
Interview:青木ロビン(downy[Vo&Gt])
——9年ぶりとなった前作当時のリアクションって、若い音楽リスナーからのものが多かった印象があるのですが、今振り返ってみていかがですか? 毎回言っていたんだけど、「なんであの時(活動休止前)言ってくれなかったんだろう」って感じですね。言ってくれたたらもうちょっと頑張ったかも(笑)。ま、当時、リスナーが高校生だったとか大学生だったとかなんでしょうね。 ——当時リスナーだった人たちが今バンドをやっているんだなという実感はありますか? そうですね。僕の好きな子たちも言ってくれるんで、「そうなんだ」って感じになるし、愛を感じます。「あの時代にこんなことやっていたんだ」「びっくりしましたよ」とか。 ——具体的にはロビンさんがプロデュースも担当したTHE NOVEMBERSとか……。 上の年代も下の年代もライブに誘ってくれたりだとか。 ——新作の『第六作品集「無題」』までの間に大きな出来事がいくつかあったと思うんです。例えば2014年の<フジロック>出演や、envyとMONOと共同主催した<SYNCHRONICITY ’16-After Hours>だったり、クラムボンのトリビュートアルバムへの参加となどいろいろありましたね。 どれも初めての話だったので、粛々とやるって感じでした。<フジロック>に関してはシンプルに楽しかった。僕はあんまりライブに行くこともなかったんで、「やっぱ見なきゃだめだな」と強く思いましたし、足運ばなきゃなと思わせてくれるきっかけになりました。クラムボンのもミトとは元々仲が良かったんですが、ちゃんと続けている彼等が思ってくれてるんだなっていうのが嬉しかった。<After Hours>の本チャンは来年なんですけど、その中での出会いでenvyの皆さんとか、MONOの後藤さんは元々仲が良かったんですが、「俺らの世代が暴れないと、ちょっとみんないい子すぎるよね。」みたいな話から「暴れようぜ」ってことで始まったんですね。新たな気づきもいっぱいありましたし、ミュージシャンとして濃い3年でしたね。 ——その中で必然的に今回のアルバムにつながっていったと。 ずっと音楽のこと考えて生きていましたし。で、まぁさっきの話でも出た出会いもありましたし、その中でさらに肉を削いで行こう、やっぱりそれが求められていることな気がして。それはライブを重ねつつなんです。というのも前作を作った時ってライブしてないんですよ。でも今回は新曲も昔の曲も含めてライブで育てて行って、「ああ、今、僕らができること、もっとこれがあるな、あれがあるな。」っていう発見があって割と必然的な3年だったような気がします。
第六作品集『無題』
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