

Interview:I Saw You Yesterday
——昨年の『DOVE』リリースから、I Saw You Yesterdayの名前を色々なところで聞くようになったのですが、リリースしてから周囲の反応や、自分たちの意識に何か変化はありますか? 下田 英雅(Gt/Vo) そうですね、一つ大きいと感じているのは、リスナーが意外と日本よりも海外の方が多いということです。たとえば、SpotifyやYouTubeが普及をしているおかげで、日本でバンド活動をしていても、海外のリスナーまで届くことが増えていて。だからこそ、最近は日本らしさ(=キャッチー)というのを随所に出していきたいと考えています。完全に洋楽をやろうっていう意識がなくなったことは、前作リリースからの意識の変化ですかね。 ——海外のリスナーが多いのは意外です。どこの国が多いですか? 下田 アジア圏の人が多いと思うんですけど、南米とかも多いですね。ペルーとか。 村上 魁(Gt/Cho) Facebookとかはけっこう垣根が低いから、いろんなところで、意外とね。 鈴木 一繁(Ba) Facebookである南米の人が『インディーワールドカップ』っていう、インディー・ポップバンドを集めたワールドカップもどきの遊びをしてて、出場するバンドを各国ひとバンドずつ出していくんですけど、「日本:I Saw You Yesterday」って書かれてたよね。 ——それはすごいですね。 鈴木 「ワールドカップ出れちゃった!」みたいな(笑)。 下田 YouTubeのコメントを見ても、やっぱりコメントをしてるのは圧倒的に海外の人が多くて。更に言えば、自分が寝てる間に再生回数が伸びてるから「これは時差あるな……。」って、何となく分かったり。日本にいながら世界の人が聴いてくれているからこそ、日本らしさっていうのはすごく意識するようになりました。 ——海外バンドのような雰囲気があるからこそ〈Captured Tracks〉に所属するバンドと比喩されることや、並べられることも多いと思うのですが、ロールモデルにしているバンドっていますか? 一同 いないなぁ。 下田 いないよね。ただ根底にいるのはスマッシング・パンプキンズ(以下、スマパン)ですね。サウンド含めた表層的なところは全然違うけれども、メロディーの綺麗さや印象的なフレーズなどの楽曲の根底的な部分は強く意識していて。そういうところから、「良い音楽ってこういうものだよな」って思ったりして。そういう意味で言ったら根底にあるのはダイナソーJr.だったりとか、ペイヴメントですね。ヨ・ラ・テンゴや、ライドも好きだし。 The Smashing Pumpkins - 1979 村上 でもある意味いまの若者にとって90’sのバンドって、90’sの頃の人たちにとってのビートルズみたいになっているのかも。当時、オアシスやニルヴァーナのカート・コバーンとかが、「ビートルズを好き」って言うのと同じ状態になってきていて。でも必ずしも彼らがビートルズみたいなサウンドか、って言ったらそうではないし。多分僕らもそれに近いものがあるんじゃないかな。 下田 めちゃくちゃ咀嚼してるんだよね。 村上 あれから20年、30年経っている時代としては確かに根底にはそれがあるけど、また時代は変わってるよね。 下田 僕たちUSインディって言われることがすごく多いんですけど、本当のことを言うと〈Captured Tracks〉って言われて初めて知ったぐらいなんですよ。“Girlfriend”とかを制作していた時に「〈Captured Tracks〉って何?」って。 鈴木 「マック・デマルコってだれ?」「ビーチ・フォッシルズ?」「これでDIIV(=ダイブ)って読むの?」みたいな(笑)。 下田 それでダイブっていいぞって(笑)。 村上 でもそれってある種すごいなって、同時代性っていうか、勝手に共鳴していたということだよね。 下田 ダイブとかビーチ・フォッシルズを聴いて、「俺たちと同じ音楽やっているやついるんだ」って思いました。ただよく考えてみると当たり前で、ダイブって多分、ニルヴァーナを自分なりに咀嚼して、今のムードに合わせてやっているんだと思っていて。そいう意味で言えば、僕たちはスマパンだったり、ペイヴメントだったり、同じルーツを持ちながら、今のムードに合わせて音楽を作っているので、それは似たようなものになるよね、と。 村上 サウンドムードを察知するのが速かったね。






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<“Topia EP” Release Party by I Saw You Yesterday>

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