<FUJI ROCK FESTIVAL ‘19>(以下、<フジロック>)の開催に先駆けて、現地で役立つ情報が満載の「FUJI ROCK ’19 by SoftBank 5G」と、会場に足を運ばなくても現地の雰囲気を楽しむことができる「FUJI ROCK’19 EXPerience by SoftBank 5G」という2つの画期的なアプリがリリースされたことはご存知だろうか?
7月26日(金)〜28日(日)に開催された<フジロック>のオアシスエリアにはその2種類を楽しめる特設ブース「5G VR STUDIO」が登場。第5世代移動通信システム(以下「5G」)をいち早く体験できるプレサービスが実施された。連日の悪天候に見舞われた今年の<フジロック>はYouTube配信を活用したり、状況確認のため現地でもあらゆるサービスを活用した人も多いのではないだろうか。今回はそんな過酷な状況をも快適にしてくれたSoftBankサービスより現地の「5G VR STUDIO」の様子をレポートする。
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エントランスゲートから、オアシスエリアに入ってすぐの場所に設置されたソフトバンクの特別ブース。待ち合わせ場所にも最適なオアシスエリアへの玄関口にあるこのブースにはなにやら楽しそうな仕掛けが。
まず目に飛び込んできたのは、ブース一面を全て使用して設置された巨大なスクリーンだ。このスクリーンには、GREEN STAGE、WHITE STAGE、RED MARQUEEに設置したカメラが撮影した会場の模様が、5Gネットワークを通して1~5分ごとに配信されている。この「5G LIVE CAM」の機能は「FUJI ROCK ’19 by SoftBank 5G」に採用されたものと同じもの。その模様を大画面で見ることができるため、より鮮明に分かりやすく各会場の混雑状況が確認できる。誰もがここで立ち止まり、これからどこに向かうかを勘案している様子だ。
巨大スクリーンのすぐ横に展開された「5G VR STUDIO」では、5Gネットワークを通してCGで再現したVR空間にアバターになって入場し、ライブ映像を視聴することができる体験型のブースが。VRヘッドセットを付けると、デジタルな質感で再現された<フジロック>の会場が目の前に。前方には、YouTube公式チャンネルのライブ映像が映し出される巨大なステージがお目見え。オアシスエリアにいながら、別ステージのライブパフォーマンスを体感できるというわけだ。なんだか不思議な感覚だが、これまでにない新体験がここに。
アバターは目線だけでなく手などの動きも連動していて、近くにいる人とコミュニケーションを取ることも簡単。また、<フジロック>期間中には、東京・六本木で開催されている「テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭り SUMMER STATION」でも同じVR体験ができるソフトバンクブースが登場していたため、そこでVR体験している人も同じVR空間を共有することができた。苗場と六本木という、およそ200km以上も離れていながら、同じ空間をシェアできるというなんとも近未来的な瞬間が体験できるのだ。
♬SoftBank music project | オンガクサイコー Music Video | DJ FUMIYA,BIGYUKI, 長岡亮介, ハトリミホ, MIYACHI, Naz
このVR空間では、<フジロック>のYouTube公式チャンネルで配信されたライブの他に、ソフトバンクが今年の<フジロック>用に用意したCMを視聴できる。このCMは、「音楽」を軸としたさまざまな企画を展開する「♬ SoftBank music project」の一環として制作されたもので、鮎川誠、Creepy Nuts、崎山蒼志、澤部佑(ハライチ)、Licaxxx、BiSHなど、<フジロック>に所縁の深い人々が多数登場。さらにCMに使用された楽曲「オンガクサイコー」は、DJ FUMIYA、BIGYUKI、長岡亮介、ハトリミホ、MIYACHI、Nazという6名の才能あふれるアーティストが集まり、セッションを通して制作された特別な一曲に。<フジロック>だからこそ実現できるこの豪華共演は興奮必至だ。
「5G VR STUDIO」では、VR体験をした方に先着でオリジナルグッズをプレゼントする企画も実施。「オンガクサイコー」のキャッチフレーズをデザインしたステッカーの他、POP、ROCK、CLUBをテーマにした3種類のオリジナルTシャツも数量限定で配布された。さまざまな著名なアーティストへのオマージュが詰まったデザインのお父さんTシャツを求めて、VR体験コーナーには朝から行列が。
このソフトバンクブースは、3日間を通して多くの方が来場し、これまでになかった新体験を楽しんでいたようだ。その展開と事前に公開された2つのアプリは、<フジロック>をより一層楽しむための必携アイテムになる予感が。来年以降の開催ではもしかすると、誰もがこの2つのアプリを活用しているかも……?
text&interview by 青山晃大
Rewrite by Qetic編集部
photo by Nozomu Toyoshima
昨年80周年を迎えたブランド・コロンビア(Columbia)より、多様化するこの時代にふさわしい新シューズ「SH/FT(シフト)」が発表された。都会と自然、それぞれの場面を自由にシフトするというコンセプトでデザインされた「SH/FT」。従来のハイキングシューズの「ゴツい」、「重い」というイメージを払拭し、ハイキングシューズの機能性とスニーカーのデザイン性のバランスをとり、様々な場面で活躍するというのが今作の特徴だ。日本ではブラックとベージュのメンズ2色、ローズウッドのウィメンズ1色に加え、蛍光色を施したアトモス限定カラーの計4色を取り扱う。コロンビア直営店とアトモス各店舗、公式オンラインストアにて手に入れることが可能だ。なおアトモス限定カラーは数量限定なのでお急ぎを。
また、これに際してニューヨークの<1 Hotel Brooklyn Bridge(ワンホテル・ブルックリン・ブリッジ)>にて新作「SH/FT」の発表会が行われた。今作のコンセプトにも沿うニューヨークの摩天楼とイースト河が見渡せる絶好の場所で行われた今回のパーティー。新作の展示はもちろん、今作のアンバサダーとして招かれたゼッド(ZEDD)も出席し、コロンビア商品部役員のピーター・ルピーらによるパネルディスカッションも行われた。
<FUJI ROCK FESTIVAL 2019>の1日目、26日(金)WHITE STAGEに登場したTycho。苗場の天気は例年通り不規則に変化し、雨が降ったり止んだりを繰り返していたが、時間になると雨は止み、会場は完全な静寂に包まれていた。そして日が沈み始めた頃に彼らのライブは始まった。
今回のトピックは、最新作『Weather』に大きくフューチャーされているセイント・シナーことハンナ・コットレルがライブに参加していることだろう。エレクトロニック・サウンドを基調としながらも、バンドセットでライブを行ってきたTychoにとってそれは大きな進化であり、中心人物のスコット・ハンセンは常にその可能性を探ってきたという。
印象的なシンセサイザーのメロディーと気怠いベース、タイトなドラムにゆっくりと引き込まれていく“A Walk”で幕をあけると、冷気の立ち込んでいた空間には瞬く間に神秘的な景色が広がる。電子音楽とオーガニックサウンドが大自然の中で融合し、Tycho独特の温度感が会場を包みこむと、ボーカルのハンナの声がそこに感情を流し込んでいく。雨が降り続いていたこの日、ライブの最中だけは雨具を滑り落ちる水玉をどこか温かく感じることができた。
ライブ直前のスコットはとても落ち着いた様子で、インタビューに応えてくれた。
<FUJI ROCK FESTIVAL 2019>、3日目のRED MARQUEEの深夜帯<SUNDAY SESSION>に登場した音楽家/プロデューサー/DJ、ウィル・ホランド、またの名をQuantic。
ソロ名義では5年ぶりアルバム『Atlantic Oscillations』をリリース。世界各地のグルーヴを研究している彼の最新作はニューヨーク州のブルックリンにある彼の新たなレコーディング・スタジオ「Selva」にて制作され、レジデントで参加してる隔月開催のイベント<Good Room>でそのリアクションを反映しながら磨かれていった作品だ。Abletonでブループリントを描いた後に、ライブミュージシャンたちと録音できることに気づいたといい、エレクトロニック・サウンドとオーケストラを融合させてウィルらしい芸術性を反映させている。
<フジロック>のステージには、貴重なソロ・ライブ・セットで出演、90分間飽きることのないダンス・ミュージック・ジャーニーを魅せてくれたQuanticに、会場で出演直前インタビューを行った。
Nickodemus feat. The Illustrious Blacks - FUNK THAT [OFFICAL VIDEO]
Photo by Kazma Kobayashi
Text by Qetic・船津晃一朗
『Atlantic Oscillations』
RELEASE:2019.06.21
LABELS:Tru Thoughts
TRACKLISTING
01. Divergence
02. Incendium
03. September Blues
04. You Used To Love Me feat. Denitia
05. Atlantic Oscillations
06. Now Or Never feat. Alice Russell
07. Orquídea feat. Sly5thAve
08. Tierra Mama feat. Nidia Góngora
09. Motivic Retrograde
10. La Reflexión
11. Is It Your Intention
12. Atlantic Oscillations(Disco Dub)[Bonus Track for Japan(BRC-599)]
Quantic
ラテン・グルーヴを取り入れ空前の大ヒット作となったクァンティック・アンド・ヒズ・コンボ・バルバロ、ファンク&ソウルのクアンティック・ソウル・オーケストラといった代表的プロジェクトをはじめ、ジャズ、ダブ、エレクトロニックなど、様々な音楽ジャンルに取り組んでいる音楽家/プロデューサー/DJであるクァンティック。ソロ名義としては5年振りとなる最新アルバム『Atlantic Oscillations』では、コロンビア〜LA〜NYを経てきた彼自身の経験と、その旅の中で磨いた音楽の影響力を見事に融合させている。ニューヨークのブギーや70年代のフィラデルフィアのサウンドやさまざまな音楽体験を経てダンスフロアへと戻ってきたクァンティックは、いま新たな全盛期を迎えようとしている。10年前に『Tradition In Transition』と出会ったときのような新鮮な驚きを覚えるだろう。
ブルガリアン・ヴォイス(Bulgarian Voices)はその名前の通りに、ヨーロッパの国ブルガリアで歌われている民族音楽で、歌ものの合唱音楽だ。
このブルガリアン・ヴォイスを説明するのにとてもわかりやすい映画がある。それは今年、日本でも公開されたパヴェウ・パヴリコフスキ監督による映画『COLD WAR あの歌、2つの心』。ブルガリアではなく、東ヨーロッパの北側に位置するポーランドが舞台だが、そのストーリーは実に興味深く、ブルガリアン・ヴォイスと繋がっている。
ブルガリアン・ヴォイスを紹介したのはイギリスのレーベル〈4AD〉だ。スイスの音楽プロデューサーのマルセル・セリエが15年かけて集めたブルガリアの民族音楽を〈4AD〉に持ち込んだのがきっかけで、1986年に『Le Mystère des Voix Bulgares』(日本では、1987年に「ブルガリアン・ヴォイス/神秘の声」というタイトルでリリース)としてリリースされて、大ヒットした。とはいえ、1980年代にバウハウス(Bauhaus)、コクトー・ツインズ(Cocteau Twins)、デッド・カン・ダンス(Dead Can Dance)、ピクシーズ(Pixies)などなど、イギリス中心に、アメリカも含めロック系のバンドをリリースしていたレーベルがなぜ、ブルガリアの民族音楽をリリースしたのかと考えると不思議ではあるが、その双方の音楽を聴いてみればすんなり納得できる。
80年代の〈4AD〉を代表するアーティストたち
Bauhaus - In The Flat Field
1978年にイギリスのノーサンプトンのアートスクールの仲間によって結成。
デビューアルバムに収録されている楽曲。
改めて、これを聴いてみると、2000年代だったらシンガー・ソング・ライターのイモジェン・ヒープ(Imogen Heap)の“Hide And Seek”、2010年代だったらチャンス・ザ・ラッパー(Chance The Rappe)の“Summer Friends”だったり、フランク・オーシャン(Frank Ocean)の“Close to You”に聴かれるようなハーモナイザーで作ったデジタルなハーモニーの質感にも似ているように僕は感じた。ここにボン・イヴェール(Bon Iver)やカニエ・ウエスト(Kanye West)、ジェイムス・ブレイク(James Blake)といったヴォコーダーやハーモナイザーを駆使したシンガーやラッパーを加えてもいいかもしれない。
Imogen Heap - Hide And Seek(Official Video)
2007年グラミー・アワード新人賞にノミネートされているUK出身女性シンガー/ソングライター。
2005年に発売されたアルバム『Speak for Yourself』に収録されている楽曲。
アメリカ最大の音楽フェス<コーチェラ(Coachella Valley Music and Arts Festival)>に行く女子2人、「ようたー姉妹」が現地レポートを執筆しました!出発前の準備から、帰国するまでを体験記として展開させていただきます。
行ったことのない未知の海外フェス、女子ならではの気になる点、不安な点もいろいろあると思います。少しでもそういった方の今後の参考にしていただくべく、女子2人の目線で詳しくレポートしていきます!
今回の記事を作成するにあたり、Twitterでハッシュタグ「#ようたー姉妹のコーチェラレポート」を使用し、<コーチェラ>現地でたくさんのツイートを投稿しています!そちらでも、より現地の雰囲気を味わえるレポートを見られますので、ご興味のある方はぜひご覧になってみてください!
Twitterでのレポートはこちら
01 In nowhere...
92 Naked Mind
03 Gold
04 yeses(Speeding on Landscapes)
05 50 Century Song
06 Jesus Bach
07 Soothing Waltz
08 Ice Age Summer
09 I Go
10 Country Tears
11 WOWWOW
12 Indianwalk
グッドモーニングアメリカ
東京都八王子市出身のロックバンド。メンバーは、金廣真悟(Vo・G)、渡邊幸一(G・Cho)、たなしん(B・Cho)、ペギ(Dr・Cho)。2001年、「for better, for worse」として結成。2007年7月に現バンド名へ。2013年5月、アルバム『未来へのスパイラル』でメジャーデビュー。2015年11月、初の日本武道館公演を実施した。2010年よりコンピレーションアルバム『あっ、良い音楽ここにあります。』を主宰。2016年より主宰フェス「八王子天狗祭」を開催。
ハーレーダビッドソン ジャパンが掲げる「SEEK for SOUL=新たな自由を切り拓く」のメッセージを軸に、様々な取り組みが展開されているコラボプロジェクト<SEEK for SOUL>。これまでSANABAGUN.やAttractions等、数々のアーティストとコラボを行ってきた本プロジェクトを今回タッグを組むのは、シンガーソングライター/ギタリストのReiだ。
Reiが作詞・作曲を手掛けるコラボ・ソングのタイトルは「Territory Blues(テリトリー・ブルーズ)」。このプロジェクトの背景をイメージして作られた楽曲は、疾走感あるギターリフとソウルフルでReiらしい力強いボーカルが印象的で、歌詞にはハーレーを象徴するワードが各所に散りばめられている。“Territory Blues”はユニバーサルミュージックより配信となり、キャンペーンサイトでは同時にMVも公開された。
DATS
トラックメイクを手掛けるMONJOE(Vo./Syn.)を中心に2013年結成されたロックバンド。結成翌年には「出れんの!?サマソニ」にてクリマン賞を受賞。2015年には2度目の<サマーソニック>に出演を果たし、デビューEP『DIVE』をリリース。2017年には、砂原良徳氏をマスタリング・エンジニアに迎えたデビュー・アルバム『Application』を発表。その直後に開催された<FUJI ROCK FESTIVAL>をはじめ、次々と国内の大型フェスに出演し、その圧倒的なパフォーマンスが各方面より高く評価される。2018年6月、SMEレコーズより、本編の全曲リミックスを付属したダブルアルバム『Digital Analog Translation System』でメジャーデビュー。2019年5月にメジャー第2弾となるEP『オドラサレテル』をリリースする。
TV、ラジオ、雑誌など、あらゆるメディアがこぞって取り上げたクエンティン・タランティーノ監督最新作で、9作目の長編『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が8月30日に公開されました。その豪華キャストと細部まで映画愛溢れる映像、監督定番のストーリーは好評を得、現在も絶賛ロードショー中です。
その内容の濃さに「2回目も観ちゃった!」というリピーターの方も多いはず。Qeticでコラムを連載中のレイチェルさんもその一人。昨年の<爆音映画祭>で『デス・プルーフ in グラインドハウス』の感想を書いていただいたように、生粋のタランティーノファンでもある彼女は、公開初日の朝に劇場へ向かい、翌週にまた観に行ったようです。
Twitterを見ていたところ「(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観て)大泣きした」とレイチェルさんのツイートを確認。昨年の『カメラを止めるな!』以降、コラムを更新していなかったレイチェルさんに早速連絡を取ってみると「コラムを書くのダルいから」という理由で呼びつけられ、編集部が到着したときには、すでにビールをぐびぐびと、杯を乾かしていました。
black midi
ブラック・ミディは、ジョーディ・グリープ(vo、g)、キャメロン・ピクトン(b、vo)、マット・ケルヴィン(vo、g)とモーガン・シンプソン(ds)の4人で構成され、メンバー全員が19歳か20歳で、アデルやエイミー・ワインハウス、キング・クルールらを輩出した英名門校ブリット・スクールで出会ったという。ゲリラライブを敢行するなど精力的にライブ活動を行い、常に変化するセットリストやその演奏力とオリジナリティー溢れる楽曲から、噂が噂を呼び早くも完売ライブを連発。結成されてからわずか約1年であることから未だに謎が多いが、今最もアツい新生バンドという評判を早々に確立した。最近では、米SXSWや北米各地でライブを行い、SXSWでは最も目立ったアクトとしてその名が挙がったほか、初のNYでの2公演も完売させた。米音楽メディアPitchforkは“不気味なほど正確でストイック”と評し絶賛している。
the chef cooks me(以下、シェフ)が少し前より実質メンバーが下村亮介1人になっていることは知っていた。
そして近年、断片的に届けられていた主にDAWを駆使し制作された楽曲群を聴くにつけ、全てのエクイップメントを自身で担う「the chef cooks me=下村亮介ソロ」の世界を歩んでいくのであろうと勝手に予想していた。
そんな中、シェフから実に6年ぶりとなるニュー・アルバム『Feeling』が届けられた。きっと自身一人で作り上げられた下村亮介独自のワールドが繰り広げられた楽曲群なのだろう……と、予想しスタートボタンをプッシュ。
クレジットに目を通した。そして驚いた。
耳にした作品印象からも、目を通した参加アーティストのクレジットからも、予想していたソロ作品の趣きがなかったからだ。DAWを用いて、完璧な箱庭ポップスを作りあげるとの自身の予想に反して、ゲストやコラボも含め多くのミュージシャンたちと、ほぼ全体的に生楽器を用いて作り上げた今作。
かなりフレキシブルかつ参加アーティスト各位がノビノビとプレイし、その特性が注ぎ込まれた、極めて「the chef cooks me =下村亮介= プロデューサー気質」な作品に仕上がっている。逆に下村亮介当人は自身の得意楽器以外の演奏面をあえて他のミュージシャンに委ね、従来のシェフ同様バンドマジックや化学変化にも期待し制作されたと思しき制作方法も興味深い。
そんな下村亮介をキャッチ。今作への経緯や作品のメカニズムを解いてもらった。
the chef cooks me
下村亮介(Vocal, Keyboards, Programming, Songwriting, etc...)
2003年結成。ASIAN KUNG-FU GENERATION、Gotch(後藤正文)、チャットモンチーなどのサポートメンバーとしても活躍するシモリョーこと下村亮介によるバンド。
幾度かのメンバーチェンジを経て、管楽器/コーラス/鍵盤などサポートメンバーを迎えた10人編成のポ リフォニックなバンド・サウンドとなり2013年9月、後藤正文プロデュースのもとonly in dreamsより3rdアルバム『回転体』をリリース。各方面から大きな反響を得、金字塔を打ち立てたと絶賛された『回転体』はロングセラーを記録。アルバムをひっさげて約5年ぶりの全国ツアー<回転体展開 tour2014>を実施し、ファイナルは東京キネマ倶楽部公演でファンの大歓声の中、幕を下ろした。
その後もRECORD STORE DAY2014での7inchEP『ハローアンセム』のリリースや、各地の夏フェスにも出演、更なる編成変更をしながら常に前に進み続ける。2016年4月には待望の『回転体』をアナログレコードでリリースし、<Return to the Focus Tour 2016>を東名阪で開催。東京は初のホール Mt.RAINIER HALLでの1日2公演を実施。 同年10月には “間違いなく自分の中で新しい扉が開いた” (シモリョー)という新曲「最新世界心心相印」を含むTurntable Filmsとのスプリットシングル『Tidings One』をリリース。
2018年2月には新曲「Now’s the time」を配信限定でリリース。クールなサウンドに心を打つメッセージがのせられたシェフのニューアンセムは、来るべきアルバムへの期待感を感じさせる作品となった。
10月2日に前作『回転体』から約6年振りとなる待望のオリジナルアルバム『Feeling』をKioon Musicよりリリース。