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レイチェルの全然ファイトクラブ Vol.09 『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』の感想

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IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
え? 本当に3時間あった? 実質15分ではなく? レイチェルです。 今回は久しぶりに自分で書いてるよ! 今回みた映画は、「『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」です! 今作は実質15分! やっぱり怖いもんは怖いから1人では見れないかなと思ってたんですけど取り越し苦労だったかも。 おなじみのピエロ、ペニー・ワイズは前作より数段パワーアップしての登場でしたね。 スピード感がすごかった! 彼のホスピタリティも前作の倍以上! あの手この手で怖がらせてくれましたよー。
IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
前作の感想はこちらから 物語は前作から27年後! 大人になった「ルーザーズ」がペニー・ワイズ出現の報せを受けて、再びあの凶悪なピエロに立ち向かう! ということなんですけどね〜。 すごく楽しかった〜。 大人になったルーザーズが子役と似ててびっくり! 特徴捉えてるなぁ。 あー、なんか今洗いざらい書いちゃいたいけどまだ公開前だしうまい塩梅で書ける自信ないや。
IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。
↑©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED. ↓©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
とにかく楽しくてあっという間だったことを伝えたい。前作を見てなくても楽しめると思います! でも当然見てたほうが楽しめるかなぁ。 ちょこちょこ小ネタを挟んでくるからね。 こういうのってずるいよね。 分かる人には分かるみたいな演出は。 私はずるいと思います。 でも、まんまと喜んじゃいました! 怖さは抑えめに感じたかな? それよりも派手さが勝ってたような。 私も大人になったからかな。 好きな人と観にいったら楽しそう〜。 改めて怖さと面白さって紙一重だな、ていうか。 怖いシーンがあっても、「そんなワケある!?」って視点で観るとほとんどどのシーンも笑えちゃうんですよね。 それに加えて劇中のルーザーズも大人になって少し余裕がでてきたのか、けっこうこれを見よがしなジョークを言ったりするんですよ。 その時だけは私も「HA HA HA」て感じでしたわ。 ちょっと話し逸れたけど、怖いシーンでも、コメディなシーンでもいいから、同じところで笑えるような友人や恋人と一緒に行けたらいいよね……。やっぱ……。 私が1番笑ったのは予告でもでている「お婆ちゃん」のシーンでした。ちょっと怖いけど、あれはずるいよね。

映画『IT/イット THE END』US版予告 2019年11月1日(金)公開

ペニー・ワイズもすごいいじられててよかった。27年の時を経たからかお互いの信頼感増してない!? もはやペニー・ワイズとあのやりとり一生続けてほしいよ。ただし死はNGで!! それじゃあ怖くないか。 てか、観終わったら27年の意味がわかるみたいに言われたんだけど、全然意味わからなかった! 私ってバカすぎ!? ボーッとしちゃってたのかな?(これを見ていて、分かる人がいたら教えてください。) でも楽しかったし関係なし! 映画観た後に「楽しかったー。」て言えるのすごい好き。アトラクション! エンタメ! って感じの今作でした。絶対映画館で観るのがいい。私ももう一回観にいっちゃうだろうなぁ。

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。

11月1日(金)全国ロードショー

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 監督:アンディ・ムスキエティ 原作:スティーヴン・キング 脚本:ゲイリー・ドーベルマン 出演:ビル・スカルスガルド、ジェームズ・マカヴォイ、ジェシカ・チャスティン、ビル・ヘイダー、イザイア・ムスタファ、ジェイ・ライアン、ジェームズ・ランソン、アンディ・ビーンほか 配給:ワーナー・ブラザース映画 ©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED. 詳細はこちらTwitter

chelmico

chelmico
左からRachel、Mamiko
Rachel(レイチェル)とMamiko(マミコ)からなるラップユニット。 2014年に結成、2016年に1st Album「chelmico」、昨年9月には「EP」をリリース。 等身大のリリックのおもしろさは勿論、そのかわいらしい容姿から想像を絶するラップスキルと、キャッチ―なメロディーに乗せる滑らかなフロウが音楽業界の全方位から大評価を受ける。さらに、HIP HOPという枠に捉われないPOPセンスと2人の自由気ままなキャラクターが、クリエイターからの注目を集め、新人ながら企業のCMやwebCMのオファーが殺到! 2018年8月にワーナーミュージック・ジャパンアンボルデからメジャーデビュー。2019年1月にリキッドルームを含む自身初の東名阪ワンマンツアーを行い全会場SOLD OUT!ライブも精力的に行われている一方で、音楽のフィールドを超え様々な方面で活動中! Rachel TwitterRachel Instagram Mamiko TwitterMamiko Instagram chelmico オフィシャルサイトオフィシャル Twitterオフィシャル Instagram レイチェルの全然ファイトクラブ

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インタビュー|ジャイルス・ピーターソンが語る表現活動の現在とDIYの強み

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ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)の功績は計り知れない。2016年に設立したインターネット・ラジオ局「WORLDWIDE FM」では、実験的なエレクトロニックダンスミュージックや時代とともに更新されてきたジャズ、10年代から勢いを加速させメインストリームに乗り出たヒップホップなど、ジャンルを問わず常に刺激的な音楽を独自の切り口で、3年に渡り紹介してきた。自身が運営するレーベル〈Brownswood Recordings〉でも、Joe Armon-Jones(Ezra Collective)、KOKOROKOらを輩出し、主催フェス<Worldwide Festival>にはPeggy Gou、Virgil Abloh、Floating Points、Kamaal Williamsら近年のダンスミュージックを語るには欠かせないアーティストたちを登場させるなど、ジャイルスのセンス/テイストがジャンルを繋ぎ合わせ、現行音楽シーンの起爆剤として作用させていることは言うまでもない。 ラジオ、レーベルのみならず、超一流のDJでもあるジャイルスは今年<朝霧JAM 2019>、東京・Contact Tokyoで開催予定だった来日30周年パーティーのため日本に降り立った。両公演ともに悪天候のため中止になってしまったが、振替公演として翌日にWaajeedのツアーに急遽参加した彼は多幸感溢れるDJを披露した。自ら世界各地を回りながらローカルで活躍するDJ/ミュージシャンを「WORLDWIDE FM」に招き、オンラインの特性を生かしながらグローバルに音楽をキュレーションしてきた彼のインタビューをお届けする。

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)

INTERVIEW:ジャイルス・ピーターソン

──WORLDWIDE FMが設立されて3年が経ったことについて、どのような所感をお持ちですか? この3年の間に、自ら発信して道を切り開いていく、そういったコミュニティーは世界中でどんどん拡張していて、僕はそれを予想してなかったんだ。その流れの中で、頭角を現し始めているミュージシャンやヴェニュー、DJ、新世代のアーティスト、新しいプラットフォームにとって、WORLDWIDE FMが重要なものになっていることを誇りに思うよ。 ──その間、そういった流れと同調するように、世界情勢も大きく変化したかと思います。 今がとても複雑な時代であることは、みんなも感じているはず。それに対して、アートや音楽、ファッションのコミュニティーからはいつも興味深い反応がある。それぞれ不満を感じ、政治的にも敏感になっていて、そのことが音楽表現に反映されているんだ。より多くの議論を重ねて意見を交換することでクリエイティブ活動が活発になってきているから、現状をある意味では良く捉えることができる。例えば70年代のパンクシーンのようにね。音楽が政治を再び内包し始めているんだ。 ──なるほど。自ら発信していくことに重きを置いている人が多くなり始めていると先ほどおっしゃっていましたが、10代の頃、自宅の庭に海賊レコード局を作ってらっしゃったとお伺いしました。今でも自身が大事であると考えるDIYの要素はありますか? DIYの強みは、外部に頼っていないことなんだ。誰からも支配されたり指示されることがない。そして自ら実行に移すことによって、目標のためにどのように動いて、いかに物事を整理するべきか、その一連の流れをスムーズに自分たちで学ぶことができる。 イギリスでシーンが大きくなった理由は、シーンに関わっている人々が演奏できるだけでなくイベントを計画することができたからなんだ。ヴェニューを押さえて、自分たちの空間を作り出したりと、一からプロデュースすることができた。もしくは、自分たちの力でマスタリングやミクシング、音を作ってからレコードをカットすることができる。例えばEzra Collectiveはレコードレーベルを持っていないけど、全て自分たちでやっているんだ。対照的に、〈Brownswood Recordings〉や〈Ninja Tune〉、〈Blue Note〉など、すでに存在しているレーベルから出すためにどうすれば良いかを考えるアーティストもいる。DIYで重要な点は、誰も実権を握っていないことなんだ。イベントのオーガナイズからレコーディングまで、全て自分たちがやる。

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)

WORLDWIDE FMスタジオの様子 Photo by Yukitaka Amemiya

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)

WORLDWIDE FMスタジオの様子 Photo by Yukitaka Amemiya

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)

WORLDWIDE FMスタジオの様子 Photo by Yukitaka Amemiya

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)

WORLDWIDE FMスタジオの様子 Photo by Yukitaka Amemiya

──DIYシーンではストリーミングなど、デジタルの普及も大きな役割を果たしています。インターネット環境とデバイスがあれば誰でも音楽にアクセスできるようになった一方で、フィジカルの人気も高くなっていますよね。 DJとして、レコードは買い続けているけど、デジタルでプレイすることもある。今、フィジカルに趣をおいて、レコードのみでリリースする人たちも多い。でも僕は音が良ければレコードには限定しないでDJをするよ。一方でレコードでDJをするのはとても好きだよ。iTunesで曲のリストを作ると、それに沿ってプレイするけど、フィジカルがあると、DJの流れが変わるから。それはフィジカルの持つ一つの魅力だよ。 僕はDJをするとき、持ち時間は長ければ長いほど良い体験を届けられると思ってる。DJの経験を積んできて、幅広いジャンルの曲をかけてきた。だからハウス、テクノ、ジャズ、ブラジル音楽からエレクトロニックをミックスするには2時間は短くて、最低6時間はやりたいと思っているよ。

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)

Photo by Shoji Yagihashi

──ジャンルレスなミックスは、WORLDWIDE FMの大きな魅力の一つですよね。紹介される音楽は実験的な要素も多いですが、現在人気の高いLofi Hip Hopのように、ずっと聴いていられるようなビートが意識されているように思えます。現行シーンで聴く機会の多いビートの質感についてはどう思いますか? Kieferなどが活躍しているビートシーンは、ドラムンベースなどのようにソリッドなものだと思う。もしくはジャズやクラシックなテクノのように、ずっとあるものだよね。毎夜、僕は新しい音やアーティストをチェックするんだけど、そこでトリップ・ホップの音に近づいていると思ったんだ。Massive AttackやPortishead、DJ Shadowなどオールドスクールとされていた彼らの存在は、新しい世代に再び影響を与え始めている。ビートシーンは僕らがやっていることの基礎にあると思うし、ラップやハウス、全てのジャンルを支えている要素でもある。WORLDWIDE FMでももっと取り上げるべきだね。 ──今日はMoodymannのTシャツを着用されていますね。彼は今年LPをリリースしましたが、2019年で魅力的だと思った作品を教えてください。 彼の『Sinner』はとても良いレコードだったよ! 他だとシカゴの〈INTERNATIONAL ANTHEM〉というレーベルがとても良かった。彼らがリリースする作品は素晴らしいと思う。新しいイギリスの音楽だと、SAULTというグループは注目だね。今年、すでに2枚のアルバム『5』『7』をリリースしているんだ。ポストパンクでありつつ、ジャズやサイケデリックの要素もある。ニューヨークのESGやシカゴのRotary Connectionに似ているかもしれない。加えて、ラジオでもかけやすくて、多くのレーベルが契約したがっているはずさ。それにみんな彼らとイベントをやりたいって言ってるよ。

ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)

Photo by Shoji Yagihashi

──日本のアーティストで注目している方はいますか? DJのPowderはとても良いね。ロンドンに住んでいるKoichi Sakai、WaqWaq Kingdom、CHURASHIMA NAVIGATOR、GONNO…...、あとAkiko Kiyamaもすごく良いよ。彼女はエクスペリメンタルだね。僕が主宰する<Worldwide Festival>でもプレイしてくれた。それにMIEKO SHIMIZU、akiko×林正樹。Kikagaku Moyo(幾何学模様)というバンドも。あと小瀬村晶は大好きだよ! コンテンポラリーなクラシックなんだけど、彼はまだ若い。来年の<Worldwide Festival>にはKikagaku Moyoも出演してほしいと思う。あとは日本のレジェンドプレイヤーの日野皓正、それと松浦俊夫もね。あげればキリがないな(笑)。

akiko×林正樹 "spectrum" teaser

Kikagaku Moyo - Dripping Sun(Live on KEXP)
小瀬村晶『Romance』 インタビュー中にはakiko×林正樹による『spectrum』収録“Music Elevation”、小瀬村晶が今年リリースしたシングル“Romance”、Kikagaku Moyoの昨年のアルバム『Masana Temples』収録“Dripping Sun”を聞かせてくれた。

Text by Koichiro Funatsu Edit by Kenji Takeda

Gilles Peterson Worldwide Radio

HPWORLDWIDE FM

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プロデューサー・MIOが語る、都市型パーティー<Carnival MOO>に込められたパパ・ママへの思い

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Carnival MOO

銀座・PLUSTOKYOにて、いよいよ11月3日(日)に開催が迫る都市型パーティ<Carnival MOO(カーニバル・ムー)>。音楽・食・キッズランドという3つのコンテンツで構成され、子供も大人も誰もが楽しめる新しいコンセプトのパーティだ。 オーガナイザーを務めるのは、東京をベースにアンダーグラウンドなパーティをクリエイトするLiLiTHのプロデューサー・MIOさん。同じくLiLiTHでレジデントDJを務め、公私共にパートナーであるNAOKI SERIZAWA(以下NAOKI)さんとコラボレーションしたという。 今回、そんなふたりの想いが詰まった<Carnival MOO>の立ち上げのきっかけや、こだわり抜いたコンテンツ、さらには今後の展望について、MIOさんに熱い気持ちを語っていただいた。

Carnival MOO

Interview: MIO (Carnival MOO / LiLiTHオーガナイザー)

絶対的に都市型じゃないとダメだっていうのが当初からの思いでした。

━━日本のパーティシーンを牽引するMIOさんが今回の企画を発表された時から、すごく気になっていました。<Carnival MOO>はいつ頃から企画されていたのですか? 私は仕事でかれこれ20年以上パーティに関わり続けていて、夫のNAOKIとクラブイベントLiLITHを始めてからは9年になるんですが、東京のナイトシーンがちょっと元気ないなぁとか、マンネリ化してるかも……なんて感じていたときに、子供を授かりました。出産してすぐ現場に復帰したんですが、ママになると夜の世界にいるのがあまり良しと思われない風潮が日本にはあって。とはいえ、せっかくできたアーティストとの関係も続けていきたいので、シッターさんに子供を預けて現場に行って、早朝に帰宅して、タバコの臭いを纏った体で子供を抱っこするのは気がひけるから、先にシャワーを浴びてから子供のお世話をして、なんて生活をずっと続けていくのは正直しんどいなと思うようになったんです。 いずれは、子供を連れていけるようなお昼のパーティーができたらいいなと漠然と考えてはいたんですが、理想の場所がなかなか見つからなくて。それから2年、3年と経つうちに、私に乳がんが発覚しました。摘出手術もして今は健康を取り戻しましたが、いつまでも時間があるわけじゃない、止まっていたら何も始まらない、100%望む形じゃないにせよ、動き出したら何かが変わるだろうし、理想の開催場所は野外ですが、まずはルーフトップやお部屋の中でも、自分たちが描くものに一歩でも近づけるものをやってみようと2人で話し合い、踏み出しました。

Carnival MOO

━━やはり親になったことでライフスタイルが変わり、同じ悩みを抱えているママやパパは多いと感じます。理想の場所は野外とのことですが、例えば小さい子どもでも過ごしやすい芝生など、こだわりのポイントはありますか? 場所選びのポイントとして、例えば芝生なら踊っても疲れにくいしその辺でゴロゴロできるとか、空気がいいところなど色々ありますが、何よりもこだわったのは都心であること。朝起きて、天気もいいし子供も元気で、パパは行けないけど今から電車に乗って遊びに行こう!と、ママがベビーカーを押して一人でも来れて、存分に遊べる環境を作りたい、というのが当初からの思いでした。 イベントを形にするとき、プロデュースの中心に私がいて、NAOKIがそこにアートワークだったり、音の流れだったり、クリエイティブの部分を担当するという、お互いの役割を持っています。今回の<Carnival MOO>は、ママやパパがもっと自分らしく楽しめることだったり、自分たちだったらこうしたい、という思いが根本にはありますね。

Carnival MOO

家族だけのイベントじゃなく、 普段クラブに通っているおしゃれな人たちにも来てもらえれば。

━━今回、世界的にも有名なNYのアーティストコレクティブ「CREW LOVE」らを呼ばれていますが、やはり<Carnival MOO>のコンセプトにピッタリだからでしょうか? 例えば爆音で音に没頭しないと高揚感から弾かれてしまう音楽や、テクノとか没入感が大切な音楽って子供には向いてないかなと思ったんです。子供が聞くと攻撃的に感じてしまったり、フロアにいると危険だったりするのも嫌だし。お昼に聞いて気持ちのいいカリビアンだったり、ラテンだったり、ファンクだったりとか、子供がダンスフロアにいても、一緒に手を上げて踊れるような音楽。音量感も、音楽の内容もそういった視点で考えたとき、「CREW LOVE」は爆音じゃなくても、質のいい音量感でハッピーなバイブスを生む人たちだから、これから私たちがやっていくテーマにピッタリじゃないかな、と思って声をかけました。

Crew Love on Sunset: Soul Clap DJ set

━━彼らにこのパーティに出演してほしいとオファーしたときの反応はいかがでしたか? 実は今回呼んだSoul Clap(CREW LOVEの代表的アーティスト)のメンバーの1人が最近パパになったこともあり、「それはいいね!」とすごく興味を持ってくれました。残念ながら彼は子供が生まれたばかりで来ることができないのですが、「来年は絶対子供を連れて行く、長く続けていこう!」と意気込んでくれています。 ━━逆に開催の告知をしたときに、お客さんや周りのお友達の反応はどうでした? 今までのパーティを支えてくれてきた層とは全然違う人たちや、LiLiTHに来たことのない人たちからも、行きます! という反応がたくさんあって、それは想像以上でしたね。でも、もちろんママやパパじゃなきゃ来ることができないわけではなくて、これまでクラブに来ていた人、行きたいけど子供がいるから足が遠のいていた人たちがみんなでダンスミュージックを楽しむパーティーなので、基本的に誰でもウェルカムです。(犬だけは、会場側でNGが出てしまいましたが……)家族のためだけのイベントじゃなく、普段クラブに通っているおしゃれな人たちにも来てもらえるように、そのバランスはコンテンツや開催時間、アートワークにも反映されています。
Carnival MOO

3時間だけでも子供を預けて、友達やパートナーとおしゃべりしたり、 思い切り飲んだり踊ったりできる時間を作ってほしい。

━━開催時間がお昼から夜までと長いことも、様々な層の人たちが来やすいよう配慮されていますよね。イベントの大きな特徴であるキッズランドにはどんなコンテンツがありますか? キッズランドを運営するのは、色々なフェスのキッズエリアをプロデュースする「ねっこぽっこ」という人たちで、体験型のワークショップやピニャータというお菓子の詰まったくす玉割り、今人気の“パプリカ”を踊るといった楽しいコンテンツを提供してくれます。スペシャルコンテンツとして、安室奈美恵やCrystal・Kayさんのバックダンサーを務めるプロダンサー・Nazuki先生のキッズダンスレッスンがあり、なんとフリーです! ワークショップは材料費がかかるけど、キッズマネーという独自の通貨(MOO)を用意して、親御さんにそれを1000円(1000MOO)で両替してもらい、子供に持たせて、子供は自分がやりたいコーナーでその分のMOOを支払うシステムにしようかなと。子供もお金を計算する練習になるし、もし余っちゃっても次回開催のときの楽しみにしてくれたらいいなと思って。

Carnival MOO

━━楽しそう! 子供にとっても良い体験になりますね。あと今回、ベビーシッターサービスがありますね。 ベビーシッターサービスを導入したのは、気軽に利用できるもの、というのを知ってもらえるきっかけになればという思いからです。今回は普通よりもかなりお安い金額、3時間3000円という破格でトライしています。今までのフェスって、キッズエリアはあっても親が側にいなくちゃいけなくて、もちろんそれでも楽しいんだけど、「あれ? 今までみたいに音楽を楽しめていたかな? ダンスできてたかな?」と考えると、100%楽しめている人は少ないと思う。私自身そうだったし。だから、そういう状況を変えるために、3時間だけでも子供を預けて、友達やパートナーとおしゃべりしたり、思い切り飲んだり踊ったりできる時間を作ってほしいと思っています。もちろん、預けられた子供たちも楽しめるように、託児中は資格を持ったシッターさんがお世話してくれて、キッズランドのダンスレッスンに一緒に参加できたりもしますよ。18ヶ月以下の専用ベビーエリア「ハイハイルーム」もあって、それ以上の月齢、年齢の子たちとは分けてシッティングをします。授乳スペースやオムツ替えスペースもあるので、そこにはママも、もちろんパパも入室してもらえます。

Carnival MOO

キャンプに来るみたいな感覚で遊びに来てもらえるとうれしい。

━━これだけ想いが詰まった<Carnival MOO>。来場する方や親子に、こんな風に楽しんでもらいたいというのはありますか? みんながクロスオーバーしたらいいですね。どのエリアに子供がいても平和で、逆に普段はクラブでダンスしている大人がキッズランドの方に行って“パプリカ”を踊ってもいい。子供好きなお兄さんやお姉さんが一緒に遊んでくれるのもいい。自然にそういった交流があってほしいですね。子供もそういうところで育てば、未来に何か作り出していく時も、もっと開かれたマインドになるだろうし。 あとは、キャンプに来るみたいな感覚で遊びに来てもらえるとうれしいです。そこで、大人も子供もみんな一緒に楽しんでいるハッピーな雰囲気って最高だなとか、そういう気付きになれば。ママもパパもパーティに来て思いっきりハジけちゃおうよ、っていう空気がもっと世に広まるといいな。

Carnival MOO

Text by Nao Asakura

Carnival MOO
Mio Carnival MOO、LiLiTHのプロデューサー。

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EVENT INFORMATION

Carnival MOO

Carnival MOO

2019.11.03(日) OPEN 12:00/CLOSE 21:30 東京・PLUSTOKYO ADV 一般 ¥3,000/未成年¥1,500(16歳以上~20歳未満) DOOR 一般 ¥3,500/未成年¥2,000(16歳以上~20歳未満) お一人ママ割:3000円(15歳未満のお子様とママのみでご来場の場合) ※15歳未満入場無料 LINE UP: Lonley C of Soul Clap(from US)/ ETNA (from Italy) / NAOKI SERIZAWA / EITA フラワーアート:DAISUKE SHIMURA Kids Landコンテンツ: Nazuki先生のキッズダンスレッスン / みんなで割ろう!Let’sピニャータ / 踊れ!Kids Disco /パプリカ・ダンスを覚えよう / 作ってみよう!電球ランタン / みんな大好きモンスタースライム / 手作り楽器カズーを吹こう! / 自由に遊ぼう!Kids Park / フェイスペインティングでMake up! and more [アトラクション&ホスピタリティ] キッズマネー:1,000円 (1,000円分のキッズマネーに両替) Dining table:25,000円(事前予約制) BBQ: 1名3,800円(要予約) ベビーシッター・サービス:3時間3000円 お昼の部 13:00~16:00/夜の部 17:00~20:00 ※当日予約制。定員を超えましたら受付を締め切らせていただきます。 TICKET: イープラスRAiFLYER

詳細はこちら

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『カメ止め』上田監督×謙遜ラヴァーズ鼎談・前半|強い絆が生んだ、映画『スペシャルアクターズ』サントラ制作秘話

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スペシャルアクターズ

社会現象になるほど大ヒットを記録した『カメラを止めるな!』で一躍注目を集めた上田慎一郎監督(以下、上田)。最新作『スペシャルアクターズ』は、役者集団と謎のカルト教団との手に汗握る闘いを描いたエンターテイメントに仕上がった。 そこでサントラを担当したのは、『カメラを止めるな!』で主題歌“Keep Rolling”とテーマ曲を手掛けて日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞に輝いた鈴木伸宏(以下、鈴木)と伊藤翔磨(以下、伊藤)だ。今回、2人は初めてサントラの全曲を担当。バラエティ豊かなサウンドが、先の読めない物語にぴたりと寄り添っている。 そのサントラと映像の密接なコラボレートは、幼稚園の頃からの幼馴染みだという上田と鈴木の信頼関係があればこそ。また、鈴木と伊藤は『カメラを止めるな!』で共作して以降、「謙遜ラヴァーズ」というユニットを組んで作曲家チームとして活動している。それぞれに強い絆で結ばれた3人はどんな風にサントラを作り上げたのか、彼らに話を訊いた。

映画『スペシャルアクターズ』予告

鼎談 上田慎一郎 × 鈴木伸宏 × 伊藤翔磨

━━上田監督と鈴木さんは幼稚園の頃から幼馴染みだそうですね。地元にいる頃から一緒に何かやっていたのでしょうか? 上田 僕は中学の頃、毎日、放課後になるとハンディカムで映画を撮っていたんです。その時に鈴木に映画に出てもらったりしていました。バンドを一緒に組んだこともあります。あれ、なんていうイベントだっけ? 鈴木 <TEENS' MUSIC FESTIVAL>っていうYAMAHAさんが主催しているイベントに出るためにバンドを組んだんです。僕の周りに音楽をやっている人がいなかったので、「ベースやってくれん?」ってお願いしました 上田 3ヶ月、指から血が出るくらいめっちゃ練習して出場しました。あと、2人で漫才のコンビを組んでM1を目指したこともありましたね(笑)。 ━━映画や音楽だけではなく漫才まで(笑)。そこまで一緒にやっていて、鈴木さんが上田監督の作品の音楽を手掛けた初めての作品が『カメラを止めるな!』だったのは意外です。 上田 当時、鈴木はill hiss cloverっていうバンドをやっていたんですけど、オシャレな感じのロックで自分の映画に合う感じはしなかったんですよね。僕は30才までバイトをしていたんですけど、バイト先で出会ったバンドマンの音楽を自分の短編映画で使わせてもらっていて、それは泥臭い感じの曲だったんです。でも、『カメ止め』を作る時、トイレでふと、今回は頼んでみようかな、と思ったんです。 鈴木 「トイレで思いついたんだけど」って、電話がかかってきたんですよ。それで話を聞いたら、「今回は自分の好きなものを詰め込んで映画を作ろうと思ってるから」って。そういう時に声をかけてくれたのはすごく嬉しかったですね。 上田 そこまで短編映画を7本くらい作っていたんですけど、映画祭に入るにはこういうものを作った方がいいのか、とか、変な下心を持ちながら作っていたんです。けど、『カメ止め』は久々の長編で、自分の好きなこと、やりたいことを詰め込もうと思って作りました。

スペシャルアクターズ
スペシャルアクターズ

━━そういう作品で声をかけられるのは嬉しいですね。鈴木さんと伊藤さんは、どんな風に知り合ったんですか? 伊藤 ライヴハウスですね。お互い別々のバンドをやっていたんですけど、その時からお互いに相手のバンドが好きだったんです。で、ノブ(鈴木)が声をかけてくれた時は、どっちもバンドが解散していました。最初はユニットを組むとかじゃなくて、彼が手掛けている曲でギターを弾いてほしい、という依頼でしたね。 鈴木 伊藤はギター&ボーカルだったんですが、僕はギタリストとして彼をすごくリスペクトしていました。それで『カメ止め』のメインテーマを考えていた時、完成前の映像を見て直感的に「ギターがメインの曲にしたい!」と思ったんです。でも、自分はそんなにギターが得意なわけではないので、ギタリストとして彼に頼みました。そしたら、頭の中でイメージしていたものがしっかりと形になり、そこに手応えを感じたんです。それがユニットに繋がっていきましたね。

スペシャルアクターズ

謙遜ラヴァーズ – zombeat(映画『カメラを止めるな!』メインテーマ)

━━『カメ止め』が3人を結びつけたんですね。 上田 『カメ止め』のサントラではメインテーマと主題歌の2曲を依頼しただけだったんですけど、今回の映画が完成する前からフルスコア(サントラの全曲)を作ってもらおうと思っていました。 鈴木 僕は役者のオーディションの時からスタッフとして関わっていて、自然な流れで音楽を手掛けることになったんですけど、今作も伊藤と一緒にやりたいと思い、改めて声をかけました。 上田 今回の映画の作り方として、まずキャストを15人選んで彼らとのワークショップを経てゼロから物語を作っていきました。普通、映画を作る時は映像ができあがってから音楽を作るんですけど、今回、鈴木は脚本ができる前からキャストのことを見ていたんです。だから、作曲家としての映画との関わり方は通常とは違うんですよね。

スペシャルアクターズ

鈴木 撮影現場にも立ち会ってインスピレーションを湧かせたいと思っていたんですけど、撮影のタイミングで腰を痛めてしまって(苦笑)。でも、クライマックスの式典で大立ち回りをするシーンには絶対行きたかったんです。そのシーンの曲が出来たら走れる(サントラ制作にとりかかれる)と思って頑張って現場に行きました。そして出来たのが“レスキューマンのテーマ”です。 上田 “レスキューマンのテーマ”は劇中で主人公が見ている映画でも流れる曲なんですけど、この曲は「ハリウッド映画のテイストで」って頼んだんです。「『インディジョーンズ』とか『E.T.』みたいにオーケストラでフレーズが耳に残るような曲を」って。 鈴木 でも、オーケストラの曲って、これまで作ったことがなかったのですごく悩みましたね。頭の中でメロディーは浮かぶけど、そのメロディーを奏でている楽器が弦楽器なのか管楽器なのか掴みきれない。ベストな選択をするために、頭の中に浮かんだフレーズをいろんな音色で試す作業からスタートしました。 伊藤 僕はすごく映画が好きで、よく映画館に行っていたんですけど、自分が好きだった映画音楽はシンプルなコードが転調して行ったり来たりしているイメージがあって。自分たちでも工夫次第で、そういう高揚感がある音楽を作れるんじゃないかと思いました。根拠のない自信ですけど(笑)。”レスキューマンのテーマ”のBメロ的なパートは僕が、導入部のワクワクするメロディーはノブが思いついて、それを組み合わせたら映画音楽に近づいたんです。でも何か物足りなくて、サビのメロディーをノブが考えました。 ━━そんな風にアイデアをやりとりして作り上げていくんですね。 上田 最初にこの曲を聴いた時に、どこか懐かしかったんです。僕はスピルバーグの映画とかをすごく観てきたので、聴いたことある気がすると思ってみんなで調べたんですけど、過去のサントラにはありませんでした。「こんなキャッチーなメロディーなのにこれまでなかったんだ」って驚きましたね。

鈴木伸宏,伊藤翔磨 - レスキューマンのテーマ

映画『スペシャルアクターズ』スペシャル音楽対談<前編>

後半は後日公開!

Photo by Madoka Shibazaki Text by 村尾 泰郎

上田慎一郎 1984年生まれ、滋賀県出身。中学生の頃から自主映画を制作し、高校卒業後も独学で映画を学ぶ。2009年、映画製作団体PANPOKOPINAを結成。国内外の映画祭で20のグランプリを含む46冠を獲得。2015年、オムニバス映画『4/猫』の1編『猫まんま』の監督で商業デビュー。妻であるふくだみゆきの監督作『こんぷれっくす×コンプレックス』(15)ではプロデューサーも務めている。「100年後に観てもおもしろい映画」をスローガンに娯楽性の高いエンターテイメント作品を創り続けている。劇場長編デビュー作『カメラを止めるな!』は動員数220万人以上、興行収入31億円を突破し、2018年の最大の話題作となったことは記憶に新しい。本年8月16日に中泉裕矢、浅沼直也との共同監督作『イソップの思うツボ』が公開。主な監督作:短編映画『ナポリタン』(16)、『テイク8』(15)、『Last WeddingDress』(14)、『彼女の告白ランキング』(14)、『ハートにコブラツイスト』(13)、『恋する小説家』(11)、長編映画『お米とおっぱい。』(11)。

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鈴木 伸宏 1985年生まれ、滋賀県出身。ill hiss cloverのギターボーカルとして、2011年タワーレコードで行われたオーディション「Knockin’on Tower’s Door vol.1」にて、1000組を超える中からファイナリストに選ばれる。同年「Dance in the clover」で全国デビューを果たす。15年ill hiss clover活動停止以降は、楽曲提供を中心に活動中。19年上田慎一郎、ふくだみゆきと共に株式会社PANPOCOPINAを設立。『カメラを止めるな!』(18)で第42回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。

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伊藤 翔磨 1986年生まれ、三重県出身。大阪芸術大学音楽学科卒後、門倉聡、℃-ute、SHE IS SUMMER、majikoなど、様々なアーティストのライブ、レコーディング、TV収録にギタリストとして参加、またコンポーザーとしてTVドラマ『探偵オブマイハート』(05)、TVCM 株式会社ベルコ『Art Bell Ange Nagoya』などに楽曲提供している。『カメラを止めるな!』(18)で、第42回日本アカデミー賞優秀音楽賞を鈴木伸宏らと共に受賞。

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RELEASE INFORMATION

スペシャルアクターズ

『スペシャルアクターズ』サウンドトラックCD

2019.10.11(金) 鈴木伸宏/伊藤翔磨 RBCP-3341 Rambling RECORDS ¥2,500(+tax) 詳細はこちら

INFORMATION

スペシャルアクターズ

映画『スペシャルアクターズ』

丸の内ピカデリー他全国公開中 配給:松竹 「カメラを止めるな!」で大旋風を巻き起こした上田慎一郎監督の「カメ止め」に続く長編劇映画第2弾映画。1500通の応募者の中からオーディションで15人のキャストを選び、企画会議、ワークショップを経て当て書きで脚本を執筆した。「緊張すると気絶する役者VSカルト集団」の闘いを描く、予測不能なエンターテイメント作品。 詳細はこちら

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Penguin Cafeインタビュー|南極のペンギン達に捧げた新作『Handfuls Of Night』の世界観を紐解く

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父親であるサイモン・ジェフス(Simon Jeffes)の遺志を引き継ぎ、2009年からアーサー・ジェフス(Arthur Jeffes 以下、アーサー)が始動させたペンギン・カフェ(Penguin Cafe)が、2年ぶりの新作『Handfuls Of Night』をリリースした。このアルバムは、アーサーが環境保護団体「グリーンピース」の依頼を受けて“南極のペンギン”に着想を得ながら書いた曲をもとに組み立てたもので、言うなれば擬人化されたペンギンたちの生きる様を描いた壮大な映画のサウンドトラック。そこからはアーサーのペンギン愛も伝わってくるようだ。 このアルバムを携え、ペンギン・カフェは10月半ばに来日。出演するはずだった<朝霧JAM>は台風接近のために中止となってしまったが、10月15日(火)の東京・キネマ倶楽部の公演では新曲でかためた前半とオーケストラ名義の曲も演奏された後半の2部構成でファンを魅了した。台風の爪痕がまだ残る14日(月)、東京でアーサーに話を聞いた。

penguin cafe

Interview:Arthur Jeffes(Penguin Cafe)

━━ペンギン・カフェのライブを<朝霧JAM>で観ることを楽しみにしていたのですが、台風接近のため中止になってしまいました。残念でなりません。 うん。写真を見て、すごく楽しそうなフェスだなと楽しみにしていたので、本当に残念だよ。 ━━やはり自然の力は恐ろしいものですね。 そうだね。ときどきそうやって自然が猛威をふるい、その怖さを人間に思い出させるんだね。 ━━あなたは2005年にBBCの企画のため北極圏のグリーンランド氷床で3ヵ月過ごしたそうですが、そのときも自然の力を実感したんじゃないですか? そう、あれはすごい体験だったよ。体重が25キロも減ったからね。初めは8人のチームだったんだけど、2週目で1人脱落。環境はハードだし、天候は読めないし、未知の要素が多すぎて思うように動けないんだ。で、2週目に嵐が来て、もう無理じゃないかと思ったりもしたんだけど、それを切り抜けたら少しずつその環境にも慣れていった。とにかくあれは自分にとって忘れられない体験になったよ。 ━━そのときの体験がずっと頭に残っていて、それが今回のアルバムに繋がっていったところもあるんですか? あるけど、初めからあの体験と今作とを結びつけて考えていたわけではないんだ。このアルバムは2018年にグリーンピースからの依頼を受けて作ることになった。それで南極ペンギンをイメージした曲を作るべく、スタジオで極地の映像を繰り返し見ていたんだけど、そのときに“この映像、前に見た記憶があるな。あ、そりゃそうだ。自分自身の目で実際に見てきたんだから”って思いあたってね。そうしたら2005年に実際見た雪や氷の音と匂いがブワ~っとよみがえってきたんだよ。 ━━なるほど。でも、そこにペンギンはいなかったんでしょ? そうなんだよね。グリーンランドにはペンギンもシロクマもいなかったよ(笑) ━━グリーンピースからの依頼を受けて作ることになったということですが、そもそもどういった依頼だったんですか? グリーンピースが「プロテクト・オーシャン」というプロジェクトを進めていて、それは世界のあちこちの海を保護しようと各地のエージェントに働きかけるもので、今回は南極海がその対象となった。石油などの資源を掘り起こしにいくひとがたくさんいるけど、なんとかそれを守ろうという働きかけだね。その一環で僕のところにも話がきた。「南極を守り、ペンギンを守ろう」ということを音楽で伝えてほしい、と。それでまずは、そのテーマ絡みのコンサート用の音楽を作るところから始めたんだ。

Gentoo - Penguin Café

━━グリーンピースはあなたのペンギン愛をわかっていたわけですね。 そうそう。いままで不思議とこういう話はどこからも来なかったんだけどね(笑)。それでグリーンピースが現地の映像と音を提供してくれて。それを見たり聴いたりしながらいろいろリサーチしていくなかで、4種類のペンギンの個性なんかがわかってきた。厳密に言うとペンギンは17種類に分けられるんだけど、アデリーペンギン、ヒゲペンギン、コウテイペンギン、ジェンツーペンギンの4種は違いが明確で、その4種について調べたり考えたりしていたら、それが物語の登場人物のように思えてきたんだ。 ━━その4種類のペンギンが、あなたの頭のなかで動き出した。 うん。だからその4種類のペンギンの名前を冠した曲を作ってみたんだよ。そして“彼ら”が冒険する様も曲にしてみた。例えば“At the Top of the Hill, They Stood…”は、狩りにでかけた相方が戻るのを丘の上で待つペンギンをイメージして、遠いところから故郷を見ている僕自身を思い浮かべながら曲にした。また“Chapter”は、ペンギンが刑事になって犯罪を解決すべく動いているイメージを思い浮かべて作ったんだ。 ━━アルバム1枚が一編のストーリーになっているというよりは、1曲1曲にいろんな情景、いろんなイメージが反映されているということですね。 そう。広大な極地で撮ったスナップを並べてみた感じだね。

penguin cafe

━━あなた自身がペンギンと同化するような感覚で書いた曲もあったりするんじゃないですか? 例えば“Adelie”という曲。これはあなたがアデリーペンギンになって海の底を泳いでいる感覚なのかなと思ったんですが。 ああ、なるほど。僕がアデリーペンギンと同化しているわけではないけど、アデリーペンギンと一緒に泳いでいるという視点は確かに入っているかもしれないね。アデリーペンギンはとても小さなペンギンなんだけど、陸上ではなく水の中で生きていて、僕には4種類のペンギンの中でもっともマジカルに感じられる。そんなアデリーペンギンの、ある1日を曲にしたんだ。 ━━アルバムは“Winter Sun”で始まり、“Midnight Sun”で終わります。“ある1日”といまおっしゃいましたけど、まさに日が昇って沈むまでの1日を描いたアルバムという捉え方で合っていますか? イエスと言いたいところなんだけど、ちょっと複雑でね。“Winter Sun”という曲での太陽は北半球を中心とした考え方であって、南極の12月は真夏なわけだよ。南半球と北半球とで季節が逆になるから。で、“Midnight Sun”で表現している南極の夏の太陽は、日の出前には空の低い位置にあって、水平線に沈まない。白夜だね。要するに太陽は昇って沈むとは限らないってことで、それを僕自身が2005年にグリーンランドで体験した。それってなんだか夢の世界にいる感覚なんだ。暗くならなくてもおかしくないって頭では理解できるんだけど、どうしても“これは現実じゃないんじゃないか”って気がしてしまうわけ。その感覚をアルバム1枚通して表現したかった。“Midnight Sun”という、普通はありえないタイトルの曲で終わりたかったのはそのためなんだ。

Midnight Sun - Penguin Cafe

Winter Sun - Penguin Cafe

━━1日が始まって終わるという感覚がなくなってしまうわけですね。 うん。ずっと地に足がついてない感覚というか。終わりがなく、続いていく感じというか。 ━━話は変わりますが、今作のサウンドに関してはどういったことを意識しましたか? 明らかにオーケストラとわかる音とか明らかにエレクトロニックとわかる音ではないものにしたかったんだ。誰もが聴いたことあるはずだけど、なんだか正体不明な音というか。“これって、もしかしてシンセ?”みたいな感じ。前作もある程度はそういうものだったけど、今作のほうがその傾向が強まっている。 ━━あなたがグリーンランドで体感した“非現実ではないけども、現実とは思えない感覚”を、そういう音で表したかったからなんですかね。 うん、そうだね。そういうことだと思う。所謂、道しるべ的な音は一切入れないようにしたんだ。 ━━ところで、このアルバムを聴いたうえで過去の作品を振り返ってみたとき、ペンギン・カフェ・オーケストラが1993年に最後のスタジオレコーディング作として残した『Union Cafe』(2017年にサイモン・ジェフスの没後20周年でリイシュー)にどこかで繋がっているような感覚があったりもしました。そう言われて思い当たるフシはありますか? うん。2年前のクリスマスに父であるサイモンの没後20年ということで『Union Cafe』を再現するコンサートをロンドンでやったんだ。もちろん僕は全曲よくわかっているつもりだったんだけど、いざ演奏してみたら、「あれ? この曲のここってどうなってるんだ?」って戸惑ったりする部分がけっこうあってね。わかっていたつもりだったけど、完全にわかってるわけじゃないってことに気づいて、あのアルバムの奥の深さを改めて知ることができたんだ。その経験は自分でも面白かった。確かにそれが今作に繋がっていったところはあるね。

Union Café – Penguin Cafe

━━まだまだお父さんの音楽は探り甲斐があるなと。 そうそう。新しい発見がまだまだたくさんあると思う。 ━━ところで、今作のジャケットのアートワークですが、これってあなたが2005年にグリーンランド氷床で過ごしたときの写真なんですか? そう。これが嵐を耐えたテントだよ。ここにいるペンギンはあとから足したものだけどね(笑)

penguin cafe

Interview,Live Photo by Ryo Mitamura Text by 内本順一

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Penguin Cafe 元々はイギリスの作曲家サイモン・ジェフスによって結成された楽団。民族音楽、フォークサウンド、現代音楽などを取り入れた楽曲で1976年にブライアン・イーノ運営のOBSCUREからデビュー。6枚のアルバムを発表後1997年にリーダーのサイモンが死去。その後2009年から息子のアーサー・ジェフスが父の遺志を引き継ぎメンバーも一新し活動を再開。2011年には復活後、初のアルバムをリリースし、2012/2014年には来日も果たす。そして2017年にニルス・フラーム、ピーター・ブロデリック、オーラヴル・アルナルズなどが所属するErased Tapesより新作『ザ・インパーフェクト・シー』をリリース。2018年にグリーンピースより依頼を受けた南極のペンギンをイメージした楽曲を発表。その楽曲制作から構想が始まったアルバム『ハンドフルズ・オブ・ナイト』を2019年10月4日にリリース。

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RELEASE INFORMATION

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Handfuls of Night

2019.10.04(金) Penguin Cafe AMIP-0189 Erased Tapes ¥2,300(+tax)

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ジュリアン・シュナーベル監督が描いた孤高の天才画家・ゴッホの魂とは

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ジュリアン・シュナーベル ゴッホ

孤高の天才画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。その苦難に満ちた人生は、これまでにも何度も映画化されてきた。そんななか、画家として高い評価を得るなかで、映画監督としてキャリアをスタートさせたジュリアン・シュナーベルが、ゴッホに迫ったのが『永遠の門 ゴッホの見た未来』だ。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』11.8公開/本予告

ゴッホを演じたのは数々の映画賞に輝く名優、ウィレム・デフォー。シュナーベルから絵の描き方を学び、肉体から精神まですべてを捧げてゴッホを熱演したデフォーは、ヴェネチア国際映画祭の男優賞を受賞した。シュナーベルは一体どのようにしてゴッホの魂をスクリーンに描き出したのか。そこには画家ならではの感性が息づいていた。

ジュリアン・シュナーベル ゴッホ

Interview ジュリアン・シュナーベル(映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』)監督

━━今回、ゴッホの人生を描くにあたって、晩年に焦点を当てた理由を教えてください。 ゴッホはこの時期にいちばん良い絵を描いた。画家として生産的な時期で、代表作もこの時期に生まれたんだ。イギリスに住んでいた時でも映画は出来ただろう(編註:ゴッホは20代の頃、イギリスの寄宿学校の教師をしていた)。でも、ゴッホの人生というより、画家としてのゴッホに興味があったので、彼がアルルやオーヴェル=シュル=オワーズにいた時期に焦点を当てたんだ。 ──まるで絵筆のように力強く自由奔放なカメラワークが印象的でした。カメラワークに関して何か意識したことはありますか? カメラの動きは直感的に判断した。風のような動きを意識して、「映画を撮る」というより「見る」という感覚を大切にしたんだ。そして、ゴッホが自分が求めている視点を探し歩いている、ということが伝わるように、肉体的な感覚も大切にした。自分が望んでいる視点を見つけるまで、彼は熱心にどこまでも歩き続けるんだ。 撮影監督のブノワ・ドゥローム(以下、ブノワ)には、ゴッホの衣装を着てもらって自分の足を撮影してもらった。歩いている感じを出すためにね。ゴッホが歩いている姿を客観的に見せるよりは、足が動き、地形がどんどん変わっていく様子を撮ってもらいたかった。そうすることで、観客はゴッホの内側に入り込み、彼がどんなふうに世界を見ているかがわかるんだ。

ジュリアン・シュナーベル ゴッホ

──ゴッホの視線のカメラもユニークですね。画面の上下の見え方が違う不思議な映像でした。 骨董屋でサングラスを買ったら、遠近両用で上下の被写界深度が違っていた。その時、「ゴッホには自然がこんな風に見えているのかもしれない」と思ったんだ。それで、そのサングランスみたいに映るよう、特製のレンズを作ってカメラに取り付けた。ゴッホの視点と他の人の視点の違いを見せたかったんだ。世の中のみんなが同じように世界を見ているわけじゃないからね。私は目が悪いから眼鏡をとるとぼんやりしてよく見えない。 でも、映画をそういう映像で撮ったら、何を撮っているかわからないだろう? だから『潜水夫は蝶の夢を見る』(07)を撮った時は、ちょっと傾いているレンズを使ったんだ。そのレンズを使うと、中心が細かく見えて周囲がぼやける独特の映像になるんだ。ただ、今回はその時と同じレンズを使いたくなかった。それが自分のスタイルだと思われたくなかったからね。

ジュリアン・シュナーベル ゴッホ

Photo by official

──絵のタッチを使い分けるように、作品によって映像のタッチも変えるんですね。そんななかで、ゴッホを演じたウィレム・デフォー(以下、ウィレム)が素晴らしかったです。ゴッホの倍近く歳上なのにゴッホにしか見えませんでした。 私もびっくりしたよ。キャスティングの段階から、彼以外の役者は考えられなかった。彼のことはよく知っていたからね。ウィレムはとても身体的な役者だし、彼ならキャラクターの深みを出すことができると思った。彼は役を演じているだけではなく、ゴッホの魂に肉体を与えているともいえる。ゴッホがやっていたことを追いかけるには、精神面だけではなく肉体面でも大変なんだ。その点、ウィレムは体力に溢れていてスタミナも充分あった。走ったり、あちこちによじ登ったりしても平気で、骨の折れる動きも問題なくこなしてくれたよ。 ──デフォーは画家としての身のこなしも見事でしたが、撮影にあたって監督自らデフォーに絵の描き方を教えられたそうですね。 彼が絵を描くシーンで、できるだけ吹き替えを使いたくなかったからね。映画の中に登場する靴の絵は本当にウィレムが描いた。撮影中、私が後ろからずっと指示していたんだ。「そこで筆をおいて! 次は黄色を入れんだ!」ってね。彼はうまくやったよ。 映画で役者が本当に絵を描くなんてことはまずないからね。ただ時々、私が少し手伝ったりもした。例えばスケッチブックを持っている手がウィレム、描いている手が私ということもあったよ。二人で同じシャツを着て、身体をぴったりくっつけて撮影したんだ(笑)。 ──見事なコラボレーションですね(笑)。 時にはカメラマンとウィレムも一体になっていたよ。さっきも言ったけど、まずカメラマンのブノワがゴッホのズボンと靴を履いて歩きながら自分の足を撮る。その後、その衣装を脱いでウィレムに渡して、ウィレムがそれを着て演技をしたんだ。その間、ブノワは下着姿でカメラを回していたよ(笑)。 時にはウィレムにカメラを渡して彼が撮影したこともあった。テオと彼の妻が出て来るシーンでは、ウィレムがカメラを回していて、テオ(・ファン・ゴッホ)と妻の役者はカメラを持ったウィレムに向かって話をした。そんな風に身体を使った現場で大変だったけど楽しかったよ。

ジュリアン・シュナーベル ゴッホ

Photo by official

──映画に登場するゴッホの絵は、あなた自身が美術のチームと一緒に描いたものだとか。画家のジャン・ミシェル・バスキアを描いた『バスキア』(96)でも、劇中に登場するバスキアの絵を描かれたそうですが、それはゴッホやバスキアの気持ちに入り込むための手法なのでしょうか。 小道具が必要だから描いたまでのことだよ。バスキアの場合は割と楽だった、彼のことはよく知っていたからね。彼が実際に絵を描いている姿も見たことがあったし、彼の絵のスタイルや描き方をマネしただけだ。 でも、ゴッホの場合はゴッホっぽく描くだけではなく、ウィレムがちゃんと描いている風に見せたかった。ただ、ゴーギャンと風景画を描いている時の絵はひどくてね。その場で私が絵を直したりもした。画家の映画を作る時に監督が画家だというのは便利だね(笑)。

ジュリアン・シュナーベル ゴッホ

Photo by Kohichi Ogasahara Text by 村尾 泰郎

ジュリアン・シュナーベル 1951年10月26日、アメリカ・ニューヨーク生まれ。65年テキサスに移り、73年ヒューストン大学で美術の学士号を取得する。その後、ニューヨークに戻り、78年に旅したバルセロナでアントニ・ガウディの建築物に心動かされ、初めて絵を描き、創作活動を開始する。79年にはニューヨークで初の個展を開き、その後も世界各国で展覧会を開く。彼の作品は、現在も各地の現代美術館でコレクションとして収蔵されている。映画監督デビュー作は、80年代にニューヨークで共に活動し、27歳の若さで亡くなった画家ジャン=ミシェル・バスキアを描いた『バスキア』(96)。その後キューバ出身の亡命作家レイナルド・アレナスを描いた『夜になるまえに』(00)でヴェネチア国際映画祭審査員特別賞と主演男優賞(ハビエル・バルデム)を受賞。監督3作目となる『潜水服は蝶の夢を見る』(07)では、カンヌ国際映画祭監督賞、ゴールデン・グローブ賞監督賞と外国語映画賞を受賞。その後も『ルー・リード/ベルリン』(07)や『ミラル』(10)を監督。音楽活動も行うなど、多方面で才能を発揮している。

永遠の門 ゴッホの見た未来

2019.11.08(金) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー 配給:ギャガ、松竹

あらすじ

幼いころから精神に病を抱え、まともな人間関係が築けず、常に孤独だったフィンセント・ファン・ゴッホ。才能を認め合ったゴーギャンとの共同生活も、ゴッホの衝撃的な事件で幕を閉じることに。あまりに偉大な名画を残した天才は、その人生に何をみていたのか――。

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デビュー前にも関わらずフジロック出演を果たしたTHE ALEXX、11月22日リリースのデビュー作より「Beatwave」MVが公開 新たな先行曲「Daisy」が配信開始

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THE ALEXX
デビュー前にもかかわらず、<FUJI ROCK FESTIVAL ’19>(以下、フジロック)のGAN-BAN SQUAREのステージに出演し、行き交う人々の足を止めさせたアーティスト、THE ALEXX(ジ・アレックス)がついにデビューアルバム『VANTABLACK』を11月22日(金)にリリース、その先行曲“Beatwave”のMVが公開された。さらに“Daisy”の先行配信もスタート。 MVを監督しているのはバンドメンバーの一人、Eiji Sugiura。ライブ情報が追加されたほか、リリースに寄せて菊地成孔や宇川直宏(DOMMUNE)、大野由美子(Buffalo Daughter)、Kenmochi Hidefumiらからコメントが到着。下記よりチェックしよう。 ▼あわせて読む フォトレポート 振り返るフジロック2019|THE ALEXX

THE ALEXX - Beatwave

“Daisy”を聴く

菊地成孔

「洋楽っぽければ偉い」訳ではないが、未だに「邦楽に聴こえない」と言うのは、余程うがった人々以外には、シンプルに賞賛という評価であると考えられる。THE ALEXXは、端的に邦楽に聴こえない。トリップホップのように重くダークで、エレクトロクラッシュのように、ニューウエーブのエレクトライズ、ギターサウンドのアシッド化に成功し、かつビリー・アイリッシュの様な、根本からの現代的症状がある。と書けば、とても安易なパズルの様で、むしろ聴く気を失せさせるだろう。なるべく轟音で聴く事をお勧めする。先ずは音質の良さに驚くだろう。現在の邦楽界は、恐るべき事に、とするが、GEZANから最終スパンクハッピーまでを擁しているのである。THE ALEXXが少しでも手を抜いたら無限の崖の下に落ちる。切り立った岩盤の上に彼らは機材をセッティングする。

まるで歪んだ糸電話のように... 宇川直宏(DOMMUNE)

音とは、空気分子を縦横無尽に揺らし伝える波であり、鼓膜を通じて我々を魅了し続ける世界の囁きである!!! THE ALEXXの発生させる波は、脳内に潜む岩盤に反射して、屈折した色彩を放っている!!!! まるで歪んだ糸電話のように耳元で囁く親密な聴覚体験は、漆黒の中で鳴り響く黒電話のようでもあり、SkypeもしくはFACE TIMEのサンドストームから浮かび上がる音の心霊のようでもある!!!!!!!! そう、THE ALEXXは岩盤の破片が砂嵐となって地上に降り注いだポルターガイストだ!!!!!!!

大野由美子 - Buffalo Daughter

杉浦くんがバンドをやってる頃に知り合い、DJやってる時に一緒のステージに立った時もあった。トラックに対して突き詰めてる彼の姿勢が面白い。30年近い歴史がここに詰まってるのが嬉しい。 ライブでオーディエンスが手を挙げて喜んでるのが見えるよ。

Kenmochi Hidefumi

ミニマルで機械的なビート、点と点で作られたクールなアレンジの上に乗るスモーキーでクールな歌声。美しくて退廃的な音像と世界観に、一瞬でずぶずぶと引っ張り込まれてしまった。 その一方で、曲によってはポップであっけらかんとした部分も見え隠れするのがおもしろい。意外とお茶目なところもあるのかも…。彼らがどんなバンドなのか、これからの活動に目が離せないし、一度聞いたこの音はしばらく耳から離れそうにない。

沢尻エリカ

THE ALEXX 彼らとの出会いは今年のフジロック。 岩盤スクエアステージから響き渡る音色に吸い寄せられる様に向かうと、そこに彼らがいた。 顔も名前も知らないけれど、彼らの作り出すサウンドとグルーヴは本物だった。 気がつけば夢中になって踊っていたのを覚えている。 正体不明の超大型新人アーティストTHE ALEXX きっと貴方も彼らのサウンドに心奪われる事間違いないでしょう。 私もこれからの彼らの活躍に期待して行きたい。

柴那典 - 音楽ジャーナリスト

サウンドは勿論、言葉のセレクトに美学とアティテュードが宿っていて、そこが説得力になっていると思います。浮遊感はあるけど、流されない感じ。屹立してる。

篠崎賢太郎 - サウンド&レコーディング・マガジン編集長

空虚や退廃や無の先にある、美しいサウンドスケープ

西寺郷太 - NONA REEVES

ふたりがまた組んで、音楽してくれる!感激して聴きました!「THE ALEXX」。 英治さんまた歌ってくれてありがとう、筒井さんはいつも筒井さん(笑)、最高最高超最高という言葉しか浮かびません。 2020年代が楽しみだ!

久保憲司

ベルリン・テクノなXXでいいじゃないですか!さすが杉浦くん、センスいいね

大嶺保 - OVER THE STRiPES

キラキラしてた90sにTRIP!
THE ALEXX

RELEASE INFORMATION

VANTABLACK

THE ALEXX 2019.11.22(金) ¥2,300(+tax) THE ALEXX 品番:REXY-6 Tracklist 1. Jeanie 2. Beatwave 3. SOUNDS OF RADIO FREQUENCY 4. VANTABLACK 5. Daisy 6. Ladybug is on there 7. Tablaman 8. Freak out of blue 9. The Scorpion Revives In This Way 10. ONADAY 11. Alan Smithee's Monolog 12. Go to the bar 詳細はこちら

EVENT INFORMATION

THE ALEXX

2019.11.22(金)INTER FM “Ready Steady George” ゲスト出演&スタジオライブ 2019.12.01(日)GAN-BAN/岩盤@渋谷パルコ インストアライブ 2019.12.01(日)ライブストリーミング@SUPER DOMMUNE
SHIBUYA PARCO presents “SHIBUYA COMES ALIVE!”@SHIBUYA CLUB QUATTRO GAN-BAN NIGHT SPECIAL 2019.12.02(月) OPEN 18:00/START 19:00 渋谷クラブクアトロ ADV ¥3,800(税込・ドリンク代別) LIVE:THE ALEXX/FINAL SPANK HAPPY DJ:Takkyu Ishino/D.A.N. (DJ SET) 詳細はこちら

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すべての感情が流れ出す鈍色の瞬間──<BLACK OPERA>を巡る、KILLER-BONG、JUBE、伊東篤宏のクロストーク

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BLACK OPERA

BLACK SMOKER RECORDS〉(以下、BLACK SMOKER)が主催する総合舞台芸術作品<BLACK OPERA - 鈍色の壁/ニブイロノカベ ->が11月16日(土)、17日(日)の2日間に渡って、ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センターで全3回上演される。11月14日(木)、15日(金)にはオープニング・パーティも催される。 今回で4回目を迎える<BLACK OPERA>は、その内容について多くが語られてきていない。主催側もほとんど口を開いてこなかった。そこで、〈BLACK SMOKER〉の2人、KILLER-BONGJUBE、そして本公演のディレクションを担当するひとり、美術家/音楽家の伊東篤宏に取材を申し込んだ。1997年にヒップホップのレーベルとして発足した〈BLACK SMOKER〉がいまやろうとしている総合舞台芸術<BLACK OPERA>は何なのか。 そこで議論されるのは色と言葉の響き、押韻あるいは押韻の放棄というアイディア、論理的展開と感情の流出、コンセプトやテーマそしてそれらの否定、役者とラッパー/ミュージシャン/ダンサーの対比。これら三者三様の意見は、目前に控えた<BLACK OPERA>の混沌に備えるためのヒントとなるだろう。KILLER-BONG、JUBE、伊東篤宏のクロストークをお届けしよう。

BLACK OPERA

Interview: KILLER-BONG × JUBE × 伊東篤宏

──<BLACK OPERA>をKILLER-BONGさんの言葉で説明するとどうなりますか? KILLER-BONG 例えばだよ、俺の作品に『MOSCOW DUB』っていうものがある。あの作品は音楽的にはダブじゃないと言う人がいるかもしれないけど、タイトルにはダブが付いている。つまりそれでダブになるわけだ。それといっしょで<BLACK OPERA>はオペラが付いている、と考えられることもできる。そんな<BLACK OPERA>の底流にあるのは、革命であり、実験であり、気持ちだと俺は思うんだ。既成のオペラには縛られずにやりたいけど、オペラというものに近づいていこうとする力も作用しているのかもしれない。そういう両極端の発想があるし、右も左も上も下も360度を手に入れたいって気持ちがあるわけだよ。 ──今回で<BLACK OPERA>は第4回目を迎えます。去年に引き続きゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センターで開催され、そして今年のゲーテには、1989年のベルリンの壁崩壊から30周年というテーマがあります。それを受けて、今年の<BLACK OPERA>には「鈍色の壁/ニブイロノカベ」というサブタイトルが付いています。この点について説明してもらえますか。 伊東 去年が1968年から数えて50年でした。1968年というのは、日本も含め全世界的にカウンター・カルチャーや政治運動における象徴的な年ですよね。だから、ゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センターとしても改めて1968年を振り返ると。そこで「抵抗のアクチュアリティ」というサブテーマを受けて何かできないかとなった。それに対するレスポンスが<BLACK OPERA Hole On Black>だった。そして2019年のドイツはベルリンの壁崩壊30周年という区切りの年だから今年のゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センターはそういうテーマを持っているんです。とはいえ、そこは<BLACK OPERA>にとってはひとつのきっかけですよ。その上で、そこから自分たちなりに何を考えて<BLACK OPERA>として表現できるかなんですよ。だから今年は「壁」というテーマからアイディアを出して行ったわけです。 KILLER-BONG 1968年とか、俺はよく知らない。やるからには単純にそういうことじゃないと思うんだ。感情の流出が必要なんだと。どこにでもある、人間ならば誰しもするような経験を、今回の<BLACK OPERA>は壁に喩えることでわかりやすく伝えようとしているよーな気がする。だから、色でも表現しているわけなんだ。人の心には何個もの言葉がストックされている。その中に色が含まれ、思い出や思い入れがあればそれが壁に喩えることができるとなんとなく思うんだ。 ──色と言えば、ROCKAPENIS(斉藤洋平)さんが監督を務めた予告編の映像の色合い、中山晃子さんの流動的なペイティングが、<BLACK OPERA - 鈍色の壁/ニブイロノカベ ->のイメージをヴィジュアルの側面から強烈に印象付けていると感じます。 KILLER-BONG 〈BLACK SMOKER〉っていうのは、いろんなカラーを混ぜて黒にするんだよ。例えば、子供がクレヨンでいろんな絵をガシャガシャ描いたときに、いろんな色を塗り込んだところは黒になる。そういうときに大人が子供を叱って伸ばすか、それとも褒めて伸ばすかで、その子供の育ち方って変わるのと同じなんだよね。俺たちは黒になるように育てていく。美しい黒に育てていく。黒の中にもいろんな色が入ってるから素敵な色さ。だけど今回は鈍色なんだろ?

001BLACK OPERA『鈍色の壁/ニブイロノカベ』《ニブイロノマチ 001》

伊東 「異種格闘技」という言い方がありますけど、言ってしまえば、<BLACK OPERA>はそういう舞台ですよね。例えば、菅佐原真理さんのようなコンテンポラリー・ダンサーの方も出ます。いわゆるいろんなジャンルの色が混じるわけですね。 KILLER-BONG それと、言葉の雰囲気っていうのはあるんじゃないか。例えば「鈍色の壁/ニブイロノカベ」って言葉には雰囲気があって、俺はこの言葉から「氷の微笑」みたいな響きも感じる。そういうのも大事なんだよ。今回、俺は韻を踏まないでラップするかもしれない。なぜならば、俺もそうだし、他のラッパーもそうだと思うけど、普段のステージで発している言葉やラップは、<BLACK OPERA>のような舞台を想定していない。正直に言えばさ、ラッパーとして<BLACK OPERA>という舞台で言葉を吐くことには恥ずかしさとか矛盾がつきまとうよーなことでもあると思う。言葉は難しいから。ただ、そういう恥ずかしさや矛盾を払拭して乗り越えて表現しなければ、次がないってことなんだと思う。前に進めないわけだ。だから、今回はその場で思いついた「それ用の言葉」を吐くかもしれない。俺もチャレンジしたいし、去年と同じじゃしょうがない。「鈍色の壁/ニブイロノカベ」って言葉の意味や響きやいろんなことを考えて、ラッパーとしてどんな言葉で喩えられるのかってのをやってみたい。同じ言葉を響きを変えて吐き続けるかもしれない。そこが大事なんだ。ただおぼえることはできないと思うんだ。 伊東 いまKILLER-BONGが語ってくれた話はすごく重要なことなんです。ことラッパーの言葉の話に絞ると、今回もいろんなタイプのラッパーが出演しますよね。志人、鎮座DOPENESS、RUMI、Jin Dogg、OMSB、荘子it、もちろんJUBEくんも。あえて「言葉の問題」という言い方をしますけど、ラッパーの人は言葉のデリケートな部分を理解して扱う表現者じゃないですか。だから、<BLACK OPERA>の舞台でどんな言葉を使って自分をカッコ良く見せるかに真骨頂があると思うんです。 KILLER-BONG 韻を飛び越えるってことだと思うんだよな。例えば、壁から連想して「緑の壁」と考えてみる。そうすると、あっちの緑の話をしがちになるからそれを覆してもいい。千円札も緑だ。そうしたら、カネの話をしてもいいわけだ。そこから、「マネーの真似」と展開しても面白い。そういう韻の踏み方がいろいろあるわけなんだけど、そういう韻を飛び越えてもいいかもしれない。さらに、マイクを持ちながらやるのがはたしてオペラなのか? という疑問もある。だから、マイクも握らないかもしれない。地声でもいいんじゃないか、その方が観客に伝わりやすいんじゃないかって思ったりもする、俺の妄想の中では。 伊東 これまでの<BLACK OPERA>と今回が決定的に違うのは「劇団 子供鉅人」の益山寛司さんという役者さんがいることなんです。その益山さんの台詞は僕や(大谷)能生くんが考えている。僕らが考えた言葉に感情を込めて演じてもらう役者さんの存在は、他のどの出演者の人たちとも異なるんです。今回は、ラッパーやミュージシャンやダンサーの人たちと役者さんが同じステージを共有したときにどうなるかはすごく楽しみなんですよ。 KILLER-BONG でも俺だって、KILLER-BONGっていう「役」として出演しているよーなもんだよ。 JUBE あるシーンや場面が先にあって、そこに合う人を選んでいるわけではなくて、まず人ありきなんですよ。この人がステージに立てば絶対的だっていう、唯一無二の人物を誘っている。だけど、〈BLACK SMOKER〉がかつてやっていたような、ただすげえヤツらを集めて「よし、やるぞ!」っていうデタラメが通じる規模ではなくなってきているから、台本らしきものもあるし、テクニカルな部分ではプロフェッショナルな人たちにも協力してもらっている。それでも、ただ言われた通りにやってくれって話じゃないんだよね。打ち合わせは一瞬しかないし、ぶっつけ本番のヤツも多々いる。そもそも言われた通りにやるヤツは誰ひとりいない。その人がステージ上で全力で個性を見せることで成り立つようになっている。だから、俺らが考えた絵やストーリーやコンセプトに沿ってくれるかどうかは最終的にはどうでもいいんだ。

BLACK OPERA

伊東 そこはね、こちらとしては闘いなんですよ。ある程度テーマやコンセプトに沿って絵を描かなければいけない役割として。もちろん好き勝手やってもらっていいんですけど、舞台なわけですから観客が観終わったあとに「なんだか意味がわからない」では観ている方もやっている方もつまらないでしょう、と。 KILLER-BONG だから、<BLACK OPERA>は後付けでもあるし、そんな後付けは関係ないっていう両方あるってことだよな。俺らはそうやってみんなを楽しませたいんだよ。 伊東 そう。だから、舞台の進行があまりにもグチャグチャになったらそれを解きほぐすことはするようにはしているんです。 JUBE 台本的なものがあるけど、KILLER-BONGのところは白紙だからね。マジ予測不可能。 KILLER-BONG それがいちばん難しいんだよ。俺は昔からずーっとそうやって突拍子もない相手とのセッションをやらされてきたんだ。とてもキツイんだ。でも俺はずっと失われていない、イヤだけどやりたい、やりたいけどイヤだなって気持ちでやっている。馴れ合いじゃないからナーヴァスになる。でもナーヴァスになるのは良くなる傾向だから。ナーヴァスって気持ちがあるのはいーってことにする。 それでこそ獲得できるものがある。それが気分の先の話。 JUBE そうやってKILLER-BONGが切り拓いてきてくれたおかげでいまも<BLACK OPERA>があるのは間違いない。もちろん今回も斉藤(ROKAPENIS)や伊東さん、ノイズ中村を中心に黒煙組の最高のスタッフたちと1年近くを費やして練り上げてはおりますが、なんだかんだKILLER-BONGが中心にいるからこそ「じゃあ、俺も、私もやるよ」ってなるわけです。あまりに身近過ぎてついつい意見を無視してしまいますが(笑)。 伊東 僕が思うには、KILLER-BONGは中心というよりも<BLACK OPERA>のアトモスフィア自体そのものなんですよ。 KILLER-BONG 俺はこれまでの<BLACK OPERA>のステージでのことはあまりおぼえていないけど、冷静に見ながらやっているよーに思う。俺はステージにトータルで参加するから、全体が悪い方向に行かないようにしているはず。ステージが悪くなりかけているときとか、何かが崩れかけている場面で、音とか声とか振る舞いで状況を再構築してるつもりだ。それはフリージャズのやり方といっしょだよ。みんなそれぞれが全力でやるから一筋縄ではいかないけど、すべての感情が流れ出すような、そんな瞬間をつくることが俺がやることでしょ?  イヤだな あーー 鈍色って何色なんだろ?

BLACK OPERA

取材・文/二木信 写真/横山マサト

INFORMATION

BLACK SMOKER × Goethe-Institut Tokyo present BLACK OPERA - 鈍色の壁 / ニブイロノカベ -

BLACK OPERA - 鈍色の壁/ニブイロノカベ -

2019.11.16(土)、11.17(日) ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター ホール(東京都港区赤坂7-5-56) 【座席】ADV ¥4,500/DOOR ¥5,000 【立見】ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500​

2019.11.16(土)

昼公演 OPEN 13:00/START 14:00|夜公演 OPEN 18:00/START 19:00 出演:KILLER-BONG、JUBE、スガダイロー、伊東篤宏、山川冬樹、志人(降神)、RUMI、鎮座DOPENESS、Jin Dogg 、荘子it(Dos Monos)、切腹ピストルズ、マヒトゥ・ザ・ピーポー、コムアイ、折坂悠太、テンテンコ、波多野敦子、千葉広樹(KNTC)、藤田陽介 、角銅真実、VELTZ、ANTIBODIES Collective、益山寛司(劇団 子供鉅人)、菅佐原真理、rokapenis、中山晃子 DJ:L?K?O、AKIRAM EN、DJ SOYBEANS FOOD:IROHA

2019.11.17(日)

OPEN 15:00/START 16:00 出演:KILLER-BONG、JUBE、スガダイロー、伊東篤宏、山川冬樹、志人(降神)、RUMI、鎮座DOPENESS、OMSB、 荘子it(Dos Monos)、切腹ピストルズ、マヒトゥ・ザ・ピーポー、コムアイ、折坂悠太、テンテンコ、波多野敦子、千葉広樹(KNTC)、藤田陽介 、ermhoi、VELTZ、ANTIBODIES Collective、益山寛司(劇団 子供鉅人)、菅佐原真理、rokapenis、中山晃子 DJ:L?K?O、AKIRAM EN、DJ SOYBEANS FOOD:IROHA

2019.11.14(木)OPENING PARTY I - TALK & MOVIE SCREENING -

OPEN 18:30/START 19:00 【座席】¥1,000 映画上映/MOVIE SCREENING 『B-Movie: Lust & Sound in West Berlin 1979-1989 』 『BLACK OPERA 2018 - Hole on Black-』(Short Documentary) TALK 『技術の誤用から生まれる音楽』Music from Misuse of Technology 城一裕(研究者、アーティスト〈九州大学/YCAM〉)、伊東篤宏(美術家、オプトロンプレイヤー) DJ:Compuma FOOD:クロメシ(黒煙米使用)

2019.11.15(金)OPENING PARTY II- MAZEUM meets Unsound-

OPEN 18:30/START 19:00 【立見】ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500 LIVE:BNNT(Poland)、空間現代 feat. KILLER-BONG、山川冬樹 × スガダイロー、角銅真実 DJ:MOODMAN、7e、suimin FOOD:壬生 モクレン(Kyoto)

BLACK OPERA各種チケットはこちらから

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『カメ止め』上田監督×謙遜ラヴァーズ鼎談・後編|強い絆が生んだ、映画『スペシャルアクターズ』サントラ制作秘話

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スペシャルアクターズ

社会現象になるほど大ヒットを記録した『カメラを止めるな!』で一躍注目を集めた上田慎一郎監督(以下、上田)。最新作『スペシャルアクターズ』は、役者集団と謎のカルト教団との手に汗握る闘いを描いたエンターテイメントに仕上がった。 そこでサントラを担当したのは、『カメラを止めるな!』で主題歌“Keep Rolling”とテーマ曲を手掛けて日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞に輝いた鈴木伸宏(以下、鈴木)と伊藤翔磨(以下、伊藤)だ。今回、2人は初めてサントラの全曲を担当。バラエティ豊かなサウンドが、先の読めない物語にぴたりと寄り添っている。 インタビューの後半は、サントラの内容についてさらに詳しく迫る。0.1秒までこだわった映像と音楽のシンクロ。ハリウッド映画、ビッグバンド・ジャズ、パーティー・ソング……様々な要素を盛り込んだ多彩なサウンドなど、作曲家チームと上田監督との綿密な打ち合わせが生み出したサントラの秘密がここに。

インタビュー・前編はこちら

映画『スペシャルアクターズ』予告

鼎談 上田慎一郎 × 鈴木伸宏 × 伊藤翔磨

━━主人公達の大作戦が展開するシーンで流れる“裏教典奪還”は、音楽と映像がシンクロしてスリルを高めていましたね。 鈴木 この曲に関しては、上田と凄まじい回数のキャッチボールをしました。 上田 0.1秒や1フレーム単位で音と映像を合わせていったんです。日本映画は音と映像をここまでシンクロさせるのは少ないと思うんですけど、ハリウッド映画はシンクロさせまくる。役者がちょっと振り向く時も音をシンクロさせているんです。ほかのシーンも細かくシンクロさせていましたが、”裏教典奪還”のシーンは特に念入りにやりました。 伊藤 細かく音を刻んでいくんで、曲全体のテンポをあわせるのが難しくて地獄の作業でした(笑)。でも、こういうことができたのは、上田さんとノブの信頼関係があったからこそだと思いますね。 ━━“決戦の時”では伊藤さんのギター・プレイがたっぷり味わえますね。 伊藤 僕はギタリストとしての仕事も受けているんですけど、ノブと一緒の仕事に関しては「ギターを弾かなきゃ」みたいなエゴが全然ないんです。でも、この曲は久しぶりにギターをフィーチャーした曲でした。ギターを使うのはノブのアイデアだったので、ノブがイメージしているギターのフレーズを思い切りロックっぽく弾きました。 上田 この曲、良いですよね。鈴木は僕の次くらいに映画を通して観ているので、映画を観ている時の観客の感情の変化にあわせて曲を考えている。だから、この曲もシーンにぴったりハマるんです。

スペシャルアクターズ

━━”スペシャルアクターズのテーマ”はビッグバンド・ジャズ風ですが、これは作曲家チームのアイデアだったんですか? 上田 そうです。”裏教典奪還”はスパイ映画風っていうイメージを伝えたんですけど、テーマ曲に関しては何も伝えていなかったです。でも、幼稚園の頃から一緒なんで、鈴木は僕がどういう音楽を使いたいのかわかるところがあったと思います。例えばパーカッションが好きだとか。 鈴木 今回はいろんなところにパーカッションを入れて、ちょっとコミカルな感じというか、軽快さを入れるようにしています。例えば“潜入”は怪しげな感じの曲なんですけど、パーカッションを入れることでシリアスさとコミカルさを併せ持つ曲にしたんです。 上田 カラッとした感じが好きなんですよ。ピアノをポロンと鳴らすようなしっとりした曲はあまり使いたくない。

鈴木伸宏,伊藤翔磨 – スペシャルアクターズのテーマ

━━そんな監督のセンスが反映されて、キャスト全員で歌う主題歌“誰でもアクター”は爽快な曲に仕上がっていますね。でも、レコーディングは大変だったのでは? 鈴木 大変でしたね。18人もいるとスケジュールがあわないんですよ。1日でレコーディングしようと思っていたんですけど、10時間くらいで録りきる必要があって。そうすると、1人の持ち時間が30分くらいなんです。なので、1人で何回か歌ってもらって、その中から良いテイクを使いました。 ━━作詞は鈴木さんですね。 鈴木 この曲は最初から曲のイメージがあったんです。それでメロディーと歌詞は僕が作って伊藤がトラックを作りました。 伊藤 この曲は久しぶりの歌ものだったので、楽しみながら作ることができましたね。ノブが提示した「ビッグバンド風のパーティー・ソング」は僕も好きな曲調なので、絶対良い曲になると思いました。

スペシャルアクターズ

鈴木 でも、歌詞は今までやった曲のなかでいちばん時間がかかりましたね。誰が歌っている歌詞なのか、誰に向けて歌っている歌詞なのかを考えた時、最初にばっちりハマるサビが出来たんです。でも、そこからAメロ、Bメロにリンクさせるのがすごく難しくて、主人公の和人のシーンを頭がおかしくなるくらい何回も観て歌詞を書きました。この完成形の音源あがってきてスタジオで聴いた時、涙が止まらなかったんですよ。なぜだかわかんないですけど……。 上田 映画とすごくシンクロしているから、映画を観る前に聴くのと観た後に聴くのとでは聴こえ方が大きく変わると思いますね。

スペシャルアクターズ – 誰でもアクター

━━大変な作業を経て2人にとって初めてのサントラが完成したわけですが、今の心境は? 伊藤 このサントラはノブと上田さんの関係性があったからこそ出来たものだと思います。そこに協力できて、なおかつ、自分の力を全力投球できて嬉しかったです。ノブは全体を俯瞰しながらディレクションするのが得意で、僕はそれを形にすることに全エネルギーを注ぎました。そして、出来上がったサントラを聴いて「夢が叶った!」って思ったんです。僕はずっと映画関係の仕事をしたいと思っていたので。大変な作業だったけど、参加させてもらって有り難かったです。 鈴木 僕が音楽をやるきっかけになったのは、ディズニー映画の作曲を手掛けているアラン・メンケン(Alan Menken)が好きだったからなんですよ。でも、ずっとロック・バンドをやっていて、『カメ止め』の音楽をやった時に「自分が本当にやりたかったのは映画音楽かもしれない」と気付いたんです。そんな中で、幼馴染みの上田の映画で初めてフルスコアをやれたというのは幸せですね。最初にラフの映像を観た時、「これは最高の映画やから音楽でクオリティを落とすわけにはいかない!」っていうプレッシャーがあったんですけど、心から納得できる作品に仕上がって良かったです。 上田 このサントラは、ハリウッド映画みたいな壮大な曲もあれば、スパイ映画みたいな曲、ビッグバンド・ジャズ、パーティー・ソングといろんなタイプの曲がある。おもちゃ箱をひっくり返したような最高のサントラだと思いますね。 ━━それが映画本編の楽しさに繋がっていますね 上田 映画の感想を見ていたら、「毎日、『スペシャルアクターズ』を観て仕事の辛さを忘れています」という人がいて。出社前に“スペシャルアクターズのテーマ”を聴いてテンションをあげているそうなんですよ。そんな風に僕らの手を離れて、映画を観た人それぞれの音楽になってくれるといいなって思います。

スペシャルアクターズ

映画『スペシャルアクターズ』スペシャル音楽対談<後編>

Photo by Madoka Shibazaki Text by 村尾 泰郎

上田慎一郎 1984年生まれ、滋賀県出身。中学生の頃から自主映画を制作し、高校卒業後も独学で映画を学ぶ。2009年、映画製作団体PANPOKOPINAを結成。国内外の映画祭で20のグランプリを含む46冠を獲得。2015年、オムニバス映画『4/猫』の1編『猫まんま』の監督で商業デビュー。妻であるふくだみゆきの監督作『こんぷれっくす×コンプレックス』(15)ではプロデューサーも務めている。「100年後に観てもおもしろい映画」をスローガンに娯楽性の高いエンターテイメント作品を創り続けている。劇場長編デビュー作『カメラを止めるな!』は動員数220万人以上、興行収入31億円を突破し、2018年の最大の話題作となったことは記憶に新しい。本年8月16日に中泉裕矢、浅沼直也との共同監督作『イソップの思うツボ』が公開。主な監督作:短編映画『ナポリタン』(16)、『テイク8』(15)、『Last WeddingDress』(14)、『彼女の告白ランキング』(14)、『ハートにコブラツイスト』(13)、『恋する小説家』(11)、長編映画『お米とおっぱい。』(11)。

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鈴木 伸宏 1985年生まれ、滋賀県出身。ill hiss cloverのギターボーカルとして、2011年タワーレコードで行われたオーディション「Knockin’on Tower’s Door vol.1」にて、1000組を超える中からファイナリストに選ばれる。同年「Dance in the clover」で全国デビューを果たす。15年ill hiss clover活動停止以降は、楽曲提供を中心に活動中。19年上田慎一郎、ふくだみゆきと共に株式会社PANPOCOPINAを設立。『カメラを止めるな!』(18)で第42回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。

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伊藤 翔磨 1986年生まれ、三重県出身。大阪芸術大学音楽学科卒後、門倉聡、℃-ute、SHE IS SUMMER、majikoなど、様々なアーティストのライブ、レコーディング、TV収録にギタリストとして参加、またコンポーザーとしてTVドラマ『探偵オブマイハート』(05)、TVCM 株式会社ベルコ『Art Bell Ange Nagoya』などに楽曲提供している。『カメラを止めるな!』(18)で、第42回日本アカデミー賞優秀音楽賞を鈴木伸宏らと共に受賞。

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RELEASE INFORMATION

スペシャルアクターズ

『スペシャルアクターズ』サウンドトラックCD

2019.10.11(金) 鈴木伸宏/伊藤翔磨 RBCP-3341 Rambling RECORDS ¥2,500(+tax) 詳細はこちら

INFORMATION

スペシャルアクターズ

映画『スペシャルアクターズ』

丸の内ピカデリー他全国公開中 配給:松竹 「カメラを止めるな!」で大旋風を巻き起こした上田慎一郎監督の「カメ止め」に続く長編劇映画第2弾映画。1500通の応募者の中からオーディションで15人のキャストを選び、企画会議、ワークショップを経て当て書きで脚本を執筆した。「緊張すると気絶する役者VSカルト集団」の闘いを描く、予測不能なエンターテイメント作品。 詳細はこちら

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xiangyuの体験レポート|True Color Beatsのセッションを通じて発見した“自分を表現するかたち“とは

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True Colors Festival

10月22日(火・祝)に<True Colors Festival(主催:日本財団)>第2弾のイベント、<True Colors BEATS ~Uncountable Beats Festival~(以下、BEATS)>が開催! この<BEATS>のイベントディレクターを務めるのは、南米・アルゼンチンを代表する打楽器奏者・作曲家であるサンティアゴ・バスケス(SANTIAGO VAZQUEZ 以下、サンティアゴ)。彼は世界各地でオリジナルのワークショップを開催し、自ら考案したハンドサインによって言語を超えた即興演奏を繰り広げていることでも知られています。

[ 2019/10/22 ] True Colors BEATS イベントディレクター:サンティアゴ・バスケス

今回、開催された<BEATS>でもサンティアゴのワークショップが10月19日、20日に行われ、22日のイベント本番まで、年齢、国籍、障害の有無を問わず募集したワークショップ参加者が、フアナ・モリーナら海外アーティストとコムアイ(水曜日のカンパネラ)、ermhoi、xiangyu、大友良英などのゲストアーティストとともに、簡単な言葉と身振り手振りを用いてリズムを奏で、交流を楽しみながら、ひとつの曲を作り上げました。

True Colors Festival

当初、代々木公園野外ステージ・イベント広場で開催予定だった<BEATS>は、前日から続く、生憎の悪天候で開催場所が急遽変更となり、公益財団法人 日本財団のビルにて開催されましたが、YouTubeでのライブ配信も行われ、演奏も大盛況で幕を閉じました。 本記事では、<BEATS>に出演したxiangyuによる体験レポートを掲載! 2日間のワークショップからイベント本番までの記録をお届けします。

サンティアゴ・バスケス インタビュー YAKUSHIMA TREASURE インタビュー
▲合わせて読む|True Color Beatsに際して

EVENT REPORT True Colors BEATS ~Uncountable Beats Festival~ 10月19日(土)、20(日)  ワークショップ

True Colors Festival

ワークショップ初日。参加者は、老若男女や海外からの方々、障害のある方など、本当に様々な人が参加していました。ワークショップは自分で使用する楽器を持ち込み、それを使って演奏をするのですが、得意な楽器を持ってきている人もいれば、会場近くで拾ってきた缶を楽器にして音を鳴らす方法を探している人も。

True Colors Festival
True Colors Festival
True Colors Festival

ワークショップは、まずはサンティアゴの自己紹介があり、そのあとすぐにハンドサインを教えてくれて、持ち寄った楽器を使って練習が始まりました。私は自分で作ったチャルメラという楽器(動物の鳴き声のような音がする楽器)を持って行ったのですが、この楽器はすごく難しくて、音がなかなか鳴ってくれませんでした。

True Colors Festival
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サンティアゴも試してくれましたが音が出ません。私もワークショップ中にトライしましたが、全く音が出ないことが多く、コムアイさんがYAKUSHIMA TREASUREのパフォーマンスで使っているインドネシアのお土産屋さんで購入したという、くるみの殻みたいなモノが沢山ついている楽器をお借りしました。優しく触ってみたり、シャカシャカ振ってみたり、使い方によって鳴る音が違うおもしろい楽器で、本番当日もそれをお借りすることになりました。

True Colors Festival
True Colors Festival

ワークショップ中はサンティアゴが出した「ここで(あなたが演奏に)入って! 」というサインに、最初は「入っていいのかな?」とか、「これであってるのかな?」と思うことがありました。そして、サンティアゴが「何か作曲した人いる? アピールしてよ! 」という顔をしていても最初は何もできなくて……。その時、私は学生時代を思い出しました。答えがわかる人って言われてわかっているのに挙手できないみたいな感覚です。 でも、途中で大友(良英)さんや芳垣(安洋)さんから「間違えても死なないから。サインはあるしそれは指示だからあくまでもその指示には従うけど、間違えたら間違えたで死なないから、1回入ったらそのまま続けたほうがいいよ。自分が入るって思ったタイミングを信じて、自分が奏でたいと思った音楽を信じて。」とアドバイスをいただき、ハッと気づかされました。

True Colors Festival

ワークショップに参加した当初は、自分には得意な楽器もないし、他のゲストアーティストのみなさんは大先輩ばかりで勝手に萎縮していて、なんとなく敷居が高いイベントな気がして縮こまっていましたが、“もっと音楽の知識があったら、できることの幅が広がるだろうな”と思いつつも、みんなが奏でるメロディを聴いて、「あ! こんなのもあるのかぁ」「こんなのもいいなぁ! 」と新たな発見があり、大友(良英)さんや芳垣(安洋)さんのアドバイスのもと、それを自分なりにマネしてやってみたり、さらにアレンジしてみたりして、音を奏でる引き出しがどんどん広がっていった気がしたんです。

True Colors Festival
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また、私がサンティアゴの指示するサイン通りに演奏ができなくても、その時に自分が奏でた音に対してみんなが意見をくれて、どんどん音を繋いでくれるので「音楽を使ってみんなとコミュニケーションをとっている」というのを物凄く実感し、みんながひとつになる光景に感動しました。

True Colors Festival
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10月22日(火・祝) 本番当日

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いよいよ本番当日、チャルメラを吹くタイミングはなかったけれど、コムアイさんにお借りしたインドネシアの楽器や手拍子、さらに歌でも参加できました。“こうやって演奏しよう!”と事前に決めていたことだけに留まらず、様々な表現のかたちをドンドン見つける事ができたので、すごく面白かったです。

True Colors Festival
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演奏中は「自分はこう思うんだけど、どうかな?」と発信した音を「いいね! だったら、こういうのはどう? 」と音を繋げてくれる暖かさがありました。

True Colors Festival
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その暖かさが「ここにいて良いんだ」「居場所はここにあるよ」と自分を肯定してくれているように感じ、とても居心地が良かったです。

True Colors Festival

ワークショップへ参加してみて

True Colors Festival

ワークショップですごく印象的だったのは、会場に遊びに来ていた小さい子供が急に「あー! あー! 」と元気で大きな声を上げたところから、サンティアゴがその「あー! あー! 」を他の人にも「マネして! 繰り返して! 」というサインをして、その演奏が広がっていった場面。その子のお母さんは子供が急に声を上げてしまったことに謝っていたけれど、生きているライブをすごく感じた瞬間でした。

True Colors Festival
True Colors Festival

こうやって沢山の新しい体験が起きることによって、その場その場で、自分も参加者の皆さんも、変化していったのをひしひしと感じています。参加することによって、自分の殻を破るお手伝いをしてくれるような、一人では抜け出せない沼にハマっている自分に手を差し伸べてくれて、上に引き上げてくれるような、新しい自分が見つかるような感覚です。ワークショップに参加していた人たちにとっても、きっとそんなワークショップだったんじゃないかなと思います。

True Colors Festival
True Colors Festival
True Colors Festival

サンティアゴは、このハンドサインを使えばどんな人達とも、言葉が通じなくても一緒にセッションができると言っていました。私も参加してみて、サンティアゴとは言葉が通じないし、参加者の皆さんやアーティストの皆さんとは初対面でしたが、サンティアゴが指揮するセッションを通じて心が通いあった気がしました。自分のことを認めてあげられるから、他の人の良いところも発見できて、受け入れられる。

True Colors Festival
True Colors Festival

このワークショップは受け身ではなく、能動的に参加すればするほど、得るものが大きくなるんです。参加者の全員が全身で表現していた表現の楽しさや熱量が、きっとイベントを観にきてくれていた人にも伝わったと感じます。観にきてくれた人も「やってみたい! 」という気持ちになったと思います。観るのもいいけど、参加してみた方が何倍も楽しいです!

photo by Hayato Oishi text by xiangyu

True Colors Festival

xiangyu 2018年9月からライブ活動開始。日本の女性ソロアーティスト。 読み方はシャンユー。名前はVocalの本名が由来となっている。 10月に初のデジタルシングル「プーパッポンカリー」をリリース。Gqom(ゴム)をベースにした楽曲でミステリアスなミュージックビデオも公開。 2019年5月、初のEP『はじめての○○図鑑』をリリース。 10月25日には最新デジタルシングル『ピアノダンパー激似しめ鯖』をリリース。 HPTwitterInstagram

EVENT INFORMATION

True Colors BEATS 〜Uncountable Beats Festival〜

2019.10.22日(火・祝) 日本財団ビル8F(〒107−8404 東京都港区赤坂1丁目2番2号) 出演者 イベント・ディレクター: サンティアゴ・バスケス ゲスト・アーティスト: ermhoi xiangyu 岩崎なおみ 大友良英 角銅真実 勝井祐二 コムアイ(水曜日のカンパネラ) 高良久美子 芳垣安洋 フアナ・モリーナ ミロ・モージャ ゲストバンド: YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ×オオルタイチ) Monaural mini plug(モノラルミニプラグ) ゲストDJ: 岸野雄一

詳細はこちら

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PALLADIUM|パンパシリーズの新作、防水レザーシューズ「パンパ ライト+ カフ」で都市探索

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「PALLADIUM(パラディウム)」は1947年以来、さまざまな機能的なシューズを開発し続けているフランスのブーツブランド。長い歴史を経て、現在は「CITY EXPLORING - 都市探検 -」をテーマとし、機能性だけではなく、都市でも履けるおしゃれなデザインを追求。フェスやアウトドアシーンだけではなく、街中でも履ける防水シューズとして、大活躍をしています。

PALLADIUM徹底解剖

今回は、2019秋冬シーズンに新たに誕生した防水レザーシューズ「PALLADIUM PAMPA LITE+ CUFF WP L(パンパ ライトプラス カフ ウォータプルーフ レザー)」をご紹介! パラディウムに合わせたコーディネートで都市探索を実施し、その魅力を紐解きます。

CITY EXPLORING – PAMPA LITE+ CUFF WP L–

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少し冷たい秋の空気を感じながら、美しい紅葉を楽しみに都市探索。 パラディウムの2019年秋冬シーズンのテーマは、ウォータープルーフ(防水)エコロジーです。 もともと、フランス軍の靴を作っていたパラディウムは防水性だけでなく、耐久性と機動性にも優れています。 機能的な靴は、たくさん歩く都市探索にとってもぴったり。

–スポーティーな履き心地でどこまでも–

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「PAMPA LITE+ CUFF WP L」はアッパーに質感の良いレザーを使用し、水蒸気を透過する防水メンブレンを搭載したウォータープルーフシューズになっています。防水メンブレンのおかげで、ムレも気にならず1日中快適!

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アウトソールにはクッション性に優れた「Lite Tech+」を採用しているので、軽量でグリップ力と安定性も抜群です。 合わせて、ヒール部分にパットを配置しているので、パットの効果で足あたりが良くなるだけでなく、着脱もしやすくなっています。 スポーティーな履き心地で、都市だけでなくアウトドアシーンでも活躍すること間違いなし。

–秋冬ファッションの主役に–

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ボリューム感があるレザー素材のシューズは、重くなりがちな秋冬のファッションでもバランスが取りやすく、コーディネートの主役になってくれるはず! 靴下をちらっと見せたり、パンツをロールアップしてみたり、足元を強調したおしゃれなファッションをぜひ楽しんでみてください。

Photo by Kana Tarumi Model by 籾木芳仁mihoro Stylist by Takafumi Yao Text by Mao Oya

  PALLADIUM PALLADIUMはフレンチミリタリーをオリジンに1947年以来、機能的なシューズを開発。 現在は「CITY EXPLORING – 都市探検 -」を追求。

PALLADIUMTwitterInstagramFacebook

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PAMPA LITE+ CUFF WP L パンパ ライトプラス カフ ウォータプルーフ レザー Unisex ¥14,904(税込) 詳細はこちら

パラディウムのオフィシャルストア S-Rush(エスラッシュ)原宿店 東京都渋谷区神宮前3-24-1 インザストリームビル 1F・B1F TEL 03-6455-4125 営業時間 11:00~20:00

詳細はこちら

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イベントレポート|国境を越えたリズムと即興の祭典<Beat Compañero/波動の交わり>

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Beat Compañero

コムアイ(水曜日のカンパネラ)とオオルタイチのユニット、YAKUSHIMA TREASUREによる初の企画イベント<Beat Compañero/波動の交わり>が、10月23日(水)に東京・渋谷WWW Xで開催された。 当日はアルゼンチンより、サンティアゴ・バスケス(Santiago Vazquez)とフアナ・モリーナ(Juana Molina)、ミロ・モージャ(Miloo Moya)が参加。「ビートの祭典」というテーマにふさわしい、リズミカルで独創的なパフォーマンスが繰り広げられた。 当日のレポートに入る前に、まずはイベント開催までの経緯をおさらいしておこう。水曜日のカンパネラがオオルタイチとの共作EP『YAKUSHIMA TREASURE』をリリースしたのが今年4月のこと。屋久島に何度も足を運びながら、大自然や動物、島民たちの生み出す音をフィールドレコーディングしつつ制作された同作には、「歌の原点に戻る」というテーマが込められていた。Qeticのインタビューでコムアイはこのように語っている。 「散歩していて鼻歌をうたう時とか、小躍りしちゃう時とか。誰かに聴かせたり見せたりするのではなくて自然に出てしまうものに憧れます。(中略)YAKUSHIMA TRASUREは本当に即興が多いんです。ふっと湧いてきたら、それをそのまま出す」 YAKUSHIMA TREASURE名義による今年8月の東京・恵比寿リキッドルーム単独公演では、ステージ上に屋久島を生み出すべく、華道家の上野雄次が土を盛ってその上に苔を生けながら、コムアイとオオルタイチによる儀式的なパフォーマンスが披露された。当日について、「ストーリーを決めずにその場で使いたい音や、想いを組み立ててセッションをする感じでした」とコムアイも振り返っているように、ポップソングの定型からも解放された自由気ままな“即興”は、このユニットの根幹を成すキーワードである。 だから今回のイベントで、日本でも人気の高い「アルゼンチン音響派」の代表格、サンティアゴ・バスケス(以下、サンティアゴ)とフアナ・モリーナ(以下、フアナ)が迎えられたのは大いに納得。同地を代表するパーカッショニストで、多種多彩な楽器を操るサンティアゴは、ハンド・サインという独自の合図によって即興演奏を生みだす“指揮者”としての顔も持ち、ワークショップや文化イベントを積極的に開いている。 一方のフアナは、自身の歌とギター、サンプラーやシンセサイザーを駆使しながら、ラテン・カルチャーと電子音楽が融解したかのような、実験的でエキセントリックなループ・サウンドで知られている。彼女は以前から、自身の楽曲がどれも即興演奏から生まれたものだと語っていた。そんな両者とYAKUSHIMA TREASUREは、即興的なアプローチに加えて、大自然を思わすオーガニックな手触りと匂い、既存のジャンルに収まらないミクスチャー感覚でも通じ合う部分がある。 もっと辿れば、オオルタイチも意味をもたない非言語歌詞を用いた即興パフォーマンスと、過去と未来、宇宙と地球をつなぐようなアクロバティック極まりないダンス・サウンドで2000年代初頭から活躍してきた。サンティアゴとは2006年に大阪でセッションし、2013年のリミックス・アルバム『僕の楽しい仕事』ではフアナの楽曲“SON”を取り上げるなど、以前から交流もあったという。 さらに今回は、アルゼンチン発のヒューマン・ビートボクサー、ミロ・モージャ(以下、ミロ)に加えて、ドラマーの芳垣安洋(以下、芳垣)とベーシストの岩崎なおみ(以下、岩崎)も出演。国境を越えたリズムと即興の祭典<Beat Compañero/波動の交わり>がいよいよ幕を開けた。

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EVENT REPORT 2019.10.23(WED)@渋谷WWW X Beat Compañero/波動の交わり

開演前のBGMは、今日のイギリスを代表する詩人、ケイト・テンペスト(Kate Tempest)が今年発表したポエトリー・リーディング・アルバム『The Book of Traps and Lessons』。神妙な語り口と音響が、ミステリアスな空気を醸成していく。水曜日のカンパネラファンだと思しき人々から、長年のワールド・ミュージック系リスナー、ダンサブルな音を求めるクラバーまで、フロアは大勢のオーディエンスで賑わっている。予定されていた開演時間から遅れること15分、出演者がステージ上に姿を現した。 ステージ向かって左からサンディアゴ、ミロ、フアナ、中央にコムアイとオオルタイチ、右に岩崎と芳垣がそれぞれ陣取る。それにしても、まさかのオープニングから全員登場。1曲目はコムアイが打楽器を鳴らし、トーキング・ヘッズ(Talking Heads)の“I Zimbra”をうっすら想起させるファンキーな曲調で始まった。曲を主導するのはオオルタイチの奏でるファニーな電子音。サンディアゴは次々と楽器を持ち替え、カラフルな色彩感とリズムを添える。そこに岩崎と芳垣のリズム隊が切り込むと、演奏はますますダンサブルに。コムアイの可愛らしいスキャットに、フアナも声とギター・カッティングで応酬。いきなりアッパーかつエキセントリックな7分間に、観客のテンションも一気に昂ぶる。

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その後、コムアイがメンバー紹介を兼ねて開演のご挨拶。 「今の曲は……、improvisation completely(完全に即興)。リハーサルもやっていません。ステージに出てきたあと、“誰からやる?”という感じで始めました(笑)。今日はやったことがないことをやるので、皆さんも楽しんでもらえるかなと」 彼女の言うとおり、以降のステージは出演者各自のソロパートに、“完全即興”のコラボ・セッションを挟んでいく形で展開された。まずは、YAKUSHIMA TREASUREによるライブ。前述のEP収録曲“地下の祭儀”で時空が歪むようなエフェクトが響いたかと思えば、オオルタイチが手掛けた水曜日のカンパネラの曲“ユタ”では、変調させた2人の声が絡まりながらサイケデデリックに加速していく。

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それから、弦をサンプリングした“島巡り”のイントロが鳴りだすと、今度はフアナがヴォーカルを担当し、再び即興セッションに突入。よろめくような歌メロに、トリッピーな電子音とミロのビートボックス、ピーピーと鳴る笛も加勢し、非現実的なムードに客席も呆気にとられていた。「次は声だけでいこう、輪唱やってみたいです」とコムアイの提案。彼女が口ずさみだすと、フアナとオオルタイチも声を重ねていき、両脇からサンティアゴと芳垣がブラジルの打弦楽器、ビリンバウを演奏してサポートする。 どこかシュールな流れに風穴を開けたのが、ミロのビートボックスによるソロ・パフォーマンス。重低音のドローンに始まり、ラテン系のビート、バウンシーなリズム、ブレイクビーツなど緩急自在に切り替えていくのだが、その迫力たるや凄まじく、ヘヴィな一音一音が弾丸のように迫ってくる。知名度の差をひっくり返す圧倒的スキルは、コムアイも「妖精が見えた気がした」と漏らしたほどだ。

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続いてはサンディアゴのターン。音が弾け散るようなビリンバウ独奏は、途中からミロのビートボックス、オオルタイチの宇宙語とパーカッションが加わり、変則ドラムンベース状態に。そこから親指ピアノ「ムビラ」を取り出すと、美しい旋律が響き渡る。息を呑むようなリフレインに、コムアイとフアナが呪術的なコーラスを添える一幕もあった。

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そして、今度はフアナの番。パーカッシブな発声を重ねてグルーヴさせたかと思えば、「えっと、あの、その」と日本語も交えつつ、コムアイと一緒にファニーな声を吐き出し、早回しループさせることで発狂寸前のサウンドスケープを築いていく。さらにギターを手に取り、歌と演奏をループさせるお家芸も披露した。

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いよいよイベントも終盤。瞑想的でリラックスしたジャム・セッションのあと、サンティアゴが身を乗り出す。指揮者となった彼のハンド・サインに合わせて、バンド全体がアクセルとブレーキを交互に踏み、スピーディーに転調しながらフィナーレに向かう。オオルタイチはおもちゃのギターを奏で、ミロのビートボックスと芳垣のドラムが火花を散らすと、コムアイとフアナは艶やかでルーズな歌を添える。

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アンコールは、フアナのギター・ループとコムアイの歌を軸とした厳かなナンバーと、ミロの人力スクラッチが賑やかな即席パーティーチューンの2曲。最後まで予測不可能のまま、2時間近くに及ぶコラボ大会は幕を閉じた。

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変幻自在のステージに観客もさぞかし驚いたと思うが、みんな満足そうな笑みを浮かべながら感想を語り合っていた。個人的に印象的だったのは、ライブの中盤あたりから、近くにいた子供が全力で踊っていたこと。「ビートの祭典」というテーマが伝わった、何よりの証ではないだろうか。 音楽が生まれる瞬間の喜び、一緒に演奏することの楽しさを再発見するような<Beat Compañero/波動の交わり>を経て、コムアイとオオルタイチはどこへ向かうのか。今後もコラボを重ねながら、宝物(Treasure)のような景色を見せてほしい。

Photo by fukumaru Text by 小熊 俊哉

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YAKUSHIMA TREASURE(水曜日のカンパネラ × オオルタイチ) 2019年4月にYouTube Originalsで発表された、水曜日のカンパネラと屋久島のコラボレーションを試みる作品 Re:SET。 この作品を通し一枚のEP「YAKUSHIMA TREASURE」が誕生した。 島のカエルの鼓動や木々をうつ雨、岸壁の風、波の音に耳を澄まし、村のおばあちゃんたちとうたい、あの手この手で採集された音をもとに様々な曲が制作された。 屋久島の自然を壊滅させてしまった縄文時代の鬼界カルデラ噴火を題材にした「屋久の日月節」をはじめ、水曜日のカンパネラとオオルタイチが屋久島と取っ組み合い、紆余曲折を経て生み出したタカラのような曲たちをライブセットで披露する。 コムアイ アーティスト。1992年生まれ、神奈川育ち。ホームパーティで勧誘を受け歌い始める。「水曜日のカンパネラ」のボーカルとして、国内だけでなく世界中のフェスに出演、ツアーを廻る。その土地や人々と呼応して創り上げるライブパフォーマンスは必見。 好きな音楽は民族音楽とテクノ。好きな食べ物は南インド料理と果物味のガム。 音楽活動の他にも、モデルや役者など様々なジャンルで活躍。2019年4月3日、屋久島とのコラボレーションをもとにプロデューサーにオオルタイチを迎えて制作した新EP「YAKUSHIMA TREASURE」をリリース。同名のプロジェクト「YAKUSHIMA TREASURE」として各地でライブやフェスに出演中。 HPTwitterInstagramFacebook

オオルタイチ 1999年より活動を開始。『漂流する内的民俗』をキーワードに電子音と非言語の歌が融合した音楽を展開。The Residents、Puzzle Punks、Aphex Twin等の音楽に影響を受けながら、当初は即興演奏を軸に楽曲制作を行っていたが、90’ダンスホールレゲエとの出会いによりトラック制作を本格的に開始。かねてより衝動的な即興表現として用いられていた声の要素はパトワ語の響きに触発され、さらに歌のようなものへと変化を遂げ、現在のスタイルが形作られた。ソロ名義以外にバンド・ウリチパン郡やYTAMOとのユニットゆうきなどでも活動。近年では水曜日のカンパネラへの楽曲提供や、舞台音楽の制作なども手がけている。 HPTwitter

EVENT INFORMATION

Beat Compañero/波動の交わり

2019.10.23(水) OPEN 18:30/START 19:30 渋谷WWW X

LINEUP: YAKUSHIMA TREASURE サンティアゴ・バスケス フアナ・モリーナ ミロ・モージャ

主催:株式会社つばさプラス 制作:SALMONSKY 後援:TRUE COLORS FESTIVAL 協賛・協力:QETIC お問い合わせ:WWW X 03-5458-7688

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オオルタイチ活動20周年コンサート『Hotokeno』

2019.12.7(土) 東京編 渋谷WWW

2020.1.18(土) 大阪編 千日前ユニバース 出演:Oorutaichi Special Band

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新時代のポップスを牽引するravenkneeが語る、いま求められるジャンルレスな音楽観とは

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8月11日(日)に渋谷clubasiaで開催された自主企画<The era of turmoil>。そこで観たravenknee(レイベンニー)のパフォーマンスに感じたテンションの高揚は、今でもはっきりと覚えている。幸福につながる道のような歌、ロックバンドの生々しい躍動感、EDMのポップなトランス感、土着的かつ夢見心地な多国籍性、どこか陰のあるアンビエンスに感じる深み。さまざまな要素を圧倒的なダイナミクスで表現するスタイルは次世代のビッグシングと呼ぶにふさわしい。今回は、そんなravenkneeの豊かな音楽性の成り立ちや、彼らを取り巻くシーンの現在~ポップミュージックの未来などについて、メンバー全員に集まってもらって話を聞いた。 そして、ravenkneeは、11月28日(木)に大阪・Pangeaで関西では初となる自主企画を、12月5日(木)には東京・WWWで初のワンマンライブを開催する。このインタビューを読んでから出かければ、さらに楽しい時間が過ごせるであろう、ライブならではの興味深いサウンドの仕掛けにも言及した内容にもなっているので、その点にも注目していただきたい。

ravenknee

Interview:ravenknee

──まずは10月23日にリリースされた1stフルアルバム『the ERA』について、お伺いします。オルタナティブなロックやフォーク、ハウス~EDM、アンビエントなエレクトロニカなどを融合するスタイルは、どのように形成されていったのでしょうか。 松本 祥(以下、祥) 自分たちの好きな音楽の狭間を探しつつ、多くの人に届くような曲を作りたいっていうスタンスは、ravenkneeが動き出した頃からありました。そのうえで、アルバムを作るにあたって、リファレンスとして出したバンドがいくつかあって、例えばアイスランドのオブ・モンスターズ・アンド・メン(Of Monsters And Men)。そこに日本語詞も英語詞もありますけど、僕らなりの言葉と打ち込みのダンスミュージックの要素をうまく混ぜられないかなとか、考えてました。 松本 一輝(以下、一輝) オブ・モンスターズ・アンド・メンみたいな、北欧の寒い国だからこそ生まれる冷たい質感がすごく好きなんです。歌メロもすごくいい曲が多いし、その風情にEDMの強烈なドロップを突っ込んだら面白いかもって話してましたね。 ――その感覚はアヴィーチー(Avicii)に近いと思うんですけど、そこまでエレクトロニックな派手さはなくて、もう少しインディーやオルタナティブロック寄り。リード曲“Pick you up”のビルドアップは、少し奥で鳴ってるドラムフィルがすごくバンドらしくてカッコいいですし、“Earth”の生音と打ち込みのバランスも、絶妙にレンジの広いポップ感が出ています。 安田 照嘉(以下、安田) アヴィーチーも好きですし、デモの段階ではもろに“EDM”みたいな曲もいくつかありましたよ。“Earth”は特にそうでした。  僕らはまずバンドサウンドを入れていく前に、打ち込みでデモを作るんですけど、その段階だと、アヴィーチーとかケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)とかプロディジー(Prodigy)みたいな、けっこうゴリゴリしたエレクトロサウンドが多いんです。 一輝 でもギターとドラムとベースのバンドサウンドって、シンセサイザーの打ち込みより音が弱いというか、マットな質感だから、デモの段階で余白がないと、両者を合わせたときに埋もれちゃうんです。ガチガチのエレクトロから音をある程度抜いて、生音を足していくときに、おっしゃってくれたような、僕ららしさが生まれるんだと思います。

ravenknee - Pick you up(Official Music Video)

──北欧を思わせる質感もそうですが、オリエンタルなスケールも随所に入ってきます。そういった多国籍性のルーツはどこにあるのでしょう。 安田 ジョー(祥)くんが民謡にめちゃくちゃはまってて、ものすごい数の音源を持ってるんです。  一時期、漁りまくってました。TSUTAYAの民謡コーナーで何十枚もCDを借りたり、インターネットで1日中民謡のサンプルを探して集めたりしてました。 ──そして『the ERA』をリリースされてから約1カ月が経ちましたが、周囲の反応を受けて、思うことはありますか?  まずTwitterの呟きとか、ライブ会場で直接もらえる声とか、思った以上に反響があったことは本当にありがたいです。そんななかで、やっぱりリード曲にしている“Pick you up”に話題が偏るのかと思っていたら、そんなことは全然なかったことも、めちゃくちゃ嬉しいですね。“いちばん好き”とか“感動した”って言ってくれる曲が、人によって全然違う。それって、たくさんの人たちがアルバム全体を聴いて楽しんでくれてるってことだから。 東 克幸(以下、東) 僕の個人的な趣味としても、同じような曲が並んでるアルバムも統一性があっていいとは思うんですけど、いろんなパターンの曲があるアルバムのほうが好きで、『the ERA』もそういう作品にしたいと思ってたんで、意図したことが伝わってよかったです。

ravenknee - ubugoe(Official Music Video)

──そしてravenkneeと言えばライブ。私は直近で、8月11日に渋谷clubasiaでLucky Kilimanjaroとthe engyを迎えて開催された自主企画を観ました。clubasiaってキャパが300人くらいの会場のなかでは、天井も高くてフロアからも視界を遮るものがないから、すごく広く感じるじゃないですか。そこで感じたのは、演奏する会場が大きければ大きいほど映えるバンドだなって。  めちゃくちゃ大きな場所でライブをしたい想いはずっとあります。実際に“Pick you up”や“Earth”は、何万人もいるライブ会場を想像しながら作ったので、みんなで歌えるメロディやコーラスが入ってますし。じゃあ、そのうえで今やってるライブはどうなのかとなると、まだまだ試行錯誤を繰り返している段階なんですけど、最近はすごくよくなってきたように思います。 一輝 VJがいたことがあったり、CD通りに演奏しようとしたこともあったり、本当にいろいろ試行錯誤しましたし、それはずっと続くんでしょうけど、最近になってひとつ仕上がってきた感触はあります。例えば、専門的な話ですけど、正確なリズムの拍に対して、今までは少し後ろでギターを弾いてたところを、クリックとギリギリの競争をして勝つようなイメージで前に持ってきたことで、明らかに評価が上がったんです。

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──BPMに対して気持ち溜めるよりも突っ込むほうがエモーショナルな感じはします。 一輝 そうですね。あとは僕自身、DJを始めたことも大きくて。 ──曲間を開けずに繋ぐとか? 一輝 それもそうですし、あとは同期ってあらかじめ用意している音源を流す決まったものじゃないですか。そこにDJ的な感覚で、現場の雰囲気に合わせてエフェクトをかけるとか、同期を生き物のように扱うことで、各々の演奏も自由度が高まったんです。そういうことがすごく楽しくて。お客さんからしたら、何がどうなってるのかなんて、明確にわかることではないですけど、その臨場感は確実に伝わっていると思います。 安田 一輝さんと東さんは、そういうときの発想や、普段からやってることや動きが、本当に面白いんです。そこはravenkneeの強みだと思います。

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──東さんはどんなところが面白いのですか? 安田 一輝さんのギターの話にも繋がるんですけど、エレクトロのクリックに対しての位置が独特なんです。リズムに回転が見えるんですよ。  感覚的なことなんですけど、それはすごく意識してます。直線的なエレクトロのビートにたわみをつけるようなイメージです。 安田 僕はそんな東さんならではのビートの回転に、いかにうまく乗っかっていけるかにチャレンジしてるんですけど、すごく難しいです。  僕のことを理解しようとすごく努力してくれるテル(安田)と、ちゃんとロジカルなことを考えて練習する一輝と感覚でやっちゃう僕と、バランスが取れているってことで。 安田 感覚的にすごいことをやってのける東さんと、わからないことはちゃんと説明してくれる一輝さんがいて、そこでベースを弾けていることは、すごく楽しいし、エレクトロと生音を融合させるカッコいいバンドってたくさんいるけど、そのなかでravenkneeだからこそのグルーヴがしっかり立っているんだと思います。

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──リズムやサウンドのデザインが生むそこにしかない時間軸や景色はrevenkneeの特化したポイントだと思います。そしてそういった特徴をまとめあげるフロントマンの祥さんは、ravenkneeの見られ方をどう意識していますか?  “こんなの初めて”って思ってもらえるだけの、曲のパワーとライブ感は味わってもらえると自負しています。日本語のJ-POPとEDMがどっちも半端な形ではなく、ちゃんと炸裂してますね。だからとにかくライブに来てほしいです。 一輝 僕らが提案していることが“最新型”だと思ってもらえるような曲作りやライブをしているつもりだし、余裕でそうなってると思います。音もそうだし、祥くんはフロントマンとしてめちゃくちゃいい。だから、今現在ライブに来てくれている人たちにはすごく感謝しつつ、まだ来たことがない人たちも、さすがにそろそろ来てほしいんですよ。

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──ravenkneeと世代の近いバンドやトラックメイカー、DJたちが仕掛けるシーンも、今すごく面白いと思うんですけど、どうでしょう。  そうですね。gatoとかphaiとか、やろうとしていることが新しくて、カッコいいバンドやユニットが、同じスタート地点にいたことは大きかったです。11月28日(木)に大阪のPangeaでやる自主企画に出てくれるthe McFaddinも、その熱量を共有できていると思いますし、Omoinotakeも前から仲良しだし。 ──何かがうごめいている感じが刺激的で、実際に私自身も遊びに出る回数は増えました。  拡散力も爆発力もある、大きなエネルギーを秘めたシーンが生まれようとしている感じはありますよね。そういう自分たちの居場所があるのはすごくいいこと。でも、そこにいるみんなそうだと思うんですけど、僕たちも活動の幅を決めているわけではなくて、大きなフェスにも、ライブハウスにもクラブにも出たいし、変なこだわりは持ちすぎないようにするべきだとは思ってます。いろんなところに出て、いろんな人たちに届けたい。そうやって、それぞれのやり方でみんなが有名になって、「あの辺ってすごいよね」みたいな感じで言われたらいいですね。 ──そこにある気概はオルタナティブなものですか?もっとニュートラルにポップスターを目指してるんですか?  シンプルにポップスでありたいです。インダストリアルも好きだし、静かなアンビエントや、ピアノだけの曲とかも聴きますし、ポップでなくてもクリエイティブでオリジナルな音楽には憧れます。でも、やっぱりなりたいと思うのはポップスター。 ──チャレンジングに新しい価値観やスタンダードを提示していく姿勢に、すごく惹かれるんです。  ポップスとして、今までに誰も行ったことのないことのない場所を作りたいんですよね。 一輝 ポップスの概念そのものを拡張したいです。

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──その上で、2020年のポップスのフィールドはどうなっていくと思いますか? 一輝 音楽をやること自体がますます簡単になってくると思うんです。いろんな人がいろんな音楽を作れるようになる。生楽器も電子音楽も、トラックメイカーもバンドも、ジャンルも、縦割り構造なんてなくなって、垣根なく縦横無尽に行ったり来たりする流れはさらに進んでいくと思います。 ──ジャンルの流行は10年単位で繰り返すと言いますし、大雑把に振り返っても、確かにそうだと思うんですけど、よく言われているように、もうそのサイクルは切れたと思うんです。アルバム単位で言えば、近年は特に、マルチスタイルの作品がおもしろくなってきていますし。 安田 バンドで言えばThe 1975とかもそうですよね。今年出した新曲だって、めちゃくちゃハードでパンクな曲がきたかと思えば、次は思いっきりUKガラージみたいな。僕がベースを始めた頃は、こんな時代になるとは思ってもいなかったけど、誰もがいろんな曲を聴けて作れる流れはどんどん進んでいくと思いますし、この先、どんな音楽が出てくるんでしょうね。 一輝 作る側の間口が広がって聴く側も含めて多様化することは、ポップスの拡張を考える上でプラスになると僕は思ってます。  バンドサウンドとエレクトロの融合って、言葉では言ってますけど、その概念自体は新しいものでもなんでもなくて。そんな時代だからこそ、個性の強い4人だからこそできる混ぜ方とか、あえてバンドサウンドに振りきるとか、おもいっきりエレクトロな曲を作るとか、歌詞も同じ人が書いているようには思えないバリエーションとか、いろんなことにどんどん挑戦していきたいです。そして2020年はもっともっと大きな会場でライブができるようになりたいと思ってます。 ──そのための橋渡しとなるのが、11月の大阪・pangeaでの自主企画と東京・WWWでの初ワンマン。  まさにそうで、絶対にいいライブにします。

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Text by TAISHI IWAMI Photo by fukumaru

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EVENT INFORMATION

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ravenknee presents<The era of turmoil at OSAKA Shinsaibashi Pangea>

2019.11.28日(木) 大阪・心斎橋Pangea OPEN 18:30/START 19:00 ADV/DAY ¥3,300(+1D) w/the McFaddin、Omoinotake

ravenknee ONE MAN LIVE<The era of turmoil at TOKYO shibuya WWW>

2019.12.05(木) 東京・渋谷WWW OPEN 18:45/START 19:30 ADV/DAY ¥3,300(+1D)

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RELEASE INFORMATION

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the ERA

2019.10.23(水) ravenknee LACD-0301/¥2,273(+tax) 【track list】 1.The era of turmoil 2.ubugoe 3.Pick you up 4.Earth 5.I wanna stay 6.青の魔法 7.AJISAI 8.Turn Around 9.透明な街 10.秒針の鼓動 11.daydreaming -rearranged-

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新生渋谷PARCOのカオスなフードエリア「CHAOS KITCHEN」注目の3店舗をピックアップ

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渋谷PARCO

一時休業から約3年、新生“渋谷PARCO”が11月22日(金)にリニューアルオープン。B1Fから9Fのフロアには、ファッション、アート&カルチャー、エンターテイメント、フード、テクノロジーなどがテーマ別に整理され、多種多様なエンターテイメントが集まりした。

渋谷PARCO

カルチャー発信の中心地として、再び渋谷の象徴的な存在となる渋谷PARCOの中でも、特に目を引いたのはB1Fのフロア。「CHAOS KITCHEN」をテーマに、バーや居酒屋、レコードショップ、ギャラリーなど、まさしく混沌とした空間が広がっています。Qeticでは、B1Fのフロアから、「米とサーカス」「ユニオンレコード渋谷」「GAN-BAN/岩盤」の3店舗をご紹介します。

渋谷PARCO B1F 「CHAOS KITCHEN」

渋谷PARCO
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米とサーカス

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B1Fにある飲食店の中でも、異彩を放つのが獣肉酒家 米とサーカス。このお店では、普段絶対に食べられない特殊な食材を味わうことができます。例えば、カラスとか。

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入口と向かいあう壁には、廃棄物を集めたオブジェが埋め込まれています。オブジェの中央、最もカラフルな箇所は、子供達が手放した宝物の数々。新たにペイント、リメイクされ、華美に輝いています。

渋谷PARCO

お酒のつまみにおすすめは「昆虫の盛り合わせ」のタガメの塩漬け。裁縫ハサミで解剖可能です。店員さんによると、盛り合わせは「イナゴあたりからが食べやすい」とのこと。歯に虫が引っかからないよう、気をつけて食べましょう。他にも仰天メニューが満載です。

渋谷PARCO
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ユニオンレコード渋谷

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ディスクユニオンからアナログレコード専門店となる「ユニオンレコード」が出店。53年前の1967年に、ディスクユニオンの前身として昨年新宿に復活した専門店が、渋谷に登場です。 ロック、J-POPを中心に新品、中古のレコードが揃う本店は「レコードを気軽に楽しめるお店」として、初心者から上級者までその魅力に触れることができます。壁一面にオールジャンルのレコードが展示され、意識をレコードディグに集中させる、隅々まで響き渡る音は、日本を代表するオーディオブランド・Accuphase E-250から。

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また、オープン記念としてken kagami(加賀美健)とのコラボレーショングッズも販売中。“加賀美フォント”で描かれたスリップマット、Tシャツ、トートバッグ、バッジの中でも、赤と黒のカラーリングが象徴的なディスクユニオンカラーはこの店舗のみで購入可能です。

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GAN-BAN/岩盤

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そして、<フジロック>オフィシャルショップのGAN-BAN/岩盤が、進化して渋谷PARCOに帰ってきました。2000年12月当時の渋谷PARCO・クアトロにオープンし、同ビル閉館の2008年まで営業。その後2017年1月に池袋P’パルコに移転し営業を続け、ついに新生渋谷PARCOに移転オープン。 店舗中央にあるのは、相澤 陽介氏(White Mountaineering)によるフジロック・コレクション。公式通販/会場のみでしか購入することができなかったこのコレクションが実店舗販売されるのは初のこと。さらに11月22日(金)のグランドオープンを記念して「フジコレ19 2nd」として、新たにロングTシャツとコーチジャケットがラインナップ。GAN-BAN店頭のみで販売される限定アイテムとなっています。 フジコレ19 2nd<GAN-BAN GRAND OPENING LIMITED ITEM> ・WM printed long sleeves t-shirt ・WM coach jacket

渋谷PARCO

店内のブースにはPioneer DJからCDJの2000NXS2、DJM-900NXS2(ミキサー)が完備。「IBO Bluetooth SPEAKER」が、店舗の四つ角に設置されています。スピーカーは<FUJI ROCK FESTIVAL>の場外にあるGAN-BANブースでも使用されている優れもの。さらに、<フジロック>WHITE STAGEの音響を担当しているトライオーディオの東氏が店内の音響をプロデュースし、まるで<フジロック>会場にいるような臨場感のある音を、新店舗で体感することができます。 また、店内スクリーンには、映画館の上映スケジュールをモチーフにした、ライブ情報をチェックすることができます。

渋谷PARCO
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渋谷PARCO
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そのほか、ビュロー菊地オンラインショップなどで販売されていたFINAL SPANK HAPPYの1stアルバム『mint exorcist』が、渋谷PARCOにあるGAN-BANのみで店舗販売スタート。また、<フジロック>主催、SMASHの日高正博代表が昨年新たに設立したレーベル〈REXY SONG〉のリリース作品が揃っています。渋谷PARCOに訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

渋谷PARCO
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SHOP INFORMATION

米とサーカス 渋谷PARCO店

営業時間: 月〜金:11:00〜15:00 17:00〜23:00 土日祝:11:00〜23:00 無休 電話: 03-6416-5850 総席数: 24席 詳細はこちら

ユニオンレコード渋谷

営業時間: 平日 11:00~21:00 (日・祝 11:00~20:00) 無休 電話: 03-6452-5969 詳細はこちら

GAN-BAN/岩盤

営業時間: 午前11時~午後9時 不定休(パルコ休館日に準ずる) 電話: 03-5422-3536 詳細はこちら

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タイラダイスケ(FREE THROW)× Yuto Uchino(The fin.)対談|「FRIENDSHIP.」が目指す新しいアーティストサポートの形とは?

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FRIENDSHIP.対談

今年5月、〈HIP LAND MUSIC〉がデジタルディストリビューションサービス「FRIENDSHIP.」を始めた。これは、ストリーミング時代のアーティストに向けて、従来レーベルが所属アーティストに提供してきたプロモーションやサポート、ディストリビューションを統合した新しいアーティスト支援サービスだ。 SNSプロモーションやプレイリスト、海外への楽曲配信など、新時代の手法が求められる一方、メジャーデビューやレーベル契約といった従来の音楽シーンの常識がこの数年で激変している。とりわけサブスクリプション登場以降、音源を独自配信するインディペンデントなアーティストを支援する動きが国内でも広がりつつある中で、レーベルに所属せずに楽曲配信からプロモーション、マネタイズを実現する「ディストリビューター」との関係性が注目を浴びている。 ストリーミングを目指すアーティストの理想的なディストリビューターとは何か? そしてプロモーションはどう変化していくのか? その答えを探るべく、「FRIENDSHIP.」でキュレーターリーダーのタイラダイスケと、キュレーターとして参加するThe fin.のYuto Uchinoに訊いた。

FRIENDSHIP.対談

対談: タイラダイスケ(FREE THROW) × Yuto Uchino(The fin.)

━━〈HIP LAND MUSIC〉がなぜ今、デジタルディストリビューションを始めたのか、着眼点が面白いなと思ったのですが、開始までの経緯を教えて下さい。 タイラダイスケ(以下、タイラ) 以前から社内で、送られてきた音源を検討して、アーティストと契約するかを評価する「デモテープ会議」というものがあったのですが、自分は社外の人間としてそれに参加していました。ですが、だんだんとストリーミングにセルフリリースするアーティストが増えてきた中で、いつのまにかデモ音源を聴く会議なのに、アーティストにとって喜ばれるレーベル契約とは、という点について議論する機会が増え始めたのが、そもそものキッカケです。 これまでは、日本でレーベルと契約することは、アーティストにとってゼロか100かの2択から選択するようなものでしたが、でもその中間にも色々な音楽活動の可能性がまだあるはずです。今はインディペンデント・アーティストでも活動の範囲は広がっていますので、もっと柔軟性があるサポートを彼らに提案したいと模索していました。その議論の中で、デジタルディストリビューションを入り口として、自社契約以外のアーティストにも、僕らのレーベル機能やサポート体制をサービスとして開放していこうと考えました。 ━━アーティストの立場としてYutoさんはFRIENDSHIP.の立ち上げをどうご覧になっていましたか? Yuto Uchino(以下、Yuto) The fin.の活動初期にはCDでリリースしていましたけど、YouTubeやSoundCloudでも配信したし、The fin.の領域は元々デジタルの世界なんですよ。しかし、日本の音楽業界はレーベルもディストリビューターもCD販売を軸に動いている。だから、新曲のリリースを最重要視する風潮は昔から変わりがないんです。でも、誰もがセルフリリースできる時代に、その構造は壊れていると思うんですよ。そしてレーベルと契約するメリットとは何だろうと常に考えますね。 だから、俺らのような存在にとって、FRIENDSHIP.のようなレーベル機能の個別提供の組み合わせが、アーティストが現実的に望む活動を支援する理想なモデルだと思います。作品へのプレッシャーも無いし、参加するメリットも大きい。日本と比べると、海外はアーティストに自由がある環境が充実して、それがメインストリームな音楽活動の根幹でも根付いている。だからFRIENDSHIP.は日本の中でも、先進的なサービスだと思いました。

FRIENDSHIP.対談

━━ストリーミングに配信する場合、日本でも数々のディストリビューターが利用可能ですが、FRIENDSHIP.の特徴とは? タイラ FRIENDSHIP.はレーベルではありませんが、レーベル機能を持ったデジタルディストリビューターです。デジタルリリースを前提に、個人の手の届かない部分をサポートするのが狙いで、日本でもあまり例がないアーティストサービスだと思います。本来レーベル機能はクローズドな領域で、外部との共有はNGじゃないですか。でも、FRIENDSHIP.ではアーティストにノウハウや手法をオープンにします。こうしたやり方も日本の音楽業界や次世代のアーティストにとってプラスになるのではないかと思っています。 もう1つ思うのは、FRIENDSHIP.の発案者がThe fin.のマネージャーの山崎さんだったことで、音楽ストリーミングや海外活動を軸にするアーティストの一番近い所にいて、海外の状況を理解する人からの案だったのは大きいですね。 ━━FRIENDSHIP.は誰でも登録すれば利用できるわけではなく、キュレーターが音源を選びリリースするシステムです。選考基準では何を意識していますか。 タイラ 選考基準に関しては、今までの日本の音楽業界とは違う軸で評価しなければいけないと思っています。アーティストの活動パターンも多様化していますしね。例えば今は国内でも多種多様なフェスがあって、それはアーティストにとって大事なチャンスだとは思うんです。でも、大きいフェスに出る場合はそのフェスとの相性が問われるじゃないですか。 逆にそれ以外のジャンルのアーティストはフェスという意味だけで言うとチャンスが限られてしまうともいえますよね。なのでストリーミングで聴いてもらうという違う文脈で素晴らしいサウンドのアーティストにちゃんと光が当たったら良いなとも思っています。なのでジャンルは固定とかは無く、色んなジャンルのアーティストをサポートしたいですね。

FRIENDSHIP.対談

━━リリースを決めるキュレーターをアーティストが担当するのも新しいですね。 タイラ ディストリビューターですがレーベル的なカラーがあるのが良いなと。もっと言えば、カッコいい音楽だけやりたいんですよ(笑)。でも、自分たちが考える「カッコいい」の基準が外部から全く見えないとダメじゃないですか。なので、Yuto含めて音楽を俯瞰して評価できるアーティストたちに参加してもらうキュレーター制を導入しました。現在9名いますが、それぞれ異なる意見を持ち寄ってくれるので評価基準も広いですね。 Yuto アーティストとしてキュレーターをやるのはとても面白いですよ。年齢やジャンルも様々。予想していなかったジャンルの音源もあるし、新しい発見があって楽しいですね。 タイラ 特に、Yutoたちアーティスト陣は制作過程や音楽性、完パケのイメージなど、点ではなく面で楽曲を聴けることが評価では大きいんです。 Yuto 曲を聴く時は「ここを良くすれば、化けるな」とか。鳴ってない音をイメージしながら、伸びしろの部分を考えています。でも、キュレーター全員それぞれの考えは違うので、意見は必ず分かれますよね。 タイラ 満場一致はないですね(笑)。ただ、評価は多数決では決めないんですよ。送られてきた音源はキュレーター全員で全部聴きますし、1人でも良いというキュレーターがいれば、リリースされる場合もありますね。 ━━新人アーティストや面白い楽曲は見つかりましたか? タイラ 例えばヒップホップは、〈HIP LAND MUSIC〉では今まで強く取り組んでこなかったジャンルですが、Wez Atlas君のようなアーティストもFRIENDSHIP.であれば配信できるのは、今までのアーティスト契約のみという形からの大きな変化ですね。ヒップホップ好きなキュレーターも多いですし。

VivaOla, Jua, Wez Atlas - "Vise le haut"

他に、LITEはFRIENDSHIP.でディストリビューションしているバンド「んoon」を企画に誘ってライブをやっています。LITEの井澤君もキュレーターの1人ですし。今後もジャンルは絞らずに沢山アーティストは出したいですね。 ━━ストリーミングの再生データやトレンドを分析して、市場の需要に適した楽曲を作るアーティストも最近は存在感を示していますね。 Yuto でも、例えば日本の音楽シーンは欧米のトレンドを後追いしている訳だから、SpotifyやApple Musicで海外のヒットを常にウォッチしておけば、日本に上陸した時にすぐ楽曲制作ができて稼げるはずです。こういう制作手法は、J-POPの作り方とも共通点を感じました。だから音楽プロデューサーでもデータを重要視する人が増える時代になると思います。 俺は再生数やデータは理解しているけど、自分が作りたいものをこだわって作るから、数字はあまり気にしないですね。 タイラ FRIENDSHIP.のアーティストの場合、マネージャーもスタッフもいない場合が多いから、本人が全てを管理するのが大事ですよね。でも、The fin.の場合はマネージャーの山崎さんがちゃんと見ているからね(笑)。 Yuto 俺が「気にしない」って言うのはあまり正しくないですね(笑)。

The fin. - Gravity (Official Video)

━━今後FRIENDSHIP.で実現したいアイデアはありますか? Yuto 今思いついたアイデアですけど(笑)。参加アーティスト限定のパーティーとか、出会いの場所を増やしたいです。この中からコラボ作品が生まれてきて欲しい。さらに面白いアーティストが集まりやすくなると思うんです。ディストリビューションの定義に縛られず、表現者同士が集まれるハブになっていけば面白い。お互いを刺激し合ってコライトしたりコラボしたりすることが大事だと思います。 タイラ 確かにね。ハブ的な機能を持つことは今後重要になるはずです。人のネットワークが蓄積できれば、FRIENDSHIP.を通じてさらに一歩踏み込んでアーティストの悩みを解決して、楽曲制作や音楽活動を細かくサポートできると思っています。

対談の中で「FRIENDSHIP.」の理想がディストリビューションを越えたアーティストサービスである事が、何度も強調されたことが印象的だった。こうしたサービスは既に海外の音楽シーンでは常識となった。フェスのヘッドライナーを飾るヒップホップやロック、ポップスの著名アーティストから、バイラルヒットを実現する無名の新人まで、あらゆる国やジャンルで活用が進み、レーベルの影響力を持たずして数々の成功と、斬新なクリエイティブを世に残している。この流れは、今時代におけるアーティスト活動の新たな選択肢なのだ。 そして「FRIENDSHIP.」が示すビジョンもまた、日本のインディペンデント・アーティストにとって新しい標準を作っていくだろう。

Curated by FRIENDSHIP.

Photo by Haruna Aoi Text by ジェイ・コウガミ

FRIENDSHIP.対談

FRIENDSHIP.とはカルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽をデジタル配信する新しいサービス。 世界中から新しい才能を集め、それを世界に届けることが私達のできることです。 リスナーは自分の知らない音楽、心をうたれるアーティストに出会うことができ、アーティストは感度の高いリスナーにいち早く自分の音楽を届けることができます。

To Listener

FRIENDSHIP.の毎週更新されるキュレーターのプレイリストには、国内外・新旧問わず、キュレーターがいま届けたい、聴かせたい音楽が詰まっています。 Apple MusicやSpotifyなどのストリーミングサービスを通して、あなたの元に音楽を届けます。 そのほかキュレーター達が企画した音楽イベントなども開催し、新しい音楽との出会いの場を作っていきます。

NEW RELEASEPLAYLIST

To Artist

FRIENDSHIP.は世界187か国へのデジタル配信を通し、あなたの音楽活動をサポートします。 FRIENDSHIP.に参加したいアーティストは、 ぜひあなたの楽曲をキュレーターにサブミットしてください。 届いた楽曲はキュレーターが責任をもって全て聴き、審査をします。 審査を通過したアーティストは楽曲を配信するだけでなく、デジタルプロモーションもサポート。 また、音楽プロダクションHIP LAND MUSICのインフラを活用した 様々なオプショナル・サポートも利用可能。 アーティストのニーズに応じてのサポート内容をチョイス、アレンジする事で、 あなたの理想の音楽活動をFRIENDSHIP.がサポートしていきます。

01.DIGITAL DISTRIBUTION

FRIENDSHIP.対談

あなたの音楽をキュレーターがフィーチャーし世界に届けます。 世界187か国の音楽配信サービスにて配信。固定費用はかからず、売上入金額の85%をお戻しします。

02.SALES & PROMOTION

FRIENDSHIP.対談

あなたの音楽を宣伝します。 ウェブメディアへの情報発信やストリーミングサービスのプレイリストへのアプローチなどのデジタルプロモーションをはじめ、雑誌/ラジオなどの一般メディアへの個別プロモーション(オプション)など、アーティストと楽曲をより露出させ、新規ファン/リスナーの開拓を行います。

03.CREATIVE SUPPORT

FRIENDSHIP.対談

あなたの音楽活動をサポートします。 上記のほかに、パブリッシング(配信楽曲の出版管理)、海外プロモーション/海外ライヴブッキング、CDやマーチャンダイズの製造サポートなど、アーティストのニーズにあわせて様々なバックアップオプションをご用意しております。

詳細はこちら

FRIENDSHIP.対談
タイラダイスケ(FREE THROW) DJ 新進気鋭のバンドと創り上げるROCK DJ Partyの先駆け的な存在であるFREE THROWを主催。 過去3枚のコンピレーションアルバムのリリースや、川崎で開催されているオールナイトロックフェス「BAYCAMP」のDJブースのディレクションを担当するなど、パーティーの枠を超え、活動は多岐に渡る。 DJ個人としても日本全国の小箱、大箱、野外フェスなど場所や環境を問わず、年間150本以上のペースで日本全国を飛び回る、日本で最も忙しいロックDJの一人。 過去にはライブハウス新宿MARZの店長/ブッキングマネージャーも務めた。

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The fin. 神戸出身、ロックバンドThe fin. 80〜90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせが殺到している。The Last Shadow Puppets、Phoenix、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、<FUJI ROCK FESTIVAL>、<SUMMER SONIC>などの国内大型フェス始め、アメリカの <SXSW>、UKの<The Great Escape>、フランスの<La Magnifique Society>、中国の <Strawberry Festival>などへの出演、そしてUS、UK、アジアツアーでのヘッドライナーツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。また8/25(日)からはバンド自身最大規模となる中国で全13公演15,000キャパシティ(全公演SOLD OUT)のツアーを行った。

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RELEASE INFORMATION

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Wash Away

The fin. 配信中 01. Come Further 02. Crystalline 03. Gravity 04. When the Summer is Over 05. Melt into the Blue 06. Wash Away [Format] DIGITAL DOWNLOAD/STREAMING

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EVENT INFORMATION

FRIENDSHIP.対談

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2019年11月29日(金) 心斎橋ANIMA GUEST: ANCHORSONG OPEN 18:30/START 19:00 ADV ¥3,600 (Drink代別) チケット発売中 詳細はこちら

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TAKKYU ISHINO、D.A.N.らが集う<GAN-BAN NIGHT>がいよいよ来週開催!デビューライブ以来2度目のパフォーマンスとなるTHE ALEXXからコメントも

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GAN-BAN NIGHT
11月22日(金)にリニューアルオープンしたばかりの渋谷PARCO。すでに街を賑わせているこの巨大ショッピングモールのオープンを記念したイベント<SHIBUYA PARCO presents “SHIBUYA COMES ALIVE!”@ SHIBUYA CLUB QUATTRO GAN-BAN NIGHT SPECIAL>(以下GAN-BAN NIGHT)がいよいよ来週12月2日(月)に開催される。

TAKKYU ISHINO、D.A.N.、FINAL SPANK HAPPYらが登場!

フジロック・オフィシャルショップとしてお馴染みの「岩盤/GAN-BAN」は、2000年12月当時の渋谷PARCO・クアトロにオープンし、同ビル閉館の2008年まで営業。その後渋谷パルコ・パート3に移転し、2016年渋谷パルコ閉館まで営業。2017年1月に池袋P’パルコに移転し営業を続け、ついに新生渋谷PARCOに帰館し、11月22日に館と同時にグランドオープンを果たしている。 そんな「岩盤/GAN-BAN」のオープンも祝う本イベントには、<FUJI ROCK FESTIVAL ’19>(以下フジロック)のGAN-BAN SQUAREステージにもラインナップされていたTAKKYU ISHINOD.A.N.(DJ SET)FINAL SPANK HAPPYに加え、今年の<フジロック>でデビューライブを敢行し、注目を集めたバンドTHE ALEXXも登場することに!(2日目のGAN-BAN SQUAREは中止)
GAN-BAN NIGHT
TAKKYU ISHINO
GAN-BAN NIGHT
D.A.N.(DJ SET)
GAN-BAN NIGHT
FINAL SPANK HAPPY
GAN-BAN NIGHT
THE ALEXX

THE ALEXXのメンバー、Eiji Sugiuraから<GAN-BAN NIGHT>に向けたコメントも

台風の影響で惜しくも中止となった<朝霧JAM 2019>で、2度目のパフォーマンスを披露する予定だったTHE ALEXXは、奇しくも渋谷PARCOのグランドオープン日と同じ11月22日に記念すべきデビューアルバム『VANTABLACK』をリリース。<フジロック>でも魅せたミステリアスで妖艶な魅力をたっぷり詰め込んだ本作に、数多くの著名人からも絶賛の声が届いている。

THE ALEXX -Beatwave

▼合わせて読むデビュー前にも関わらずフジロック出演を果たしたTHE ALEXX、11月22日リリースのデビュー作より「Beatwave」MVが公開 新たな先行曲「Daisy」が配信開始 そんなバンドの中心人物であるEiji Sugiuraからコメントが到着! 自身の作品に込めたコンセプトや今回の<GAN-BAN NIGHT>に向けての意気込みを語っている。
-すでにDJ・SUGIURUMNとしての地位も確立されているSugiuraさんですが、THE ALEXXの結成の経緯、またどのようなビジョンを描いての“バンド”結成なのかをお聞かせください。 SUGIURUMNとして作品をリリースしてから、今年でちょうど20年で、自分の中で一周回ったように感じました。先に言っておくと、新しいことを始めたからといって、DJをやめるつもりはありません。 ただ音楽家として自分には爆発するような新しい冒険が必要でした。それがバンド、THE ALEXXでした。 SUGIURUMNが始めた新しいバンドっていう情報は、THE ALEXXの音楽を聴いてもらう際にリスナーにバイアスをかけてしまう恐れがあると思っています。ただしこの時代に本当のことを隠し通せる筈もなく、そんなことは最初から無理だったし、入り口はなんでもいいから、このTHE ALEXXというバンドの最初のアルバムを聴いてもらいたいです。THE ALEXXという新しいバンドの新しい最初の作品であることは正真正銘の本当のことで何一つ隠すことも嘘もありません(笑)。アルバムのクレジットを見て頂ければ書いてありますが、メンバーはELECTRIC GLASS BALOONを一緒にやってた筒井くんと、SUGIURUMNの曲で一番多く歌ってくれたシンガーのTontonの3人です。 -アルバム全体を通して、バンドサウンドと四つ打ちの電子音楽のリズム感、さらにzAk氏によるミックスにより奥行きも感じられるスピリチュアルで幻想的なメロディが紡がれている印象を受けました。そうしたミステリアスな印象もある本作にはどのようなコンセプトがあったのでしょうか?また自身で監督された「Beatwave」のMVもについてもお聞かせください。 レコーディングは毎回、アイディアを一切持ち込まず、全てその場のインスピレーションで、曲順通り、全てゼロから作曲して録音しました。音楽優先で、誰がどの楽器を演奏するのも自由にしました。1年半近く作業をして、最後はzAkさんが素晴らしいミックスをしてくれました。 「Beatwave」のMVは花咲か爺さんみたいなイメージで、ビートとメロディーでDNAが爆発するイメージです。 -<フジロック>では、楽曲のイメージとも相関するように、アシッド感を演出する照明や目の周りを縁取ったメイクなど、異次元な空間作りが印象的でした。12/2は会場も変わり、屋内でのパフォーマンスとなりますが、どのような演出を考えてらっしゃいますか? <フジロック>でのライブはご存知の通りTHE ALEXXの所属レーベルでありマネージメントでもあるREXY SONGの大ボスの日高さんのフェスで、ボスの豊間根さんが運営する岩盤スクエアステージだったので、思いついたことは全て試すことができました。 フジロックで誰も知らないバンドが、誰も知らないオリジナル曲だけで90分のライブをやるという、まさに僕たちの最初の冒険でした。初めてのライブでしたが、上手くいったこともあるし、思っていた感じとは違った感覚もありました。シングル3曲を配信リリースして、初めて公式に一般的なお披露目ライブと位置付けていた朝霧ジャムが中止になってしまったので、12/2は、THE ALEXXの 2回目のライブにしてアルバムリリース後の初のお披露目ライブとなります。イベントなので特別な演出は考えていませんが、素晴らしいラインナップなんで、いいパフォーマンスを見せたいですね。アルバムの曲もアレンジを加えて演奏します。REXY SONGのスタッフチームもフジロックの時のような好き勝手感はこのバンドの魅力だと言ってくれていますので、THE ALEXXという新人バンドの傍若無人な2回目のライブを是非見に来てください!
彼らの2度目のパフォーマンスもさることながら、強力なラインナップによる本イベントは興奮必至! みんなで渋谷PARCO再誕を祝って、盛り上がろう!

EVENT INFORMATION

SHIBUYA PARCO presents “SHIBUYA COMES ALIVE!”@ SHIBUYA CLUB QUATTRO GAN-BAN NIGHT SPECIAL

GAN-BAN NIGHT 2019.12.02(月) OPEN 18:00 / START 19:00 ¥3,800(D別 ※当日入場時にドリンク代¥600)  

TIME TABLE

18:00 OPEN

19:00 THE ALEXX

20:00 FINAL SPANK HAPPY

21:00 D.A.N. (DJ SET)

22:00 Takkyu Ishino

23:30 CLOSE

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【25’s view】岩渕 想太|25人の25歳へインタビュー

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岩渕想太

「大人でもなく子供でもない。じゃあ私たちは何者なんだろう。」

人生の分岐点といわれる25歳 その節目に何を感じているのだろうか?

写真家・三澤亮介が 25人の25歳に「いまの答え」をインタビューし 写真に記録する連載シリーズ。

第12回目となる今回登場するのは、岩渕 想太

25's view 岩渕 想太

岩渕想太

──自己紹介をお願いします。

パノラマパナマタウン、ヴォーカル&ギターの岩渕想太。 福岡北九州商店街出身、神戸経由。もうすぐ25歳です。

──25歳の今どんなことを感じていますか?

いまは、落ち着けるようになりました。 今回のアルバムを作ったのがちょうど25歳で、ずっとガムシャラにやってきました。 今もそういう熱い気持ちはあるけど、ガムシャラな分、見落としていたこともありましたね。 たとえば、バンドが成功するロールモデルみたいなものに、 自分たちもはまっていかないといけないんじゃないのかな、とか。 みんながやっていることをやらないといけないんじゃないのかな、とか。 そこを頑張らないといけないんじゃないのかな、と思っていました。 6年前からバンドを組んでいますが、 年齢の低い時からフェスに出演したり、レーベルに入って揉まれていました。 最初に全国流通盤をリリースしたのも20歳になるかならないかの頃くらいで……。 結構、早いタイミングで色んなことが決まっていったんです。 これまで自分たちも変わっていく周りの環境に、 飲まれてしまっていたけど、それが俯瞰で見れるようになってきました。 情熱や熱い気持ちはコンパクトに。 もっとやりたいことをやって良いんだ! と思うようになったんです。 昔は熱い気持ちの使い方が、”バンドにならなきゃ!”とか、 “ロックバンドのやり方に合わせなきゃ!”という方向に動いていたんですけど、 いまはその気持ちを自分たちの夢とかやりたい音楽に注げるようになりました。 いま必要なものはこれじゃなくない? とか、 自分たちで選択できるようにもなってきた気がします。 最初は遊びでバンドを始めて、それが楽しい! と思っている中、 オーディションに受かって、レーベルに入って、遊びを忘れていきました……。 ”4人だけの楽しさ”みたいなものを忘れていった時もありました。 だけど、いまのタイミングになって、その気持ちに立ち戻れる様になってきたんです。 メンバーは全員同級生なんですけど、みんなすごくキャラが濃い(笑)。 一生一緒になるとは思わなかったけど。 いまは一緒になって良かったし、一生一緒にやっていきたいと思います。

岩渕想太
岩渕想太

──あなたがいま持っている、生きていく上での覚悟を教えて下さい。

『自分が傍から見て面白いと思えることをする』ですね。 作曲にしても作詞にしても、活動にしても、 昔から、自分の中にある”面白い”の基準はブレていません。 けど、いざ活動するとなると色んな人からの意見がありますよね。 特にメジャーという場でやる中では。 メンバー4人で活動していると4人の意見があります。 でも、そこでは自分が“面白い”と思うことをチョイスします。 これまでもずっとそうでしたし、これからもそうでありたい。 僕にとって生まれて初めて組んだバンドがこのバンドなんです。 初めて音を合わせた瞬間の感動をすごく覚えていて、その衝撃を忘れたくありません。 だからこそ惰性でやったりとか、なんとなく決まってきた型には絶対にはめたくないんです。 自分が ”面白い!”と思うという、 一番素直なエンジンを殺したくないです。

岩渕想太

──座右の銘は?

『一石零鳥、積み重ねていつか百鳥』 中学校の時に美術の授業で、 座右の銘でタイルを作る時があったんですけど。 全員が真面目な座右の銘を書いている中で、僕は「一石二鳥だ!」と思って、 それを作って以来、座右の銘を「一石二鳥」にしています……。 けど、案外うまく行かないことが多くて、 「一石零鳥」みたいな人生になっていますね……。 その零鳥を積み重ねていって、 いつかは百鳥をGETするみたいな人生を狙っているけど……。 というか、これいいですね! じゃあ、『一石零鳥、積み重ねていつか百鳥』で! 零鳥をいくつ積み重ねてもずっと零になるんですけど、 いつかいきなり百鳥が現れるみたいな。 でも本当にそんな気がします。 だって効率よく生きるって中々できなくて。 うまく整理がつかないことばかり。 でも、いつかそんな瞬間が来る気がするんですよね。

岩渕想太
岩渕想太

──最後に、5年後の自分へ一言お願いします。

30歳になってもワクワクできているか否か。 ワクワクしていて欲しいし、 ワクワクしないことをやって欲しくはない。 と、すごく思います。 どんどん感動することは減っていくし、感動に慣れてもいくだろうけど、 それに慣れてほしくないなと思います。 あとは、新開地野外公園で野外ステージ作りたいです。 この間、神戸にある「太陽と虎」というライブハウスの店長とも話したんですが、 これは大学生の頃からの夢なので、絶対叶えたい、と思いました。 神戸の新開地という街は、僕の出身の北九州と似ています。 中心地から離れていて、商店街に人とかも少なくて、寂れた飲み屋ばかりの街ですけど。 そこに1日だけ若い人たちが溢れて、野外ステージでライブする日を作りたいです。 それが30歳までに叶えたい夢ですね。 パチンコ打って、酔っ払っているおっさんしかいない。 マジでヤバい街ですけど(笑)。

岩渕想太
岩渕想太

パノラマパナマタウン

福岡、広島、大阪、神戸と、それぞれ出身の異なる4人が、神戸大学の軽音楽部で集まり、結成されたオルタナティヴロックバンド。 バンド名に特に意味はない。 ロックとヒップホップ両方に影響を受けた、熱いライブパフォーマンスと独特なワードセンスを武器に奔走する4人組。 高笑いしながらシーンのちゃぶ台をひっくり返すことを目論む。

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三澤 亮介

1992年生まれ。福井県出身。 ストリートカルチャーへのアプローチと新たな表現を求めて、NYやLAでのスナップから、フォトグラファーとしてのキャリアを開始。 帰国後は、アーティトや俳優のポートレート、ファッションフォトなどで活動中。 写真家としても渋谷西武×HIDDEN CHAMPION主催の、"POP&STREET展 -AN ANNUAL- 2018”への選出や、 来年1月には、”FILA”から「RyosukeMisawa×FILA」フォトコラボアイテムが発売されるなど、精力的に活動を行なっている。

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岩渕想太

New Mini Album

2019.11.13(水) パノラマパナマタウン AZCS-1087 ¥1,800(+tax) ストリーミング/ダウンロードはこちら

EVENT INFORMATION

パノラマパナマタウン『銀河探索TOUR 2019-2020』

2019.11.30(土) OPEN 17:30/START 18:00 広島 CAVE-BE GUEST: MOSHIMO 2019.12.01(日) OPEN 17:30/START 18:00 福岡 DRUM SON GUEST: MOSHIMO 2019.12.06(金) OPEN 18:30/START 19:00 金沢vanvanV4 GUEST: ニガミ17才 2019.12.13(金) OPEN 18:30/START 19:00 札幌SOUND CRUE GUEST: マイアミパーティ 2019.12.15(日) OPEN 17:30/START 18:00 仙台LIVE HOUSE enn 2 nd GUEST: ニガミ17才 2020.01.13(月・祝) OPEN 17:15/START 18:00 大阪BIGCAT ワンマン公演 2020.01.19(日) OPEN 17:15/START 18:00 恵比寿LIQUIDROOM ワンマン公演 TICKET ¥3,300(1ドリンク別)

チケットぴあイープラスローソンチケット

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Girlpoolインタビュー|“私たちは2人でひとつ“ 彼らが奏でるサウンドに秘められた思いを紐解く

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高校在学中から活動を開始し、最新作『What Chaos Is Imaginary』でサウンド、キャリアの両面において更なる飛躍を遂げたLAのインディー・ロック・デュオGirlpool(ガールプール)。ベース/ボーカルのハーモニー・ティヴィダッドとギター/ボーカルのクレオ・タッカーの2人からなるこのデュオは、2014年にセルフ・タイトルのEPをリリースして以降、常に進化を続けている。 すでに3枚目となる今回のアルバムは、キャリアとは裏腹に20代前半の無邪気さやあどけなさを残った内容に。昨年、性転換のためのホルモン治療を開始し以前とは違う声になったクレオ・タッカーのボーカルや、結成以来初めて離れた場所で生活し別々に作曲に臨んだことで、今回のアルバム制作には様々な試みが取り入れられている。そんな2人の成熟がサウンドと歌詞の両面を通して感じられた。 初の来日公演となった今回は、最新アルバムのイメージとは打って変わって、メンバーの2人だけというミニマルなセットに。曲によっては互いの楽器を交換しながら、和やかな雰囲気で進行していくステージ。最小限の音で奏でられることでメロディー・ラインがいっそう美しく響き渡り、駆けつけたオーディエンスを魅了する至福の時間が流れていた。 初のジャパン・ツアーを成功させた彼らに、結成の場所から最新作に込めた思いまでを語ってもらった。インタビュー内でもあった彼らの「2人でひとつ」という言葉に疑いはない、と思えるほど親密な彼らの姿は、気取らない中にもピュアな熱情が宿るサウンドを裏付けるようであった。

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Interview:Girlpool

──まずは2人が音楽を始めたきっかけを教えてください。 クレオ・タッカー(Gt.&Vo. 以下、クレオ) 8歳ぐらいだったと思うんだけど、その頃ギターを弾き始めて、毎週火曜、学校終わりにギター教室にも通っていて。それでものすごく夢中になったんだ。 ハーモニー・ティヴィダッド(Ba.&Vo. 以下、ハーモニー) 歌うことに興味があって、子供の時に合唱団にいたのが最初かな。13歳のときに、叔父さんが私の名前の入ったギターをプレゼントしてくれたことがきっかけでギターを弾き始めた。今でも持っているよ、修正液で名前がペイントされたギターなんだ。 クレオ クールだね。 ──2人ともかなり幼少期から音楽に触れていたんですね。バンドを組むことになるのは自然な流れだったんでしょうか? クレオ もともとティーンエージャーの時は別々のバンドをやっていて、その後ライブで出会って一緒にやることになったんだ。 ──お2人はLAのThe Smellという場所で出会ったと聞いたのですが、その場所とそこにあるコミュニティについて教えてくれませんか? ハーモニー The SmellはとてもDIYなスペースで、お酒を飲む場所もないようなところだよ。だから、ティーンエージャーとか若者が多く集まっていたんだ。だけど、大人もいたし、どんな人でもウェルカムな場所でクールだったわ。素晴らしいコミュニティよ。昔、私もそこでボランティアとしてライブのブッキングをしていたの。そこで、演奏したり働いたりすると若い自分でも自立できていると感じることができた。The Smellは私たちを啓蒙してくれるような場所だったわ。 ──インターネットが発達してリアルなコミュニケーションがなくても社会が成り立ってしまう今だからこそ、そういったDIYのコミュニティという存在は価値を持つと思います。ワールドツアーを回るようになった現在でも、そういったDIYのコミュニティと関わっていきたいと思いますか? クレオ もし自分たちだけで決めることができるのなら、もっとクールで小規模のライブをやりたいけど、今は色々ルールが増えて、チケットの売上げとかの関係で決まった場所で決まった時間にしかライブができなかったりする。 一緒に仕事をするチームができて、人数も増えると動く金額も大きくなってくるし、どんどん難しくなってくるけど、メンタリティの部分ではDIYであり包括的でありたいと意識してる。ライブを観に来てくれる人には、みんな心地よくいてほしいね。

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girlpool

ハーモニー DIYは人に力を与えてくれるものだと思うけど、社会には私達にそう思わせてくれないことがたくさんある。少なくともアメリカの社会の中では「私はなにかを大きいものを作り出すことができる」って考えることは難しいの。ルールや政治、社会が目の前にあって「大学にいかなくちゃいけない」「何かを創造することは難しい」って思わされたり、乗り越えないといけないものがたくさんある。今の産業界の構造は人々から力を奪っていくと思うわ。 DIYがすばらしいのは、人がすぐそこにいて、皆つながっているから、何かを作れば人前にすぐ出せるし、ブッキングすればすぐに実現できること。今はソーシャルメディアが大きくなっているからこそ、コミュニティや居場所をつくり続けることはとても大事なことだと思うの。 例えば、Facebookが流行った時に自分がものすごく孤立しているように感じた一方で、DIYなコミュニティやライブに遊びに行くと、そこにはリアリティや実体があった。まさにいま目の前で起こっていることを直接見たり、誰かと一緒に何かを作ったりすることこそが私自身にいろんなものを与えてくれたの。おかげで色々変われたし、心理療法みたいなものね。脳が回復したわ。

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──昨晩のステージでは、ふたりの姿がとても近い存在に思えて、そういったところにDIYのメンタリティが表れている気がしました。次に、新しいアルバムについてお伺いします。今回のアルバムではこれまで以上に様々な楽器が使用されていますが、アレンジに関してはどのように決まっていったのでしょうか? クレオ 今回のアルバムに収録されているほとんどの楽曲は、別々にデモを作ったんだ。部屋でシンセをいじってギターを弾いて完成したデモを聞くと、お互いのことはもう知り尽くしているし、理解しているからどんなサウンドでどんな完成形に向かっていくのかが大体わかる。デモ曲の段階で2人ともほぼ完成に近い状態で仕上げるから、もし変えたいところがあったら「これの代わりにこれはどう?」みたいに提案するくらい。でも、いろんな楽器があるスタジオにいる時は、かっこよさそうな音をどんどん足していったよ。

Girlpool - Full Performance(Live on KEXP)

──今回クレオはテストステロンによるホルモン治療をおこなっていたそうですが、治療による声の変化は作曲やアレンジに影響はありましたか? クレオ 声が変わるにつれて声の出し方を学ぶ必要はあったけど、作曲に関してはハートだからね。髪色が違っても中身は同じ人間なのと同じさ。 ──作詞作曲をする時に、何からインスピレーションを受けますか? ハーモニー いま目の前で何が起こっているか、コンセプト、アイディア、感情とかすべてよ。人生って曲に書けることで溢れていると思うの。何かを遮断することはしないわ。逆に人生ではありえないようなことだって美しいしね。 ──なるほど。ライブで聴かれることやアルバムを通して聴かれることを想定して制作するんですか? それとも感情を表現することを最優先しますか? ハーモニー なにかアイデアがあって曲を作るのも楽しそうだけど、私はあまりやらない。その時々で私にとってリアルなものを書くことが多いの。

Girlpool - "Minute In Your Mind"

──今回のアルバムは、全体を通してとても綺麗な流れがあるように感じました。これまでの作品と新しいアルバムを比べてどう感じますか? ハーモニー ただ単純に、作品ごとにその時、私達がいた場所が表れているんだと思う。私達はその曲を作っている側だから作品の外側には住んでなくて、だから自分の作品を客観的に評価するのは難しいんだよね。 クレオ そうなんだよ。例えば自分に甥っ子がいて、6歳のときに一度会ってから10年越しに16歳になったその子にまた会うとこっちは「わお!」ってなるけど、本人からしたら「なに?」って思う。だって、本人は毎日鏡で自分のことを見ているからね。音楽も同じで、アルバムを聞いたら、甥っ子に「大きくなったねえ!」って思うみたいに「全然違って聞こえる!」って感じ(笑)。 ──表題曲“What Chaos is Imaginary”の一説《Build Yourself Some Boundaries》はお互いの個性が強調された今回のアルバムを象徴するような歌詞かと思います。「自分が自分であること」というのが2人の中でこれまで以上に重要になっているのでしょうか? ハーモニー 「Boundaries(境界線)」にはネガティブな意味合いがあるけど、その言葉にはちゃんと意図があるの。世の中には「あなたはこうあるべき」「あなたはこうなりなさい」っていうステレオタイプのようなものになぞって、あるべき姿を期待されることってあるでしょ。この一節はそのことを歌っているの。 私達は世の中に決められた何かをやるべきだと教えられて、自分が望む方へ探求させてくれない。だから、「Boundaries」は人間関係でも大事だし、時にはためになると私は思っている。「Individuallly(個々に、個別に)」であるというのも私達にとって、とても大事なことだと思う。いまこうして私達が飲んでいる飲み物が違うのだってそう。 クレオ 違っていいんだよ。私達は2人でひとつだけど、それぞれ独立している。

Girlpool - What Chaos Is Imaginary(Live on KEXP)

──今回のアルバムの制作にあたって、2人は初めてLAを離れて、別々の場所で生活したそうですが、楽曲との向き合い方やお互いの関係性に変化はありましたか? クレオ そうだね、でもすごく落ち着いていたよ。何かを目論んだわけでも、ドラマチックな展開があったわけでもないし普通に生活して、ツアーもたくさん回って、西海岸にも長くいたんだ。とにかく、それまでが忙しかったから、お互いのアパートでそれぞれが曲を書いていたっていうだけ。それから、お互いに曲を聞かせあって、いい曲が何曲か溜まったから「また集まってアルバム制作に取りかかろうよ」ってね。 ──かなり自然なことだったんですね。 NYとフィラデルフィアでの生活はそれぞれどうでしたか? 2人 楽しかったよ(笑)。 クレオ 騒がしいし、賑やかだったね。NYでは毎晩、街に繰り出していたよ。 ハーモニー 私もフィラデルフィアではそうだった。いろいろなことが違っていたよ。 クレオ LAも都会ではあるけど、どっちも好き。でもやっぱり地元っていうのは特別で、つながりも感じるからホームって感じがする。

girlpool

──今作も前作『Powerplant』と同様に〈ANTI Records〉からのリリースですが、レーベルメイトとの交流などはあるのでしょうか? クレオ 交流はあるよ。ずっと忙しかったからあまり会えてないけど、会おうと思えばもっと会えると思う。レーベル内で出会ったアーティスト達はみんな良い人達だったよ。ウィルコ(Wilco)とはツアーをするよ。 ──その他に仲の良いミュージシャンはいますか? クレオ 親しいアーティストは結構いるよ。ジェイラ・トンプソン(zsela thompson)は素晴らしいアーティストだよ。あとはポーチーズのアーロン・メン、イアン・スウィート(Ian Sweet)のジリアン・メドフォード(Jilian Medford)かな。 ──普段はそういう人たちとも遊んだりしているんですか? ハーモニー そうだね。でもミュージシャンじゃなくてアート関係の友達がもっと多いかも。LAは色々な芸術家で溢れていて、そういうコミュニティがたくさんあるの。 ──世界中をツアーした後、なにか予定はありますか? ハーモニー 新曲にとりかかっていて、レコーディングをしているよ。 ──では最後に、日本のファンになにかメッセージはありますか? ハーモニー またいつか日本に来るよ! 次はフルバンドセットとかでね。 クレオ 日本はとても楽しいよ!

Photo by Kodai Kobayashi Text by Kentaro Yoshimura

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zopp × 藤田卓也 対談|ももクロ20thシングル『stay gold』の制作秘話から紐解く、彼女たちの“本当“の魅力

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zopp × 藤田卓也

来年にはメジャーデビュー10周年を迎えようとしているももいろクローバーZ(以下、ももクロ)。デビュー以来、その斬新な作風とエネルギッシュなライブパフォーマンスで日本中を魅了し続けてきた。 そんな彼女たちがリリースする記念すべき20枚目のシングル『stay gold』は、ドラマ『チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜』(読売テレビ・日本テレビ系)の主題歌。これまで多種多様な楽曲にトライしてきた彼女たちが、打って変わって今作では疾走感溢れるサウンドの中でストレートなメッセージを歌い上げている。

【Momoclo MV】ももいろクローバーZ「stay gold」Music Video

作詞したのは“青春アミーゴ”など多くのヒットソングを手掛けた作詞家・zopp。作曲は近年、乃木坂46や寺嶋由芙をはじめとした多くのアーティストに楽曲提供する気鋭の作曲家・藤田卓也。2人が彼女たちに込めた思いとは何か。現在のももクロの魅力、そして今後への期待を語ってもらった。

zopp × 藤田卓也

Interview:zopp × 藤田卓也

──藤田さんが今回のシングルのコンペ(コンペティション)に応募した理由は何でしょうか? 藤田卓也(以下、藤田) あけすけに言ってしまうとそれが仕事だからで、現代のポップスの作曲者はまず採用されないと何も始まらない仕事だというのが本音ではあります。ただ、たくさんのコンペがある中で応募するものもあれば応募しないものもあるわけで、その基準は何かと言えば、歌詞が思い浮かぶ案件なのかどうかです。僕は曲を作るときに仮の歌詞を作ってから書くのですが、それが浮かんだら書く、浮かばなければ書かないと決めてるんです。今回はすぐに頭に浮かんだので、それを曲として形にしました。 ──というと、今回はドラマの内容を踏まえて書き始めたのでしょうか。 藤田 いえ、実は今回はドラマの概要やシナリオもあまり見ずに、”いかに力強い曲を作れるか”を重視して作りました。コンペで頂いた大枠の方向性は守りつつ、その中で”ただ強い曲を作る”ということだけを考えたんです。普通だったらアーティストの研究から始めるのが正しい方法だとは思うのですが、今回はとりあえず殴りかかろうと。その方がテーマ的にも合ってると思ったんです。

zopp × 藤田卓也

──藤田さんの今までの作品にはあまりない曲調ですよね。 藤田 自分はもともと大江千里さんやKANさん、槇原敬之さんみたいなポップスが好きだったり、学生時代は日本語ロックを聴いて育ってきたので、今回のような曲は今までの自分とは関係ない世界ではあります。 zopp あ、そうなんだ。 藤田 今まで僕が書いてきた曲に、こんなにリズムがドッタンドッタンしてるロックってなかったんですよ。 zopp 確かに、そこまではね。でも藤田くんって、意外とジャンルレスな感じはするよね。R&Bとかブラックミュージック系以外だったらどんなものでも作れそうな。 藤田 自分の根底にあるのは、メロディが良くて日本語詞を大事にしてるタイプの音楽で、それを軸に踏み出していけるものであれば、大体のジャンルは作るのにそこまで苦にはならないかもしれないです。 zopp 藤田くんってよく言えば”真っ直ぐ”で、悪く言えば”融通が利かない”っていうのかな。いろんな引き出しの中から書いてるとは思うんだけど、僕の中ではどれも「藤田くんだよなあ」という感じなんですよ。特にメロディ。(山下)達郎さんとかマッキー(槇原敬之)もそうですけど、その人にしかない旋律ってあるじゃないですか。メロディについては本当に彼のメロディだなって思いますね。それに結構、一小節に対して細かいメロディがいつも多めなんだけど、今回はあまり詰め込んでなかったですよね。なので作詞しやすいと思って。 藤田 いつも作詞しにくいって思ってたんですね……。 zopp たまに思ってた(笑)。 藤田 すいません、精進します……。 ──zoppさんはこれまで、ももクロには“上球物語 -Carpe diem-”(2013年発売『5TH DIMENSION』収録)や“Guns N'Diamond”(2016年発売『AMARANTHUS』収録)、最近だと“華麗なる復讐”(今年発売『MOMOIRO CLOVER Z』収録)といった作品の作詞をされてきましたが、今回の“stay gold”は今までと何か違う点はありますか?

“上球物語 -Carpe diem-”

“Guns N'Diamond”

“華麗なる復讐”

zopp 世間から見たももクロらしさってあまりないと思うんですけど、僕から見たももクロらしさって如実にあるんです。それで、例えば仮にももクロの持つイメージが赤色だとするならば、僕はそこに青色を足して紫色にしようという考え方で作詞してたのが今までの作品です。今までは「太陽に住んでる子が地球に行く」とか、「夢の世界に落ちて自分と戦う」とか、まったく非現実的な世界観が多かったので、そういう特殊な設定に対して自分の色を加えるようなやり方でした。でも今回の“stay gold”に関しては、「大人な彼女たちにしたい」というリクエストが打ち合わせであったので、今までと全く違うアプローチで作詞する必要があったんです。 藤田 僕は作詞については素人なので薄い感想になってしまうのですが、頂いた歌詞を見てやっぱりzoppさんだなあと思いましたよね。滲み出てるというか。 zopp 曲も真っ直ぐ、メロディも真っ直ぐ、それで求められているものが「大人」だったので、自分も奇を衒わずにあえて真っ直ぐ投げようっていうのが最初から考えてたことで。 藤田 言いたいこと言ってお疲れ! みたいな曲調ではあるので、そういうサウンドに乗せてもオーバーにならず、かつ物足りなさも感じさせないちょうど良い味の濃さ。《まだ見ぬ楽園を探せ探せ》あたりの歌詞はまさにzoppさんの色が出てますよね。 zopp でも、どんなジャンルの曲を歌おうと最終的には彼女たちの色になるんですよね。こういうシンプルな曲にトライしても絶対に彼女たちのカラーに染まる。それが本当にすごいなと。 藤田 結局、どんな曲を作っても最後は歌う人が世界を作るんですよね。音楽用語で「音価」と言いますけど、音を伸ばす長さだったり、作曲家の手から離れて歌手が歌を吹き込むことで、所々に変化が起きます。SNSで感想を見ると「ここの歌い方がすごく良いんだよなあ」ってファンの方が言ってくださってて、作曲した僕でも意図しなかった魅力を彼女たちが生み出してくれてるんですよね。それは本当に嬉しいことです。

zopp × 藤田卓也

──お2人がももクロを知ったきっかけは? zopp 最初は事務所に送られてきた資料で知りました。「桃色のクローバーか……変わった名前だな」と。その後、南海キャンディーズの山里亮太さんがももクロ好きだってテレビで見たのが第二認識。僕が仕事したいなと思うようになった頃はすでに”アイドルにももクロあり”みたな状況になってて。 藤田 僕はその勢いを肌身で感じてきた世代。知ったのは大学生の頃で、アイドル好きの知り合いがCDを貸してくれて、へーこういう人たちが出てきたんだと思って。やっぱり2010〜11年くらいのイメージが強いですよね。ヒャダインさんの曲の印象が強烈で、ヒャダインさんの曲とともに彼女たちを知ったような。 zopp 「ももクロ=ヒャダインさん」っていうイメージは当時あったよね。 藤田 ヒャダインさんの曲って、作曲家の自分からしてもそれまで聴いたことがない曲だったんです。曲を面白くする方向にパラメーターを全振りしてるような。当時の基準だと音圧も凄かった。 zopp 出し惜しまない人だよね。決まり切った型の中で作るタイプの人ではない。「Aメロ→Bメロ→Cメロで」はなく、「サビ→サビ→サビ」が延々と続いていくような。フレンチのコース料理頼んだのにずっとステーキが出てくるみたいな(笑)。 藤田 そういう2010年代型の新しいポップソングが、ももクロを通して広まっていった印象を持ってます。

ももクロの令和ニッポン万歳!/ももいろクローバーZ

──ヒャダインさんのイメージが強かった一方で、布袋寅泰さんや中島みゆきさんといった多くの大物アーティストたちとのコラボも彼女たちの魅力ですよね。 zopp すべての人の作品の良さを吸収して自分の物にする力があるんでしょうね。誰が作った物の良さも活かせる。どうしたって仮歌があるから、普通は作った人に寄って行っちゃいますよ。でもやっぱり彼女たちは彼女たちなんですよね。 藤田 ももクロの前にはAKB48やハロー!プロジェクトがいて、それぞれ名プロデューサーがついているので、良かれ悪かれその人の色に染まってしまう傾向がある中で、アイドルって何やってもいいじゃん! っていう「自由な空気」を生み出したのがももクロなんじゃないかな。 zopp そもそも曲を書いてくれること自体もすごいよね。この業界にいると色々と裏話を聞くんだけど、断られる話もよく聞くので。よっぽどアーティストやクリエイターたちからの彼女たちの印象が良いんだと思う。 藤田 逆に、そういう色々な楽曲にトライする自由な流れの反動として、今のBiSHのように作品の方向性を絞ったアイドルが人気を獲得する流れを作ったような気もするんです。だからももクロって正味、二世代分くらいの空気を作ったんじゃないかっていう。 zopp 僕が一番彼女たちがすごいと思うのは、大手芸能プロダクションに所属しながらも、インディーズの頃の地べたを這いずり廻っていた時代の思いや記憶が消えてないところ。だから、誰が作ったどんな曲を歌おうとも、その頃の精神を変わらずに持ってられる。

zopp × 藤田卓也

──そんな彼女たちも来年でメジャーデビュー10周年となりますが、2019年の”今”のももクロの魅力とは何だと思いますか? zopp 大人になりきらないところじゃないですか。ちゃんと真面目もやるけど、ちゃんとおちゃらけもやる。10年間変わらずにいてくれてることの凄さですよね。まさに「stay gold」(=若さや輝きを失うな)なんですけど、この先もずっと彼女たちらしくいることが、彼女たちの一番の良さに繋がっていくんだと思います。 藤田 一年前にライブを見たのですが、彼女たちはもう続けてることそれ自体がエモいという境地に入ってますよね。現存してることがエモい。アイドル業界でそこまでのポジションにいる人ってひと握りですよ。ステージに立つだけで、そこにいるだけでファンが納得するような存在。 zopp アイドルって儚いものみたいなイメージもあるからね。 藤田 これからアラサーに向かってどうなってくのか楽しみですよね。 zopp オフの時に会ったことあるけど、今でも基本的にあのままなんだよね。少し大人になったなって思うことはあるけど、昔とほぼ変わらない。誰か結婚したら変わるのかな。 藤田 僕がももクロから感じるのは、持ってるエネルギーの大きさです。最前列のお客さんにすら届いてないライブも世の中にはある中で、ももクロのライブは日産スタジアムの一番奥の奥のお客さんまで、なんなら会場の外の人まで届いてるように思える。 zopp 彼女たちの魅力っていう意味で言うと、生涯挑戦者でいるその姿勢かな。生涯って言ってもまだ全然若いですけど、これまでに挑戦しない彼女たちを見たことがないですから。結構こちらは無茶な曲を作ってるんですよ。でも、彼女たちは嫌な顔せずにちゃんと歌ってる。

zopp × 藤田卓也

──今後ももクロに曲を書くとしたら、どんな曲を書きたいですか? zopp “ココ☆ナツ”(2ndシングル『ピンキージョーンズ』収録)に代わる曲を書きたいですね。作詞家なので作詞面での話になってしまいますが、あの曲に勝てるくらいインパクトのある歌詞を書きたい。SMAPの“夜空ノムコウ”や“世界に一つだけの花”、KinKi Kidsの“硝子の少年”のような、グループの代名詞になる作品を作りたいですね。やっぱり、圧倒的なヒット曲を作りたいという思いが自分は昔からずっとあるので、今はCDで記録を作るのは難しいからYouTubeの再生回数が十何億行くような曲を彼女たちに作ってみたい。

ココ☆ナツ/ももいろクローバー

藤田 “ココ☆ナツ”のサビって「コ」をひたすら連呼しているんですけど、そういう意味ではピコ太郎の“PPAP”みたいな。 zopp そうね。だから、エバーグリーンなものより一風変わったもの、日本人的で面白い系の曲を歌ってる彼女たちが見てみたいかも。 藤田 今回の“stay gold”は、「君は間違ってなんかない」っていうメッセージを持った強い楽曲ですけど、こういう曲を出した後に、ちょっと弱気な曲を歌うと人生に深みが出ると思うんです。KANさんが大ヒットシングル“愛は勝つ”のカップリング曲に“それでもふられてしまう男(やつ)”を入れたみたいな。 zopp 全部英詞の曲とかも面白いんじゃないかな。フルイングリッシュって今までなかったでしょ。 藤田 スワヒリ語とか、何処の言語か分からないくらいでも面白そう(笑)。 zopp 思いっきり演歌とかね。海外でカントリーミュージックとヒップホップを掛け合わせたものがヒットしたように、演歌と何かを組み合わせてみるとか。アメリカにいた時に、現地で日本っぽい曲を聴いても感動しないんですよ。そういう意味では来年は東京オリンピックなので、洋楽の真似ではなく、これ日本にしかないよねっていうものを発信していければ。 藤田 印象的なフレーズを連呼する演歌なら、円広志さんの“夢想花”と森昌子さんの“越冬つばめ”(作曲:円 広志)を混ぜた感じで、円広志さんに曲を書いてもらうとか? zopp アリだよね。吉幾三さんとKダブシャインに作ってもらうとか。 藤田 ありそう。ライブで出てくる姿が想像できる(笑)。 ──そういうものでも全然成立しそうなのが彼女たちのすごいところですよね。 zopp 本当にそう思います。 藤田 何をやってもいいっていうのが、彼女たちの素晴らしいところですね。

zopp × 藤田卓也

Text by Azusa Ogiwara Photo by Kohichi Ogasahara

zopp × 藤田卓也

ももいろクローバーZ 百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、高城れにの4人からなるアイドルグループ。2008年にももいろクローバー名義で結成され、2010年5月にシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。2011年4月に早見あかりがグループを脱退したあと、グループ名をももいろクローバーZへ改名。2012年にグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」に初出場し、2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。2016年2月に3rdアルバム「AMARANTHUS」、4thアルバム「白金の夜明け」を同時リリースし、同月より初のドームツアーを開催。2018年1月21日新体制での活動をスタートさせ、同年5月には結成10周年を記念した初の東京・東京ドーム公演を行ったほか、ベストアルバム「桃も十、番茶も出花」を発表。8月からは5カ月連続新曲リリース企画を展開し、2019年5月に5thアルバム「MOMOIRO CLOVER Z」をリリースした。11月にドラマ「チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~」の主題歌であるシングル「stay gold」を発売する。 公式HP

INFORMATION 「stay gold」

zopp × 藤田卓也

初回限定盤

KICM-92017 CD+Blu-ray 1,682円+税

<収録内容> ・CD: M1. stay gold(作詞:zopp 作曲・編曲:藤田卓也) 読売テレビ・日本テレビ系 木曜ドラマF『チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~』主題歌 M2. HOLIDAY(作詞・作曲:CHI-MEY 編曲:CHI-MEY/大久保友裕)

『ももいろクリスマス2019〜冬空のミラーボール〜』テーマソング M3. stay gold off vocal ver. M4. HOLIDAY off vocal ver.

Blu-ray:「stay gold」Music Video、Music Videoメイキング映像収録 ※スリーブケース付き

zopp × 藤田卓也

通常盤

KICM-2018 CD 1,227円+税

CD: M1「stay gold」(作詞:zopp 作曲・編曲:藤田卓也) 読売テレビ・日本テレビ系 木曜ドラマF『チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~主題歌 M2.「HOLIDAY」(作詞・作曲:CHI-MEY 編曲:CHI-MEY/大久保友裕) 『ももいろクリスマス2019〜冬空のミラーボール〜』テーマソング M3.「ココ☆ナツ -ZZ ver.-」(作詞・作曲:前山田健一 編曲:宗本康兵) M4.「サンタさん -ZZ ver.-」(作詞・作曲:前山田健一 編曲:徳田光希) M5. stay gold off vocal ver. M6. HOLIDAY off vocal ver.

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世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち【ポーランド・ワルシャワ/オーガナイザー編】

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世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski
何かを成し遂げたいと願いベルリンへやってくるのは、何も極東アジアの私たち日本人だけではない。欧州人であれば長期滞在ビザが不要で、生まれ育った国と行き来するにも近くて楽というメリットは確かにあるが、それ以外の点において“外国人”であることに変わりはなく、トライ&エラーを繰り返しながらこの街で踏ん張って生きているのだ。 今回は、真の努力家であり、挑戦者である<Polish Thursday Dinners>のオーガナイザーJulia Bosskiへインタビューを行った。華やかな世界をイメージしてしまう裏で抱えてきた苦悩や苦労、光栄なことに私も招待してもらったワルシャワでのスペシャルイベントについてなど、貴重な事実とともにお届けする。 『世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち』第二弾となります。是非ご覧下さい。 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski

Julia Bosski「食を通じてポーランドカルチャーを伝え、世界中のクリエイターたちが国境を越えてコミュニケーション出来るサロンとして提供したい。」

インタビュアー・宮沢香奈(以下、Kana) まずは、7月にワルシャワで開催された<Polish Thursday Dinners>スペシャルイベントに招待してくれてありがとう!! ポーランドにはずっと行きたいと思っていたし、単なる旅行ではなく、ステキなパーティーとホテルと人との出会いが本当にステキだった。改めてお礼を言わせて下さい。 ▼「Polish Thursday Dinners at Hotel Warsaw」の記事はこちらから。 http://irodori-x.com/column/5451/ https://senken.co.jp/posts/kmiyazawa75 Julia Bosski(以下、Julia) 喜んでもらえて良かった。実は、あのイベントが、私にとってポーランドでの初めてのオフィシャルイベントだったの。 Kana そうなの?ずっとベルリンで開催していたのは知っていたけれど、それよりもっと前にポーランドでも開催していたんだと思っていた。 Julia いいえ。<Polish Thursday Dinners(以下、ポーリッシュ・ディナー)>は2013年にベルリンでスタートさせたの。スタイリッシュでクールな人たちが集まっていたサパークラブ(*ヨーロッパではポップアップ式の晩餐会であり、社交場の一つ)で素晴らしいシェフDon(Donald Borkowski-Blaszczyk)と出会って、自分でもオーガナイズしてみたいと思ったのがきっかけね。 Kana なぜベルリンでやろうと思ったの? Julia ベルリンにはもう8年も住んでいるんだけど、来た当初ポーランド人に対してステレオタイプなイメージしか持っていなかった。女性の仕事と言えばクリーニングレディーで、食べ物と言ったらピエロギと言った一辺倒な感じで全然理解されてなかった。だから、もっと美味しい食べ物やワインやお酒もあるし、おもしろいカルチャーがあることを知って欲しかった。そう言った理由があるわ。 Kana 私たちアジア人に対しても分かりやすいステレオタイプなイメージはあるけど、欧州人同士でもやはりあるものなのね。 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski Julia そう。だから、ポーランドの古き良き伝統を尊重しながら現代的な解釈のもとポーランドの良さを伝えれるように「Polish Thursday Dinners」と題したプロジェクトを始動したの。毎月会場を変えて開催してきたけど、これまでにベルリンのギャラリー、コンセプトストア、クラブ、ウェアハウスなど、本当にいろんな場所でやってきたわ。ポーリッシュ・ディナーは一切広告を打たずに口コミだけで徐々に人が集まるようになっていったし、スポンサーも付けていなかったの。 Kana それで、どうやって資金を調達してたの? 実は、これはずっと聞きたかったことなんだけど。 Julia もうそれは本当に大変だったわ!! 始めた当初はもちろん儲けは一切なかったし、ベルリンの人々は高い値段設定にしたら絶対に来てくれないのは分かってた。だから、最初は確か20ユーロか25ユーロに設定して、10人のゲストに、ポーランドのオーガニック食材を使ったディナーコースにホームメイドのウォッカを振舞ったりしたの。 Kana それは安過ぎるし、確実に赤字よね(笑)。 Julia そうね。でも始めた当初はそれでも良かった。自分でオーガナイズすることによって学べることがいっぱいあったから。1年ぐらいで初期のシェフが離れて、しばらく私自身がシェフまでやってたこともあったから!(笑) 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski Kana すごすぎる(笑)。私はてっきりポーランドの親善大使か何かで政府から支援を受けているんだと思っていたわ!! Julia 私が?! でも、いずれそうなるはずだわ!!(笑)  Kana だって、ジュリアからワルシャワに招待された時に、5つ星ホテルやミシュランシェフによるディナーが無料だなんて普通じゃないから、最初ウソだと思ったわ(笑)。 Julia あれが実現出来たのは、やはり自分の国であるポーランドだからという理由が一番ね。ベルリンではそうはいかないから。 Kana そんなに違うものなの? Julia まず、考え方やビジョンからして違うわね。2016年だったかな? FvFでインタビューを受けたことをきっかけにちょっとだけ有名になったの。ポーリッシュ・ディナーも認知されてきて、少しずつ売り上げも取れるようになってきてた。そこで、ポーランド人だけにフォーカスせず、世界中の人々との交流を目的としたディナーパーティーをやりたいって新しい考えが浮かんで、周りのクリエイターやアーティストなど、クールなポーランド人たちが賛同してくれてチームを組んだの。”ポーリッシュマフィア”って冗談で呼んでいたんだけど(笑)。   そこからいろんなことに挑戦していったけど、ベルリンだと40ユーロのディナーコースでも高いと言われてしまったし、素晴らしいミシュランシェフを招いて、100ユーロや150ユーロのディナーコースを企画しても20人しか来ないとか、そんなこともあったわ。 Kana 値段が高いと人が集まらないのはベルリンならではかもしれないわね。
世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski
ゲストシェフMarcin Gancarczyk氏を招いて開催
Julia それに、VOGUEやFvFのような良い媒体で取り上げられて、どんなに”君は素晴らしい活動してる!”って賞賛されても言葉だけで誰もサポートはしてくれなかった。ベルリンのポーランド大使館も学校もどこも協力してくれなかったのよね。だから、全て自分でやらなければならなくて、オーガナイズに、時にはシェフまでやって、どうやってお金を払おうとか、常に考えなくてはいけなかったし、本当に大変だったの。 Kana 残念ながら長年暮らしたベルリンを離れる決意をしたのはそういった経緯から? Julia ベルリンを離れようと決めたのは1年前なんだけど、ポーランドへ戻る理由はたくさんあるわ。まず、家族がいて、安心出来て、居心地が良い。母親はいつも私にパワーをくれるの! ベルリンでやってきたことは本当に苦労の連続だったけれど、ポーリッシュ・ディナーのプロジェクトは今後も続けていきたいと思っているのね。でも、そのためにまたどこかに就職することは望んでなくて、フリーランスでやっていきたかった。昨年、ポーランドへ一時帰国した際に、プロジェクトの話をいろんな人に話したらベルリンとは全く違う反応を得ることが出来たの。まず、驚いて、”そんな素晴らしいプロジェクトなら是非とも参加したい。”と言ってくれて、全部無料で提供してくれると言ってくれたの! Kana え、じゃあ、私が参加させてもらったディナーパーティーも?? Julia そうよ!! ホテルは宿泊から会場提供、ワインは全てポーランドのナチュラルメーカーからだし、地元の有機栽培農家から食材を仕入れて、ワイングラスもそう。みんな私の提案に耳を傾けてくれて、パーティーに参加したい、一緒にステキな経験をしたいって言ってくれたの。だから、大成功を収めることが出来たし、自分自身への自信にもなったわ。 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski
世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski
“Polish Thursday Dinners” at The Hotel Warsaw
Kana 素晴らしい!! ポーランドの人たちに感動するとともに、ベルリンってなんて冷たい街なんだろうって悲しくなってしまう部分はあるけれど......。 Julia 確かに、ポーランドはベルリンより物価が安いし、コミュニティーも小さい分実現しやすいという点はある。それに、ベルリンもすごく変わったと思う。何もなかった頃から比べて国際的でファンタスティックになったと思う。私も住み始めたばかりの頃はとても楽しかったし、逆にポーランドの魅力を分かっていなかったから、その当時は。 Kana そうなの?? 私はワルシャワにしかまだ行けてないけど、とても魅力的なところだと思ったわ。食べ物は美味しいし、街並みも美しいし、人も優しい、また行きたい場所の一つになってる。 Julia 私も今になってそう思えるようになった。考え方が全て変わったのよ。それもベルリンでの経験があったからこそだと思うし、ステキな出会いもたくさんあったし、カナも会ってるけど、特にワルシャワのイベントに来てくれた友人たちとは今もとても良い関係性が続いているの。
世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski
ジュリアさんがベルリンで一押しのナチュナルワインショップ「Viniculture」オーナーのHolger Schwarzさんと、ご友人のStuartさん。
Kana ジュリアの周りには本当にスタイリッシュで魅力的な人たちが多いと思った!! Julia 本当にそうね。シェフをはじめ、ファッションデザイナー、画家、ギャラリスト、レストラン経営、ジャーナリスト、ミュージシャンなど、そうゆうクールな人たちをゲストにしたポーリッシュ・ディナーを私はやってきたと思っているし、これからもやっていきたいと思ってる。そこにセレブリティーは必要ない。だって、それはつまらないものになってしまうから。 Kana その考えにはすごく共感出来る。私もセレブリティーな世界やコマーシャルなものには全く興味がないし、それが本当にクールだとは限らない。アンダーグラウンドなカルチャーが好きな自分にとっては特に思う。ジュリア自身もいつもスタイリッシュでステキだけど、ファッションについてのこだわりはあるの? Julia ありがとう。あなたもね。ファッションに関しては、私はいつも“クラシック・エレガント”をテーマにしたスタイルを心掛けてるの。ミニマルで、ジェントルウーマンなスーツスタイルが好き。これが私のフェティッシュね。ハイヒールをは基本的に履かないわね。Riskをはじめ、ポーランドブランドを買って着てることが多いかな。ベルリンは、みんなシンプルでカジュアルだから、正直エレガントスタイルはやりにくかったけど(笑)。 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski Kana すごく分かる(笑)。私はヒールのある靴が大好きなんだけど、ベルリンでは履く機会が減った!! ベルリンでの活動が見れなくなったのは寂しいし、とても残念だけど、ワルシャワを中心としたポーランドでの活躍にすごく期待してるし、応援してる。最後になるけど、今後のスケジュールや計画していることがあったら教えて。 Julia そうね、まずは、ワルシャワで2ヶ月に一度ディナーを開催したいと思っている。今のパートナーからどうやったら収益をあげれるのかノウハウを学んでるし、ベルリンでは得れなかったスポンサーもポーランドなら可能だと思っている。それに、さっきも言ったけれど、私はヨーロッパ中から本当にクールなゲストを呼ぶことが出来るから、国境を越えたクリエイター同士のコミュニケーションの場になって欲しいと思っているわ。 Kana 私個人としては日本でも是非やって欲しい素晴らしいプロジェクトだと思ってるし、日本の文化を伝えるための洗練された社交場って少ない気がするから、ポーリッシュ・ディナーとのコラボで伝授して欲しいなあ。本日は貴重なお話をありがとうございました!! 世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち|Julia Bosski

Text by 宮沢 香奈 Photo by Saki Hinatsu(Julia) Special Thanks:Viniculture GmbH

宮沢香奈のコラムはこちら世界の片隅で活躍する女性クリエイターたち

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