスを手掛けたり、May J.のヒット・シングルを筆頭に楽曲プロデュースも手掛けヒット・プロデューサーとしての一面も開花。
『Dj Kaori's Inmix 7』 Trailer
DAISHI DANCE
札幌を拠点に活動するHOUSE DJ/PRODUCER。メロディアスなHOUSEからマッシブなHOUSEまでハイブリッドでカッティングエッジなDJスタイルでダンスフロアに強烈なピークタイムと一体感を創り出す。デビュー当初から韓国での活動も本格的に行っていてSEOUL最大のCLUB ELLUIでのレギュラーDJを務める他、BIGBANG、AFTERSCHOOL、RAINBOWをはじめ韓国の人気アーティストへの楽曲提供も多数手掛けている。
KSUKE
これまで日本人DJの誰もが成し得なかった記録的ニュースの連発で爆発的人気を獲得しているKSUKE。2015年3月に〈Warner Music Japan〉のInternationalと専属契約。以来、自身のオリジナル作品としては、1st アルバム、EPをワールドワイド・リリース。リミックス楽曲としてはMajor Lazerの世界的ヒット曲「Lean On」を始め、国内ではMAN WITH A MISSION、平井堅、CROSS FAITH、清水翔太、チームしゃちほこなど、バンドからアイドルまでを幅広く手掛けている。
また、そのカリスマ性からKSUKEはファッショニスタとしても注目を集めている。2016年9月、ファッションの祭典<VOGUE FASHION’S NIGHT OUT 2016>では唯一の男性アイコンとして異例の選抜をうけ登壇。当日その模様はメディアでも注目を集めた。肝心の音楽プロデューサーとしては無論、着々と実績を更新している。
KSUKE - POOL feat. Meron Ryan (Official Lyric Video)
AMIAYA
15歳で上京し原宿のストリートをゼロからスタートした双子の姉妹。青文字系雑誌でモデルを務めすぐに、独創的な着こなしとヘアメイクを真似するファンが急増。一躍、原宿を代表するスターモデルとなる。モデル業以外では、アパレルブランドド”jouetie”をコンセプターとなり立ち上げ、日本のみならずアジア全域で人気のブランドに上り詰めている。
そして2013年、ユニバーサルミュージック〈ファー・イースタン・トライブ・レコーズ〉より、メジャーデビューミニアルバム『TOKYO POP』をリリース。幼い頃からの夢であったアーティストとしても活動している。
AMIAYA - マジックカラー
CYBERJAPAN DANCERS
日本でもインターネット時代の黎明期であった1995年にMITOMI TOKOTOが立ち上げたウェブサイトマガジン「CYBERJAPAN」。MITOMI TOKOTOがスタートさせた自身のイベントの一つ<BIKINI NIGHT>内でDJプレイ中に踊るゴーゴーダンサーグループとしてCYBERJAPAN DANCERSは結成された。日本においてゴーゴーダンサーというパフォーマンスが注目され、人々の間で認識され始め、やがて人気を確立し国内外の数々のメジャークラブイベントに出演するまでに成長した。
CYBERJAPAN DANCERS - 「Summertime Forever」MV(Dance ver.)
次ページ 仮装コンテストに向けてメイクも全力で!Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.
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October 26, 2017, 4:00 pm
潜在的音楽意識集か? はたまたカルマか? 今後の活動指針と本質が浮かび上がったdelofamiliaのニューアルバム。
拭っても拭いきれないもの……。気づいたら滲み出ていたもの……。そんな自身の潜在的音楽意識、いや、カルマとでも称すべきか……。
今年活動開始から10年を迎えた、NAOTO (ORANGE RANGEリーダー/ギター)とシンガーソングライターRie fu を中心としたバンド、delofamilia(デロファミリア )。彼らのニューアルバム『filament/fuse』は、そんなパーソナルで私信の凝り(こごり)のような感受を私に与えた。
作品や時期毎に自身のブームやフェイバリットを惜しみなく作品に投影してきた彼ら。通算6枚目の今作では、まるでブリストル発信のような作風が印象深い。トリップホップやアブストラクトヒップホップ、MO‘WAXを彷彿とさせるダビーでダーク、無機質なんだけど何か蠢いているかのようなNAOTOの作り出すトラック。
そこに、あえて生命力のある有機的なRie fuの歌声や声が乗り、その両極の融合ならではの新しい景色を曲毎に眼前に広げてくれる、このニューアルバム。
今作の制作を経て、改めて自身の本質に気づかされ、が故に「今後はそれを指針に突き進めていくであろう」とNAOTOに言わしめた、今作は彼らのバックボーンを悟ると共に今後の進むべく道を明るく照らし出すものとなっている。そんなNAOTOが今作を通し、delofamiliaの過去、現在、そして今後を語る。
Interview:NAOTO(delofamilia)
「今作は全て日本とUKとでファイル交換で作られていった」
——今年でdelofamiliaは活動開始から10年を迎えますが、スタート時はNAOTOさんの本質的な音楽面でのアウトプットもですが、その活動がORANGE RANGEへの還元を前提に開始させた感がありました。それらもあり、失礼な話、当初はこの活動が、ここまで長く続くとは想像してもいませんでした(笑)。
僕自身そうですから(笑)。10年前の活動開始の際は、それこそ作品1枚切りでの活動予定だったんです。
——やはり(笑)。それをここまで続けた要因は何だったんですか?
始めたらことのほかそれが楽しくなったんです。形態も当初は、その都度その都度、ボーカリストを変えていく想定だったし。マイペースに作品毎で「次はこのシンガー」「次はこのシンガー」とフレキシブルに変えていこうと思っていたんです。
——結果、2枚目以降はRie fuさんがパーマネントなボーカリストに落ち着きましたが。
Rie fuも当初は2枚目のみの参加予定だったんです。だけど一緒に作ってたら、このユニットでの可能性がグワッと広がっていって。そこから、「この人と一緒にやれば、より面白いことが色々と出来るかも……」と。で、気づいたら一緒にここまで来てました。
——Rie fuさんが加入後の掛け算の比重も段々と増えていきましたよね。ただ歌ってもらうだけでなく、彼女なりのアイデアやアイデンティティが加わることでの相乗効果の比率が作品毎にどんどんアップしていった印象があります。
まさにその通りです! これまでは自分の構築した曲を直接アウトプットだけしていたものが、Rie fuとやることで、その曲を一度二人でこねくり回し1曲を作り出していくので、自分にとっても凄く新鮮で。おかげさまで、Rie fuと組んでからは、「あれ、入り口は確かにここで、あそこを目指していたのに、気づいたら違った出口にでちゃったよ」。なんていい意味での意外性や予想外の景色を楽しめるようになりましたから。元々彼女のシンガーソングライター的な才能や存在、センスが好きで手伝ってもらったんですが、指摘されることやアドバイスも的確だし。かと思えば奇抜でとんでもない意見や注文をしてきたり。そのバランス感も気に入ってます。
——自身完結型だと着地点を想定して作る関係上、想像以上のものは生まれにくいですもんね。イニシアティブとしては、2nd以降はどんな感じに移っていったんですか?
4枚目ぐらいまでの主導は僕でした。しかし、徐々にイーブンに移ってきて。近々完全にイーブンになっていくんじゃないかな。
——そう考えると今作は非常に双方イーブンに近いんじゃないですか。NAOTOさんのバックボーンや好きな音楽によるバックトラックに、Rie fuさんが自分なりに思いついたり、浮かんだものを自由に乗せて、そこで完成していく。いわゆる各々セパレートしたものが合わさった感が凄くしました。
その辺りは作風に出ているとは自分でも思います。実は今回、制作段階で一度も実際に顔を合わせていないんです。全て日本とUK(Rie fuはUK在住)でのメールでのファイルのやり取りだけで作っていって。お互い12時間の時差で音や歌のキャッチボールをして作っていったんです。
「どんなトラックでもRie fuが歌えば大丈夫。そんな自信や安心感があった」
——ライブやツアーを経て作られたこともあり、もっと融合感や一緒感、それからバンド感や躍動感がある作風予想でした。結果、凄くバックトラックとボーカル的な楽曲や、無機質さと有機的なものといった相反するものの融合が垣間見られる楽曲が多かったのが意外でした。
ビジョン的には、打ち込み感とバンド感を同等にしたかったんです。1stはガチガチの打ち込みで、あえてポップ感を出していく挑戦だったのが、2~3枚目はバンドサウンド、4~5枚目から打ち込みの要素が増え始めて。で、今作では、それこそアブストラクト感やちょっとダウナーさを出してみるのも面白いんじゃないかなと。なので、一度バンドサウンドっぽく作った曲も途中、打ち込みを交えたくなって差し替えたものもあります。
——ドラムも本来なら生で入れるところを、あえて808感(ローランドの80年代リズムマシーンの名機DR-808の音色のこと。ドライで張った感のあるスネアの音が特徴的)を出したりしていますもんね。
毎回そうなんですが、その時の気持ちが作品に現われちゃうんです。今回だったらちょっと室内感や密室感、オープンではない感じが自分のモードで。それこそ808のマシーンだけのグルーヴ感、粗削りでいびつなところをもってきて、そのまま出して、武骨だったら武骨なままで、あえて制御させずに入れたかったんです。素材感を大事にしたかったと言うか……。
——確かにドラムマシーンのビートなのにダンサブルさを排除しています。
「電子音楽なんだけど、それをダンス的なものだけに使わない。」、そんなこだわりが制作中もありました。それもありリズムマシーンを起用したにも関わらず踊る要素を極力排除させたんです。ビートの組み方もあえてダンスミュージック仕様にしてないし。基本、聴き手のイマジネーションに委ねたいですから。
——凄く90年代中盤のブリストル系の雰囲気を感じました。アブストラクトやトリップホップといった。
それが自分の中で最近の静かなブームでもあったんです。ブリストル系に関しては、高校の頃から大好きでよく聴いていたんで、染みついてるんでしょう。未だに聴き返しますもん。その度に当時は気づかなかった発見も色々と出てくるのも面白くて。
——非常にあの頃のどんより感が、現在ならではの手法も交えて表現されている部分にも耳が惹かれました。
作るとどうしてもあのどんよりとした空の感じになっちゃう(笑)。むかし受けた衝撃が未だに残ってるんでしょうね。でも、どんなトラックを作っても、Rie fuが歌えば大丈夫。彼女なら上手く乗りこなせる。そんな自信や安心感はありました。
——トラックの無機質な感じにあえて合わせず、逆に有機的に彼女が歌った印象が今作にあります。
歌は何パターンも考えてくれました。なのでハマらずにボツになった曲も沢山あって。基本、収まりが良かったり、すんなり聴けるものは採用しませんでしたね。どこか違和感やいびつなもの、耳に引っかかるものがないものは、あえて外しました。なので同じ楽曲でも、上手かったりキチンと出来たテイクよりも、多少未完成だったり、ズレていたり、ヨレてても雰囲気の良いものを選んだんです。
——Rie fuさんも割とハッキリとものを申すタイプですが、その辺りのお互いの協調性は大丈夫でしたか?
基本、彼女は何でもトライしてくれました。とは言え自分をしっかりと持っている方なので、これは融合しても合わないと感じたり、タイプ的に歌いたくないものは、きっぱりと断ったり、意見をくれたり、アドバイスをくれたりしましたね。まぁ、多少のメール越しのバトルはありましたが(笑)。やはり彼女は外国人気質があり、「イエス」「ノー」がはっきりしているので、逆に潔く作業を進められました。
——作品全体のトーンはけっこう統一していながらも、その中での曲のタイプのバラエティさやバランスも面白かったです。
大好きなテイストだけあって、どの曲も似ちゃう傾向はあるみたいです。自分では気づかないんですが。Rie fuからも言われましたもん。「あれ、この曲、あの曲と関係があるの? 近しいけど。」って(笑)。自然と出ちゃったり、拭っても拭い切れないところはあるんでしょう。
「気づいたら出てきたのは自分の身に染みついたものばかりだった」
——今作には、People In The Boxの波多野さん(Vo.&G.)もポエトリーリーディング等で参加しています。
僕が大好きでオファーしました。ORANGE RANGEで一度共演したことがあるんですが、そこで初めて観て衝撃を受けたんです。日本にもこんなアヴァンギャルドなバンドが居たんだ!? って。そこで声をかけたのが出会いでした。delofamiliaとも2マンをやったことがあるし。彼らの都内でのライブは可能な限り観にいってるくらい大好きなバンドなんです。
——収録に際して彼には何かリクエストを?
「波多野さんを存分に出して下さい」とだけお願いしました。それで返ってきたのがあのポエトリーリーディングで。いつか僕が「波多野さんのポエトリーリーディングが好きだ!」と伝えたことを覚えてくれていたんでしょう。でも、これも実はファイル交換で作ったんです。なのでレコーディングの作業では一度も顔を合わせてないんです。プライベートではしょっちゅう顔を合わせているのに(笑)。
——基本、ファイル交換で完成させてるじゃないですか。距離感や好きな時に出来る、あと時短以外に、そのメリットって何でしょう? 私からするとやはり会って一緒に作った方が、より良い作品作りに繋がりそうなイメージですが?
Rie fuとはずっとそれ(ファイル交換での制作)ですからね。お互い東京に居る時も、楽曲作りに関しては会わないという(笑)。ファイル交換の方が音での対話があるので、より分かりやすいし、変な感情が介在することがないんです。メールの方が言葉がダイレクトだったりするし。
——顔を見ると流されて、言いたいことも言えなくなる場合もあり、妥協に繋がる懸念もありますもんね。
なので、お互いファイル交換の方がすっきりしているし、精神衛生上もいいと思いますよ。ただ、文字なので、ニュアンスが伝わりきらなかったり、必要以上に言葉がキツく感じられることもありますが。
——NAOTOさん的に今作を創り上げたことで見えたものってありましたか?
自分のバックボーンや好きなものってやっぱり変わらないんだなってところかな。自分の拭いきれないものや、つい癖としてでちゃうもの、カラーやいつも近いことをしている自分に改めて気づくことが出来ました。前作から3年のインターバルがあったんで、自分でも何かしらの新しいアウトプットがあるだろうと制作に入ったんですが、あまり新しいものは出てこなくて。出てくるのは自分の身に染みついたものばかりだったんです。
人間、本質はあまり変わらないことに改めて気づかされました。だったら、これからはこれを推し進めて行こう。そう強く決意させてくれたアルバムになったかなって。言い換えると、今後も自分の中から自然に出てくるもの、拭っても拭い切れないものや滲み出てくるものを大切にし、それを作品としてより出して行こうと改めて思わせてくれた1枚になりました。
——まさにタイトルのfilamentやfuse感じゃないですか。
それもあり今回、このタイトルにしたんです。Rie fuにもそれは伝えました。「やはり人間、芯みたいなものはあるし、残っていくものだから。」と。それを意識してくれての今回のメインビジュアルを含んだアートワーク(作:Rie fu)だとも思うんです。
——ORANGE RANGEの新作も同日発売ですが。
同じ人間が制作しているとは思えないほど、こっちはこっち、あっちはあっちで全く世界観の違った作品になってます。どちらも振り切ってるし、こっちがやれているからこそ、ORANGE RANGEでも違った筋肉を存分に使えるところもあります。自分的にも双方の活動が面白いですからね。
——最後に『filament/fuse』の話に戻ると。このアルバムの曲順も大きな流れを感じられて、一つの大きなサイクルを想起させてくれます。
今の時代、難しいことかもしれませんが、やはり1曲目から10曲目までを通してキチンと、可能であればヘッドホンではなくステレオで空気を通して聴いてもらいたいです。特に曲順はこの作品の大きなファクターでもあるし。それこそ1枚で1曲って言いたいぐらい、一つの大きな長い物語と思っているので、その辺りも楽しんで欲しいです。インストも入れているんですが、僕的には、そこじゃないと意味を成さなかったりするので。あと、ローやミッドもかなり前面に出しているので、聴くのはもちろん、是非体感したり、浴びたり、揺蕩いながら楽しんで欲しいです。
text and interview by池田スカオ和宏
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February 1, 2018, 4:00 pm
2016年から2017年にかけて、盛り上がりを見せている日本のHIPHOPシーン。2017年に関しては、フリースタイルラップ/MCバトルの盛り上がりが“いい意味”で落ち着きを見せる一方で、業界自体の追い風を受けて良質な作品が数多く生まれた年だった。
もはやHIPHOPが日本の音楽市場の中で売り上げ的にも重要な位置を締めており、さらに若い世代おいて、“イケてる音楽=HIPHOP”という図式ができつつある。
そこで今回、「2018年! 最注目の若手HIPHOPアーティスト10選! 」と題して、今年話題になるだろう&注目しておいて損はないHIPHOPシーンのアーティストをご紹介!昨年からの流れも踏まえつつ、ソロorグループも含め、幅広い観点からセレクトした。
KEIJU as YOUNG JUJU
言わずと知れたKANDYTOWNのラッパーであり、昨年はtofubeats『LONELY NIGHTS』、Awich『Remember』など、“客演王”と呼べるほどの活躍をしたYOUNG JUJUがSony Music Labelsとグループ初のメジャー契約。本名をモチーフとしたKEIJU as YOUNG JUJUに改名し、1月28日(日)には主催イベント<7 Seconds>を、パリのファッションブランド・PIGALLEをサポーターに迎えてSOUND MUSEUM VISIONで開催した。 ルックス、華、スキルの三拍子がそろった次世代ラッパーが、メジャーでバカ売れすることに期待したい。
tofubeats - LONELY NIGHTS
Remember - Awich feat. YOUNG JUJU (Prod. Chaki Zulu)
kZm(YENTOWN)
2017年も話題の絶えなかった東京最先端HIPHOPクルー・YENTOWNのラッパー・kZm(カズマ)。昨年はクルーのMONYPETZJNKMN、Awichのアルバムでの客演に始まり、ソロではアブストラクトな世界観を全開に表現した『Emotion』、さらにMIYACHI&AKLOとの『KILL IT EYDEY』、5lack&RUDEBWOY FACE とのKojoe『BoSS RuN DeM-Remix-』など数々の話題をシーンに投下。現在制作中という自身初のアルバム『Dimension』は、HIPHOPリスナーが“いま最も待ち焦がれているアルバム”のひとつといっても過言ではない。
Emotion - kZm (Prod. hnrk)
MIYACHI, AKLO & kZm / KILL IT EYDEY
SUSHIBOYS
感度の高いヘッズたちの間でジワジワと話題になり、とうとうファッション誌の表紙を飾ってしまった埼玉県入間郡出身のHIPHOPトリオ・SUSHIBOYS(寿司ボーイズ)。YouTubeに音源を公開する形で活動していた彼らだが、そのルックスとは裏腹な卓越したラップスキルを、人気ラッパー・SEEDAは「和製ODD FUTURE」と評した。昨年10月には待望のフィジカル作品『NIGIRI』をリリース。海外のトレンド×日本の“イナタさ”の絶妙なミックス具合は、現シーンにおいて類似するものがなく、いま最も謎かつワクワクさせられるラッパーたちだ。
ダンボルギーニ SUSHIBOYS
思ったよりも SUSHIBOYS
踊Foot Works
2017年3月に1stアルバム『ODD FOOT WORKS』で突如シーンに現れるやいなや、すぐさま耳の肥えたリスナーたちを唸らせ、その勢いのまま夏にはフジロックに出演を果たした新星HIPHOPバンド。昨年末には、初の企画イベント<Arukeba Gravity 2017-2020@WOMB大晦日LIVE>を渋谷WOMBで開催し、360度センターステージで繰り広げるライブで怒濤の1年を締めくくった。生バンドのグルーヴを生かした彼らのサウンドは、HIPHOPの枠を飛び超えて、新時代のポップミュージックに飛躍する可能性を秘めている。
※踊Foot Works(オドフットワークス)
夜の学校 Feat. もののあわい - 踊Foot Works
踊Foot Works / N.D.W (Live ver.)
JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB
2014年結成の4人組HIPHOPグループ。結成当初から立て続けにフリーEPをリリースし、2015年にデビュー・アルバム『QUEST』、2017年には『OFF THE WALL』 を発売すると同時に、日本各地での精力的なライブで着実に認知度を高めていった。RIP SLYMEやKICK THE CAN CREWといった日本のHIPHOPシーンの裾野を広げたグループの影響を感じさせる彼らの楽曲は、純なまでにめちゃくちゃPOPなHIPHOP。現時点における日本のHIPHOPの入り口として、食わず嫌いをしている人にほど聞いてほしいのがJABBAだ。
※JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB(ジャバザハットフットボールクラブ)
JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB「STAY GOLD,LIFE GOES ON」
JABBA DA HUTT FOOTBALL CLUB「雨音はディラのビート」
「2018年! 最注目の若手HIPHOPアーティスト10選!」、残り5組も要チェック!
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February 4, 2018, 4:00 pm
その端正なルックスと耽美なエレクトロニック・サウンドでヨーロッパ全土において絶大な人気を誇る、英マンチェスター出身の美しきエレクトロ・ポップ・デュオ=ハーツ(Hurts) の約7年ぶりとなる単独来日公演が開催された。
昨年9月に発表された約2年ぶりのフル・アルバム『デザイア~衝動~』 は、メンバー自ら「情熱、苦悩、そして渇望に溢れた今までの作品でベストの一つ」と語っているように、これまでのダークな世界観を踏襲しつつ、プリンスやデヴィッド・ボウイの影響を感じさせる彩り豊かなポップ性と躍動するグルーヴとリズムで、新たなに進化したハーツ・サウンドを提示し、大きな話題を呼んだばかりだ。
スイスやチェコ、フィンランドをはじめヨーロッパ各国でTop10入りするなど、すでに全欧チャートを席巻している本作を引っさげた一夜限りの来日公演は、昨日1月29日(月)マイナビBLITZ赤坂で開催され、“ビューティフル・ワンズ”や“レディー・トゥー・ゴー”など最新アルバムのヒット・シングルから、過去の代表曲までを織り交ぜたファン感涙のセットが披露され、ハーツの美学と世界観が見事に体現された素晴らしい一夜となった。
そんな大熱狂のライブレポートが公開されている。
Hurts - Ready to Go
Live Report:ハーツ 来日公演
2018.01.29(月)
マイナビBLITZ赤坂
ハーツのライブを過去に一度でも観たことがある人ならばご存知だろうが、彼らのライブは常に驚くほどエモーショナルでアンセミックだ。
「欧州的エレガンスを漂わせた、耽美なエレクトロ・ポップをやるデュオ」という、アルバム音源や彼らのヴィジュアルから得られるイメージは、ライブが始まってものの数分で覆される。前回来日の<フジロック>(2013)も、フラットな温度で彼らを観ていたフェスのオーディエンスを熱狂させた素晴らしいステージだったが、今回の5年ぶりの単独来日公演は、さらにパワフルに進化したハーツのライブ・パフォーマンスを目撃できた興奮の一夜となった。
彼らのライブ進化の原動力となったのが、最新アルバム『デザイア~衝動~』だ。リズムとグルーヴを徹底的に鍛えたダンス・アルバムでもある本作によって、彼らのエレクトロ・ポップにフィジカルな説得力が増したからだ。
EDMやディスコのエッセンスを取り入れたアッパーな新曲“レディー・トゥー・ゴー”、ラウド・ギターが駈けるロック・バンド然とし“サンデー”など、ショウの前半からウォーミング・アップを必要としない瞬間沸騰のパフォーマンスだ。ライブではセオ(ボーカル)とアダム(ピアノ、ギター)に加え、ドラムス、ベース、キーボード、そして女性コーラス2人というバンド編成が基本となるハーツだが、今回はとりわけそのバンド・サウンドが活かされたダイナミックなパフォーマンスだ。
ただし、エモーショナルでアンセミックとは言っても、ハーツのライブはすべてが開けっぴろげで分かりやすいわけではない。
たとえば、彼らのステージのライティングは非常に暗い。時折バックライトがフラッシュのように点滅し、ピンスポットライトが仄かにセオやアダムを照らし出すものの、ショウは基本的に薄闇の中で進んでいく。「HURTS」と書かれたバックドロップもモノトーンでシンプル。
アダムが弾くグランド・ピアノの上に置かれた白い薔薇の花束も含めて、彼らのステージはどこかシアトリカルでミニマルな美意識で貫かれたものなのだ。そしてそんなステージ上で溢れんばかりのパッションが躍り、過剰なまでに分厚いシンセ、コーラスが宙を突き抜けるという、静と動、影と光のコントラストが圧巻なのだ。
白いシャツに細身の黒パンツで王子然としたルックスのセオも「メイク・サム・ノイズ!」と何度も叫び、“ローリング・ストーン”ではしゃがれた声で野太いシャウトを繰り返すなど、ステージ上では徹底したショウマンでもある。
後半は新作『デザイア~衝動~』で彼らが獲得したリズム、グルーヴの多様性が活かされたセクションで、ヒップホップ的アレンジを効かせた“サンドマン“や、ファンクやアフロ・ポップのリズムも取り入れた新機軸の新曲“ウォーク・アウェイ”など、ハーツの今後を見据えた未来志向のセットになっていた。
そして「日本の皆は本当にビューティフルだ、次の曲は君たちに捧げるよ」とセオが言って始まった“ワンダフル・ライフ”から、彼らとオーディエンスが声を合わせて「僕らは美しき者たち」と宣言した“ビューティフル・ワンズ”、そしてセオが白薔薇を次々とフロアに投げ込んでいった“ステイ”と、本編ラストからアンコールへの流れはハーツとファンが共鳴、共振しながら昂り、ひとつになっていく最高のフィナーレだった。
Hurts - Beautiful Ones
text by 粉川しの
photo by YOSHIAKI KAYAKI
ハーツ(Hurts)の悲恋エピソードを歌詞から読み解く!バレンタイン&来日直前特集!
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February 5, 2018, 4:00 pm
映画の中に入り込んだ感覚と臨場感が味わえる<爆音映画祭 > が、いよいよ2月10日(金)から新宿のド真ん中・新宿ピカデリーで開催!! 3週間に渡って全20作を公開されます!
映画のラインナップは『ブレードランナー2049』や『ラ・ラ・ランド』など話題の新作から、『未知との遭遇』、『トレインスポッティング』などの過去の名作まで、どれも観ておきたいものばかり……。しかし全部を観るのは時間とお金、体力が必要!!
そ・こ・で、どれを観ようか悩んでいるアナタへ! Qetic編集部が20作の中でこれだけは絶対に爆音で体験してほしい映画3作をピックアップ!! あらすじと爆音で観たい理由、映画のキーワードと共にご紹介します☆
絶対に爆音で体験してほしい映画 Qetic厳選の3作
臨場感と緊張感のミックス!『ベイビー・ドライバー』
あらすじ: 幼い時の事故の後遺症である耳鳴りを、音楽を聴くことで緩和させ、犯罪組織の逃がし屋として、誰も真似できないドライビングテクニックで大活躍する主人公のベイビー。そんなある日、母親が昔働いていたカフェで、デボラという女の子に恋をする。それを機に犯罪から手を引こうとデボラと一緒に逃走を試みるが……。
エドガー・ライト監督の最新作『ベイビー・ドライバー』は、映像と音楽のシンクロ率200%!! ベイビーのイヤホンから流れる楽曲に合わせて広がる逃走劇は観ていて痛快、自分も乗車しているような感覚が味わえるはず! ドキドキとハラハラが止まらない、緊張感あるドライブにベイビーが連れてってくれます。また劇中で流れる楽曲は、クイーンやザ・ビーチ・ボーイズ、ブラー、ベックなど懐かしのロックばかり。映画館がライブ会場にも感じられるかも!? 爆音で観るとエドガー・ライト監督の音作りの細かさが更に際立ち、より臨場感も増しそうです。アクションファンだけでなく、音楽ファンも必見・必聴の1作!
キーワード:アクション/ロックンロール/懐メロ/青春
アンニュイな雰囲気に溶け込む!『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
あらすじ: デトロイトの寂れたアパートの中で、身を潜めながらもアンダーグラウンドシーンのミュージシャンとして活動をし、何世紀も生き続ける吸魂鬼のアダム。そんなアダムのの元へ、モロッコのタンジールに滞在している恋人で、同じ吸血鬼のイヴがやってくる。久々の再会を楽しむが、ある日イヴの妹エヴァが現われ、ある事件を引き起こし……。
ジム・ジャームッシュ監督のヴァンパイア映画! 薄暗い退廃的な映像に合わせ、劇中で常に楽曲が流れているのが魅力の本作。爆音で聴けば3割り増しで、ジム・ジャームッシュ監督のオシャレでセンス溢れる音楽に酔いしれること間違いなし!! レコードから流れる楽曲や、アダムが弾くギターの音など、爆音で観ればよりリアルに感じられるはずです。観終わった後、ダークでスタイリッシュな世界から抜け出すのには時間がかかるでしょう。
キーワード:アンニュイ/血/文学/生と死
近未来の壮大な世界観に圧巻!『ブレードランナー 2049』
あらすじ: SF映画『ブレードランナー』の続編、前作から30年後の2049年が舞台。ブレードランナーのKは任務中に世界の秩序を変えてしまう重大な秘密を知り、その真相を確かめるべく、かつてレプリカントの恋人・レイチェルと逃亡をした元ブレードランナーであるデッカードを探す。レプリカントを製造するウォレスもデッカードを探し続けているが、デッカードは一体何を知っているのだろうか? そしてデッカードの居場所を突き止め、問いただすK。果たして真相は……?
リドリー・スコット監督が手がけた前作 『ブレードランナー』の音楽はギリシャの音楽家ヴァンゲリスが担当をし、音楽が映画の奥行きを深く芸術的に仕上げていると絶賛されています。が、今回の『ブレードランナー 2049』の音楽を担当したハンス・ジマーは陶酔感と高揚感を沸かせるシンセサウンドが凄い!! 大音量で聴きたいと思う2017年公開映画No.1です。
また、前作ヴァンゲリスの楽曲も劇中で使われているので、どちらの『ブレードランナー』も爆音で味わえる贅沢さ。音楽の作り込みだけでも満足ができる映画ですが、映像の美しさにも目が離せない。映像の動きに同調する音楽をぜひ、爆音で楽しんでほしい作品です!
キーワード:近未来/SF/壮大/過去と未来
大音量でしか得ることが出来ない体験を映画館で!
大音量でなければ聴こえてこない細かく繊細な音の効果で、よりリアリティのある映画を楽しむことができる<爆音映画祭>。繰り返し見た映画も爆音で体験をするだけで、違って見えるはず! 映画ファンだけでなく、ふだん劇場で映画を見ない人の心も鷲掴みにすることでしょう。3月2日(金)まで開催をしているので、ぜひ1作だけでも観に行ってみては?
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February 5, 2018, 5:00 pm
<SUMMER SONIC 2018(サマーソニック・サマソニ) >の出演者が続々と公表され、<FUJI ROCK FESTIVAL'18(以下、フジロック) >も間も無くヘッドライナーが発表されそうなこの時期。発表前の今だからこそ、もしかしたら……という期待を込めて出演者を妄想してみているひとも多いはず。そこで今回は、Qetic編集部+αのフジロック好きたち が、自分の理想のヘッドライナーを独断と偏見でリストアップ! それぞれの夢のフジロックをかき集めてみました。
「UPCOMING SHOWS・FUJI ROCK FESTIVAL’18」
<フジロック’18>、夢のヘッドライナーアンケート!
リッキー / Qetic編集部
カリ・ウチス(Kali Uchis)
今、様々なところで注目を浴びていて、そのファション性と独特な楽曲が魅力とされ、第60回のグラミー賞で最優秀R&Bパフォーマンス賞にもノミネートされたほか、Tyler,the creatorやJorja Smith、Miguel、Steve Lacy、Daniel Caesarなどの楽曲に参加し、まさに今ノリに乗っています。来てほしい理由として、彼女は確実に今後世界的にもかなりの有名なアーティストになると思われます。そのため、今後なかなかライブを観れなくなると思われるので今のうちに観たいという気持ちがあるからです。
アレッシア・カーラ(ALESSIA CARA)
グラミー賞で最優秀新人賞にも輝き、他三部門にもノミネートされた彼女の代表曲である“How Far I’ll go”はあのディズニー映画のモアナと伝説の海の主題歌でもあります。さらに、ZEDDとのコラボレーション曲でもある“Stay”はダブルプラチナを達成しています。ただの私の推測になってしまいますが、彼女の楽曲の“Here”をどこかで聞いたことがあると思う人がたくさんいると思います。そして、私が来てほしいと思う理由としては、何よりも昨年話題になりSNSや様々なメディアで拝見した、その張本人のパフォーマンスをこの目に焼き付けたいという単純な感情からです。そしてYouTubeにもあげられている、2017 MTV Video Music Awardsでのライブパフォーマンスを観れば多くの人が彼女のパフォーマンスを生で見たいと思うはずです。
Alessia Cara Performs “Scars To Your Beautiful” | 2017 VMAs | MTV
渋谷パトロール隊 / Qetic編集部
ザ・キュアー(The cure)
今年40周年を迎える愛してやまない英国ロックバンド! 40周年だからこそ、苗場に帰ってきて!!! ロバート・スミスに会いたい! また3時間ライブやって! 嵐をおこして!!!
The Cure - Boys Don't Cry
船津晃一朗 / Qetic編集部
宇多田ヒカル
本当に希望で、とにかく観たい! お祭りで汗(もしくは雨)がもう何とも言えない感じに染みつき、テンションもおかしくなっている時に、どこか無機質でクールなイメージがある宇多田ヒカルさんを見せつけられたいです。終演後少し肌寒くなるのを見越して、「ロンTあるから買ってね!」と宇多田さんがMCでグッズを宣伝したら、絶対買う。
PSG
現在、各メンバーに脂が乗りまくりのPSG。スペシャルゲストは加山雄三が登場、もちろんあの曲を歌います。それぞれのソロも惜しみなく披露していただいて、3時間くらいやって欲しい。新しいアルバムが聴きたいぜ!!!! PSG!!!!
カニエ・ウェスト(Kanye West)
「何が起こるかわからない」を体現するシカゴのラッパーがリベンジ(前回キャンセルしたから)で登場。<フジロック>の壮大な自然と最新のカニエサウンドの神々しい感じがとてもよく合うと思います。色々あってグラミー賞も欠席、アルバムのリリース後に直したいからと手を入れ直しちゃう良い意味でゲームチェンジャーな彼を是非観たい! 今絶賛喧嘩中らしいですが、なぜかジェイ・Zも来ちゃったりして、グラミーの愚痴(ジェイ・Zは今年最多8部門にノミネートしたが、受賞はなかった)でも言い合って仲直りしてほしいですね。フジで。マジで。
Kanye West - Runaway (Video Version) ft. Pusha T
BOWEN / Qetic編集部
ゆるふわギャング
今年のヒップホップといったらゆるふわギャングの年になったと思うし、自分もがちがちにループしてたので期待を込めてゆるふわギャングにしました!
SALU / 夜に失くす feat. ゆるふわギャング (Ryugo Ishida, Sophiee)【Official Music Video】
aiko
フジロックって言ったら夏のイメージ! 夏といったらaikoの曲を聴いて、花火でも見て盛り上がりたいって思っちゃう典型的な日本人なのでやっぱりaikoがくるかもしれないと思ったので!
嶋田 / Qetic編集部
ダニエル・シーザー(Daniel Caesar)
3月に初来日ということもありますし、そのノリで<フジロック>にもぜひ出て欲しいです! 絶対に気持ちい! せっかくなので“Japanese Denim”聴きたいです。
加山雄三
<りんご音楽祭2016>の出演が本当に伝説的に最高だったので、<フジロック>でも見たい! “君といつまでも”をみんなで歌いたい!!
お嫁においで 2015 / 加山雄三 feat. PUNPEE
mine / Qetic編集部
安室奈美恵
いや、まさかね……100%ないよね……と思いながらも出たら絶対見たいし号泣しそう。引退するから最後はいろんなことにチャレンジしよう! そうだ! <フジロック>出ちゃお! みたいなノリで出ないかな〜……アムラー世代ではないですが小学校の時から最近まで好きだったので最高な思い出にしたいという願望です。
アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)
“DancingShoes”で暴れたい……ただそれだけのためにアクモンを聞きたい……2014年の<サマソニ>で熱気の中見たアクモンの疾走感あるステージが今でも忘れられなくて、しばらく頭の中で反復されてたくらいにはもう一回感じたい感覚です。人がいっぱいでぎゅうぎゅうすぎてお気に入りの帽子を無くしたのはいい思い出!
エミネム(EMINEM)
去年のアルバム良かったし、“8mile”だけじゃねーから!! (若者はむしろそれも知らなそう……)というのを知ってほしい。エミネムは2日目の夜、雨のグリーンステージで、呆然と泣きながら見た過ぎます。とにかく一生に一度は見たい。
Eminem - Walk On Water (Official Video)
ヤーマネ / Qetic編集部
カイリー・ミノーグ(Kylie Minogue)
ずっっっとフジロックに来て欲しいと願い続けてますが、今年は例年よりも妄想が捗ります。なぜならば2月1日には新曲“Dancing”がYouTubeで公開され、6月4日には新作アルバムが出るとの事で、わりとあり得るんじゃないかとか思ったり! 劣化したとかゴシップ的な情報が取り糺されがちですが、エンターテイナーとしての素晴らしい才能に、ファンだけでなくもっと多くの人に注目してほしい。キレキレのダンサーにきらびやかなステージ、そして小柄ながら圧倒的な存在感を放つカイリー姐様を山中で観れるなんてこれ以上の贅沢はないんじゃないかと! そして“Can't Get You Out Of My Head×Blue Monday”はきっとロック好きにとってもハイライトのひとつになる事間違いなし。
Kylie Minogue - Dancing (Official Video)
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February 13, 2018, 4:00 pm
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