$ 0 0 先日小林うてな、Kult Cutzが中心となり誕生した音楽コミュニティー〈BINDIVIDUAL〉。BIND(集まる)+INDIVIDUAL(個々)の意味を持つこのコミュニティーは、音楽やデザインなど様々な領域で活動する個々が手を取り合い、純粋に創作活動を楽しむ中で互いに発信しあえるような環境を作るために生まれた集団だ。 〈BINDIVIDUAL〉誕生と同時に発表されたプロジェクト第一弾では、小林うてなと〈BINDIVIDUAL〉に賛同したメンバーであるフィメールアーティストのJulia Shortreed(ジュリア・ショートリード)、ermhoi(エルムホイ)によるグループ・Black Boboi(ブラックボボイ)が結成された。今回はBlack Boboiの3名へインタビューを敢行。 個々の活動についてやボーダーレスな関係性を築き上げる〈BINDIVIDUAL〉誕生秘話、そしてフィーメールアーティストとしてソロで活躍する3人がBlack Boboiとして活動するに至った経緯まで、根掘り葉掘り伺った。 Interview:BINDIVIDUAL Julia Shortreed 小林うてな ermhoi ——まず、それぞれ個人の活動についてお伺いできればと思います。元々音楽に興味を持ったきっかけは? Julia Shortreed 私は15歳から歌いだし、17歳で作曲をはじめました。当時はヒップホップのインストレコードを買ってきて、それにメロディーと歌詞を付けたりしてヒップホップのイベントでずっと歌ってて(笑)。バンダナに帽子をかぶって「Hey Ho」とかやってて、もっとソウルフルな歌い方で今と本当に違ってた。そんな感じで音楽をやっていたら、ある日著名なアーティストのプロデューサーさんからお声がかかって。それから事務所に入ったんですけど「魂は売れない」と思い事務所をやめて、ギターを買って曲作りをしてました。高校時代はアリーヤ(Aaliyah)に衝撃をうけR&Bから入って、インディーロックやオルタナティブロック、アンビエントを聞いてました。声やメロディーラインで好きになることが多かったんですけど、最終的にはジャンルレスでいいんだ! と思うようになりました。高校生の時はバンドを組んでメタルもやったり、レゲエ以外は大体通りましたね。結局何が好きとかやりたいとか、自分の音楽を探し出すのに時間がかかり、遠回りもしましたが、続けていたら見つかるんだなっと感じます。 小林うてな なるほど~、声が大きい理由が分かったよ! ermhoi あんなに静かな歌を作るのにね(笑) Julia Shortreed ——ermhoiさんはいかがですか? ermhoi 私はジャズ、ボサノバそしてクラシックが好きな父と、60年代のロックや日本のソウル・フラワー・ユニオンとか民族音楽に近い音楽が好きな母、姉は最先端のロックやポップスが好きで、小さい頃から家の中ではいろんなジャンルの音楽がずっと流れていました。中学校の時、映画館でセネガルの歌手の映画を見てから、色々民族音楽を聞くようになって。元々ポップ、ロックが好きだったのですが、さらに幅を広げて、吹奏楽やピアノを通してクラシックに触れたりも。普段は熱唱に近い感じで家で鼻歌を歌ったりしてました。 Julia Shortreed 分かる! 一緒(笑)。私も小さい頃よく分からない鼻歌を熱唱してた。 ermhoi ちゃんとした歌を歌ってるわけではないけど、好きなメロディーを見つけたら永遠にその鼻歌を歌う!みたいなね(笑)。それから大学に入った時、周りの人が音楽制作をしていたので、自分も作ってみようとパソコンで音楽を作り始めました。同時期にいろんなジャズ系のバンドに参加してましたが、もっとやりたいことがたくさんあるなと思って。それから本当にやりたいことを追求するために自分の音楽に入り込むようになりました。その時々に好きな要素を混ぜたりして作っているので、これといったジャンルはないですね。 ——ファンの方から、目に見えたフィードバックとかはありましたか? ermhoi フィードバックをくださる方の多くは音楽を幅広く聴いている人で、色々な文脈があった上で聴いて面白いねって言ってくれますね。パッと聴いて分かってくださるみたいで……。 Julia Shortreed 私もその1人です。たまたま友達に「ジュリアこの人好きだと思うよ」って言われてホイちゃん(ermhoi)の音楽を聴いてみたらびっくりしちゃって。すごい人がいる!って妹のジェシカにすぐ連絡しました。その時ジェシカはグラフィックデザイナーをやっていたのでホイちゃんをイメージに使いたいって言って、ホイちゃんにアポイントをとってて。その後ホイちゃんがジェシカをライブに誘ってくれたから、私も一緒に行って初めましてってなったんだよね。 ermhoi ジェシカさんからジュリアさんのお話は聞いていたんですが、ボーカルとして参加しているものしか聴いたことがなかったので、作ってる音楽は分からなかったんです。でも声がとても好きだったので、すごく興味があったんですよ。その後ライブに行ったらあまりにも良すぎて、衝撃にやられてほとんど感想を伝えることができないまま帰っちゃったっていう(笑)。 Julia Shortreed 嬉しい……。私も衝撃的でした。すごいつながりだよね。面白い。 ermhoi ——うてなさんも元々音楽が好きだったんですか? 小林うてな 小学生からピアノを習ったり合唱団に入ったりしてました。4年生になってめちゃくちゃ憧れてたリコーダー合奏団に入って本気でリコーダーを吹いてたんですけど、その時は絶対将来リコーダー奏者になると思ってた。 全員 爆笑 小林うてな その頃は指をどう動かしたらスムーズに弾けるかを考えるのが楽しかった。中学生からは打楽器をはじめて、大学の時はガムランというインドネシアの民族楽器を、大学卒業とともにスティールパンという楽器をはじめました。それからいろいろ演奏させていただいたり、いろいろ繋がって繋がって……今に至ります。 ——リコーダーは衝撃的ですね(笑) 小林うてな リコーダーが世界を救うと思ってましたからね! ermhoi 名言でた!(笑) 小林うてな たまに自分の楽曲に取り入れたいなとも思うんですけど音が特徴的すぎて。 ——これまでの活動内容が今につながっている感じがします。 小林うてな 小さい時に経験したいくつかの原体験を焼き回ししてる人生って感じです。私の音楽のテーマが「受難」なんですけどほんとそれもその感じで。 Julia Shortreed 柔軟かと思った! 「受難」って……(笑)。 小林うてな ——3人の出会いは? ermhoi はじめてうーさん(小林うてな)を見たのは、<フジロック>のルーキー(ROOKIE A GO-GO)に出ていた時たまたま見ていたら大きな右腕の着ぐるみ、噂の「鬼の右腕」が出てきて、この人は一体……?って感じでした。しかも音楽もめちゃくちゃ良くて……なんか悔しくて。 小林うてな 当時は「いぇーい!!」みたいな感じの歌をがむしゃらにやったり、真面目にふざけるっていうコンセプトでした。最近は年をとってきてふざけることが、ちょっと怖くなってるかも。 ermhoi え、もっとふざけてほしい!(笑) それからうーさんがアルバムを出した直後ぐらいに同じイベントに出ることがあって。それこそ「鬼の右腕」を見た時は悔しかったけど、本当に好きだから、会った瞬間いきなりハグしちゃった。 小林うてな 今はすごくオープンマインドなんだけど、昔は内向きで話かけられても「うっす」みたいな態度取ってたみたいで……そんな感じじゃなかった…? ermhoi その時はフレンドリーだったよ。 小林うてな よかったわ~、よかった~。 Julia Shortreed うてなは第一印象からフレンドリーだったね。 小林うてな よかった~(笑)。 Julia Shortreed 私とうてなの出会いは、確かうてながDJするイベントに行った時。その時初めて会って喋って。その後仕事でリズミカルでエレクトロな楽曲制作を依頼されたことがあって、その時うてなに楽曲のアレンジをお願いしたことがあったんです。それから仲良くなって喋るようになった気がする。 次ページレーベル誕生の発端、そして3人で音楽を生み出すことの喜びとは? Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.
先日小林うてな、Kult Cutzが中心となり誕生した音楽コミュニティー〈BINDIVIDUAL〉。BIND(集まる)+INDIVIDUAL(個々)の意味を持つこのコミュニティーは、音楽やデザインなど様々な領域で活動する個々が手を取り合い、純粋に創作活動を楽しむ中で互いに発信しあえるような環境を作るために生まれた集団だ。 〈BINDIVIDUAL〉誕生と同時に発表されたプロジェクト第一弾では、小林うてなと〈BINDIVIDUAL〉に賛同したメンバーであるフィメールアーティストのJulia Shortreed(ジュリア・ショートリード)、ermhoi(エルムホイ)によるグループ・Black Boboi(ブラックボボイ)が結成された。今回はBlack Boboiの3名へインタビューを敢行。 個々の活動についてやボーダーレスな関係性を築き上げる〈BINDIVIDUAL〉誕生秘話、そしてフィーメールアーティストとしてソロで活躍する3人がBlack Boboiとして活動するに至った経緯まで、根掘り葉掘り伺った。 Interview:BINDIVIDUAL Julia Shortreed 小林うてな ermhoi ——まず、それぞれ個人の活動についてお伺いできればと思います。元々音楽に興味を持ったきっかけは? Julia Shortreed 私は15歳から歌いだし、17歳で作曲をはじめました。当時はヒップホップのインストレコードを買ってきて、それにメロディーと歌詞を付けたりしてヒップホップのイベントでずっと歌ってて(笑)。バンダナに帽子をかぶって「Hey Ho」とかやってて、もっとソウルフルな歌い方で今と本当に違ってた。そんな感じで音楽をやっていたら、ある日著名なアーティストのプロデューサーさんからお声がかかって。それから事務所に入ったんですけど「魂は売れない」と思い事務所をやめて、ギターを買って曲作りをしてました。高校時代はアリーヤ(Aaliyah)に衝撃をうけR&Bから入って、インディーロックやオルタナティブロック、アンビエントを聞いてました。声やメロディーラインで好きになることが多かったんですけど、最終的にはジャンルレスでいいんだ! と思うようになりました。高校生の時はバンドを組んでメタルもやったり、レゲエ以外は大体通りましたね。結局何が好きとかやりたいとか、自分の音楽を探し出すのに時間がかかり、遠回りもしましたが、続けていたら見つかるんだなっと感じます。 小林うてな なるほど~、声が大きい理由が分かったよ! ermhoi あんなに静かな歌を作るのにね(笑) Julia Shortreed ——ermhoiさんはいかがですか? ermhoi 私はジャズ、ボサノバそしてクラシックが好きな父と、60年代のロックや日本のソウル・フラワー・ユニオンとか民族音楽に近い音楽が好きな母、姉は最先端のロックやポップスが好きで、小さい頃から家の中ではいろんなジャンルの音楽がずっと流れていました。中学校の時、映画館でセネガルの歌手の映画を見てから、色々民族音楽を聞くようになって。元々ポップ、ロックが好きだったのですが、さらに幅を広げて、吹奏楽やピアノを通してクラシックに触れたりも。普段は熱唱に近い感じで家で鼻歌を歌ったりしてました。 Julia Shortreed 分かる! 一緒(笑)。私も小さい頃よく分からない鼻歌を熱唱してた。 ermhoi ちゃんとした歌を歌ってるわけではないけど、好きなメロディーを見つけたら永遠にその鼻歌を歌う!みたいなね(笑)。それから大学に入った時、周りの人が音楽制作をしていたので、自分も作ってみようとパソコンで音楽を作り始めました。同時期にいろんなジャズ系のバンドに参加してましたが、もっとやりたいことがたくさんあるなと思って。それから本当にやりたいことを追求するために自分の音楽に入り込むようになりました。その時々に好きな要素を混ぜたりして作っているので、これといったジャンルはないですね。 ——ファンの方から、目に見えたフィードバックとかはありましたか? ermhoi フィードバックをくださる方の多くは音楽を幅広く聴いている人で、色々な文脈があった上で聴いて面白いねって言ってくれますね。パッと聴いて分かってくださるみたいで……。 Julia Shortreed 私もその1人です。たまたま友達に「ジュリアこの人好きだと思うよ」って言われてホイちゃん(ermhoi)の音楽を聴いてみたらびっくりしちゃって。すごい人がいる!って妹のジェシカにすぐ連絡しました。その時ジェシカはグラフィックデザイナーをやっていたのでホイちゃんをイメージに使いたいって言って、ホイちゃんにアポイントをとってて。その後ホイちゃんがジェシカをライブに誘ってくれたから、私も一緒に行って初めましてってなったんだよね。 ermhoi ジェシカさんからジュリアさんのお話は聞いていたんですが、ボーカルとして参加しているものしか聴いたことがなかったので、作ってる音楽は分からなかったんです。でも声がとても好きだったので、すごく興味があったんですよ。その後ライブに行ったらあまりにも良すぎて、衝撃にやられてほとんど感想を伝えることができないまま帰っちゃったっていう(笑)。 Julia Shortreed 嬉しい……。私も衝撃的でした。すごいつながりだよね。面白い。 ermhoi ——うてなさんも元々音楽が好きだったんですか? 小林うてな 小学生からピアノを習ったり合唱団に入ったりしてました。4年生になってめちゃくちゃ憧れてたリコーダー合奏団に入って本気でリコーダーを吹いてたんですけど、その時は絶対将来リコーダー奏者になると思ってた。 全員 爆笑 小林うてな その頃は指をどう動かしたらスムーズに弾けるかを考えるのが楽しかった。中学生からは打楽器をはじめて、大学の時はガムランというインドネシアの民族楽器を、大学卒業とともにスティールパンという楽器をはじめました。それからいろいろ演奏させていただいたり、いろいろ繋がって繋がって……今に至ります。 ——リコーダーは衝撃的ですね(笑) 小林うてな リコーダーが世界を救うと思ってましたからね! ermhoi 名言でた!(笑) 小林うてな たまに自分の楽曲に取り入れたいなとも思うんですけど音が特徴的すぎて。 ——これまでの活動内容が今につながっている感じがします。 小林うてな 小さい時に経験したいくつかの原体験を焼き回ししてる人生って感じです。私の音楽のテーマが「受難」なんですけどほんとそれもその感じで。 Julia Shortreed 柔軟かと思った! 「受難」って……(笑)。 小林うてな ——3人の出会いは? ermhoi はじめてうーさん(小林うてな)を見たのは、<フジロック>のルーキー(ROOKIE A GO-GO)に出ていた時たまたま見ていたら大きな右腕の着ぐるみ、噂の「鬼の右腕」が出てきて、この人は一体……?って感じでした。しかも音楽もめちゃくちゃ良くて……なんか悔しくて。 小林うてな 当時は「いぇーい!!」みたいな感じの歌をがむしゃらにやったり、真面目にふざけるっていうコンセプトでした。最近は年をとってきてふざけることが、ちょっと怖くなってるかも。 ermhoi え、もっとふざけてほしい!(笑) それからうーさんがアルバムを出した直後ぐらいに同じイベントに出ることがあって。それこそ「鬼の右腕」を見た時は悔しかったけど、本当に好きだから、会った瞬間いきなりハグしちゃった。 小林うてな 今はすごくオープンマインドなんだけど、昔は内向きで話かけられても「うっす」みたいな態度取ってたみたいで……そんな感じじゃなかった…? ermhoi その時はフレンドリーだったよ。 小林うてな よかったわ~、よかった~。 Julia Shortreed うてなは第一印象からフレンドリーだったね。 小林うてな よかった~(笑)。 Julia Shortreed 私とうてなの出会いは、確かうてながDJするイベントに行った時。その時初めて会って喋って。その後仕事でリズミカルでエレクトロな楽曲制作を依頼されたことがあって、その時うてなに楽曲のアレンジをお願いしたことがあったんです。それから仲良くなって喋るようになった気がする。 次ページレーベル誕生の発端、そして3人で音楽を生み出すことの喜びとは? Copyright (C) Qetic Inc. All rights reserved.